JIS B 7616:2013 重錘形圧力天びんの使用方法及び校正方法 | ページ 2

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ピストンの作動範囲
ピストンの使用範囲
図1−ピストン・シリンダの概略図

4 記号

  この規格で用いる記号は,表1による。
表1−記号
記号 単位 記号の意味
ps Pa 校正証明書又は製造業者によって与えられた,重錘形圧力天びんの発生圧力値
pl Pa 使用場所での,重錘形圧力天びんの圧力基準高さにおける発生圧力値
pn Pa 重錘形圧力天びんの発生圧力の呼称値
p Pa 測定点での圧力値
A(p, t) m2 圧力p及び温度tにおけるピストン・シリンダの有効断面積
λ Pa−1 ピストン・シリンダの有効断面積の圧力変形係数
mp kg ピストン及び重錘皿の質量
mw kg 使用する重錘の質量(ピストン及び重錘皿の質量は除く。)
m kg ピストン,重錘皿及び使用する重錘の合計質量
m = mp + mw
ρp kg/m3 ピストン及び重錘皿の密度
ρw kg/m3 使用する重錘の密度
ρm kg/m3 ピストン,重錘皿及び使用する重錘の全体の推定密度
ρm = (mp + mw) / [(mp /ρp)+(mw /ρw) ]
ρf kg/m3 圧力媒体の密度
ρbs kg/m3 標準状態,校正時又は製造業者指定の状態での周囲空気の密度
ρb kg/m3 使用場所の周囲空気の密度
gs m/s2 標準重力加速度(9.806 65 m/s2),又は,製造業者指定の重力加速度
g1 m/s2 使用場所の重力加速度
H m 重錘形圧力天びんの圧力基準高さと測定点との差(重錘形圧力天びんの圧力基準高さ
が高いときを正とする。)
β K−1 ピストン・シリンダの有効断面積の温度係数
t ℃ ピストン・シリンダの温度

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表1−記号(続き)
記号 単位 記号の意味
ts ℃ 校正証明書に記載されたピストン・シリンダの温度,又は,製造業者指定のピストン・
シリンダの温度
tr ℃ 標準状態の温度。通常,20 ℃又は23 ℃とする。
γ N/m 圧力媒体の表面張力
C m ピストンの円周
p0 Pa 周囲圧力

5 使用環境

  重錘形圧力天びんの使用に際しては,次の環境条件に注意するとともに,性能を得るために十分安定し
た環境で使用する。
a) 重錘形圧力天びんの使用環境条件は,次による。ただし,製造業者によって使用環境条件が特定され
ている場合には,それによる。
1) 周囲温度 15 ℃35 ℃
2) 相対湿度 30 %80 %
b) 周囲温度の1時間当たりの変化及び測定時間内における変化は,表2の値を超えないことが望ましい。
表2−周囲温度の変化
精度等級 1時間当たりの周囲温度変化 ℃/h測定時間内の周囲温度変化 ℃
0.01級 0.5 1
0.02級 1 2
0.05級 2 4
0.1級 3 5
0.2級 3 5
注記 重錘形圧力天びんの精度等級は,JIS B 7610を参照。
c) 気流(風)が性能に影響を与えないような環境で使用する。
d) ほこり,ちりなどが性能に影響を与えないように注意する。
e) 性能に影響を与える静電気が発生しない環境で使用する。
f) トランス,高圧電線などの付近を避け,性能に影響を与えるような電界・磁界がない環境で使用する。
g) 性能に影響を与える振動がない環境で使用する。
h) 性能に影響を与える大気圧変動がない環境で使用する。

6 使用上必要な設備及び測定器

6.1 一般

  使用する設備は,安全が確認されたものを使用し,関連法規を遵守しなければならない。
6.26.4の設備については,最大使用圧力に対して十分な耐圧があるものを用いなければならない。

6.2 配管

  きず,変形などがない配管を用いなければならない。
なお,圧力媒体が液体の場合には,途中に空気が滞留しないように十分空気抜きを行ってから接続する。

6.3 継手

  機器への接続は,適切な継手を用いる。また,接続が緩んだ場合のために圧力媒体の逃げ穴を開けた継

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手を用いることが望ましい。

6.4 バルブ

  開閉の際に体積の変化が少なく,最大使用圧力に対して十分な締切能力があるバルブを用いなければな
らない。

6.5 圧力媒体

  圧力媒体は,次による。
a) 圧力媒体が液体の場合には,製造業者が指定した媒体又は同等の媒体を使用する。使用圧力媒体の種
類が異なるときは,混合を避けることが必要である。
b) 圧力媒体が気体の場合には,製造業者が指定した乾燥した媒体又は同等の媒体で,ほこり,ちりなど
が混入していない媒体を使用する。圧力源から圧力調整器への配管には,ろ過精度の高いフィルタを
使用することが望ましい。
注記 圧力媒体によっては,安全衛生上,環境保護上の汚染を生じるので取扱いに注意する。

6.6 圧力調整器

  十分な加圧・減圧ができ,漏れのないことを確認した圧力調整器を用いる。

6.7 モニタ圧力計

  必要な場合には,印加圧力を確認するために,圧力計を用いる。

6.8 環境測定器

  環境測定器は,次による。
a) 室内の適切な場所に,周囲温度を使用範囲内に管理するための温度計を設置する。
b) 室内の適切な場所に,相対湿度を使用範囲内に管理するための湿度計を設置する。
c) 大気圧の実測を行う必要がある場合には,室内の適切な場所に,大気圧計を設置する。

6.9 温度計

  重錘形圧力天びんに温度計が備えられていない場合には,ピストン・シリンダの温度変化による有効断
面積の変化を知るために,可能な限りピストン・シリンダに近い場所に,応答性が十分によい温度計を設
置する。

6.10 水準器

  重錘形圧力天びんに水準器が備えられていない場合には,ピストンの鉛直度を確認するために,気泡式
水準器などを用いる。

6.11 回転計,時計

  回転計,時計などを用いて製造業者の指定するピストンの回転速度の確認を行う。

6.12 ピストンの高さ位置計

  ピストンの高さ位置を検出する必要がある場合には,カセトメータ,渦電流式変位計,レーザトランジ
ットなど非接触式の検出手段を用いて計測する。

6.13 高さ測定器

  重錘形圧力天びんの圧力基準高さと測定点の高さとの差を,ノギス,ハイトゲージ,カセトメータなど
を用いて計測する。

6.14 真空ポンプ

  ベルジャー内の空気を排気し,絶対圧力10 Pa以下を維持できる真空ポンプを用いることが望ましい。

6.15 真空計

  ベルジャー内の絶対圧力を測定するための真空計を,ベルジャーに直接又は近接した箇所に設置する。

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6.16 ベルジャー

  絶対圧力10 Pa以下を維持できるベルジャーを用いることが望ましい。通常は,重錘形圧力天びんに附
属したベルジャーを用いる。

6.17 真空配管

  配管抵抗が小さく,また内壁に油分などの汚れが付着していない真空配管を用いる。
注記 6.146.17については,絶対圧力計測時に用いる。

7 使用準備

7.1 設置

  重錘形圧力天びんを設置するときは,次の事項に注意する。
a) 重錘形圧力天びんは,製造業者の仕様に基づいて設置する。
b) 重錘形圧力天びんは,少なくとも6時間前に使用場所に設置し,十分に温度慣らしを行う。
c) 最大使用圧力を発生する重錘を載せても,ピストンの鉛直度に変化のない場所に設置する。
d) 電気計器などが組み込まれている場合には,電位及び静電気の影響を避けるためのアースを取る。
e) 操作上の安全に考慮して設置する。特に,使用圧力が高い場合,安全装置を設置する。また,配管系
統の破裂及び外れがないように注意する。

7.2 準備及び作動確認

  重錘形圧力天びんの準備及び確認は,次による。
a) ピストン・シリンダ,重錘形圧力天びんなどに触れる際は,清潔な手袋などを装着して,脂分などが
付着しないようにすることが望ましい。
b) 使用する前には,次の項目について点検及び確認を行う。また,使用後にも,汚れ及び破損がないか
点検及び確認を行う。
1) ピストン・シリンダの汚れ,きず,さび及び破損
2) 重錘の汚れ,きず,さび及び破損
3) 圧力媒体の状態及び汚れ
4) 接続配管及び継手の状態
5) 配管内の汚れ
c) 圧力調整器によって最大圧力を加え,放置後,圧力の漏れなどがないことを確認する。
d) ピストン・シリンダを取り付けた後,ピストン軸が鉛直になるように水準器を使用して調整する。ピ
ストンの鉛直度は,精度等級0.01級は1.5 mrad以内,精度等級0.02級0.2級は3 mrad以内に調整す
ることが望ましい。
e) 重錘を載せない状態で,加圧・減圧に対してピストンがなめらかに上昇・下降することを確認する。
f) ピストン自由回転時間を測定する。ピストン自由回転時間が,JIS B 7610の5.7の規定を満たしてい
ることが望ましい。
注記 購入時又は前回使用時の自由回転時間に対し変化していないことが望ましい。
g) ピストン降下速度を測定する。ピストン降下速度が,JIS B 7610の5.8の規定を満たしていることが
望ましい。
注記 購入時又は前回使用時のピストン降下速度に対し変化していないことが望ましい。
h) 絶対圧力計測で使用する場合には,真空ポンプを用いてベルジャー内を排気し,ベルジャー内の絶対
圧力が維持できることを確認する。絶対圧力 10 Pa 以下を維持できることが望ましい。

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8 使用方法

8.1 一般

  使用に当たっての一般事項は,次による。
a) 測定圧力の発生に必要な重錘を載せる。その組合せについて製造業者の指定がある場合には,それに
従う。指定がない場合には,発生圧力に対応した合理的,かつ,再現性のある組合せで,できるだけ
重心が安定な位置となるように組み合わせる。
b) 圧力源,及び圧力調整器によって重錘形圧力天びんに圧力を加える。
c) 圧力を調整して,製造業者指定のピストンの使用範囲内でピストンを浮上させる。通常,ピストンの
使用範囲の中央付近に浮上させて使用する。ピストンを,製造業者指定の回転速度で回転させる。
d) 測定圧力を変更するときは,一旦ピストンを最下位置まで下げ,安定した状態で必要な重錘の交換を
行う。加圧・減圧の際に,ピストンが急に上下することのないように注意する。

8.2 記録

  重錘形圧力天びんを使用する際は,共通項目と,測定ごとに個別に記録する個別項目とに分け,次の項
目を記録する。
a) 共通項目
1) 使用年月日
2) 使用場所
3) 使用者
4) 重錘形圧力天びんの製造業者,型式及び製造番号
5) ピストン・シリンダの製造業者,型式及び製造番号
6) ピストン・シリンダの温度計の製造業者,型式及び製造番号
7) 使用する重錘の製造業者,型式及び製造番号
8) 使用場所の重力加速度
9) 圧力基準高さ
10) 使用圧力媒体
11) 必要な場合,その他の測定器の製造業者,型式及び製造番号
注記 製造業者,型式及び製造番号については,機器を特定できるよう必要な範囲で記載する。
b) 個別項目
1) 測定日時
2) 周囲温度
3) 相対湿度
4) 大気圧
5) 使用する重錘の組合せ
6) ピストン・シリンダの温度
7) 周囲圧力(絶対圧力計測の場合)

9 管理・保管

  次の項目に注意し,性能を維持できるように管理・保管する。
a) 管理・保管については,製造業者の指示に従う。
b) 温度・湿度の急激な変化,結露,振動,ほこり,ちり,電界,磁界,腐食性雰囲気及び圧力媒体の変

――――― [JIS B 7616 pdf 10] ―――――

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JIS B 7616:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 7616:2013の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7610:2012
重錘形圧力天びん
JISZ8103:2019
計測用語