38
B 7603 : 2019
A.4.8 ゼロオフセットインタロック(6.8.3)
A.4.8.0A 一般
ホッパースケールが自動計量サイクルに続いて,自動的にゼロ点設定されることを確認する。
A.4.8.1 ポジティブオフセット
A.3.4.2の試験のゼロ点設定範囲で,ホッパースケールをゼロ点設定する。自動ゼロ点設定装置を備えた
ホッパースケールについては,1積算目量(1dt)を超える荷重を,自動ゼロ点設定装置のないホッパース
ケールについては積算目量の1/2(0.5dt)を超える荷重を,荷重受け部に載せる。その後,自動運転が作動
しないことを確認する。
A.4.8.2 ネガティブオフセット
自動ゼロ点設定装置を備えたホッパースケールについては,1積算目量(1dt)を超える荷重を,自動ゼ
ロ点設定装置のないホッパースケールについては,積算目量の1/2(0.5dt)を超える荷重を,荷重受け部に
載せる。
A.3.4.2の試験のゼロ点設定範囲で,ホッパースケールをゼロ点設定する。あらかじめ載せておいた荷重
(1dt又は0.5dtを超える荷重)を荷重受け部から取り除き,自動運転が作動しないことを確認する。
A.5 影響因子試験及び妨害試験
A.5.1 一般
影響因子試験及び妨害試験は,電気式ホッパースケールが規定の環境及び条件下で意図したとおりに動
作及び機能することを検証することを意図している。該当する場合,それぞれの試験において,固有誤差
を決める標準条件を示す。
通常の運転が行われている完成されたはかりに影響因子試験又は妨害試験を適用しなければならない。
通常の運転が行われているホッパースケールにこれを適用することができない場合,ホッパースケールは,
各試験項目において規定する静的条件又はシミュレートした動作の下で,影響因子又は妨害の対象とする。
影響因子又は妨害の許容影響は,これら条件に基づいて各試験項目に対して規定している。
一つの影響因子の影響を評価する場合,その他の全ての因子は通常に近い値で相対的に一定に保たなけ
ればならない。試験を終えた後,次の試験の始まる前に,ホッパースケールを十分回復させなければなら
ない。
ホッパースケールのモジュールを別途評価する場合,9.1.4に従って誤差を配分しなければならない。
それぞれの試験で,ホッパースケール又はシミュレータの動作状態を記録しておかなければならない。
妨害試験において,ホッパースケールは非自動(静的)動作で試験しなければならない。各試験は,一
つの小さな静止試験荷重を用いて行わなければならない。
A.5.2 シミュレータ要件
A.5.2.1 一般
シミュレータは,計量機能の精度,積算値保存及び表示機能の完全性の検証ができるように設計されて
いなければならない。自動処理制御及びデータ処理機能も,可能であれば検証するのが望ましい。
可能な場合,シミュレータは計量処理システムの電子装置を全て含むものとする。また,それはロード
セル及び標準試験荷重を適用するための手段も含まなければならない。
これが可能でない場合,例えば,大ひょう量ホッパースケールの場合,ロードセルシミュレータを使用
するか,又はその代わりにロードセルインタフェースを改造して,小さな試験荷重に対しても設計された
出力が可能なようにスケール係数を組み込むことができる。
――――― [JIS B 7603 pdf 41] ―――――
39
B 7603 : 2019
ロードセルシミュレータの繰返し性及び安定性は,ホッパースケールを分銅で試験するときと少なくと
も同等の精度でホッパースケールの性能を決定できなければならない。
A.5.2.2 インタフェース(7.2.6)
他の機器とインタフェースによって接続することが引き起こす感受性を,試験でシミュレートしなけれ
ばならない。これは,他の機器のインタフェースインピーダンスをシミュレートするために,3 mの端末
処理したインタフェースケーブルを接続すればよい。
A.5.2.3 計量機能
計量機能の検証は,影響因子又は妨害を適用している間,管理表示装置を観測する,又は静止荷重を継
続して積算する積算表示装置を観測することで確認する。
これは,試験用の特別なソフトウェア若しくは手動操作又はそれらを組み合わせることで行う。また,
上記以外の他の方法があれば,それを用いてもよいが,最大許容誤差は,使用する方法にかかわらず同一
である。
A.5.2.4 積算値保存及び表示機能
ここで規定する要件は,シミュレータの積算装置がホッパースケールに内蔵されているかいないかにか
かわらず,適用する。
シミュレータは,最小積算量(Σmin)以上を表示しなければならない。また,その表示は影響因子又は
妨害の受けている最中及びその後も,保持しなければならない。ただし,積算装置が記録できないような
過渡的な誤差又は妨害を受けた際の表示の一時的な誤りは,容認できる。
シミュレータの積算装置が純粋なデジタル装置である場合,影響因子及び妨害に対するこれらの検証は
不要である。積算装置の動作は,通常運転状態中少なくとも1回はチェックしなければならない。
A.5.3 影響因子試験
A.5.3.0A 影響因子の試験項目及び基準
影響因子の試験項目及び基準を,表A.1に示す。
表A.1−影響因子試験
試験 基準 細分箇条
静的温度 MPE a) A.5.3.1
ゼロ点表示の温度影響 MPE A.5.3.2
高温高湿(定常状態) MPE A.5.3.3
AC主電源電圧変動 MPE A.5.3.4
DC主電源電圧変動 MPE A.5.3.5
DC電池電源 MPE A.5.3.6
12 V及び24 Vの車両用電池の電圧変動 MPE A.5.3.7
注a) 表5に規定する最大許容誤差
A.5.3.1 静的温度[5.7.1 a)]
試験は,JIS C 60068-2-1,JIS C 60068-2-2及びJIS C 60068-3-1並びに表A.2に従って行う。
――――― [JIS B 7603 pdf 42] ―――――
40
B 7603 : 2019
表A.2−静的温度試験
環境現象 試験条件 試験設定
静的温度 基準温度20 ℃
規定された高温で2時間 JIS C 60068-2-2
規定された低温で2時間 JIS C 60068-2-1
規定された低温が0 ℃以下の場合,5 ℃の温度JIS C 60068-3-1
基準温度20 ℃
注記 背景情報には,JIS C 60068-3-1を参照する
a) 試験目的 規定された高温及び低温において5.7.1 a) の基準を満たしていることを検証する。ゼロ点
表示の温度影響(A.5.3.2)の試験は,この試験とともに実施してよい。
b) 事前調整 基準温度において16時間通電しておく。
c) UTの状態 EUTを電源に接続して製造業者が規定する予熱時間以上通電し,試験中は電源を投入し
ておかなければならない。
ゼロ点設定装置及びゼロトラッキング装置は,通常動作に関しては動作可能でなければならない。
試験をゼロ点表示の温度影響(A.5.3.2)の試験と併せて実施する場合は,ゼロ点設定装置及びゼロト
ラッキング装置を作動させてはならない。
d) 安定化 “自由空気”状態下の各温度で2時間。“自由空気”状態とは,安定した状態に温度を保つた
めの最低の空気循環を意味する。
e) 温度 5.7.1 a) の規定に従う。
f) 温度シーケンス
1) 基準温度20 ℃
2) 規定された高温
3) 規定された低温
4) 規定された低温が0 ℃以下の場合,5 ℃の温度
5) 基準温度20 ℃
温度変化は,加熱及び冷却の間は1 ℃/分を超えてはならない。
高温における計量試験では,その湿度は,20 g/m3を超えてはならない。
注記 絶対湿度20 g/m3を相対湿度で表すと,40 ℃で39 %,35 ℃で50 %,30 ℃で66 %に該当
する。これらの値は,気圧1 013.25 hPaで有効である。
g) 試験サイクル数 1サイクル以上
h) 試験情報 試験前に,EUTをできるだけゼロ点付近に調整する。ゼロトラッキング装置を備えている
場合は,それを用いてもよい。試験中は,いかなるときもEUTを再調整してはならない。大気圧の変
化を考慮に入れなければならない。
基準温度及び各規定温度で安定化した後に,少なくとも五つの異なる試験荷重又はシミュレートし
た荷重を適用して,次のデータを記録する。
1) 日時
2) 温度
3) 相対湿度
4) 試験荷重
5) 表示値(該当する場合)
――――― [JIS B 7603 pdf 43] ―――――
41
B 7603 : 2019
6) 誤差
7) 機能性能
8) 気圧
EUTは,最小積算量(Σmin)以上の記録された合計値を表示しなければならないが,A.5.2.4に従う。
i) 最大許容変動 全ての機能は,設計どおりに動作しなければならない。全ての誤差は,表5に規定さ
れた最大許容誤差内でなければならない。
A.5.3.2 ゼロ点表示の温度影響[5.7.1 b)]
この試験は,自動ゼロ点設定機能が全ての自動計量サイクルの一部として動作するホッパースケール,
又は各排出後に風袋計量を行うホッパースケールに対しては実施する必要がない。
ホッパースケールは無負荷の状態でゼロ点に設定され,20 ℃,規定の最高温度,最低温度,5 ℃(規定
する最低温度が0 ℃以下の場合),そして20 ℃に変化させる。安定後,各温度におけるゼロ点表示の誤差
を測定し,5 ℃当たりのゼロ点表示の変化を計算する。5 ℃当たりのゼロ点表示の変化は,この試験のい
ずれの温度変化(例えば,基準温度から最高温度,最高温度から最低温度,最低温度から5 ℃及び5 ℃か
ら基準温度)についても計算しなければならない。
この試験は,静的温度(A.5.3.1)試験とともに実施してもよい。ゼロ点での誤差は,次の温度に移行す
る直前で,ホッパースケールがある温度で安定状態になって2時間経過した後に,追加して測定しなけれ
ばならない。これらの測定の前に,予備負荷を行ってはならない。
自動ゼロ点設定装置又はゼロトラッキング装置は,作動させてはならない。
a) UTの条件 製造業者が規定する予熱時間以上通電し,試験中は電源を投入しておかなければならな
い。
b) 最大許容変動 ゼロ点表示の変化は,温度差5 ℃に対して1積算目量(1dt)を超えて変動してはなら
ない。
A.5.3.3 高温高湿(定常状態)(7.2.3)
試験は,JIS C 60068-2-78,JIS C 60068-3-4及び表A.3に従って行う。
表A.3−高温高湿(定常状態)試験
環境現象 試験条件 試験設定
高温高湿(定常状態) 規定された高温及び相対湿度85 %で48時間 JIS C 60068-2-78
JIS C 60068-3-4
a) 試験目的 一定温湿度において7.1.1に適合することを検証する。
b) 事前調整 要求なし。
c) UTの状態 EUTを電源に接続して製造業者が規定する予熱時間以上通電し,試験中は電源を投入し
ておかなければならない。ゼロ点設定装置及びゼロトラッキング装置は,通常動作に関しては動作可
能でなければならない。
EUTに結露が生じないようにしなければならない。
d) 安定化 基準温度及び相対湿度50 %で3時間
5.7.1 a) で規定した高温で2日間(48時間)
e) 温度 基準温度(20 ℃又は20 ℃が使用温度範囲外である場合は,使用温度範囲の平均値)及び5.7.1
a) で規定した高温。
f) 温度−湿度48時間シーケンス
――――― [JIS B 7603 pdf 44] ―――――
42
B 7603 : 2019
1) 基準温度20 ℃及び相対湿度50 %
2) 規定された高温及び相対湿度85 %
3) 基準温度20 ℃及び相対湿度50 %
g) 試験サイクル数 1サイクル以上
h) 試験情報 基準温度及び相対湿度50 %でEUTが安定した後に,少なくとも五つの異なる試験荷重又
はシミュレートした荷重を使用して,次のデータを記録する。
1) 日時
2) 温度
3) 相対湿度
4) 試験荷重
5) 表示値(該当する場合)
6) 誤差
7) 機能性能
チャンバ内の温度を規定された高温まで上げて,相対湿度を85 %まで上げる。EUTは,無負荷の状
態で48時間維持する。48時間後,同じ試験荷重又はシミュレートした荷重を適用して,1)7) のデ
ータを記録する。
チャンバ内の相対湿度を50 %まで下げて,温度を基準温度まで下げる。EUTの安定後,同じ試験荷
重又はシミュレートした荷重を適用して,1)7) のデータを記録する。
EUTは,最小積算量(Σmin)以上の記録された合計値を表示しなければならないが,A.5.2.4に従う。
他のいかなる試験を行う前にも,EUTを完全に回復しておく。
i) 最大許容変動 全ての機能は,設計どおりに動作しなければならない。全ての誤差は,表5に規定さ
れた最大許容誤差内でなければならない。
A.5.3.4 AC主電源電圧変動(5.7.2及び7.2.7)
試験は,表A.4に従って行う。
表A.4−AC主電源電圧変動試験
環境現象 試験条件及び試験順序 試験設定
AC主電源電圧変動 Unom 参照規格なし
上限 : 1.10×Unom又は1.10×Umax
下限 : 0.85×Unom又は0.85×Umin
Unom
ホッパースケールが三相電源で駆動している場合,電圧変動は各相に連
続して印加しなければならない。
a) 試験目的 AC主電源電圧変動条件下で5.7.2に適合することを検証する。
b) 事前調整 該当なし。
c) UTの状態 EUTをAC主電源に接続して,製造業者が規定する予熱時間以上の間,通電しておく。
試験前に,EUTをできるだけゼロ点付近に調整する。有意な誤りが生じた場合のリセットを除いて,
試験中は再調整してはならない。
d) 試験サイクル数 1サイクル以上
e) 試験情報 EUTは,最少測定量かそれに近い試験荷重又はシミュレートした荷重,及びEUTのひょ
う量の50 %とひょう量間の一つの試験荷重又はシミュレートした荷重で試験しなければならない。大
――――― [JIS B 7603 pdf 45] ―――――
次のページ PDF 46
JIS B 7603:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- OIML R 107-1:2007(MOD)
JIS B 7603:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.060 : 体積,質量,密度,粘度の測定
JIS B 7603:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8103:2019
- 計測用語