JIS Z 9290-3:2019 雷保護―第3部:建築物等への物的損傷及び人命の危険

JIS Z 9290-3:2019 規格概要

この規格 Z9290-3は、雷保護システム(LPS)によって建築物等を物的損傷から保護し,かつ,LPS近傍における接触電圧及び歩幅電圧による人命などへの危険から保護するための要求事項について規定(JIS Z 9290-1参照)。

JISZ9290-3 規格全文情報

規格番号
JIS Z9290-3 
規格名称
雷保護―第3部 : 建築物等への物的損傷及び人命の危険
規格名称英語訳
Protection against lightning -- Part 3:Physical damage to structures and life hazard
制定年月日
2014年12月25日
最新改正日
2019年6月28日
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対応国際規格

ISO

IEC 62305-3:2010(MOD)
国際規格分類

ICS

29.020, 91.120.40
主務大臣
国土交通
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2014-12-25 制定日, 2019-06-28 改正
ページ
JIS Z 9290-3:2019 PDF [137]
                                                                                  Z 9290-3 : 2019

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[2]
  •  2 引用規格・・・・[2]
  •  3 用語及び定義・・・・[3]
  •  4 雷保護システム(LPS)・・・・[7]
  •  4.1 LPSのクラス及び選定・・・・[7]
  •  4.2 LPSの設計・・・・[8]
  •  4.3 鉄筋コンクリート造の建築物等における鋼材の連続性・・・・[8]
  •  5 外部雷保護システム・・・・[9]
  •  5.1 一般事項・・・・[9]
  •  5.2 受雷部システム・・・・[10]
  •  5.3 引下げ導線システム・・・・[16]
  •  5.4 接地極システム・・・・[18]
  •  5.5 構成部材・・・・[20]
  •  5.6 材料及び寸法・・・・[22]
  •  6 内部雷保護システム・・・・[23]
  •  6.1 一般事項・・・・[23]
  •  6.2 雷等電位ボンディング・・・・[24]
  •  6.3 外部雷保護システムの絶縁・・・・[26]
  •  7 LPSの保守及び点検・・・・[28]
  •  7.1 一般事項・・・・[28]
  •  7.2 点検内容・・・・[28]
  •  7.3 点検時期及び項目・・・・[28]
  •  7.4 保守・・・・[29]
  •  8 接触電圧及び歩幅電圧による生物への傷害に対する保護対策・・・・[29]
  •  8.1 接触電圧に対する保護対策・・・・[29]
  •  8.2 歩幅電圧に対する保護対策・・・・[29]
  •  附属書A(規定)受雷部システムの配置・・・・[30]
  •  附属書B(規定)危険な火花放電を回避するための引込ケーブルの遮蔽体の最小断面積・・・・[36]
  •  附属書C(参考)部分雷電流に関わる係数kcの算出・・・・[37]
  •  附属書D(参考)雷保護システムの設計,施工,保守及び点検に関する指針・・・・[43]
  •  附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[125]
  •  附属書JB(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表・・・・[130]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS Z 9290-3 pdf 1] ―――――

Z 9290-3 : 2019

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人電気
設備学会(IEIEJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改
正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)であ
る。これによって,JIS Z 9290-3:2014は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS Z 9290の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS Z 9290-1 第1部 : 一般原則
JIS Z 9290-3 第3部 : 建築物等への物的損傷及び人命の危険
JIS Z 9290-4 第4部 : 建築物等内の電気及び電子システム

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                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 9290-3 : 2019

雷保護−第3部 : 建築物等への物的損傷及び人命の危険

Protection against lightning- Part 3: Physical damage to structures and life hazard

序文

  この規格は,2010年に第2版として発行されたIEC 62305-3を基に,技術的内容を一部変更した日本工
業規格(JIS Z 9290-3:2014)として制定したが,更に国内の実情を鑑み,技術的内容を改正したものであ
る。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。また,技術上重要な改正に関する新旧対照表を附
属書JBに示す。
この規格は,建築物等の内部及び周辺における物的損傷並びに接触電圧及び歩幅電圧による生物(人間
及び家畜類)への傷害に対する雷保護に関して規定する。
建築物等の物的損傷に対する雷保護の最も効果的な対策は,雷保護システム(LPS)である。このLPS
は,一般に,外部雷保護システム(外部LPS)及び内部雷保護システム(内部LPS)の両者で構成してい
る。
外部LPS(3.2参照)は,次のことを目的としている。
a) 建築物等への落雷の捕捉(受雷部システムを使用)
b) 雷電流を安全に接地極に導く(引下げ導線システムを使用)
c) 雷電流を大地に放流する(接地極システムを使用)
内部LPS(3.5参照)は,外部LPSの部材と建築物等内部の導電性部材との間の雷等電位ボンディング
又は離隔距離の確保(すなわち,電気的絶縁)によって,建築物等内部の危険な火花放電を防止する。
接触電圧及び歩幅電圧による生物への傷害に対する主な雷保護対策の目的を,次に示す。
1) 露出した導電性部材の絶縁及び/又は地表面の高大地抵抗率化によって,身体に流れる危険な電流
を低減する。
2) 物理的制限及び/又は警告表示によって,危険な接触電圧及び歩幅電圧の発生を低減する。
LPSの種類及び配置は,新築の建築物等の設計初期段階で考慮することが望ましい。これによって,建
築物等の導電性部分をLPSの部材として最大限に活用できる。それらを実施することで,統合した設備の
設計及び建設がより容易となり,全体的な美観の改善も可能となる。さらに,最小のコスト及び作業でLPS
の効果を向上することができる。
雷電流を大地へ放流する効果的な接地極システムを形成するため,建築物基礎の鉄筋構造を適切に利用
するには,建設が開始してからでは不可能である。したがって,大地抵抗率及び土壌の特性は,できる限
り建設計画の初期段階で考慮することが望ましい。これは,接地極システムの設計の基本であり,建築物

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2
Z 9290-3 : 2019
等の基礎の設計作業に影響することがある。
最低のコストで最良の成果を得るために雷保護設計者と雷保護施工者との間,建築設計者及び建設業者
との間の定期的な協議が必要である。
既存の建築物等にLPSを追加する場合,この規格に従って常に努力することが望ましい。LPSの種類及
び配置の設計は,既存の建築物等の特徴を考慮することが望ましい。

1 適用範囲

  この規格は,雷保護システム(LPS)によって建築物等を物的損傷から保護し,かつ,LPS近傍におけ
る接触電圧及び歩幅電圧による人命などへの危険から保護するための要求事項について規定する(JIS Z
9290-1参照)。
この規格は,次の項目に適用できる。
a) 建築物等に適用するLPSの設計,施工,点検及び保守(建築物等の高さによらない。)
b) 接触電圧及び歩幅電圧による生物への傷害に対する雷保護の確立
次の建築物等及び設備などは,この規格の適用範囲外とする。
c) 鉄道システム
d) 建築物等の外部に設ける送電システム,配電システム及び発電システム(建築物等に付帯するものを
除く。)
e) 建築物等の外部に設ける通信システム(建築物等に付帯するものを除く。)
f) 車両,船舶,航空機及び沖合設備
注記1 この規格は,過渡過電圧による電気システム及び電子システムの故障を保護することを意図
したものではない。このような特別な要求事項は,JIS Z 9290-4に規定する。
注記2 風力発電の雷保護は,JIS C 1400-24に規定する。
注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 62305-3:2010,Protection against lightning−Part 3: Physical damage to structures and life
hazard(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 5381-11 低圧サージ防護デバイス−第11部 : 低圧配電システムに接続する低圧サージ防護デバ
イスの要求性能及び試験方法
注記 対応国際規格 : IEC 61643-11,Low-voltage surge protective devices−Part 11: Surge protective
devices connected to low-voltage power systems−Requirements and test methods(IDT)
JIS C 5381-21 低圧サージ防護デバイス−第21部 : 通信及び信号回線に接続するサージ防護デバイス
(SPD)の要求性能及び試験方法
注記 対応国際規格 : IEC 61643-21,Low voltage surge protective devices−Part 21: Surge protective
devices connected to telecommunications and signalling networks−Performance requirements and
testing methods(IDT)

――――― [JIS Z 9290-3 pdf 4] ―――――

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Z 9290-3 : 2019
JIS Z 9290-1 雷保護−第1部 : 一般原則
注記 対応国際規格 : IEC 62305-1,Protection against lightning−Part 1: General principles(IDT)
JIS Z 9290-4 雷保護−第4部 : 建築物等内の電気及び電子システム
注記 対応国際規格 : IEC 62305-4:2010,Protection against lightning−Part 4: Electrical and electronic
systems within structures(IDT)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
雷保護システム,LPS(lightning protection system)
建築物等への落雷による物的損傷及び生物への傷害を低減するために使用するシステム全体(JIS Z
9290-1参照)。
注記1 外部雷保護システム及び内部雷保護システムの両方で構成される。
注記2 これは,雷保護(LP)の総合的システムの一部である。
3.2
外部雷保護システム(external lightning protection system)
LPSの一部で,受雷部システム,引下げ導線システム及び接地極システムで構成されるシステム(JIS Z
9290-1参照)。
3.3
被保護建築物等から分離した外部LPS(external LPS isolated from the structure to be protected)
受雷部システム,引下げ導線システムなどの雷電流経路を被保護建築物等と接触しないように分離配置
した外部LPS。
注記 分離したLPSでは,LPSと被保護建築物等との間の危険な火花放電を防止する。
3.4
被保護建築物等から分離しない外部LPS(external LPS not isolated from the structure to be protected)
受雷部システム,引下げ導線システムなどの雷電流経路を被保護建築物等と分離せずに配置した外部
LPS。
3.5
内部雷保護システム(internal lightning protection system)
LPSの一部で,雷等電位ボンディング及び/又は外部LPSとの電気的絶縁で構成されるシステム(JIS Z
9290-1参照)。
3.6
受雷部システム(air-termination system)
外部LPSの一部で,落雷を捕捉するための,突針,メッシュ導体又は水平導体のような金属部材で構成
されるシステム(JIS Z 9290-1参照)。
3.7
引下げ導線システム(down-conductor system)
外部LPSの一部で,落雷電流を受雷部システムから接地極システムへ導くことを目的としたシステム
(JIS Z 9290-1参照)。

――――― [JIS Z 9290-3 pdf 5] ―――――

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JIS Z 9290-3:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62305-3:2010(MOD)

JIS Z 9290-3:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 9290-3:2019の関連規格と引用規格一覧