JIS A 1481-2:2016 建材製品中のアスベスト含有率測定方法―第2部:試料採取及びアスベスト含有の有無を判定するための定性分析方法 | ページ 2

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試料の採取
(試料形状 : 吹付け材,成形板,プラスチック材など)
(箇条5参照)
試料の移送及び保管
(5.2参照)
一次分析試料の作製方法
(箇条6参照)
二次分析試料によるX線回折分析方法 一次分析試料による位相差・分散顕微鏡
による定性分析方法 による定性分析方法
(箇条7参照) (箇条8参照)
吹付けバーミキュライト[図1 b) 参照]
(箇条9参照)
アスベスト含有の有無の判定方法
(箇条10参照)
箇条10 a)及びb)の 箇条10 d)の場合
箇条10 c)の場合,一次分析試料による位
場合
相差・分散顕微鏡による定性分析方法(箇
条8)によって再分析を行う。
アスベスト含有 アスベスト含有なし
a) 建材製品中のアスベスト含有の有無の定性分析方法及び判定方法のフロー
図1−定性分析方法及び判定方法の概要

――――― [JIS A 1481-2 pdf 6] ―――――

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箇条7の結果

吹付けバーミキュライト
塩化カリウム処理(9.1 参照)
回折ピークあり アスベストの有無の分析(図2) 回折ピークなし
クリソタイル,トレモライト/アクチノライト
標準試料(3.9)及び塩化カリウム処
理(9.1)後の回折ピーク面積の算出
下回る場合
回折ピーク アスベスト含有なし
上回る場合
アスベスト含有
b) 吹付けバーミキュライトの定性分析方法及び判定方法のフロー
図1−定性分析方法及び判定方法の概要(続き)

5 試料の採取

5.1 試料の採取方法

  試料は,製造工場で製造された建材,建築物などに施工された建材又は輸入された建材から,次の事項
に注意して採取する。また,試料採取時に採取者がアスベスト粉じん(以下,粉じんという。)を吸い込ま
ないよう適切な措置をとらなければならない。
a) 現場から採取する場合は,現状を乱さないように,かつ,粉じんの飛散に留意する。試料の採取は,
鋭利なカッターなどを用いて行う。
b) 製造又は輸入された建材から採取する場合は,ロットを代表する試料を採取する。
c) 試料の大きさは,測定対象の建材を代表できる十分な大きさとする。吹付け材,保温材のような軟ら
かい材料の場合は,1か所10 cm3程度で,3か所から別々に試料を採取し,それぞれの試料を密封し
た容器に入れ,更に,三つの試料を一まとめにして密封容器に入れて当該箇所の試料とする。また,
板状で比較的硬い材料の場合は,1か所100 cm2程度で,3か所から別々に試料を採取し,それぞれの
試料を密封した容器に入れ,更に,三つの試料を一まとめにして密封容器に入れて当該箇所の試料と
する。
d) 測定対象の建材製品は,建設時期によって,アスベスト含有とアスベスト非含有とが混在することが
ある。また,改修工事によって,一部アスベスト非含有製品への転換などがあるため,設計図書など
の記録を参考に試料採取位置を決める。
e) アスベスト含有量が少なく,ばらつきが大きい吹付け材などの試料は,表層部分だけから採取せずに,
下地に接するまで貫通して採取する。また,長年高温下で使用され続けた断熱材などもアスベストが
一部変質しているおそれがあるので,吹付け材などと同様に下地部分に接するまで貫通して採取する。

――――― [JIS A 1481-2 pdf 7] ―――――

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f) つなぎ(繋)目などの接着又は補修のために使用される不定形の建材製品などには,アスベストを使
用している場合があるため,つなぎ(繋)目などを目安にし,当該箇所だけから試料を採取する。

5.2 試料の移送及び保管

  採取した試料を採取場所から分析場所まで移送する場合,試料の移送及び保管は,粉じんの飛散に留意
して密封した容器に入れて行う。

5.3 試料の採取記録

  採取した試料は,識別のために,必要な項目を記録する。
なお,識別のために必要な項目は,次による。
a) 建材名
b) 建物,配管設備,機器などの名称及び用途
c) 施工年及び建築物への施工などを採用した日(建材以外もあり)
d) 建物などの採取部位及び場所
e) 試料の概要(形状又は材質 : 板,吹付け,プラスチックなど。試料の大きさ : おおよその試料量),採
取方法及び採取日
f) 採取者の氏名

6 一次分析試料の作製方法

6.1 無機成分試料の一次分析試料作製方法

  無機成分試料の一次分析試料作製方法は,次による。
a) 一まとめにして密封容器に入っている試料を取り出し,3か所から採取した無機成分試料のそれぞれ
の試料から必要量を等量ずつとり,同一の粉砕器に入れる。粉砕する試料及び粉砕器は,次による。
1) 採取した試料で硬い試料の場合は,カッターナイフ,ボードサンダーノズルなどで,側面を削った
ものを粉砕器に入れる。
2) 粉砕器には,乳鉢(磁性乳鉢,めのう乳鉢,アルミナ乳鉢など),ウイレー粉砕器,超遠心カッター,
振動ミル,ボールミルなど,適切なものを選択又は組み合わせて使用する。
b) アスベストによる汚染がないように,ドラフトチャンバーなどを使用して,粉じんの飛散に留意しな
がら粉砕する。
c) 粉砕した試料を,目開き425500 μmのふるいを通してふるい分けし,全ての試料がふるい下になる
まで,粉砕及びふるい分けの操作を繰り返して行う。ふるい分けした試料の全てを一次分析試料とし,
そこからX線回折分析用として3試料,位相差・分散顕微鏡分析用の試料として1試料分取する。
なお,粉砕の程度及び粉砕時間は,アスベストの繊維形態に影響を与えるので,過剰粉砕にならな
いように,粉砕時間を短くし,ふるい分け回数を多くして,粉砕及びふるい分けの操作を繰り返して
行う。

6.2 有機成分試料の一次分析試料作製方法

  有機成分試料の一次分析試料作製方法は,次による。
a) 一まとめにして密封容器に入っている試料を取り出し,3か所から採取した有機成分を多く含んだ試
料のそれぞれの試料から必要量を等量ずつとり,同一の磁性るつぼに入れ,るつぼの全質量maを量る。
この場合,使用するるつぼの質量mcを事前に量っておく。
b) 試料の入ったるつぼを450±10 ℃に設定した電気炉に入れ,1時間以上加熱する。
注記 クロシドライトを450 ℃で加熱したとき,X線回折のピークが高角度側にずれる,屈折率が

――――― [JIS A 1481-2 pdf 8] ―――――

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変化する,などが起こる可能性があるので,注意する必要がある。
c) 加熱後の試料を清浄な状態で,分析室の室温と同等程度となるまで放冷し,るつぼの全質量mbを量る。
その後,6.1の規定によって,分析試料を作製する。この場合,式(1)によって減量率rを算出し,四
捨五入によって小数点以下1桁の値に丸める。この減量率は,JIS A 1481-3においてアスベスト含有
率を算出するために使用する。
mb mc m
r (1)
ma mc m0
ここに, r : 減量率
ma : 加熱前の試料及びるつぼの質量(g)
mb : 加熱後の試料及びるつぼの質量(g)
mc : るつぼの質量(g)
m0 : 加熱前の一次分析試料の質量(g)
m : 加熱後の一次分析試料の質量(g)

7 二次分析試料によるX線回折分析方法による定性分析方法

  X線回折分析方法による定性分析方法は,次による。
注記1 建材製品に関する情報等既知のデータから,採取した試料中のアスベスト含有率が明らかに
高いと判断した場合は,二次分析試料ではなく,一次分析試料を直接用いてX線回折方法に
よる定性分析を行ってもよい。
a) 一次分析試料を,X線回折分析装置の試料ホルダに充するための必要量をひょう量して,コニカル
ビーカーに入れ,100 mgに対してJIS K 8264に規定するぎ酸の20 %溶液を20 mL,無じん水を40 mL
の割合で加えて,超音波洗浄器を用いて1分間分散する。
b) 30±1 ℃に設定した恒温槽内に入れ,12分間連続して振とう後,ポアサイズ0.8 μmの白色メンブラ
ンフィルタを装着した直径25 mmのガラスフィルタベースの吸引ろ過装置で吸引ろ過し,乾燥後,X
線回折分析の二次分析試料とする。
c) 二次分析試料を,金属板又はガラス板に,穴又はくぼみがある試料ホルダに,均一かつ試料ホルダ面
と一致するように充する。
d) 充した試料ホルダを,附属書AのX線回折装置の定性分析条件で測定し,得られた二次分析試料の
X線回折パターンに,図2に示す分析対象アスベスト又は図3に示すバーミキュライトの回折ピーク
が認められるか否かを確認する定性分析を行う。
なお,トレモライト及びアクチノライトは化学組成が連続的に変化する固溶体であるため,X線回
折パターンによる判別は難しいことが多いので,分析結果はトレモライト/アクチノライトのように
表示して同一の種類として扱う。
e) この定性分析において,アスベストの種類及びアスベストに類似した回折角度を示す他の結晶質物質
が認められた場合は,その結果を箇条8に規定する分析に活用する。
f) 回折ピークの確認は,試料と同一条件で石綿標準試料のX線回折パターンを比較するか,又はICDD
(International Centre for Diffraction Data)のデータファイルを使用し,回折ピークの全てについて確認
する。
注記2 アスベストのX線回折ピークの特徴として,1012°付近のピーク又は2430°付近の第
1若しくは第2回折ピークの存在が認められる。
g) ) において,バーミキュライトの回折ピークが認められた場合は,箇条9の規定によって分析を行う。

――――― [JIS A 1481-2 pdf 9] ―――――

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4000
Chry : クリソタイル
3500
Bru : ブルーサイト
Chry
3000
回折強度(cps)
2500
Chry
2000
1500
1000
Chry Chry Chry
500 Bru
Bru
0
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70
回折角(2θ°,Cu Kα)
a) クリソタイル
2500
2000
回折強度(cps)
1500
1000
500
0
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70
回折角(2θ°,Cu Kα)
b) アモサイト
2500
2000
回折強度(cps)
1500
1000
500
0
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70
回折角(2θ°,Cu Kα)
c) クロシドライト
図2−分析対象アスベストのX線回折パターン

――――― [JIS A 1481-2 pdf 10] ―――――

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