JIS B 7440-3:2003 製品の幾何特性仕様(GPS)―座標測定機(CMM)の受入検査及び定期検査―第3部:ロータリテーブル付き座標測定機 | ページ 2

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B7740-3:2003(ISO 10360-3 : 2000)
測定物座標系を確立した後,開始位置(位置番号0)で検査用標準球Bを測定することによって検査を
始める。使用者は,表2の位置番号0に関してロータリテーブルの読みが0度以外のどんな角度位置を選
んでもよい。
次に,ロータリテーブルを一連の七つの角度位置に回転し,検査用標準球Aの位置をそれぞれの角度位
置で測定する。七つの測定位置は, 始点から少なくとも720度を超えることが望ましい。さらに,ロータ
リテーブルは逆方向に七つの角度位置に回転し,それぞれの位置で検査用標準球Aを測定する。ロータリ
テーブルが始点に戻ってきたとき,両方の検査用標準球を位置番号14として測定する。
ロータリテーブルを更に七つの異なる角度位置へ同じ方向で回転し,最後に逆方向に七つの角度位置へ
回転し,検査用標準球Bをそれぞれの位置で測定する。ロータリテーブルが開始位置に戻ったとき,両方
の検査用標準球を位置番号28として測定する(表2参照)。
備考1. 座標測定機同士の比較を容易にするために,表1の高さ及び半径を指定する。
2. 200mmという値は,1秒の角度誤差を約1マイクロメートルの長さ誤差に変換する。異なる
測定空間をもつ機械を比較する場合,また,大きな部品(例えば,テーブルよりも大きな部
品)に関する測定物の公差要求に対して機械の能力が適しているかどうかを評価する場合に
は,上の検査手順から生じる誤差は,使われる高さと距離とに大体比例する。
3. 製造業者によって指定された範囲内で,使用者は,座標測定機上のロータリテーブルの任意
の荷重,位置及び姿勢を選ぶことができる。もし必要ならば,製造業者及び使用者は,異な
る検査用標準球の位置を用いた追加の検査に合意することができる。
4. 測定空間を拡大する手段としてロータリテーブルを用いている座標測定機がある。その場合,
検査用標準球は,360度よりも狭いテーブルの回転角度でプロ−ビングシステムに接触でき
ればよい。また,ロータリテーブルの初めの角度位置は,両方の検査用標準球が測定できる
ように選ぶ。
表 1 ロータリテーブル上の標準球の位置
高さの差 半径
組合せ番号 Δh r
mm mm
1 200 200
2 400 200
3 400 400
4 800 400
5 800 800
備考 製造業者は,上の組合せの一つを指定する。製造業者と使用者の間の合意によって他の値を指定しても
よい。

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備考 この図において,X,Y,Zの記号はロータリテーブルに関する方向を示すために使われ,機械の軸名称を必ず
しも表現していない。
図 1 受入検査及び定期検査のためのロータリテーブル上の検査用標準

――――― [JIS B 7440-3 pdf 7] ―――――

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5.4 回転軸誤差の求め方

 位置番号0から28までの測定結果(検査用標準球Aの座標値をXA,YA,ZA
とし,検査用標準球Bの座標値をXB,YB,ZBとする。)を使って,両方の検査用標準球の中心の半径方向,
接線方向及び軸方向座標値の最大値と最小値との差として,3種類の回転軸誤差FR,FT,FAを計算する
(図2及び表2を参照)。
備考1. XAとXBは,検査用標準球A,Bの中心座標の半径方向成分であり,回転軸半径方向誤差FRA
とFRBの計算に使用する。
2. YAとYBは,検査用標準球A,Bの中心座標の接線方向成分であり,回転軸接線方向誤差FTA
とFTBの計算に使用する。
3. ZAとZBは,検査用標準球A,Bの中心座標の軸方向成分であり,回転軸軸方向誤差FAAと
FABの計算に使用する。
備考1. rは,ロータリテーブルの軸から検査用標準球Bまでの半径である。
2. hBは,ロータリテーブルの測定物を固定する面から検査用標準球Bの中心までの高さである。
3. 検査用標準球Aの位置は,わかりやすくするために示していない。
図 2 4番目の軸としてロータリテーブルの軸をもつ座標測定機の受入検査及び定期検査のための
3種類の回転軸誤差FRB,FTB,FABによって作られた空間の概略図

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表 2 ロータリテーブル検査のための標準的な角度位置
角度位置 測定座標値
位置番号 度 検査用標準球A 検査用標準球B
W1 W2 XA YA ZA XB YB ZB
0 0 0 XA0 YA0=0 ZA0 XB0=0 YB0=0 ZB0=0
1 75 135 XA1 YA1 ZA1 − − −
2 125 225 XA2 YA2 ZA2 − − −
3 175 315 XA3 YA3 ZA3 − − −
4 385 405 XA4 YA4 ZA4 − − −
5 410 540 XA5 YA5 ZA5 − − −
6 510 630 XA6 YA6 ZA6 − − −
7 820 810 XA7 YA7 ZA7 − − −
8 510 630 XA8 YA8 ZA8 − − −
9 410 540 XA9 YA9 ZA9 − − −
10 385 405 XA10 YA10 ZA10 − − −
11 175 315 XA11 YA11 ZA11 − − −
12 125 225 XA12 YA12 ZA12 − − −
13 75 135 XA13 YA13 ZA13 − − −
14 0 0 XA14 YA14 ZA14 XB14 YB14 ZB14
15 -75 -135 − − − XB15 YB15 ZB15
16 -125 -225 − − − XB16 YB16 ZB16
17 -175 -315 − − − XB17 YB17 ZB17
18 -385 -405 − − − XB18 YB18 ZB18
19 -410 -540 − − − XB19 YB19 ZB19
20 -510 -630 − − − XB20 YB20 ZB20
21 -820 -810 − − − XB21 YB21 ZB21
22 -510 -630 − − − XB22 YB22 ZB22
23 -410 -540 − − − XB23 YB23 ZB23
24 -385 -405 − − − XB24 YB24 ZB24
25 -175 -315 − − − XB25 YB25 ZB25
26 -125 -225 − − − XB26 YB26 ZB26
27 -75 -135 − − − XB27 YB27 ZB27
28 0 0 XA28 YA28 ZA28 XB28 YB28 ZB28
回転軸誤差 FRA FTA FAA FRB FTB FAB
備考 角度位置W1は,ロータリテーブルの一部分を用いる座標測定機に適用する。角度位置W2は,ロー
タリテーブルの全範囲を用いる座標測定機に適用する。これらの列のどちらか一方だけを検査される
特定の座標測定機に適用する。この表中のダッシュ(−)は,その角度位置ではその検査用標準球の
位置を測定しないことを意味する(5.3の備考5参照)。

6. 仕様との適合

6.1 受入検査

 JIS B 0641-1に従う測定の不確かさを考慮に入れて,回転軸誤差FRA,FTA,FAA,FRB,
FTB,FABのすべてが,製造業者によって指定された3種類の最大許容誤差MPEFR,MPEFT,MPEFA以下な
らば,4番目の軸としてロータリテーブルの軸をもつ座標測定機は仕様に適合すると判定する。
参考 ここでは,JIS B 0641-1に従う測定の不確かさとして,検査用標準球の形状偏差(5.2.1参照)を
考慮する。

――――― [JIS B 7440-3 pdf 9] ―――――

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6.2 定期検査

 JIS B 0641-1に従う測定の不確かさを考慮に入れて,回転軸誤差FRA,FTA,FAA,FRB,
FTB,FABのすべてが,使用者によって指定された3種類の最大許容誤差MPEFR,MPEFT,MPEFA以下なら
ば,4番目の軸としてロータリテーブルの軸をもつ座標測定機は仕様に適合すると判定する。
参考 ここでは,JIS B 0641-1に従う測定の不確かさとして,検査用標準球の形状偏差(5.2.1参照)を
考慮する。

7. 適用事例

7.1 受入検査

− 購入契約
− 保守契約
− 修理契約
− 仕様変更契約など
に記述されるような製造業者と使用者との契約状況において,この規格で規定する受入検査は,製造業者
と使用者の合意によって指定された最大許容誤差MPEFR,MPEFT,MPEFAに従って,4番目の軸としてロ
ータリテーブルの軸をもつ座標測定機が仕様に適合すると判定する。
もし製造業者がいかなる制限も指定しなかった場合は,3種類の最大許容誤差MPEFR,MPEFT,MPEFA
は,座標測定機のロータリテーブルの任意の荷重,位置及び姿勢に適用する。

7.2 定期検査

 組織内の品質保証システムにおいて,この規格で規定する定期検査は,詳細な適用限界
のもとで,使用者によって指定された最大許容誤差MPEFR,MPEFT,MPEFAに従って,4番目の軸として
ロータリテーブルをもつ座標測定機の性能を検証する検査として使用できる。

7.3 中間点検

 組織内の品質保証システムにおいて,回転軸誤差が3種類の最大許容誤差MPEFR,MPEFT,
MPEFA以下である可能性を示すために,簡便な点検を定期的にしてもよい。
中間点検では,検査用標準球,角度位置数及び実行する測定数を減らしてもよい。

――――― [JIS B 7440-3 pdf 10] ―――――

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