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計量特性に影響を与える可能性のある動作に対して,他の方法では十分に保護できないホッパースケー
ルの全ての部分を保護しなければならない。
6.3.2 保護手段
保護手段は,次による。
a) 計量特性に影響を与える可能性のある機能へのアクセスは,ソフトウェア及び/又はハードキー,識
別スキャナなどのハードウェアによって権限のある者に限定しなければならない。
b) 介入の記録が可能であり,かつ,次の情報にアクセスして表示することが可能でなければならない。
− 介入の記録 介入を行った日付及び者を特定するa) の手段を含まなければならない。
− 介入の追跡 設計上で意図した期間は,保証しなければならない。
記録は上書きしてはならず,また記憶容量が尽きた場合,封印を破らない限り,それ以上の介入が
可能であってはならない。
c) ソフトウェア機能は,6.6の要件に従って,意図的な又は意図的でない偶発的な変更に対して保護して
いなければならない。
d) インタフェースを介した計量データの伝送は,7.2.6の要件に従って,意図的な又は意図的でない偶発
的な変更に対して保護していなければならない。
e) ホッパースケールにおいて利用可能な保護は,設定の個別の保護も可能でなければならない。
f) 記憶装置に保存される計量データは,6.4の要件に従って,意図的な変更,故意ではない変更及び偶発
的な変更に対して保護していなければならない。
6.4 計量結果の表示及び記録
6.4.0A 一般
ホッパースケールは,主積算表示装置及び記録装置を備えなければならない。また,補足積算表示装置,
部分積算表示装置及びデータ記憶装置を備えてもよい。
6.4.1 表示品質
主表示の読取りは,通常使用条件において,確実で,容易かつ明瞭でなければならない。
− アナログ指示装置の読みの総合的なばらつきは,積算目量の1/5(0.2dt)を超えてはならない。
− 主表示を構成する数字は,読取りの容易な大きさ,形状及び明確な表示でなければならない。
− 目盛,数字目盛及び印字は,単純な並列による読みが可能でなければならない。
6.4.2 表示の様式
表示の様式は,次による。
a) 質量単位 計量結果は,それを表す質量単位の名称又は記号を含まなければならない。一つの質量の
表示に使用する質量の単位は,1個だけとする。
質量の単位は,5.8の規定に従って小文字の記号で表示しなければならない。
b) デジタル表示 デジタル表示におけるゼロは,小数点の右側に表示される全てのゼロと左側の一つ以
上のゼロで表示しなければならない。小数点をもたない値の表示は,表示される部分の各位置に一つ
ずつゼロが表示されなければならない(すなわち,少なくとも一つの有効な整数と幾つかの固定され
たゼロとを表示しなければならない。)。
必要とするゼロの数の例を,表7に示す。
――――― [JIS B 7603 pdf 21] ―――――
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表7−表示におけるゼロの数の例
単位 kg
Max dt ゼロ点表示
25 0.01 0.00
5000 1 0
100000 20 00
小数は,小数点(ピリオド)で整数とは区別し,小数点左側の一つ以上の数字と右側の全ての数字
とともに表示させる。
小数点は,数字の下端と同一線上になければならない(例 0.305 kg)。
c) 目量 補足積算表示装置を除いて,全ての積算表示装置の目量は同一でなければならない。目量の形
態は,5.3の規定による。
6.4.3 積算表示装置
積算表示装置は,次による。
a) 積算表示装置は,単純な並列によって,確実,鮮明かつ明瞭な結果の読取りができるものであり,適
切な質量の単位の記号を付さなければならない。
b) 印字は,意図した用途に対して明瞭で消滅しないものでなければならない。印字した数字の高さは,2
mm以上でなければならない。
c) 自動計量中は,いかなる積算表示装置もゼロ点に設定してはならない。
d) 自動計量を中断した場合,表示した最後の合計値を自動的に記録又は印字しない限り,部分積算表示
装置をゼロ点に設定してはならない。
e) 管理表示装置の表示は,積算目量よりも高い分解能(0.2dt以下)でなければならない。
f) 非自動(静的)計量において,6.2.10の規定が満たされない場合,印字を禁止しなければならない。
6.4.4 表示装置の組合せ
複数の表示装置を組み合わせる場合は,明確に識別する。
6.4.5 風袋を計量するはかり
基準となる無負荷の値(風袋)は,主に各計量サイクルの開始時に測定して記録する。
6.5 記録装置及びデータ記憶装置
計量データは,後続使用(表示,印字,データ転送など)のために,ホッパースケールの記録装置又は
外部記憶装置に保存してよい。この場合,保存されたデータは,データの転送中及び/又は保存中におけ
る意図的な及び偶発的な変更に対して適切に保護されなければならず,かつ,過去の計量を再現するのに
必要な全ての情報を含まなければならない。
保存された計量データの保護は,次による。
a) 6.3の適切な要件に従う。
b) データ保存が可能なソフトウェアが転送又はダウンロードが可能である場合,これらのプロセスは6.6
の要件に従って保護されていなければならない。
c) 外部記憶装置の識別及び保護特性として,完全性及び信頼性の保証が自動的に検証されなければなら
ない。
d) 計量データを保存するための交換可能な保存媒体は,保存したデータが特定のチェックサム又はキー
コードによって保護されている場合には,封印する必要はない。
e) 保存容量が尽きる場合,古いデータの所有者が古いデータを上書きする権限を与えたときには,最も
――――― [JIS B 7603 pdf 22] ―――――
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古いデータを新規データで書き変えてよい。
6.6 ソフトウェア
6.6.1 一般
ホッパースケールの計量関連ソフトウェアは,製造業者によって特定されていなければならない。すな
わち,保存又は転送された計量に重要な特性,データ,パラメータなどのソフトウェア及びシステムの誤
り(ソフトウェア及びハードウェア)を検出するためにプログラムされたソフトウェアは,ホッパースケ
ールにおける重要な部分であるとみなされ,6.6.2及び6.6.3に規定するソフトウェアの保護に関する要件
を備えていなければならない。
6.6.2 ソフトウェア制御のはかりに必要なソフトウェア情報
ホッパースケールに必要なソフトウェア情報は,次による。
a) 計量関連ソフトウェアの記述
b) 計量アルゴリズムの精度の記述(例 プログラムモード)
c) ユーザインタフェース,メニュー及びダイアログの記述
d) 明確なソフトウェア識別
e) 組込みソフトウェアの記述
f) ハードウェアシステムの概要(例 操作マニュアルに記述されない場合,接続ブロック図,コンピュ
ータの種類,ソフトウェア機能のソースコード)
g) ソフトウェアの保護手段
h) 操作マニュアル
6.6.3 計量に関連するソフトウェア保護
計量関連ソフトウェア保護は,次による。
a) 計量関連ソフトウェアは,意図的又は偶発的な変更に対して適切に保護しなければならない。6.3及び
6.5に規定されている保護要件を適用する。
b) ソフトウェアには適切なソフトウェア識別が割り当てられなければならない。このソフトウェア識別
は,ホッパースケールの機能及び精度に影響する全てのソフトウェア変更に対応していなければなら
ない。
c) 接続されているインタフェース,すなわち計量関連ソフトウェアの転送を介して実行又は起動される
機能は,7.2.6のインタフェースの保護要件に適合しなければならない。
6.7 管理表示装置付きホッパースケール
管理表示装置付きホッパースケールは,その荷重受け部に表8に従って標準分銅を支持する装置を備え
なければならない。
表8−管理表示装置付きホッパースケールの標準分銅の最小量
標準分銅の最小量
ホッパースケールのひょう量(Max)
Max≦ 5 t Max
5 t25 t 50 t ――――― [JIS B 7603 pdf 23] ―――――
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6.8 ゼロ点設定装置
6.8.0A 一般
各排出後に風袋を計量しないホッパースケールは,ゼロ点設定装置を備えなければならない。
6.8.1 ゼロ点設定の精度
ゼロ点設定後,計量結果に対するゼロ点の偏差の影響は,積算目量の1/4(±0.25dt)を超えてはならな
い。
6.8.2 最大効果
ゼロ点設定装置の影響で,ホッパースケールのひょう量が変わってはならない。
ゼロ点設定装置の全体的効果は,ひょう量の4 %を超えてはならない。また,初期ゼロ点設定装置の全
体的効果は,ひょう量の20 %を超えてはならない。
6.8.3 ゼロ点設定装置の制御
ホッパースケールが安定平衡にある場合だけ,ゼロ点設定装置の作動は可能とし,ゼロトラッキング装
置の補正は,1秒当たり0.5dtを超えないものとする。
a)及びb)の場合,自動運転を停止するためのインタロックを備えなければならない。
a) ゼロ点の表示が,次のいずれかを超えて変動する場合
1) 自動ゼロ点設定装置付きはかりで1dt
2) 半自動ゼロ点設定装置又は非自動ゼロ点設定装置付きはかりで0.5dt
b) はかりが自動計量サイクルに従って,自動的にゼロ点にならない場合
自動ゼロ点設定装置の動作の内容(例えば,最大プログラム可能時間間隔)は,製造業者が規定する。
製造業者が規定した最大プログラム可能時間間隔は,ゼロ点の偏差が0.5dt以下であることを確実なもの
とするために必要な値を超えてはならない。
非自動ゼロ点設定装置又は半自動ゼロ点設定装置は,自動計量中は動作してはならない。
6.8.4 デジタル表示付きはかりのゼロ点表示装置
デジタル表示付きはかりは,次の装置を備えなければならない。
a) ゼロ点からの偏差が0.25dt以内である場合に表示する装置
b) 6.8.1の要件に準拠している装置
6.9 表記
6.9.0A 一般
ホッパースケールには,6.9.1及び6.9.2の表記を記載しなければならない。
6.9.1 一般的な表記事項
a) 製造業者の名称,登録商標又は記号
b) 輸入業者の名称又は登録商標(該当する場合)
c) 製造番号
d) 被計量物の分類(例えば,穀類,鉱物)
e) 管理目量(該当する場合) ······ g,kg又はt
f) 電源電圧 ······ V
g) 電源周波数 ······ Hz
h) 作動空気圧又は水圧(該当する場合) ······ kPa又はbar
i) ソフトウェア識別(該当する場合)
――――― [JIS B 7603 pdf 24] ―――――
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6.9.2 記号による表記事項
a) 精度等級 0.2,0.5,1又は2
b) ひょう量 Max=······ g,kg又はt
c) 最小測定量 Min=······ g,kg又はt
d) 最小積算量 Σmin=······ g,kg又はt
e) 積算目量 dt=······ g,kg又はt
f) 使用温度範囲(該当する場合) ······ ℃/······ ℃
6.9.3 補助表記
(この規格では,適用しない。)
6.9.4 表記の方法
表記は消えにくく,正常な使用条件の下で容易に読める大きさ,形状及び明瞭さでなければならない。
表記は,表示装置近くに固定された銘板若しくはステッカ,又はよく見える取り外し不可能なホッパー
スケールの部分に集めなければならない。ひょう量(Max),最小測定量(Min)及び積算目量(dt)は,
表示装置付近に表示しなければならない。壊さないで取り外せる銘板又はステッカの場合,保護手段を講
じなければならない。壊さないと取り外せなければ,表記している銘板を封印してもよい。
Max,Min及びdtは,次のことを条件としてソフトウェアで制御できるプログラマブルディスプレイ上
に表示してもよい。
− ホッパースケールに電源が入っている限り,少なくともMax,Min及びdtを表示する。
− その他の表記は手動コマンドで表示できる。
− 表記は装置固有のパラメータとして,6.3及び6.6の保護要件に準拠している。
プログラマブルディスプレイ上で行う表記は,次に示す表記事項が銘板に記載される場合を除いて,そ
れらを計量結果の表示付近に表示する場合には,銘板上で繰り返す必要はない。
− Max,Min及びdt
− 製造業者の名称,登録商標又は記号
− 定格電圧
− 定格電圧周波数(該当する場合)
− 作動空気圧又は水圧(該当する場合)
7 電気式はかりの要件
7.0A 一般
電気式はかりは,他の全ての箇条の適用すべき要件に加えて,7.1及び7.2の電気式はかりの要件にも適
合しなければならない。
7.1 一般要件
7.1.1 定格動作条件
電気式はかりは,定格動作条件の下で最大許容誤差を超えないように設計及び製造しなければならない。
7.1.2 妨害
電気式はかりが妨害を受けた場合,次のいずれかとなるように設計及び製造しなければならない。
a) 有意な誤りを起こさない。
b) 自動チェック装置により有意な誤りが検出され,対処される。
注記 1積算目量(1dt)を超えない誤りは,表示誤差の値にかかわらず認められる。
――――― [JIS B 7603 pdf 25] ―――――
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JIS B 7603:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- OIML R 107-1:2007(MOD)
JIS B 7603:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.060 : 体積,質量,密度,粘度の測定
JIS B 7603:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8103:2019
- 計測用語