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A 4305 : 2016
表1−種類
種類 説明
次第ぎき非常止め装置 作動後,徐々に制動力が上昇し,その後一定した制動力を発揮する
ことによって,かご,釣合おもりなどを停止し,保持することがで
きる非常止め装置。
かご枠などにレール把持部を左右に1段設置している。
上下2段方式の非常止め装置 かご枠などに左右に設置するレール把持部を上下2段に取り付け
て,かご,釣合おもりなどを停止し,保持することができる非常止
め装置。
早ぎき非常止め装置 作動時に制動力を瞬時に作用させ,かご,釣合おもりなどを停止し,
保持することができる非常止め装置。
スラックロープ式非常止め装置 作動時に制動力を瞬時に作用させ,かご,釣合おもりなどを停止し,
保持することができる非常止め装置。
調速機を用いることなく,かご,釣合おもりなどをつる主索又は
チェーンの全数が切断したときに非常止め装置を作動させる機構
を併せもつ。主索又はチェーンの切断の検知は,任意の1本又は全
数をまとめて行う。
6 性能
6.1 次第ぎき非常止め装置の場合
次第ぎき非常止め装置は,定格積載量を積載したかご,釣合おもり又はバランスウェイトを自由落下さ
せた場合を想定し,8.2によって試験を行ったとき,次の規定に適合しなければならない。
a) 製造業者が定めた適用速度の最大値において,箇条10で規定した適用質量の最大値以上に調整した最
大試験質量,及び箇条10で規定した適用質量の最小値以下に調整した最小試験質量の制動対象を停止
し,保持する能力をもつものとする。
b) 非常止め装置が作動したときの平均減速度は,0.2 gn以上1 gn以下とする。ただし,傾斜63度以下の
斜行エレベータの場合,非常止め装置が作動したときの水平方向の平均減速度は,0.1 gn以上0.5 gn
以下とする。
c) 非常止め装置の作動後に,非常止め装置の台座,ばね及び連結装置は,制動性能に影響を生じる有害
な変形及び破損が生じてはならない。
d) 非常止め装置の作動後に復旧を妨げる破損が生じない。
6.2 上下2段方式の非常止め装置の場合
上下2段方式の非常止め装置は,8.3によって試験を行ったとき,6.1のa) d) の規定に適合しなければ
ならない。
6.3 早ぎき非常止め装置の場合
早ぎき非常止め装置は,定格積載量を積載したかご,釣合おもり又はバランスウェイトを自由落下させ
た場合を想定し,次のいずれかの規定に適合しなければならない。
a) 8.4.2によって求められる最大試験質量が箇条10で規定した適用質量の最大値よりも大きい。
b) 製造業者が定めた適用速度の最大値において,8.4.3の試験を行ったとき,箇条10で規定した適用質
量の最大値以上に調整した最大試験質量の制動対象を停止し,保持する能力をもち,かつ,非常止め
装置の作動後に復旧を妨げる破損が生じない。
6.4 スラックロープ式非常止め装置の場合
スラックロープ式非常止め装置は,定格積載量を積載したかご,釣合おもり又はバランスウェイトをつ
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る主索又はチェーンの全数が切断し,自由落下させた場合を想定し,8.5によって試験を行ったとき,次の
規定に適合しなければならない。
a) 製造業者が定めた適用速度の最大値において,箇条10で規定した適用質量の最大値以上に調整した最
大試験質量の制動対象を停止し,保持する能力をもつか,又は8.4.2によって求められる最大試験質量
が箇条10で規定した適用質量の最大値よりも大きい。
b) 昇降路におけるかごの位置にかかわらず,確実に作動するものでなければならない。
c) 非常止め装置を作動させる機構部は,製造業者が定めた適用速度の最大値以内で非常止め装置を作動
させなければならない。
d) 非常止め装置の作動後に復旧を妨げる破損が生じてはならない。
7 構造
7.1 次第ぎき非常止め装置の場合
次第ぎき非常止め装置の構造は,8.2.3によって試験を行ったとき,次による。
a) 非常止め装置は,調速機ロープと機械的に連結し,調速機ロープに発生する張力によって作動する構
造とする(図1参照)。
図1−調速機,非常止め装置及び連結機構部の例
b) 非常止め装置は,かご枠などの左右に設置するレール把持部と,調速機ロープに発生する張力によっ
て左右のレール把持部を同時に作動させるための機械的な連結機構部で構成する。
c) 連結機構部は,左右のレール把持部の作動タイミングを調整可能な調整部をもつものとする。
d) レール把持部は,非常止め装置の制動子,制動子に押し付け力を与える弾性体,制動子及び弾性体を
支持する非常止め装置の台座などで構成する。台座に対して相対的に制動子が持ち上げられることで,
ガイドレールに制動子を押し付ける構造とする(図2参照)。
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a) 皿ばねを用いた構造例 b) コイルばねを用いた構造例 c) 字板ばねを用いた構造例
図2−次第ぎき非常止め装置レール把持部の構造例
e) 台座及びばねは,鋳鉄又は鋼製とする。制動子は,鋳鉄,鋼,合金鋼,銅合金,ファインセラミック
ス若しくは炭素材料,又はこれらの複合材料とする。
f) 作動状態の非常止め装置は,かご,釣合おもり又はバランスウェイトを上方向に移動させるだけで開
放し,開放状態を維持できる構造とする。
g) 制動力を調整可能な非常止め装置の場合,調整禁止箇所を明示し,初期調整内容が判別できるような
封印又は合いマークを施した構造とする。例えば,調整後に,位置決め要素と基部材とにまたがるよ
うに塗料などで印を付ける。
7.2 上下2段方式の非常止め装置の場合
上下2段方式の非常止め装置の構造は,8.3.3によって試験を行ったとき,次による。
a) 7.1のa) 及びd) g) に規定する構造とする。
b) 非常止め装置は,かご枠などの左右に設置するレール把持部を2段もち,調速機ロープに発生する張
力によって左右のレール把持部を同時に作動させ,上下のレール把持部を同時,又は下段を先に作動
させるための機械的な連結機構部で構成する。
c) 連結機構部は,左右のレール把持部及び上下のレール把持部の作動タイミングを調整可能な調整部を
もつものとする。
d) 上下のレール把持部は,同等の制動力をもつレール把持部で構成する。制動力の調整機構をもつ場合
は,下段の制動力を大きくしてもよい。
7.3 早ぎき非常止め装置の場合
早ぎき非常止め装置の構造は,8.4.4によって試験を行ったとき,次による。
a) 7.1のa) c),f) 及びg) に規定する構造とする。
b) レール把持部は,非常止め装置の制動子,制動子を支持する非常止め装置の台座などで構成する。台
座に対して相対的に制動子が持ち上げられることでガイドレールに制動子を押し付ける構造とする
(図3参照)。
c) 台座は,鋳鉄又は鋼製とする。制動子は,鋳鉄,鋼,合金鋼,銅合金,ファインセラミックス,炭素
材料,又はこれらの複合材料とする。
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図3−早ぎき非常止め装置レール把持部の構造例
7.4 スラックロープ式非常止め装置の場合
スラックロープ式非常止め装置の構造は,8.5.3によって試験を行ったとき,次による。
なお,スラックロープ式非常止め装置の構成例を図4図8に示す。
a) スラックロープ式非常止め装置は,かご枠などの左右に設置するレール把持部,及びかご,釣合おも
り又はバランスウェイトをつる主索又はチェーンの全数が切断したときに非常止め装置を作動させる
機構部で構成する。主索又はチェーンの切断は,任意の1本の切断を検知するか,又は全数をまとめ
て検知するものでもよい。
b) 非常止め装置を作動させる機構部は,左右のレール把持部の作動タイミングを調整可能な調整部をも
つものとする。
c) かご,釣合おもり又はバランスウェイトをつる主索又はチェーンの全数が切断したときに非常止め装
置を作動させる機構部は,主索又はチェーンの張力が減少した場合に作動する機械的な構造とする。
作動力は,ばねなどの弾性体に蓄えられる弾性力を用いる。
d) レール把持部は,7.1 f),7.1 g),7.3 b) 及び7.3 c) に規定する構造とする。
a) 通常時 b) 主索切断時
図4−油圧エレベータの適用構成例
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a) 通常時 b) 主索切断時
図5−釣合おもり用スラックロープ式非常止めの適用構成例
図6−速度比2 : 4のロープ式 図7−巻胴式エレベーターへの適用構成例
エレベータへの適用構成例
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JIS A 4305:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 91 : 建設材料及び建築物 > 91.140 : 建築物の付帯施設 > 91.140.90 : リフト.エスカレータ