この規格ページの目次
- 4 記号及び単位
- 5 原理
- 6 器具
- 6.1 一般
- 6.2 マイクロチャンバー
- 6.3 試験片のシール
- 6.4 放散試験
- 6.5 加熱脱着試験
- 6.6 分析装置
- 7 試験条件
- 7.1 一般
- 7.2 放散試験時の温度及び相対湿度
- 7.3 加熱脱着時
- 7.4 バックグラウンド捕集量
- 7.5 単位面積当たりの換気量
- 8 試験条件の検証
- 8.1 試験条件のモニタリング
- 8.2 マイクロチャンバーの気密性
- 8.3 マイクロチャンバーの換気量
- 8.4 マイクロチャンバー回収率
- 9 マイクロチャンバーの準備
- 10 試験片の準備
- 11 試験方法
- 11.1 バックグラウンド捕集量及びトラベルブランク
- 11.2 マイクロチャンバー回収率の確認
- 11.3 マイクロチャンバー内での試験片の位置
- 11.4 試験片のシール確認
- 11.5 放散試験
- 11.6 加熱脱着試験
- 12 放散速度の算出方法
- 13 報告書
- JIS A 1904:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- JIS A 1904:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS A 1904:2015の関連規格と引用規格一覧
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A 1904 : 2015
4 記号及び単位
この規格で用いる主な記号及び単位は,JIS A 1901によるほか,次による。
m1 : 放散試験時のSVOC捕集量(μg)
m2 : 加熱脱着時のSVOC捕集量(μg)
ts : 空気捕集時間(h)
5 原理
建材などから放散されるSVOCは,40 ℃以下では大部分がマイクロチャンバー内に吸着される。その
ため,この試験は,清浄空気を24時間流通させたときに試験片から放散されるSVOCを捕集した放散試
験時捕集量と,そのマイクロチャンバー内に吸着したSVOCを加熱脱着したときに捕集される加熱脱着時
捕集量とを合計したマイクロチャンバー捕集量及び試験片の表面積から,試験対象となる建築材料の単位
面積当たりのSVOCの放散速度を測定する方法である。マイクロチャンバー法概念図を,図1に示す。
分析方法に関する概要は,附属書JAによる。
図1−マイクロチャンバー法概念図
――――― [JIS A 1904 pdf 6] ―――――
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6 器具
6.1 一般
建築材料から放散されるSVOCの放散速度の測定に用いる主な器具は,次による。
− マイクロチャンバー
− 試験片のシール材
− 空気清浄装置
− 温度・湿度制御装置
− 流量計
− 恒温槽
− 空気捕集ポンプ
− チャンバー加熱装置
− 分析装置
品質保証及び品質保証システムは,附属書Aによる。
6.2 マイクロチャンバー
マイクロチャンバーの一般仕様及び要求事項は,次による。
a) マイクロチャンバー及び放散されたSVOCに接触するサンプリングシステムは,不活性処理をされた
ガラス製又は同等の性能をもつものとする。
マイクロチャンバーの材質に応じてSVOCの脱着を容易にするため表面処理を行う必要がある。
マイクロチャンバーの形状の例を,附属書Bに示す。
b) 気密性 マイクロチャンバーは,制御されていない外気と換気することが極力少ないように気密状態
とする。このために入口直前にベントラインを設け,供給空気量を吸引空気量より25 %程度多く流し,
余分な空気はベントラインから大気放出することで,試験場所の影響を防ぐことが望ましい。
c) 空気の供給装置 マイクロチャンバーは,換気量を連続的に一定の数値に制御することが可能な装置
(流量制御装置など)を備えるのがよい。
6.3 試験片のシール
試験片の端部及び裏面をシールする。シールには低放散・低吸着性の材料を用い,マイクロチャンバー
のバックグラウンドに影響を与えないものとする。
6.4 放散試験
6.4.1 空気清浄装置
マイクロチャンバーに供給する空気は,できる限り清浄な空気が必要であるため,バックグラウンド捕
集量の上昇を防ぐために空気清浄装置を備えるか,清浄なボンベ空気を用いる。このとき,粒子を核とし
てSVOCが凝縮することが考えられるため,試験には粒子を取り除いた清浄空気を用いる。
6.4.2 温度・湿度制御装置
マイクロチャンバーは,必要温度に制御した恒温槽などに設置し温度を制御する。通常,相対湿度の制
御は,供給空気を必要湿度に維持する方法とする。温度及び相対湿度は,温度・湿度制御システムとは独
立してモニタリングし,マイクロチャンバー内に結露を生じさせないようにする。
なお,加湿のときに使用する純水には,JIS K 0557に規定されたA1以上の水で,測定に影響を及ぼす
ようなSVOCが極力少ないものとする。
6.4.3 流量計
マイクロチャンバー出口に流量計を設置し,マイクロチャンバー内の正確な換気量を測定する。デジタ
――――― [JIS A 1904 pdf 7] ―――――
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ルマスフローコントローラと同等以上の性能をもつ装置を用いてもよい。
6.4.4 恒温槽
設定温度範囲は,23 ℃と250 ℃との間になければならない。
温度分布±2 ℃,温度精度±0.5 ℃の精度をもつものが望ましい。
6.4.5 空気捕集ポンプ
試験時の流量範囲に対し,±10 %程度の精度をもつものが望ましい。空気捕集は,マイクロチャンバー
出口の排気を用いる。空気捕集用分岐管を用いる場合は,マイクロチャンバー出口から直接捕集する。ラ
インを介して捕集する場合はその間をできる限り短くし,マイクロチャンバーと同じ温度に保つ。ライン
の材質は吸着が非常に少ないものを用いる。
6.5 加熱脱着試験
6.5.1 一般
6.4で示した装置に加えて,6.5.26.5.4の装置を用いる。
6.5.2 不活性ガスのボンベ
3.10に規定した不活性ガスを用いる。通常,ヘリウムガス又は高純度窒素ガスを用いる。
6.5.3 流量計
6.4.3に規定したものと同等の流量計を用いる。
6.5.4 チャンバー加熱装置
キャリヤーガスとして不活性ガスを用い,オーブン温度を300 ℃程度にすることができる装置で,昇温
プログラム機能をもつものが望ましい。供給ガスラインも保温可能なものとする。
6.6 分析装置
SVOCの分析には,水素炎イオン化検出器付きガスクロマトグラフ(GC/FID),又は質量分析計付きガ
スクロマトグラフ(GC/MS)を使用する。
7 試験条件
7.1 一般
試験は大気圧に近い状態で行う。
7.2 放散試験時の温度及び相対湿度
マイクロチャンバー内の温度は,標準温度を28 ℃とする。相対湿度は,JIS Z 8703の標準状態の湿度
の50 %による。マイクロチャンバーは,次の条件の範囲内で制御する。
温度 : (28±1.0)℃ 相対湿度 : (50±5)%
なお,温湿度依存性を確認する場合は,上記条件のほか,適切な温湿度条件で測定を行う。
注記 温度,相対湿度は,放散速度に大きな影響を与える。温度及び相対湿度の範囲は,時変動を示
すものであり,マイクロチャンバー内に温度分布及び湿度分布を極力生じさせないようにする。
7.3 加熱脱着時
室温状態においてマイクロチャンバー内を不活性ガスで十分なガス置換を行った後,オーブン温度を室
温から毎分1020 ℃の速度で昇温し200220 ℃で40分程度保持する。
7.4 バックグラウンド捕集量
バックグラウンド捕集量は,放散試験に影響を及ぼさない程度の低さとする。
7.5 単位面積当たりの換気量
定常状態では,マイクロチャンバー捕集量は,放散試験条件を設定するときのパラメータとして選択さ
――――― [JIS A 1904 pdf 8] ―――――
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れる換気量に左右される。
8 試験条件の検証
8.1 試験条件のモニタリング
温度,相対湿度及び換気量は,次の精度でモニタリングして記録する。
− 温度 ±0.5 ℃
− 相対湿度 ±5 %
− 換気回数 ±10 %
8.2 マイクロチャンバーの気密性
マイクロチャンバーの気密性は,入口及び出口の流量の同時比較測定などによって,年1回以上の頻度
で確認する。
8.3 マイクロチャンバーの換気量
マイクロチャンバー出口に流量計を設置し,附属書Bに規定する換気量Qを測定する。
8.4 マイクロチャンバー回収率
マイクロチャンバーの対象SVOCの回収率を附属書Cを参考に求め,回収率は80 %以上とする。
9 マイクロチャンバーの準備
試験を開始する前には,マイクロチャンバーの解体及び洗浄を行う。解体したマイクロチャンバーを水
及びアセトンで洗浄し,残存している化学物質を揮発させるために加熱装置を用いて,250 ℃以上で加熱
処理を行う。加熱処理が終了した後,マイクロチャンバーを測定可能な温度まで冷却する。
10 試験片の準備
放散試験の準備終了後,サンプルを運搬用の包装から取り出し試験片を準備する。試験片をマイクロチ
ャンバー内に設置した時点を試験開始とする。試験片は,端部及び裏面をアルミニウムはくなどでシール
する。サンプルの採取,サンプルの保存及び試験片の準備に関する手順の概要を附属書Dに示すほか,JIS
A 1901の箇条10(試験片の準備)を参考にするとよい。
11 試験方法
11.1 バックグラウンド捕集量及びトラベルブランク
バックグラウンド捕集量は,新しく放散試験を開始する前に,空のマイクロチャンバーについて操作を
行い,定量する。トラベルブランクは,空気捕集ごとに測定し,定量する。
なお,バックグラウンド捕集量及びトラベルブランクは,放散試験に影響を及ぼさない程度の低さであ
るものとする。
11.2 マイクロチャンバー回収率の確認
附属書C及び附属書Dによって試験直前にマイクロチャンバー回収率を確認する。
11.3 マイクロチャンバー内での試験片の位置
試験片は,通常,マイクロチャンバーの蓋に測定面が内側になるよう取り付けるものとする。
11.4 試験片のシール確認
マイクロチャンバーを流れる空気流量及び空気の漏れのないことを確かめ,空気捕集の間の排気流量が,
入口流量から空気捕集時の流量を差し引いた数値であることを確認する。
――――― [JIS A 1904 pdf 9] ―――――
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11.5 放散試験
放散試験時間は,通常,24時間とする。
11.6 加熱脱着試験
放散試験の終わったマイクロチャンバーをチャンバー加熱装置に取り付け,その後,室温状態において
マイクロチャンバー内で不活性ガスで十分なガス置換を行った後,Tenax TA捕集管などを装着する。オ
ーブン温度を,室温から毎分1020 ℃の速度で昇温し,200220 ℃で40分程度保持する。吸引は換気
開始からとし,加熱脱着が十分終了したと考えられるまで行う。
なお,加熱条件は目安であり,装置によって,適宜変更してもよい。また,捕集管はガラスビーズ捕集
管などを用いてもよい。
12 放散速度の算出方法
単位面積当たりの放散速度の算出は,次による。
n m2 m1 m2
qA 1 [μg/(m2・h)]
L A t A t
ここに, qA : 単位面積当たりの放散速度[μg/(m2・h)]
n : 換気回数(回/h)
L : 試料負荷率(m2/m3)
A : 試験片の表面積(m2)
t : 経過時間(時間又は日数)
m1 : 放散試験時のSVOC捕集量(μg)
m2 : 加熱脱着時のSVOC捕集量(μg)
ρ1 : 放散試験時のSVOCのチャンバー出口濃度(μg/m3)
13 報告書
試験報告書には,この規格に基づいて試験した旨のほか,通常,次の内容を記載する。
a) 試験機関
− 試験機関の名称及び所在地
− 試験責任者名
b) 製品の種類
− 製品の種類(可能な場合は商品名)
− サンプルの選択プロセス(抜取り方法など)
− 製品の経緯(製造年月日,ロット番号,試験機関到着日,包装から取り出した日時,試験片を準備
した日時など)
c) 結果 規定の経過時間における対象SVOCの放散速度
d) データ分析
− 測定されたマイクロチャンバー捕集量から特定の放散速度(EF)を算出するときは,用いた方法(数
学的モデル又は数式)
− 温湿度条件を変更して測定した場合,算出に用いた換算式
e) 試験条件
− マイクロチャンバー条件(温度,相対湿度及び換気回数)
− 試験片の面積及び試料負荷率
――――― [JIS A 1904 pdf 10] ―――――
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JIS A 1904:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 16000-25:2011(MOD)
JIS A 1904:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.20 : 雰囲気
JIS A 1904:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA1901:2015
- 建築材料の揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散測定方法―小形チャンバー法
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態