JIS Z 9290-1:2014 雷保護―第1部:一般原則 | ページ 11

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Z 9290-1 : 2014 (IEC 62305-1 : 2010)
a) 材料の加熱,溶融及び蒸発による,ギャップ電極の侵食
b) 放電の衝撃波による機械的な応力
これらの現象は,主な雷電流パラメータの複雑な結び付きに関連するので,これらの影響を別々に調査
するのは極めて困難である。
スパークギャップでは,実験室の試験は,最も危険な状態における固有の雷電流パラメータと可能な限
り厳密に同等であるように行わなければならない。すなわち,全ての雷電流の固有のパラメータを単独の
電気的応力によって実施しなければならない。
このときに,電流波高値,電荷量,電流継続時間,比エネルギー及びインパルス電流の立ち上がりしゅ
ん(峻)度の五つのパラメータを考慮しなければならない。
電流波高値は,衝撃波の強さを決定する。考慮する数値は,第1雷撃と関係する数値である。現行のデ
ータは,正極性の雷撃を考慮したものである。
電荷量は,アークのエネルギー注入を決定する。アークのエネルギーは,アークの接触部分で,電極の
一部を加熱し,溶融し,場合によって蒸発させる。考慮する数値は,雷放電全体に関係する数値である。
しかし,長時間雷電流の電荷量は,多くの場合,低圧系統(TN,TT又はIT)によって,無視できる。
雷電流の継続時間は,電極全体への熱伝導現象及び溶融部の拡大の程度を決定する。
雷電流の比エネルギーは,アークの自己磁界による収縮及び電極表面とアークとの間の接触面で発達す
る電極プラズマジェット(多量の溶融物質を噴出する可能性がある。)を決定する。現行のデータは,正極
性の雷撃を考慮したものである。
注記 電力系統に使用するスパークギャップでは,電源周波数の続流が重要なストレス要因となるの
で,続流電流を考慮することが望ましい。
D.6.3 金属酸化物バリスタをもつSPD
雷電流による金属酸化物SPDへのストレスは,過電流及びフラッシオーバの二つの主な項目に分ける。
これらの各項目は,異なる現象によって発生し,異なるパラメータによって決定する故障モードによって
特徴付ける。金属酸化物SPDの故障は,最も弱い特性に関係するので,ほかの致命的なストレスとの間の
相互作用が発生する可能性はない。そのために,各故障モードの条件下での状態の確認をするための個別
試験を実施することが可能である。
過負荷は,デバイスの耐量を超える通過エネルギーによって発生する。ここでの超過エネルギーは,雷
電流そのものと関連する。しかし,電源系統に設置するSPDでは,雷電流の停止直後に,デバイスへの流
入する電源系統からの続流が,デバイスの致命的な損傷となる可能性がある。金属酸化物SPDは,抵抗の
電流電圧特性の負の温度係数に関連した印加電圧の下で,熱的な不安定性によって致命的な損傷を負う。
金属酸化物SPDの過負荷試験では,電荷量を一つの主要なパラメータとして,考慮する。
金属酸化物バリスタ本体の残留(制限)電圧がほぼ一定なので,電荷量がバリスタ本体へのエネルギー
注入量を決定する。考慮する数値は,雷放電に関連する数値である。
フラッシオーバ及びひび割れは,雷電流の大きさがバリスタ本体の耐量を超えたときに発生する。この
故障モードは,通常,接続部分に沿った外部フラッシオーバによって明らかとなり,ときには,接続部分
に垂直なクラック又は孔を生じてバリスタ本体を貫通する。この故障は主に,バリスタ本体の接続部分の
誘電体の破壊に連動している。
この雷現象のシミュレーションのために,雷電流の最大値及び継続時間の二つの主なパラメータを考慮
することが望ましい。
雷電流の最大値は,対応する残留電圧レベルによって,バリスタ本体の縁部分の最大の絶縁強度を超え

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るかどうかを決定する。考慮する数値は,第1雷撃に関する数値である。現行のデータは,正極性の雷撃
を考慮したものである。
雷電流の継続時間は,バリスタの縁部分に印加する誘電ストレスの継続時間を決定する。
D.7 LPS構成部材の試験に採用する試験パラメータの要約
表D.1は,各LPS構成部材の機能の運用中の最も危険な側面を要約したもので,実験室の試験において
再現することが望ましい雷電流パラメータを示す。
表D.3に示す数値は,雷撃点での重要な雷電流パラメータに関連している。
試験の値は,D.3で検討した分流係数の電流配分を考慮して,計算することが望ましい。
試験中に使用するパラメータの数値は,D.3に規定した式で示すように,電流の分流に関連した低減係
数を適用し,表D.1に示すデータに基づいて計算できる。

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附属書E
(参考)
各設置場所における雷サージ
E.1 概要
導体,SPD及び器具の選定のために,特定の設置場所での雷サージによる脅威を決めることが望ましい。
雷サージは,(一部の)雷電流と設備への誘導とによって発生する。これらの雷サージによる脅威は,使用
する構成部材の耐性レベル(必要な場合は,適切な試験によって定める。)よりも低くなければならない。
E.2 建築物等への落雷による雷サージ(損傷の発生源 S1)
E.2.1 外部導電性部材及び建築物等へ接続したラインを通過する雷サージ
雷電流は,大地へ流れるとき,接地極システム,外部導電性部材及び引込線へ,直接又は接続したSPD
を介して分流する。
IF ke I (E.1)
ここに, I : 当該LPSのクラスに関係する雷電流
IF : 分流電流
ke : 分流係数
各外部導電性部材又は引込線に分流する部分雷電流を式(E.1)によって算出する場合,keは,次の項目に
関係し,式(E.2)及び式(E.3)によって算出できる。
− 並列経路の数
− 地中埋設部分に対しては等価接地インピーダンス,又は架空部分が地中へ接続する場合の架空部分
に対しては接地抵抗
− 接地システムの等価接地インピーダンス
a) 地中引込みの場合
Z
ke (E.2)
Z1
Z1 Z n1 n2
Z2
b) 架空引込みの場合
Z
ke (E.3)
Z2
Z2 Z n2 n1
Z1
ここに, Z : 接地システムの等価接地インピーダンス
Z1 : 外部部分又は地中配線(表E.1)の等価接地インピーダ
ンス
Z2 : 架空線を大地へ接続している接地設備の接地抵抗。接地
点の接地抵抗が不明の場合には,表E.1に示すZ1の値を
使用してよい(抵抗は接地点に関与する。)。
注記1 Z2の値は,上の式において各接地点に対して,
同等であるとみなす。そうでない場合には,よ
り複雑な式を必要とする。
n1 : 外部導電性部材又は地中配線の総数
n2 : 外部導電性部材又は架空配線の総数

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雷電流の半分が接地システムへ流れ込み,かつ,Z2=Z1と仮定すれば,外部導電性部材又はラインに対
するkeの値は,式(E.4)によって算出できる。
5.0
ke (E.4)
n1 n2
引込線(例えば電力線及び電話線)が,非シールド線又は金属管内に配線していない場合は,配線のn' 本
の各導体には雷電流が等しく分流する。
ke
ke ' (E.5)
n'
ここに, n' : 導体の総数
引込口に接続したシールド線については,供給するシールド線のn' 本の導体の各線に対する,分流係数
ke' の値は,式(E.6)となる。
ke Rs
ke ' (E.6)
n' Rs Rc
ここに, Rs : シールドの単位長当たりの抵抗値
Rc : 内部導体の単位長当たりの抵抗値
注記2 芯線とシールドとの間の相互インダクタンスに起因する雷電流の分流において,この式はシ
ールドの役割を過小評価する可能性がある。
表E.1−大地抵抗率に対応した等価接地インピーダンス値Z及びZ1
LPS b) のクラスに対応した等価接地インピーダンス
ρ Z1 a) Z
(Ωm) (Ω) (Ω)
I II III IV
100以下 8 4 4 4
200 11 6 6 6
500 16 10 10 10
1 000 22 10 15 20
2 000 28 10 15 40
3 000 35 10 15 60
注記 この表で示す値は,10/350 sのインパルス波形条件(10/350 μs)による埋設導体1本の等価接地イン
ピーダンスである。
注a) 値は,長さ100 mを超える外部部品に対するものである。500 Ωmを超える高い抵抗率の土中にある
長さ100 m以下の外部部品に対し,Z1の値は,2倍となる。
b) 接地極システムは,JIS Z 9290-3の5.4に従う。
E.2.2 電源線における雷電流の分流に影響する要因
詳細な計算において,次に示す要因が雷サージの大きさ及び波形に影響を与える。
a) ケーブル長は,インダクタンス/抵抗(L/R)比によって,電流分流及び電流波形の特性に影響する
可能性がある。
b) 中性線と相導体とのインピーダンスの相違は,配線導体間の電流配分に影響する可能性がある。
注記1 例えば,中性線(N)が多点接地である場合,L1,L2及びL3と比較し,より小さいイン
ピーダンスであるN導体を通過する分流は50 %となる。残りの50 %の電流は,3本の配
線に17 %ずつ分流する。N,L1,L2及びL3が同じインピーダンスである場合には,各導

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体にはおおよそ25 %の電流が流れる。
c) 変圧器の巻線のインピーダンスが異なると電流配分に影響する(変圧器がSPDによってそのインピー
ダンスをバイパスしている場合は,この影響は無視してよい。)。
d) 変圧器の等価接地抵抗と負荷側の定格接地抵抗との関係は,電流配分に影響し得る(変圧器のインピ
ーダンスが低ければ低いほど,低圧配電系統に流れ込む雷サージ電流はより多くなる。)。
e) 並列した需要家が増えると,低圧配電系統の有効なインピーダンスが減少し,落雷時には,低圧配電
系統に流れ込む雷電流が増加する。
注記2 詳細は,JIS Z 9290-4の附属書Dを参照する。
E.3 建築物等に接続したラインに関係する雷サージ
E.3.1 ラインへの落雷による雷サージ(損傷の発生源 S3)
接続したラインへの直撃雷に対して,ラインの両方向への分流及び負荷機器の絶縁破壊を考慮すること
が望ましい。
Iimp値の選定は,Iimpの推奨値が雷保護レベル(LPL)に対応して適切であるところでは,低圧配電系統
では表E.2及び表E.3に示す値,通信系統では表E.3に示す値に基づくことができる。
表E.2−落雷による低圧配電系統への想定する雷サージ電流
低圧配電系統
ラインへの落雷又は近傍雷 建築物等への近傍雷a) 建築物等への落雷a)
損傷の発生源S3 損傷の発生源 損傷の発生源 損傷の発生源
LPL
(落雷)b) S4(近傍雷)c) S2(近傍雷) S1(落雷)
(クラス)
波形 : 10/350 μs 波形 : 8/20 s (誘導電流) (誘導電流)
波形 : 8/20 s d) 波形 : 8/20 s d)
(kA) (kA) (kA) (kA)
III・IV 5 2.5 0.1 5
II 7.5 3.75 0.15 7.5
I 10 5 0.2 10
注記 全ての値は,各相導体に対するものである。
注a) ループ導体の配置及び誘導電流からの距離は,予想する雷サージの値に影響を及ぼす。
表E.2の値は,大規模建築物等内の各種の配置(幅5 m,ループ面積約50 m2)で,壁から1 m離れ,非遮
蔽の建築物等又はLPSを設置したビル(kc=0.5)の内側の,非遮蔽の短絡回路のループ導体に対するもので
ある。他のループ及び建築物等の特性及び値は,係数KS1,KS2,KS3(IEC 62305-2:2010のB.4参照)を掛け
合わせることが望ましい。
b) 値は,需要家及び多数導体(3相+中性線)と近接した最終の電柱への落雷の場合に対するものである。
c) 値は,架空線に対するものである。埋設線の値については,半減できる。
d) ループのインダクタンス及び抵抗は,誘導電流の波形に影響する。ループの抵抗を無視する場合,10/350 μs
の波形と仮定するのが望ましい。このような場合は,スイッチングタイプのSPDが誘導回路に取り付けてい
る場合である。

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JIS Z 9290-1:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62305-1:2010(IDT)

JIS Z 9290-1:2014の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 9290-1:2014の関連規格と引用規格一覧