JIS B 7603:2019 ホッパースケール | ページ 4

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3.6.4
スパン安定性試験(span stability test)
試験器物(EUT)が使用期間中にわたって,その性能特性を維持できることを検証する試験。

4 量記号

  この規格で用いる量記号は,表1による。
表1−量記号
記号 意味
I 表示値
In n番目の表示値
L 荷重
ΔL 次の表示値の切換点までの追加荷重
P 計量値(I+1/2dt−ΔL=丸める前の指示)
E 誤差(I−L又はP−L)
E% 誤差の荷重に対する割合[(P−L)/L %]
E0 ゼロ点における誤差
d 管理目量
dt 積算目量
pi 誤差配分(9.1.4参照)
MPE 最大許容誤差
EUT 試験器物
sf 有意な誤り
Max ホッパースケールのひょう量
Min ホッパースケールの最小測定量
Unom ホッパースケールに表記する電源の公称電圧値
Umax ホッパースケールに表記する電圧範囲の最大値
Umin ホッパースケールに表記する電圧範囲の最小値
e.m.f 起電力
I/O 入力/出力ポート
RF 無線周波数
DC 直流
AC 交流

5 計量要件

5.1 精度等級

  ホッパースケールは,次の4種類の精度等級に分類する。
0.2,0.5,1,2
精度等級は,5.2によって分類し,6.9.2に従ってホッパースケールに記載しなければならない。
精度等級は,意図した使用,すなわち,計量する製品の特性,設置環境並びに9.1及び9.2で規定されて
いるその他の動作条件によって定めなければならない。

5.2 最大許容誤差

5.2.1  自動計量の最大許容誤差
5.2.1.1 積算値の最大許容誤差
自動計量における積算値の最大許容誤差は,表2による。最大許容誤差は,最小積算量(Σmin)以上の

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荷重に適用する。
表2−積算値の最大許容誤差
精度等級 最大許容誤差
0.2 積算値の±0.10 %
0.5 積算値の±0.25 %
1 積算値の±0.50 %
2 積算値の±1.00 %
5.2.1.2 所定量の最大許容誤差
自動計量における所定量の最大許容誤差は,表3による。
表3−所定量の最大許容誤差
精度等級 最大許容誤差
0.2 所定量の±0.10 %
0.5 所定量の±0.25 %
1 所定量の±0.50 %
2 所定量の±1.00 %
5.2.2 非自動(静的)計量の最大許容誤差
非自動(静的)計量における計量値の最大許容誤差は,表4による。
表4−計量値の最大許容誤差
精度等級 最大許容誤差
0.2 計量値の±0.05 %
0.5 計量値の±0.125 %
1 計量値の±0.25 %
2 計量値の±0.50 %
5.2.3 影響因子試験に対する最大許容誤差
影響因子の影響を評価するための試験で適用する最大許容誤差は,表5による。
表5−影響因子試験で適用する最大許容誤差
最大許容誤差
積算目量で表した質量(m)
0≦m≦ 500 ±0.5dt
500 2000 デジタル表示及び印字結果にはそのデジタル表示の丸め誤差に対して補正を行い,少なくとも積算目量
の1/5(0.2dt)の精度でその誤差を決めなければならない。

5.3 目量の形態

  表示及び印字装置の目量は,“k”を正負の整数又はゼロとして,1×10k,2×10k又は5×10kの形でなけ
ればならない。

5.4 積算目量(dt)

  積算目量(dt)は,次による。
a) ホッパースケールのひょう量の0.01 %以上

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b) ホッパースケールのひょう量の0.2 %以下

5.5 最小積算量(Σmin)

  最小積算量(Σmin)の値は,次による。
a) 自動計量の最大許容誤差が積算目量(dt)に等しくなる荷重の値以上
b) 最小測定量(Min)以上
したがって,表2の規定によって,最小積算量(Σmin)は,表6となる。
表6−最小積算量(Σmin)の値
精度等級 最小積算量(Σmin)の下限値
0.2 1000×dt,又はMinの大きい方
0.5 400×dt,又はMinの大きい方
1 200×dt,又はMinの大きい方
2 100×dt,又はMinの大きい方
例 ホッパースケール : 精度等級0.5級
ひょう量(Max)=1 000 kg
最小測定量(Min)=200 kg
積算目量(dt)=0.2 kg
5.5 a) によってΣmin≧400×dt=400×0.2 kg=80 kg及び
5.5 b) によってΣmin≧Min=200 kg
したがって,この例では,最小積算量(Σmin)の値は200 kgである。

5.6 複数の表示装置

  与えられた荷重に対して,複数の表示装置の表示の差は,次による。
− デジタル表示装置又は印字装置にあっては,差はあってはならない。
− アナログ指示装置にあっては,自動計量の最大許容誤差の絶対値を超えてはならない。

5.7 影響因子

5.7.1  温度
温度は,次による。
a) 静的温度 ホッパースケールは,−10 ℃+40 ℃の温度範囲において,適切な計量要件及び技術要
件に準拠しなければならない。しかし,ホッパースケールの設置場所の環境条件によって,温度範囲
が−10 ℃+40 ℃とは異なる可能性がある場合は,少なくとも温度範囲を30 ℃以上として,使用
温度範囲を定めてよい。
b) ゼロ点表示の温度影響 ゼロ点又はゼロ点付近の表示値は,5 ℃の周囲温度変化に対して1積算目量
(dt)を超えて変化してはならない。
5.7.2 主電源電圧変動
電気式のホッパースケールは,電源電圧がホッパースケールに表記されている公称電圧Unom(ホッパー
スケールに一つの電圧だけが記されている場合)又は電源電圧範囲の上限(Umax)及び下限(Umin)から
変動した場合,適切な計量要件(箇条5参照)及び技術要件(箇条6参照)に適合しなければならない。
− AC主電源
下限=0.85×Unom又は0.85×Umin
上限=1.10×Unom又は1.10×Umax

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− DC主電源
下限は最小動作電圧
上限=1.20×Unom又は1.20×Umax
− DC電池電源(DC主電源接続を除く。)
下限は最小動作電圧
上限はUnom又はUmax
− 12 V又は24 V車両用電池電源
下限は12 V電池の場合9 V,又は24 V電池の場合16 V
上限は12 V電池の場合16 V,又は24 V電池の場合32 V
注記 最小動作電圧は,ホッパースケールが自動的にスイッチオフとなる前の最低動作可能な電圧と
定義される。
DC電池駆動及びDC主電源のホッパースケールでは,その電圧が製造業者が規定した最小動作電圧以
下となった場合,継続して正しく機能するか,又は質量値を表示しないかのいずれかでなければならない。

5.8 計量単位

  ホッパースケールに使用する質量単位は,次による。
− ミリグラム(mg)
− グラム(g)
− キログラム(kg)
− トン(t)
ただし,特殊な用途として次の計量単位を用いることができる。
− 宝石 カラット(ct)(1カラット=0.2 g)
− 真珠 もんめ(mom)(1もんめ=3.75 g)
− 金貨 トロイオンス(oz)(1トロイオンス=31.103 5 g)

6 技術要件

6.1 用途への適合性

  ホッパースケールは,その運転方法及び意図した荷重に適するように設計されていなければならない。
ホッパースケールは,その計量特性を維持するために十分堅ろう(牢)な構造でなければならない。

6.2 安全性

6.2.1  不正使用
ホッパースケールは,不正使用を容易にするような特性をもってはならない。
6.2.2 偶発的な故障及び調整不良
ホッパースケールは,正しい機能を乱すような制御部品の偶発的な故障又は調整不良が発生した場合に
は,明確に判断できるようにしなければならない。
6.2.3 荷重受け部のパージ
荷重受け部の設計及びホッパースケールの動作は,その計量結果が,計量サイクル中における排出後に
荷重受け部に残る荷重の量の変動によって,悪影響を受けてはならない。
6.2.4 過荷重及び最大安全荷重
ホッパースケールの設計及び動作は,その計量結果が,計量サイクル中の不安定な又は不意に増加する
質量流入による次のような荷重によって,悪影響を受けてはならない。

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a) その影響が明白になっていない最大安全荷重を超える荷重
b) 結果的に過荷重になる荷重
6.2.5 自動計量条件
次の場合に,自動計量が中断され,計量結果の記録及び印字が停止されるか又は明確な警告が記録され
るか,警告信号が表示されなければならない。
a) 荷重が,各計量範囲におけるひょう量(Max)を9積算目量(9dt)超える場合
b) 取引の最後の被計量物として処理する場合を除き,計量してバルク製品へ排出した被計量物が最小測
定量(Min)未満である場合
6.2.6 管理はかりとしての使用
管理はかりとして使用されるホッパースケールは,次のようなものでなければならない。
− 自動運転の中断を可能にする非自動運転装置を備えており,自動計量を中断し,非自動(静的)計量
することが可能である。
− 8.1.2の適切な要件に準拠している。
6.2.7 運転調整
6.2.5の場合及び8.1.3に規定した試験中に計量サイクルを中断する場合を除いて,自動計量中は運転調
整又は表示装置のリセットが可能であってはならない。
6.2.8 制御
制御装置は,動作中に全ての表示ができなくなる場合を除き,設計上の停止位置以外で運転が停止して
はならない。操作キーは,明確に示されていなければならない。
6.2.9 集じん機
集じん機の動作は,計量結果に影響を及ぼしてはならない。
6.2.10 非自動(静的)計量における安定平衡
各計量試験の印字値が最終質量値から1積算目量(1dt)を超えて変動してはならない。これは,2個の
隣接した値しか示さないようなホッパースケールの状態を指す。また,ゼロ点設定は,6.8.1に従った精度
要件の範囲内で,正しく動作しなければならない。
これらの要件は,各計量試験ごとに有効であり,複数の試験にまたがっては有効ではない。
6.2.11 インタロック
インタロックは,規定動作条件の範囲外におけるホッパースケールの動作を防止するか,又はそのよう
な動作状態である旨を表示するかのいずれかでなければならない。インタロックは,次の要件を満たさな
ければならない。
− 最小動作電圧(5.7.2)
− 過荷重及び最大安全荷重(6.2.4)
− ゼロ点設定(6.8.3)
− 自動計量条件(6.2.5)

6.3 構成部品,インタフェース及びプリセット制御の保護

6.3.1  一般
操作者による調整又は取外しを意図していない構成部品,インタフェース及びプリセット制御は,保護
する手段が備わっているか,又はきょう(筐)体内に納められていなければならない。きょう(筐)体内
に納められている場合,きょう(筐)体は封印することが望ましい。封印は,いかなる場合においても容
易に確認できなければならない。

――――― [JIS B 7603 pdf 20] ―――――

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JIS B 7603:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • OIML R 107-1:2007(MOD)

JIS B 7603:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 7603:2019の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISZ8103:2019
計測用語