JIS Z 9003:1979 計量規準型一回抜取検査(標準偏差既知でロットの平均値を保証する場合及び標準偏差既知でロットの不良率を保証する場合) | ページ 3

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つきが安定していたと判定する。
(4) ロット内のばらつきが安定していれば,
定値=V
を標準偏差 地 定する。
(5) 引き続きこの抜取検査方式を使う場合は,ロットの標準偏差が指定した値とはなはだしい差異がない
ことを(3)の手順を準用して確かめなければならない。
n1
表1 F (0.01) の値(4)
n−1 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 12 15 20 24 30 40 60 120
n1 (0.01)
6.63 4.61 3.78 3.32 3.02 2.80 2.64 2.51 2.41 2.32 2.18 2.04 1.88 1.79 1.70 1.59 1.47 1.32
F
n1
注(3) ここではロット内のばらつきが安定しているかどうかを F
(0.01) を用い,危険率1%で調べているが,当事
者間の協定によって更に小さい危険率を使ってもよい。
(4) 求めるn-1の値が表にない場合はFはn−1の逆数に比例して変化するものとしてFの値を補間して求める。
例 : n−1=18に対するFの値を求めるには
1 1
18 15 18
F .001 .204 .204 .188 .193
1 1
15 20
(6) 長期にわたって連続してこの抜取検査方式を使う場合は,最近の20ロット以上の検査データから
推定値を求め, 鉦 新する。
6.5 試料の大きさと合格判定値の求め方 6.2で指定したp0,p1から試料の大きさと合格判定値を求める
には,上限規格値SUが与えられた場合には(1)により,下限規格値SLが与えられた場合には(2)による。
なお,上限規格値SU及び下限規格値SLが与えられた場合は上限規格値の側,下限規格値の側のそれぞ
れについて(1)又は(2)を準用することができるが,詳細は参考6に示す。
この規格では表によって求める手順を示す。
なお,図によって求めることもできる(参考4参照)。
(1) 試料の大きさnと上限合格判定値XUとを求める場合は,次による(図5参照)。

――――― [JIS Z 9003 pdf 11] ―――――

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図5 上限規格値が与えられた場合
(a) 付表2を用い,指定されたp0を含む行と,指定されたp1を含む列との交わる欄を求める。
(b) 欄の中の左下の数値(太字)を試料の大きさnとし,右上の数字(細字)を合格判定値を計算する
ための係数kとする。
(c) 上限合格判定値XU=SU−k 算する。
(d) (b)で求めたn,kについてOC曲線(付図1)を調べ,検査費用などを検討した結果,その値が適当
ならばそのまま採用し,不適当と認めたときはp0,p1の値を修正して,nとXUを求めなおす。
例 : 上限規格値が与えられた場合の抜取検査方式の求め方
金属板の硬さの上限規格値がロックウェル硬さ68以下と規定されたとき,ロックウェル硬さ68を超える
ものが0.5%以下のロットは通し,それが4%以上のロットは通さないようなnとXUとを求める。この場合,
ロットの標準偏差は 3とする。懿 0.05,拿 0.10として抜取検査方式を求めるには
(a) 0=0.5% p1=4%
付表2のp0=0.5%を含む行〔0.4510.560 (%)〕とp1=4%を含む列〔3.564.50 (%)〕との交わる欄
を求める。
(b) この欄からn=13,k=2.11を読みとる。
試料の大きさn=13とする。
(c) 上限合格判定値XU=SU−k 68−2.11×3=61.67
(d) 付図1のOC曲線,参考付図2計量一回抜取検査設計図などにより検査特性を調べた結果満足であり,
また試料の大きさも経済的に見て大きすぎるほどではないので,この方式を採用することにした。

――――― [JIS Z 9003 pdf 12] ―――――

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(2) 試料の大きさnと下限合格判定値XLとを求める場合は,次による(図6参照)。
図6 下限規格値が与えられた場合
(a) 付表2を用い,指定されたp0を含む行と指定されたp1を含む列との交わる欄を求める。
(b) その欄の中の左下の数値(太字)を試料の大きさnとし,右上の数値(細字)を合格判定値を計算
する係数kとする。
(c) 下限合格判定値XL=SL+k 算する。
(d) (b)で求めたn,kについてOC曲線(付図1)を調べ,検査費用などを検討した結果,必要があれば
p0,p1の値を修正してnとXLを求めなおす。
例 : 下限規格値が与えられた場合の抜取検査方式の求め方
金属板の厚さの下限規格値が2.3mm以上と規定されたとき,厚さが2.3mmに満たないものが
1%以下のロットは通じ,それが9%以上もあるロットは通さないようなnとXLとを求める。た
だし,ロットの標準偏差は 0.2mmとする。 懿 0.05, 拿 0.10として抜取検査方式を求めるに

(a) 0=1% p1=9%
付表2のp0=1%を含む行〔0.9011.12 (%)〕とp1=9%を含む列〔7.119.00 (%)〕との交
わる欄を求める。
(b) この欄からn=10,k=1.81を読みとる。
試料の大きさn=10とする。
(c) 下限合格判定値XL=SL+k 2.3+1.81×0.2=2.66
(d) 付図1のOC曲線,参考付図2計量一回抜取検査設計図などにより検査特性を凋べた結果満
足であり,また試料の大きさも経済的に見て大きすぎるほどではないので,この方式を採用
することにした。
6.6 試料のとり方 検査ロットの中から6.5で決めた大きさnの試料をJIS Z 9031の3.によってランダ
ムに試料を抜き取る。

――――― [JIS Z 9003 pdf 13] ―――――

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6.7 試料の試験 大きさnの試料について6.1で定めた測定方法により特性値 定し,平均値xを求
める。
6.8 ロットの合否判定 ロットの合否判定は,次による。
(1) 上限規格値が与えられた場合
x≦XUならばロットを合格とし,
x>XUならばロットを不合格とする。
(2) 下限規格値が与えられた場合
x≧XLならばロットを合格とし,
x6.9 ロットの処置 合格又は不合格と判定されたロットはあらかじめ決めた約束にしたがって処置する。
どのような場合でも,不合格となったロットをそのままで再提出してはならない。
7. 抜取検査表 m0,m1からn,G0を求めるための表を付表1に示す。
またp0,p1からn,kを求めるための表を付表2に示す。
8. OC曲線及び検査設計図 n=3からn=50までのOC曲線を付図1に示す。
また,参考として平均値を保証する場合の抜取検査設計図を参考付図1,不良率を保証する場合の抜取
検査設計図を参考付図2に示す。

――――― [JIS Z 9003 pdf 14] ―――――

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付表1 m0,m1をもとにして試料の大きさnと,合格判定値を
計算するための係数G0を求める表
( 刀 刀
m1 m0 n G0
2.069以上 2 1.163
1.6902.068 3 0.950
1.4631.689 4 0.822
1.3091.462 5 0.736
1.1951.308 6 0.672
1.1061.194 7 0.622
1.0351.105 8 0.582
0.9751.034 9 0.548
0.9250.974 10 0.520
0.8820.924 11 0.496
0.8450.881 12 0.475
0.8120.844 13 0.456
0.7720.811 14 0.440
0.7560.771 15 0.425
0.7320.755 16 0.411
0.7100.731 17 0.399
0.6900.709 18 0.383
0.6710.689 19 0.377
0.6540.670 20 0.368
0.5850.653 25 0.329
0.5340.584 30 0.300
0.4950.533 35 0.278
0.4630.494 40 0.260
0.4360.462 45 0.245
0.4140.435 50 0.233

――――― [JIS Z 9003 pdf 15] ―――――

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