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附属書1-3(規定) I形ペンチの試験方法
1. 適用範囲 この附属書は,I形ペンチの試験方法について規定する。
2. 変形試験
2.1 概要 試験は,規定事項との比較による検査に適する装置を使用して実施する。
2.2 試験方法 ペンチのタイプとサイズ別に,かしめ部の中心から距離L1のところにある柄部に荷重を
加える位置を定め,くわえ部に適切な試験片を挿入する(2.3参照)。
荷重50Nを加え,柄部の幅W1を測定する。荷重Fを指定値まで増やし,次いで50Nまで減らす。
荷重Fを4回かけ,次いで柄部の幅W2をもう一度同じ距離L1で測定する。
最初の読取値と2番目の読取値との差 (W1−W2) は,永久変形の最大値Smaxを超えてはならない。
試験後,ペンチに,使用に支障をきたすような変形があってはならない。
ペンチのタイプ及びサイズについては,対応する附属書1-3図1を参照。
附属書1-3図1 変形試験
かしめ部の中心から距離L1で変形試験を規定したように実施できない場合は,かしめ部の中心からL1'
で荷重を加える,より適切な位置を選択する。
かしめ部の中心から距離L1'で加える荷重F'は,次の式による。
F L1
F'=
L1 '
ここに, Fは,距離L1における荷重である(附属書1-3図1参照)。
2.3 試験片 試験片は,硬さが3040HRCとし,くわえ部の先端から8mm±1mmの長さにわたり,く
わえ部と接触するような寸法及び輪郭をもたなければならない。
試験片が挿入された状態で,くわえ部の先端の開きは3mm±1mmとする。
――――― [JIS B 4623 pdf 11] ―――――
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3. ワイヤ切断試験
3.1 試験用ワイヤの確認 切断試験に使用するワイヤは,まず,規定事項との比較によって検査できる
装置で確認しなければならない。
試験装置に二つの超硬合金刃を組み立てる。この場合,刃部角度60°±1°,刃部の半径が0.3mmにな
るように研磨し,刃部が互いに平行になるようにし,また,試験用ワイヤと直角をなすようにする(附属
書1-3図2参照)。
ワイヤの切断に必要な力を記録する。
三つの読取値の平均値は,3.2に示す値を満足していなければならない。
附属書1-3図2 試験装置
3.2 切断力
附属書1-3表1 試験用ワイヤ
ワイヤの直径 近似引張強さ1) 切断力
D F2
mm N/mm2 N
1.6 1 600 1 800±90
1) 引張強さは,参考として示す。
3.3 切れ味試験 確認済みの試験用ワイヤを使用し,ペンチを規定事項との比較によって検査できるよ
うに試験装置に配置する。
試験用ワイヤをペンチの刃部に挿入し,ペンチのタイプとサイズに従ってL1及びL2で定めた柄部の位
置に力F1を加える。
切れ味試験がL1及びL2で定めた位置で規定したように実施できない場合は,L1'及びL2'で定められる,
より適切な位置を選択する。この場合,切断力F1´は,次の式による。
F2 6.1 L2 '
F'=
L1 '
ここに, F1'は,寸法の規定で規定されていない最大切断力である。
F2は,附属書1-3表1に従っている切断力である。
1.6は,補正係数である。
試験用ワイヤの切断に必要な力F1を測定する。この力は,ペンチのタイプとサイズに対して規定されて
いる最大切断力F1maxの値を超えてはならない。
試験終了時,刃部にペンチの切断性能に悪影響を与えるような目に見える圧こん又は変形があってはな
らない。
ペンチは,使用に支障をきたすような損傷を受けてはならない。
――――― [JIS B 4623 pdf 12] ―――――
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この試験の後に,軟ワイヤ切断試験を,5.に従って実施する。
4. ねじり試験
4.1 一般 ペンチを,規定事項との比較によって検査できるように装置に配置する。
ペンチのサイズによるが,4.2に従って適切な試験片をくわえ部の適切な位置に挿入する。
かしめ部の中心から距離L1のところで荷重50Nを柄部に加え,柄部をクランプして,ねじりモーメン
トを支えるようにする。両方向にトルクTを加える。
角移動量 サイズに対して指定されている値を超えてはならない。
試験の結果,発生するくわえ部の永久変形及び結合部の緩みが,ペンチの効率的な機能を損なってはな
らない。
4.2 試験片 ペンチの場合,試験片は厚さが3mm,幅が12mm,硬さが4550HRCとする。
試験片は,ペンチのくわえ部の間に深さ6mm±1mmまで挿入する(附属書1-3図3参照)。
附属書1-3図3 ねじり試験
5. 軟ワイヤ切断試験 切れ味試験の終了後,ペンチは,次に示す要領で軟ワイヤを切断できなければな
らない。
試験用ワイヤを附属書1-3図4に示す例に従ってペンチの刃部の間に位置決めする。
附属書1-3表2に示す試験用ワイヤは,切断試験を容易にするため,曲げ又は引張り応力を与えること
なく,完全に切断する。
最大長さが25mmの試験用ワイヤ片を,ペンチの刃部の間に位置決めする。
このワイヤ片は,ペンチの刃部だけで保持し,柄部に手で力を加えるだけで切断する。
附属書1-3表2 軟試験用ワイヤの材料及び直径
近似引張強さ
ワイヤ材及び対応国際規格 ワイヤの直径
D
MPa mm
青銅 740830 1
CuSn6
ISO 427 (JIS H 3270)
――――― [JIS B 4623 pdf 13] ―――――
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附属書1-3図4 軟試験用ワイヤの位置の例
ペンチは,刃部の全長にわたり軟試験用ワイヤを切断する。
6. くわえ部の表面の硬さ くわえ部の表面,又はくわえ部の表面から1mm以下の距離にある隣接側面
の硬さを測定する。
――――― [JIS B 4623 pdf 14] ―――――
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B 4623 : 1998
JIS B 4623(ペンチ)改正原案作成委員会 構成表
氏名 所属
(主査) 竹 原 康 東京都立科学技術大学
(委員) 杉 上 孝 二 通商産業省機械情報産業局
高 橋 孝 一 通商産業省製品評価技術センター
本 間 清 工業技術院標準部
菅 谷 伸 夫 トヨタ自動車株式会社
鷹 野 武 次 日産アルティア株式会社
徳 田 憲 暁 財団法人鉄道総合技術研究所
豊 島 国 男 株式会社日立製作所
中 西 忠 雄 防衛庁装備局調達補給室
中 村 智 男 日本ねじ研究協会
三 沢 彰 東日本旅客鉄道株式会社
森 浩 一 東京ガス株式会社
森 部 幸 男 社団法人日本自動車整備振興会連合会
吉 田 育 夫 株式会社東芝
岡 田 正 之 北陽産業株式会社
兼 古 耕 一 株式会社兼古製作所
小 山 喜一郎 株式会社スリーピークス技研
佐 藤 浩 輔 京都機械工具株式会社
田 口 一 重 株式会社ベッセル工業
田 中 花園工具株式会社
野 崎 誠 二 フジ矢株式会社
○ 長谷川 直 株式会社マルト長谷川工作所
前 田 英 治 前田金属工業株式会社
松 塚 允 宏 旭金属工業株式会社
室 本 治 室本鉄工株式会社
涌 井 伸 市 株式会社涌井製作所
渡 辺 鉄太郎 全国作業工具工業組合
(事務局) 橋 本 繁 晴 財団法人日本規格協会
三 塚 隆 正 財団法人日本規格協会
備考 ○印は,WG主査を示す。
JIS B 4623:1998の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 5743:1988(MOD)
- ISO 5744:1988(MOD)
- ISO 5746:1988(MOD)
JIS B 4623:1998の国際規格 ICS 分類一覧
JIS B 4623:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7726:2017
- ロックウェル硬さ試験―試験機及び圧子の検証及び校正
- JISG3532:2011
- 鉄線
- JISG4051:2016
- 機械構造用炭素鋼鋼材
- JISG4401:2009
- 炭素工具鋼鋼材
- JISZ2245:2016
- ロックウェル硬さ試験―試験方法
- JISZ2245:2021
- ロックウェル硬さ試験―試験方法