JIS Z 9003:1979 計量規準型一回抜取検査(標準偏差既知でロットの平均値を保証する場合及び標準偏差既知でロットの不良率を保証する場合)

JIS Z 9003:1979 規格概要

この規格 Z9003は、標準偏差既知でロットの平均値を保証する場合及び標準偏差既知でロットの不良率を保証する場合の計量規準型一回抜取検査方式の決め方及び実施の方法について規定。

JISZ9003 規格全文情報

規格番号
JIS Z9003 
規格名称
計量規準型一回抜取検査(標準偏差既知でロットの平均値を保証する場合及び標準偏差既知でロットの不良率を保証する場合)
規格名称英語訳
Single sampling inspection plans having desired operation characteristics by variables (standard deviation known)
制定年月日
1954年1月30日
最新改正日
2019年10月21日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

03.120.30
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1954-01-30 制定日, 1957-01-30 改正日, 1959-09-01 確認日, 1962-09-01 確認日, 1965-08-01 確認日, 1968-08-01 確認日, 1971-05-01 確認日, 1975-11-01 確認日, 1979-05-01 改正日, 1984-07-01 確認日, 1989-02-01 確認日, 1994-02-01 確認日, 2000-01-20 確認日, 2005-03-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
ページ
JIS Z 9003:1979 PDF [41]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 9003-1979
計量規準型一回抜取検査
標準偏差既知でロットの平均値を保証する場合及び
標準偏差既知でロットの不良率を保証する場合

Single Sampling Inspection Plans having Desired Operation Characteristics by Variables (Standard Deviation Known)

1. 適用範囲 この規格は,標準偏差既知でロットの平均値を保証する場合及び標準偏差既知でロットの
不良率を保証する場合の計量規準型一回抜取検査方式の決め方及び実施の方法について規定する。
備考1. 標準偏差既知でロットの平均値を保証する場合及び標準偏差既知でロットの不良率を保証する場合の
計量規準型一回抜取検査とは,ロットの品質をロットの平均値又は不良率で表した場合に生産者及び消
費者の要求する検査特性をもつように設計した抜取検査であって,一回に抜き取った試料の特性値の平
均値に対し既知の標準偏差を使って計算した合格判定値を比較することによって,ロットの合格・不合
格を判定するものである。
この検査の適用に当たっては
(1) 検査単位の品質は,計量値で表し得ること。
(2) 製品がロットとして処理できること。
(3) ロットの特性値の標準偏差がわかっていることが必要である。
(4) 不良率による場合は,特性値が正規分布をしているものとして取り扱われており,不良率をある
限度内に保証するものであるから,合格ロットの中にもある程度の不良品の混入は避けられない。
2. この規格の中で [{}] を付けて示してある単位及び数値は,国際単位系 (SI) によるものであって,参
考として併記したものである。
2. 用語及び記号
2.1 用語 この規格で用いる用語の意味は次による。
なお,他の用語については,JIS Z 8101(品質管理用語)の2.(4)を参照。
検査単位 : 検査の目的のために選ぶ単位体又は単位量
検査ロット : 検査の対象となるひとまとめの検査単位の集まり(以下,単にロットとい
う。)
ロットの大きさ N : ロットに含まれる単位体,又は単位量の数
ロットの平均値 m : ロットの検査単位の特性値xの平均値
x1 x2 x3 xN
m
N
引用規格 : JIS Z 8101 品質管理用語
JIS Z 9004 計量規準型一回抜取検査(標準偏差未知で上限又は下限規格値のみ規定した場合
(抜取検査その4)
JIS Z 9031 ランダム抜取方法関連規格
関連規格 : JIS Z 9001 抜取検査通則(抜取検査その1)

――――― [JIS Z 9003 pdf 1] ―――――

2
Z 9003-1979
ロットの標準偏差 : ロットの検査単位の特性値xの標準偏差
2 2 3 2
x1 x2 x3 xN
m2
N
不良品 : 規格に合致しない品物,すなわち特性値が上限規格値SUを超えるもの,又
は下限規格値SLに満たないもの。
ロットの不良率 p (%) : p % ロットの中の不良品の数
100
N
試料 : ロットから抜き取られる検査単位の集まり
試料の大きさ n : 試料中の検査単位の数
試料の平均値 x : 試料の検査単位の特性値xの平均値
x1 x2 x3 xn
x
n
平方和 S : 試料の特性値と試料の平均値との差の平方和
2 2 2
S x1 x x2 x x3 x xn x
2
2 2 2 2 x1 x2 x3 xn
x1 x2 x3 xn
n
不偏分散 V : 平方和をその自由度で割ったもの。すなわち
V
1
V
不偏分数の平均値 V : 試料の大きさnが一定の場合はロットの組数l個のVの平均値はV ,
l
nが一定でない場合はV S
n
ここに S : 各ロットごとの試料の平方和
抜取検査方式 : ロットの合格・不合格をきめる試料の大きさと合格判定値を規定したもの。
合格判定値 : 計量抜取検査で合格の判定を下す限界値
合格判定値以下を合格とする場合は,その値を上限合格判定値 (XU) とい
い,合格判定値以上を合格とする場合は,その値を下限合格判定値 (XL)
という。
2.2 記号 この規格で用いる記号は次による(図1,図2参照)。
x : 検査単位の特性値
N : ロットの大きさ
ロットの標準偏差
m : ロットの平均値
m0 : なるべく合格させたいロットの平均値の限界
m1 : なるべく不合格としたいロットの平均値の限界
L (m) : 平均値mのロットが合格する確率
p : ロットの不良率 (%)
p0 : なるべく合格させたいロットの不良率の上限
p1 : なるべく不合格としたいロットの不良率の下限
L (p) : 不良率pのロットが合格する確率

――――― [JIS Z 9003 pdf 2] ―――――

                                                                                              3
愀 生産者危険(平均値m0又は不良率p0のロットが不合格となる確率)
戀 消費者危険(平均値m1又は不良率p1のロットが合格となる確率)
n : 試料の大きさ
x : 試料の平均値
SU : 上限規格値
SL : 下限規格値
XU : 上限合格判定値
XL : 下限合格判定値
G0 : ロットの平均値を保証する場合に合格判定値を求めるための係数
k : ロットの不良率を保証する場合に合格判定値を求めるための係数
Kp : 標準正規分布の上側確率p%の点
K 愀 標準正規分布の上側確率
K 戀 標準正規分布の上側確率 戰
S : 平方和
V : 不偏分散
V : 不偏分散の平均値

――――― [JIS Z 9003 pdf 3] ―――――

4
図1 ロットにおけるxとxの分布(平均値を保証する場合)

――――― [JIS Z 9003 pdf 4] ―――――

                                                                                              5
図2 ロットにおけるxとxの分布(不良率を保証する場合)
3. 種類 この規格に規定する抜取検査には,次の2種類がある。
(1) ロットの平均値を保証する場合 ロットの平均値が好ましい値であればなるべく合格させ,好ましく
ない値であればなるべく不合格とさせるという要求を満足させたい場合に使う。この場合には5.の規
定により実施する。
(2) ロットの不良率を保証する場合 検査単位の特性値に対して規格値(上限規格値・下限規格値)が与
えられた場合には,ロットの品質を不良率で表すことができる。不良率の低いロットはなるべく合格
させ,不良率の高いロットはなるべく不合格とさせるという要求を満足させたい場合に使う。この場
合には6.の規定により実施する。
(1) (2)いずれの場合も,抜取検査を実施する以前に標準偏差は,あらかじめわかっていなければならない
(1)。
注(1) 標準偏差があらかじめわかっていない場合の抜取検査としてはJIS Z 9004〔計量規準型一回抜取検査(標
準偏差未知で上限又は下限規格値のみ規定した場合)(抜取検査その4)〕がある。

――――― [JIS Z 9003 pdf 5] ―――――

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