JIS B 7552:2011 液体用流量計の校正方法及び試験方法 | ページ 2

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標準器及びその間の配管において,極端な温度変化が生じないように配慮されている。
e) 試験液は,気体又は固体が混入していない単層流である。また,運転中にじんあい及び気泡が混入す
るおそれがない。必要な場合は,ストレーナ,気体分離器を設置する。
f) 被試験流量計,標準器及びその間の配管から試験液が漏れ出たり,枝管などから試験液が流入したり
するおそれがない。また,継手部分から気泡を吸い込んだり,配管内に気泡だまりを形成したりする
おそれがない。
g) 環境に害を及ぼすおそれのある試験液を使用する場合は,被試験流量計を取り外したときに排出され
る試験液を適切に回収できるように,排液受け等を設置する。

4.3 試験液の種類

  校正及び器差試験に使用する液体の種類は,被試験流量計に表記された液,又は被試験流量計に実際に
流される液(以下,実液という。)とする。ただし,実液又は表記された液のいずれも用いることが困難な
場合は,粘度及び密度が実液と類似した液を用いる。

5 校正

5.1 一般

5.1.1  校正の種類
校正は,標準流量計による校正,体積管による校正,及びひょう量タンクによる校正に分けられる。標
準流量計による校正及び体積管による校正では,試験液は限定されないが,ひょう量タンクによる校正で
は試験液は水に限定される。
5.1.2 校正の手順
校正は,次の手順で行う。
a) 被試験流量計を校正設備に取り付け,管路を試験液で満たす。
b) エア抜き弁を開放する,最大流量で試験液を循環するなどの手段によって,残留している空気を取り
去る。
c) 被試験流量計の取付部又はその他の管路に漏れがないことを確認する。
d) 校正を行う予定の流量の最大値で試験液を循環させ,試験液及び管路の温度を安定させる。
e) 温度の安定を確認した後,予備測定を行い,流量計の信号が確実に取り込まれていること,設備に異
常がないことを確認する。
f) 測定を開始する。ある流量での測定が完了し,他の流量点での測定を行う場合は,流量を変えたこと
によって試験液の温度が変動することがあるので,温度の安定を確認した後に次の測定を開始する。

5.2 標準流量計による校正

5.2.1  設備
設備が備えるべき要件は,次による。また,概略図を図1に示す。
a) 標準流量計,被試験流量計共に,上流側及び下流側に十分な長さの直管を備える。直管の長さについ
てJISなどの規格に規定がある場合又は製造業者の推奨値がある場合はそれに従う。それ以外の場合
も,上流側及び下流側の流れ場の影響が流量計測に影響を与えない十分な直管長さを確保する。十分
な直管長さを確保できない場合は,整流管などを用いて流量計に流入する流れ場をできるだけ均等な
ものにする。
b) 標準流量計と被試験流量計との間の管路長は,管路内の流体質量変化が無視できる程度の長さとする。
c) 図1では標準流量計が被試験流量計の上流に設置されているが,被試験流量計を標準流量計の上流側

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に設置することもできる。
d) 標準流量計,被試験流量計共に温度計,圧力計を備える。ただし,標準流量計と被試験流量計との間
で流体の密度が変化しないとみなされる場合又は標準流量計,被試験流量計共に質量流量計である場
合は,校正設備の適切な1か所に温度計を備えるだけでよい。
e) 標準流量計に対して,次のいずれかの方法で定期的な校正を行う。また,校正周期は出力の経年変化
が校正の不確かさに比べて無視できる程度に設定する。
1) 計量法に基づく登録校正事業者(JCSS事業者)による登録範囲の校正,又は第三者によってJIS Q
17025に適合していることを認定された校正事業者が行う校正
2) 独立行政法人産業技術総合研究所による校正
注記 独立行政法人産業技術総合研究所が実施する依頼試験のうち,不確かさを付与しないで試
験結果を報告するもの,及び独立行政法人産業技術総合研究所又は都道府県が実施する基
準器検査は,この規定に該当しない。
3) 箇条5の規定に基づく校正
f) 標準流量計の校正に使用する試験液は,被試験流量計の校正で使用するものと同じ種類とする。
g) 標準流量計の校正を行う流量範囲は,被試験流量計の校正に使用する流量範囲を含む。また,標準流
量計の校正を行うときの試験液の温度と,被試験流量計の校正に使用するときの試験液の温度とが大
きく異なる場合は,管レイノルズ数を計算し,標準流量計の校正を行うときの管レイノルズ数が,被
試験流量計の校正に使用するときの管レイノルズ数を含むように,流量範囲を設定する。
h) 被試験流量計内の液温(T)と標準流量計内の液温(TS)との差は,表1に示す値以下とする。
図1−標準流量計による校正設備の概略図
表1−許容される温度差の最大値
試験液 温度差(|T−TS|)
水 7℃
水以外 1.4 ℃
5.2.2 校正方法
この規格で取り扱う標準流量計と被試験流量計との組合せ,及び校正値として得られる数値は,表2に
よる。表中で“−”で示されている組合せは,この規格で取り扱わない。流量出力をもつ標準流量計とは,
デジタル表示,アナログ表示,デジタル信号出力,電圧出力,電流出力など,流量に応じた出力をもつも
のである。

――――― [JIS B 7552 pdf 7] ―――――

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表2−標準流量計と被試験流量計との組合せ及び校正値
被試験流量計
標準流量計
流量出力 パルス出力 絞り流量計
補正係数Cf
流量出力 − −
又は偏差E
補正係数Cf
パルス出力 KファクタKf 流出係数 Cd
又は偏差E
5.2.3 校正値の計算
5.2.3.1 流量出力をもつ標準流量計で,流量出力をもつ流量計を校正する場合
流量出力をもつ標準流量計で,流量出力をもつ流量計を校正する場合,校正値は補正係数又は偏差(器
差)で表される。
補正係数Cfは,次の式(1)によって求める。
QS ρS
Cf= (1)
QDUT ρ
ここに, QDUT,QS : 被試験流量計及び標準流量計の流量出力の時間平均値
(m3/s)
ρ,ρS : 被試験流量計内及び標準流量計内の試験液の密度
(kg/m3)。ただし,ρ及びρSを個別に求めることはせず,
ρの逆数を用いる。
5.2.6で得られる Sρ
偏差(器差)Eは,次の式(2)によって求める。
QDUT ρ
E= −1 100 (%) (2)
QS ρS
偏差(器差)Eは,簡略化した次の式(3)でも算出できる。
QDUT
E= 100 (%) (3)
−1+αL TS−T +FL P−PS
QS
ここに, αL : 試験液の熱膨張係数(K−1)
FL : 試験液の圧縮係数(Pa−1)
T,TS : 被試験流量計内及び標準流量計内の試験液の平均温度
(℃)
P,PS : 被試験流量計内及び標準流量計内の試験液の圧力(Pa)
被試験流量計及び標準流量計の流量出力の平均値(QDUT,QS)の計測時間は,30 s以上とする。
5.2.3.2 パルス出力をもつ標準流量計で,流量出力をもつ流量計を校正する場合
パルス出力をもつ標準流量計で,流量出力をもつ流量計を校正する場合,図2に示すように標準流量計
の出力パルスは周波数計(又は,カウンタと計時装置との組合せ)に入力し,その周波数を測定する。被
試験流量計の出力は,出力形態に応じて測定又は読取りを行う。

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図2−流量出力をもつ流量計の校正
校正値は,補正係数又は偏差(器差)で表される。
補正係数Cfは,次の式(4)によって求める。
1 fS ρS
Cf = (4)
ρ
QDUT 1 000 KfS
ここに, QDUT : 被試験流量計の流量出力の時間平均値(m3/s)
fS : 標準流量計が発生するパルスの周波数の時間平均値
(Hz)
ρ,ρS : 被試験流量計内及び標準流量計内の試験液の密度
(kg/m3)。ただし,ρ及びρSを個別に求めることはせず,
ρの逆数を用いる。
5.2.6で得られる Sρ
KfS : 標準流量計のKファクタ(Pulse/L)
偏差(器差)Eは,次の式(5)によって求める。
1 000 KfS
ρ
E= QDUT −1 100 (%) (5)
fS ρS
偏差(器差)Eは,簡略化した次の式(6)でも算出できる。
1 000 KfS
E= QDUT −1+αL TS−T +FL P−PS 100 (%) (6)
fS
ここに, αL : 試験液の熱膨張係数(K−1)
FL : 試験液の圧縮係数(Pa−1)
T,TS : 被試験流量計内及び標準流量計内の試験液の温度
(℃)
P,PS : 被試験流量計内及び標準流量計内の試験液の圧力
(Pa)
被試験流量計流量出力の平均値(QDUT)及び標準流量計が発生するパルスの周波数の時間平均値fSの計
測時間は,30 s以上とする。
5.2.3.3 パルス出力をもつ標準流量計で,パルス出力をもつ流量計を校正する場合
パルス出力形の流量計を校正する場合,図3に示すように標準流量計の出力パルスと被試験流量計の出
力パルスとを積算する2台のカウンタは,同一のゲート信号で積算の開始及び停止を行う。

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図3−パルス出力形の流量計の校正
標準流量計,被試験流量計が共に体積流量計の場合の校正値は,KファクタKfで表され,次の式(7)によ
って求める。
ρ I
K=
f KfS (7)
ρS IS
ここに, Kf : 被試験流量計のKファクタ(Pulse/L)
KfS : 標準流量計のKファクタ(Pulse/L)
ρ,ρS : 被試験流量計内及び標準流量計内の試験液の密度
(kg/m3)。ただし,ρ及びρSを個別に求めることはせ
ρを用いる。
ず,5.2.6で得られる Sρ
I,IS : パルスカウンタによって積算された被試験流量計
及び標準流量計の出力パルスの数
標準流量計,被試験流量計が共に質量流量計の場合校正値は,質量流量に関するKファクタKfmで表さ
れ,次の式(8)によって求める。
I
K=
fm KfmS (8)
IS
ここに, Kfm : 被試験流量計の質量流量に関するKファクタ(Pulse/kg)
KfmS : 標準流量計の質量流量に関するKファクタ(Pulse/kg)
I,IS : パルスカウンタによって積算された被試験流量計及び
標準流量計の出力パルスの数
なお,被試験流量計に対して,あらかじめ公称Kファクタが与えられているときは,5.2.3.1に準じて補
正係数及び偏差が算出できる。この場合は,式(1)又は式(2)において,QDUTを公称Kファクタで,QSをKf
でそれぞれ置き換える。
5.2.3.4 パルス出力をもつ標準流量計で,絞り流量計を校正する場合
絞り流量計を校正する場合,図4に示すように標準流量計の出力パルスは周波数計(又はカウンタと計
時装置との組合せ)に入力し,その周波数を測定する。絞り流量計が発生する差圧は,差圧計によって測
定する。絞り流量計の構造,取付け及び密度の決定は,JIS Z 8762-1JIS Z 8762-4による。

――――― [JIS B 7552 pdf 10] ―――――

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