JIS B 7557:2019 排水流量計―取引又は証明用 | ページ 2

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3.24
最低許容使用温度,mAT(minimum admissible working temperature)
定格動作条件下で,流量計が,その計量性能を低下させることなく恒常的に耐えられる最低の水温。
3.25
影響量(influence quantity)
測定の対象ではないが,計量結果に影響を与える量。
3.26
影響因子(influence factor)
この規格に規定する,流量計の定格動作条件内の値をもつ影響量。
3.27
妨害(disturbance)
この規格に規定する,流量計の定格動作条件の範囲外の値をもつ影響量。
注記 定格動作条件を規定していない影響量の場合は,その影響量は妨害である。
3.28
定格動作条件(rated operating conditions)
流量計の器差が最大許容器差以内であることができる,影響因子の値の範囲を指定した条件。
3.29
基準条件(reference conditions)
流量計の性能試験のため,又は測定結果の相互比較のために規定した,一連の影響量の基準値又は基準
範囲。
3.30
電子装置(electronic device)
電子部品を使用し,特定の機能を果たす装置。通常別々のユニットとして製造され,独立に試験するこ
とができる。
3.31
電子部品(electronic sub-assembly)
電子装置の一部であって,電子素子を用いており,それ自体が認識できる一定の機能を果たす部品。
3.32
電子素子(electronic component)
半導体,気体又は真空中で,電子又はホール伝導の最小の素子。
3.33
試験流量(test flowrate)
標準器の表示から算出した,試験中の平均流量。流量計を通過した水の体積の真実の値を,この体積が
流量計を通過するのに要した時間で除した量。
3.34
呼び径,D(nominal diameter)
管工事部品の口径寸法の呼び。
3.35
水路
測定部に与える乱流等の流れの影響を最小限にするよう設けられた部分。管路を含む。水路又は管路の

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長さは水路幅(W)又は呼び径(D)を一単位として表す。

4 計量要件

4.1 最大許容器差及び最大許容器差に影響を与える因子に関する要件

4.1.1  最大許容器差(MPE)
精度等級3及び精度等級5を設け,それぞれの定格最大許容器差を次のとおりとする。
等級3
大流量域(Q2≦Q≦Q3) : ±3 %
小流量域(Q1≦Q 等級5
大流量域(Q2≦Q≦Q3) : ±5 %
小流量域(Q1≦Q ただし,せき式流量計及びパーシャルフリューム式流量計は,それぞれJIS B 8302及びJIS B 7553によ
る。
精度等級は,機種及び設置条件によって指定することができる。
基準条件の流量が試験設備の能力を超える場合は,試験流量を検査成績書に明記する。
4.1.2 器差(E)
器差は,パーセントで表し,次の式によって求める。
Vi Va
E 100
Va
ここに, Vi : 計量値
Va : 真実の値
4.1.3 計量特性に影響を与える因子に関する要件
計量特性に影響を与える因子は,その影響度を明らかにしなければならない。

4.2 流量計及び付加装置の要件

4.2.1  調整装置
調整装置を流量計の外部で接続するときは,封印できなければならない。
流量計は,機械式調整装置の代わりに電子式調整装置を備えてもよい。
4.2.2 補正装置
流量計は,補正装置を備えなければならない。この装置は,流量計の必須部分とみなす。そのため,流
量計に適用する全ての要件,特に最大許容器差は,計量条件での補正後の体積に適用する。
通常動作においては,未補正体積を表示してはならない。
補正装置の目的は,器差をできる限りゼロに近づけることにある。補正装置は,流量計の器差をゼロ以
外の値に調整するために使用してはならない。また,封印できなければならない。
補正装置付きの流量計は,附属書Aの性能試験を満たすことが望ましい。
補正に当たり,測定はしないが補正に必要な全ての関連データは,計量動作の開始前に入力していなけ
ればならない。
補正装置は,使用時間,計量体積などに関して,あらかじめ予測している補正を行ってはならない。
附属計器がある場合,その精度は,4.1に規定する要件を満たすのに十分なものでなければならない。

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4.2.3 演算部
計算表,補正計算式など,計量に必要な全ての関連データは,計量動作の開始前に入力していなければ
ならない。
演算部は,周辺機器と接続可能となっていてもよい。演算部が外部と接続する場合には,流量計の機械
作動部及び制御・演算部は,共に正確な作動を継続するとともに,計量機能に影響があってはならない。
4.2.4 表示機構
計量中であっても,常時表示していなくてもよい。ただし,必要時に10秒以上積算体積を表示できなけ
ればならない。
表示機構が付加的な情報を含んでいる場合,その情報は,積算体積の表示と明確に区別して表示しなけ
ればならない。
4.2.5 付加装置
流量計に付加装置が付いている場合は,付加装置を付加することによって,流量計の計量特性が変化す
ることがあってはならない。

4.3 電子装置付き流量計

4.3.1  一般要件
電子装置付き流量計は,通常とは異なる環境,条件下で,瞬間的な異常とは異なる異常が生じないよう
にしなければならない。
4.3.2 供給電源
電子装置付き流量計用の供給電源は,次の2種類とする。
− 外部供給電源
− 交換可能な電池電源
これらの2種類の電源は,単独でも組合せでも使用できる。各種類の電源への要件を次に規定する。
4.3.2.1 外部供給電源
外部供給電源は,次による。
a) 電子装置付き流量計は,外部供給電源(交流又は直流)が停電しても,停電直前の流量計の積算体積,
又は10分ごとに時刻と記録単位時間当たりの積算体積とを記憶し,少なくとも1年はそれを読み出せ
るように設計しなければならない。
b) 流量計の他のいかなる特性及び関連データも,電源の中断の影響を受けてはならない。
なお,この要件への適合は,必ずしも,流量計が,停電中に計量した体積を表示し続けることを保
証することにはならない。
外部供給電源が停電したときは,電源復帰後,流量計が停電前の性能を保証するため,少なくとも
総計で1か月以上,内蔵電池又はその他の手段によって設定値の保持及び特性維持をしなければなら
ない。
c) 電源は,容易に触れることができないように安全を確保しなければならない。
4.3.2.2 交換可能な電池電源
交換可能な電池電源は,次による。
a) 電池交換についての明確なルールを確立しなければならない。
b) 次回の電池交換時期を流量計に表示しなければならない。
c) 電池交換時の電源供給中断後においても,流量計の他のいかなる特性及び関連データに影響があって
はならない。

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この要件は,必ずしも,流量計が電池交換中に計量した水の体積を記録し続けることを保証するこ
とにはならない。これはA.12に従って試験することが望ましい。
d) 電池交換の作業は,封印を破棄しない方法で実施してもよい。
e) 封印を破棄せずに電池を取り外すことができる場合は,電池収納部は,容易に触れることができない
安全装置で保護しなければならない。

5 技術的要件

5.1 流量計の材料及び構造

  流量計の材料及び構造は,次による。
a) 流量計は,その使用目的に適した強度及び耐久性をもつ材料で製作しなければならない。
b) 流量計は,最高許容使用温度最低許容使用温度の範囲での水温の変動によって,不利な影響を受け
ないような材料で製作しなければならない。
c) 流量計は,流量計を通過する水に接する全ての材料が,無害で汚染を生じず,かつ,生物学的に不活
性である材料で製作しなければならない。
d) 流量計は,内部及び外部からの腐食に耐える材料又は適切な表面処理で保護された材料で製作しなけ
ればならない。

5.2 エンクロジャー[きょう(筐)体]

  全ての電子装置及び機械的装置並びに接続は,JIS C 0920に基づき粉じん(塵)及び水の侵入に対して
保護されなければならない。

5.3 調整及び補正

  流量計には,調整装置及び/又は補正装置を備えることができる。
これらの機器を流量計の外部で接続するときは,封印できなければならない(5.7を参照)。

5.4 設置条件

  流量計は,製造事業者が示す設置条件に従って設置しなければならない。製造事業者は,流量計の性能
を発揮させるための環境条件,水路条件などを取扱説明書の中に明示しなければならない。

5.5 定格動作条件

− 流量範囲は,Q1Q3とする。
− 流量計の使用周囲温度範囲は,−5 ℃以上55 ℃以下とする。
− 流量計の使用周囲湿度範囲は,5 %以上95 %以下とする。
− 流量計の流体温度範囲は,0.1 ℃以上45 ℃以下とする。

5.6 表示機構

5.6.1  一般要件
− 表示機構は,読みやすく,確実かつ明白に計量値を目視できるものでなければならない。
− 表示機構は,試験及び検査のために目視できる手段を備えていなければならない。
− 表示機構は,例えば,自動検査・校正のためのような,目視以外の他の試験検査用付加素子を備えて
いてもよい。
5.6.2 計量単位,単位記号及びその位置
水の体積は,立方メートル(m3)で表す。ただし,m3の分量(1 m3未満の量)は,リットル(L)を用
いてもよい。
これらは,目盛板上又は数表示の直近の位置に表記しなければならない。

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5.7 封印できる保護装置

  封印した後は,その封印に明らかな損傷を与えることなしには,器差を調整したり,又は計量値を変更
したりすることができないように,封印できる保護装置を備えていなければならない。
5.7.1 機械的保護装置
流量計は,その装置を損傷することなしには,調整装置を外したり修正したりすることができないよう
に,封印できる保護装置を備えていなければならない。
計量結果の決定に影響する関連データへの読み書きが可能な流量計は,機械式の封印装置で保護しなけ
ればならない。
5.7.2 電子封印装置
5.7.2.1 アクセス
計量結果の決定に影響する関連データへの読み書きが,機械式の封印装置では保護されない場合,その
保護は,次の規定を満足しなければならない。
a) データの読み書きは,コード(例えば,キーワード)又は特殊装置(例えば,ハードキー)の手段に
よって,特定された人々だけが許される。コードは,変更可能でなければならない。
b) 流量計には,使用者が日常の管理業務で使用する部分があるため,その部分は範囲を明確にし,封印
から除外しなければならない。
5.7.2.2 互換性のある部品
使用者が流量計から外すことができ,かつ,互換性のある流量計に使用される部品に交換する場合は,
次の規定を満足しなければならない。
a) 5.7.2.1を満足しない限り,外した箇所から計量結果の決定に関与する関連データの修正が可能であっ
てはならない。
b) 精度に影響する可能性のあるいかなる装置の装着も,電子的情報処理防護手段によって防止しなけれ
ばならない。それが不可能な場合は,機械的手段によって防止しなければならない。
5.7.2.3 互換性のない部品
使用者が流量計から外すことができ,かつ,互換性のない部品に交換する場合は,5.7.2.2のa) 及びb) を
適用する。
さらに,その流量計は,それらの部品が,製造業者の指定する構成に従って接続していない場合は,作
動不能になるような装置を設けていなければならない。
使用者に許容していない分離は,例えば,分離・再接続後のいかなる計量をも防止する手段などで防止
してもよい。
5.7.3 封印の範囲
封印は,設定・精度に関する部分とし,使用者の維持管理が必要な部分とは明確に分ける。
封印の範囲の例を,附属書Hに示す。

6 試験方法

6.1 一般

  流量計の試験方法は,次による。ただし,パーシャルフリューム式流量計及びせき式流量計については,
それぞれJIS B 7553及びJIS B 8302による。

6.2 基準条件

  流量計を試験する場合,試験対象とする項目以外の各項目について,試験期間中,次の値を保たなけれ

――――― [JIS B 7557 pdf 10] ―――――

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JIS B 7557:2019の国際規格 ICS 分類一覧

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