JIS B 6190-10:2018 工作機械試験方法通則―第10部:プロービングシステムの測定性能評価方法 | ページ 4

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B 6190-10 : 2018 (ISO 230-10 : 2016)
うなプロービングシステムは,穴,ボス,ウエブ,ポケット,コーナ及び面上の1点測定で工作物形体の
寸法及び位置の情報を提供するが,測定した工作物形体の形状誤差の評価は行わない。
自由形状の数学的モデルからの偏差を測定するような複雑な測定能力を提供する高度なプロービングシ
ステムもある。それ以外のプロービングシステムは,一般にCMM上だけで使える測定戦略を実行できる
ようになっている。
通常,プロービングの繰返し性は,指定したプロービングシステムを用いて実施することができる全て
の単一の測定作業と関連付けることが望ましい。この方法は,多大な試験労力がかかる可能性がある。
工作物用のプロービングシステムは,一般にMCSに対するWCSの位置を同定することを目的として,
工作物の位置及び向きの測定に使用し,簡単な形体の位置及び寸法の測定にも使用する。したがって,プ
ロービングの繰返し性試験は,平らな面の位置の測定,並びに円筒及び球の中心位置の測定のために行う。
寸法測定に対するプロービングの繰返し性は,6.10による。
6.2.2 面の1点測定に対するプロービングの繰返し性試験,RSPT,X,RSPT,Y及びRSPT,Z(RSinglePoinT,X,Y,Z)
6.2.2.1 一般
面の1点測定は,極端に単純化した測定方法であることに注意をしなければならない。関連する座標系
に対する面の向き及び位置が既知である場合には,(平らな)面の1点の座標は,(平らな)面を個々に表
すと仮定して求めることができる。
6.2.2.2 試験の準備及び手順
互いに名目上直角な少なくとも三つの平面をもった基準器(ます形ブロック)を選択する。この試験は,
ほとんどのプロービングで側面の平面度が0.080 mm以内の標準的なブロックゲージを用いればよい。
注記 6.7.2に示す基準器は,この試験に適している。
基準器の三つの平面をそれぞれX,Y及びZ軸に直角にするために,その基準器をMCSに平行になる
ように合わせる。
X軸方向において基準器の表面に近づけて接触点のX軸座標を取得し,記録する。引き続き同じ手順を
9回繰り返してX軸座標を取得し,記録する。この測定を10回繰り返す。
この手順を,Y軸及びZ軸についても繰り返す。
6.2.2.3 結果の解析
X軸座標について記録した値の範囲としてRSPT,Xを算出する。
Y軸座標について記録した値の範囲としてRSPT,Yを算出する。
Z軸座標について記録した値の範囲としてRSPT,Zを算出する。
6.2.3 円の中心位置に対するプロービングの繰返し性試験,RCIR,X及びRCIR,Y(RCIRcle,X,Y)
6.2.3.1 試験の準備及び手順
穴径約25 mmの基準リングを準備し,その穴の軸が機械のZ軸に平行になるようにMCSに合わせる。
基準リングを4点でプロービングしてその穴の中心座標を測定する。測定した穴の中心にWCSデータ
ム点を設定する。
穴の中心のX及びY軸座標を記録しながら,この測定を10回繰り返す。
6.2.3.2 結果の解析
穴中心のX軸座標について記録した値の範囲としてRCIR,Xを算出する。
穴中心のY軸座標について記録した値の範囲としてRCIR,Yを算出する。

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6.2.4 球の中心位置に対するプロービングの繰返し性試験,RSPH,X,RSPH,Y及びRSPH,Z(RSPHere, X,Y,Z)
6.2.4.1 試験の準備及び手順
呼び径25 mmの基準球を準備する。
製造業者の説明書に従って5点でプロービングして基準球の中心座標を測定する。測定した基準球の中
心にWCSデータム点を設定する。
X,Y及びZ軸座標を記録しながら,この測定を10回繰り返して行う。
6.2.4.2 結果の解析
球中心のX軸座標について記録した値の範囲としてRSPH,Xを算出する。
球中心のY軸座標について記録した値の範囲としてRSPH,Yを算出する。
球中心のZ軸座標について記録した値の範囲としてRSPH,Zを算出する。

6.3 スタイラスチップオフセット試験,A

6.3.1  一般
試験の実施に先立ち,製造業者の説明書に従ってスタイラスチップを主軸の軸平均線に心合わせする。
スタイラスチップオフセットを自動検出及び補正のできる高度なプロービングシステムがある。そのよ
うなシステムの場合には,試験を実施する前に製造業者が指定する方法で実施しなければならない。
6.3.2 試験の準備及び手順
工作機械の測定空間内に基準リング(又は基準球)を定置する。基準リングを使用する場合は,リング
穴の軸が機械のZ軸に平行になるようにMCSに合わせる。
変位計を使用して主軸の軸平均線に基準リング穴(又は基準球)を心合わせし,同定した中心にWCS
データム点を設定する。
基準リングを4点でプロービングしてその穴(又は基準球の赤道中心座標)の中心座標を測定する。X
及びY軸座標を記録しながら,この測定を10回繰り返す。
6.3.3 結果の解析
10回測定したX軸座標の平均値X0及び10回測定したY軸座標の平均値Y0を算出する。
主軸の軸平均線に対するスタイラスチップオフセットAは,式(1)で与えられる。
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A X0 Y0 (1)
算出したAの値は,その後の試験の測定不確かさの成分として記録しなければならない。
注記 この手順で決定するスタイラスチップオフセットは,プロービング誤差PFTU,2Dを含む(6.5参
照)。
6.4 プロービング工具取付けの繰返し性試験,RPTL,X,RPTL,Y及びRPTL,Z(RProbing-ToolLocation,X,Y,Z)
6.4.1 一般
この試験は,手動又は自動で工具交換した後にMCSに対するプロービング工具の取付け直しの繰返し
性を評価することを目的とする。
6.4.2 試験の準備及び手順
穴径約25 mmの基準リングを準備し,その穴の軸が機械のZ軸に平行になるようにMCSに合わせる。
a) 基準リングを4点でプロービングしてそのリング穴の中心座標を測定し,さらに,面の1点測定によ
って基準リング上面を測定する。測定した基準リングの中心かつ上面にWCSデータム点を設定する。

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b) 穴の中心のX,Y及びZ軸の座標を記録しながら,この測定を繰り返す。
c) プロービング工具を取り外し,再び取り付ける。事前に自動工具交換装置を使用することが分かって
いる場合には,プローブを主軸に戻す前に,このシステムの繰返し性を含めるために工具交換装置を
少なくとも一つの位置で割り出し,その位置に戻さなければならない。
d) 合計10回の測定を行うために,上記b)から始めてこの手順を9回繰り返す。
高速フライス盤の中には,工具保持具に駆動キーが付いていないものがある。そのような場合は,主軸
に対するプロービング工具の相対角度位置を制御できない。したがって,プロービング工具の角度位置を
相対的に約15°ずつ増加させて手順c)を補完することを推奨する。
製造業者が指定していない場合は,基準リングの代わりに基準球を使用してもよい。基準球を使用する
場合には,球は5点でプロービングしなければならない。WCSデータム点は,測定された球の中心に設定
しなければならない。
6.4.3 結果の解析
穴中心のX軸座標について記録した値の範囲としてRPTL,Xを算出する。
穴中心のY軸座標について記録した値の範囲としてRPTL,Yを算出する。
上面のZ軸座標について記録した値の範囲としてRPTL,Zを算出する。
基準球を使用する場合には,RPTL,X,RPTL,Y及びRPTL,Zは,基準球中心のX,Y及びZの記録した座標の
範囲として算出しなければならない。
6.5 二次元プロービング誤差試験,PFTU,2D(PFormTactileUnique,2D)
6.5.1 一般
この試験は,校正された基準リングを測定して特定のプロービングシステムの二次元プロービング誤差
を評価することを目的とする。この誤差は,プロービングシステムのプリトラベル変動の影響を強く受け
る。このプリトラベル変動は,次の影響を受ける。
a) プロービングシステム及び工作機械の繰返し性
b) プローブのスイッチング力
c) スタイラスシステム長さ及び構成
d) 測定送り速度
e) 測定点に対するアプローチ距離
f) プローブのパラメータ設定
g) プロービング信号と工作機械の位置検出器の読取りとの間の時間遅れの変動
h) 振動
i) 温度ドリフト
注記 プロービングシステムの中には,プリトラベル変動が最小となるようにソフトウエア補正がで
きる機能をもつものもある。
図4は,一般的なプロービングシステムの二次元プロービング誤差の表示例を示す。
プローブのスイッチング力,スタイラスシステム部品の長さ及び材料構成(例えば,鉄鋼,セラミック
ス,炭素繊維),測定点に対する測定送り速度,アプローチ距離などの関係するパラメータは,製造業者の
仕様に適合していなければならない。指定されていないパラメータがある場合には,使用者は,用途に応
じてパラメータを選択しなければならない。
プロービング点数は,プロービングシステムの用途及び能力を考慮して受渡当事者間で協定しなければ
ならない。ただし,リング円周に沿って等間隔に36点の座標を取得することを推奨する。

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6.5.2 試験の準備及び手順
穴径約25 mmの基準リングを準備し,その穴の軸が機械のZ軸に平行になるようにリングをMCSに合
わせる。
基準リングを4点でプロービングしてその穴の中心座標を測定する。測定した基準リングの中心にWCS
データム点を設定する。
次に,1点ごとにX及びY軸座標を記録しながらリングの円周に沿って等間隔に選択した点で,半径方
向に基準リングをプロービングする。
6.5.3 結果の解析
測定された円の中心は,製造業者の推奨するアルゴリズム(例えば,最小二乗法)を使用して算出する。
この中心の座標と各点のX座標及びY座標との差を算出し,それぞれの測定点においてこれらの座標の差
の二乗和の平方根として円の半径rを算出する。
二次元プロービング誤差PFTU,2Dを測定した半径の範囲rmax−rminとして算出する。
二次元プロービング誤差PFTU,2Dは,極座標上に表示することができる(図4参照)。
図4−36点に対するPFTU,2Dの極座標表示の例
6.6 三次元プロービング誤差試験,PFTU,3D(PFormTactileUnique,3D)
6.6.1 一般
この試験は,6.5に規定した試験と類似している。しかし,この試験は,三次元機能をもったプロービン
グシステムの性能を試験することを目的としている。6.5.1に記載した一般的な情報は,この試験にも適用
できる。ただし,基準器は,形状が校正された球になる。
一般的なプロービングシステムは,かなり限られた数のプロービング点(通常,4又は5点)で球面測
定を行うことを目的としている。用途を考慮しなければならないが,この箇条に規定する試験を実施する
ことによって,プロービングシステムの性能をよりよく理解できる価値のある情報を得ることができる。
プロービング点数は,プロービングシステムの用途及び能力を考慮して受渡当事者間で協定しなければ
ならない。ただし,少なくとも基準球の半球についてほぼ等間隔に分布させた25点で座標を取得すること
を推奨する。
6.6.2 試験の準備及び手順
呼び径約25 mmの基準球を使用しなければならない。基準球の形状は,その形状誤差が試験結果に影響
を及ぼすために校正しなければならず,また,仕様との適合・不適合を証明するために考慮しなければな
らない。

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B 6190-10 : 2018 (ISO 230-10 : 2016)
基準球を5点でプロービングしてその基準球の中心座標を測定する。測定した基準球の中心にWCSデ
ータム点を設定する。
少なくとも試験球の半球上にほぼ均等に分布する点を選択し,その点で半径方向に向けたベクトル方向
に三次元的に基準球をプロービングする。プロービング点の位置は,使用者が指定しなければならない。
ただし,その位置が指定されていない場合は,次のプロービングパターンを推奨する(図5参照)。
a) 基準球の極(主軸の軸線の方向によって決まる。)上の1点
b) 極の下22.5°の4点(等間隔)
c) 極の下45°で,上記のグループに対して22.5°回転した8点(等間隔)
d) 極の下67.5°で,上記のグループに対して22.5°回転した4点(等間隔)
e) 極の下90°(赤道上で)上記のグループに対して22.5°回転した8点(等間隔)
プロービング点数及び推奨目標位置は,JIS B 7440-5の6.2(シングルスタイラスプローブ構成)との互
換性を保つように選択する。用途によっては,この試験は,少なくとも試験球の半球上にほぼ均等に分布
する48点をプロービングして実施してもよい。
Y
X
1
Z
X
1 極
図5−三次元プロービング誤差試験用の三次元目標接触点 PFTU,3D
6.6.3 試験結果の解析
球の中心座標は,利用できる全ての測定値を使って製造業者が推奨するアルゴリズム(例えば,最小二
乗法)を用いて算出する。この中心座標と各点のX,Y及びZ軸座標との差を算出し,各点に対してこれ
らの座標の差の二乗和の平方根として球の半径rを算出する。
プロービング誤差PFTU,3Dは,半径の範囲rmax−rminとして算出する。

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JIS B 6190-10:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 230-10:2016(IDT)

JIS B 6190-10:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 6190-10:2018の関連規格と引用規格一覧