この規格ページの目次
3
B 8008-10 : 2006
3.2 透過率τ (transmittance) 光源からの光が,排気煙を通過したとき,測定者又は測定器の受光部に
到達する割合(%)。
3.3 不透過率N (opacity) 光源からの光が,排気煙を通過したとき,測定者又は測定器の受光部への到
達が妨げられた割合(%)。N=100τで求める。
3.4 光路長さ(optical path length)
3.4.1 有効光路長さLA (effective optical path length) 不透過率メータの光源と受光部との間の排気煙で
光が妨げられた長さ(m)。必要に応じて排気煙濃度のこう配及びへり(周辺)効果による非一様性に対して
修正される。
備考1. 9.2に現地の排気装置でのLAの決定方法及び測定機器の設置方法を示す。
2. 光源から受光部までの全光路長さのうち,排気煙が光を妨げない部分は,有効光路長さに含
まない。
3.4.2 標準有効光路長さLAS (standard effective optical path length) 測定された不透過率の値を比較する
ための基準長さ(m)。
備考 LASの値は,10.1.4に定義されている。
3.5 光吸収係数k (light absorption coefficient) 排気煙及び排気煙を含んだガスのサンプルが,光を妨げ
る能力を定量化する基本的係数(m-1)。
備考 光吸収係数は,単位排気体積中の排気煙粒子数,排気煙粒子の粒径分布及び粒子の光吸収特性・
散乱特性の関数である。青煙,白煙,黄煙又は灰がないとき,すべてのディーゼル排気のサン
プルでは,粒径分布と光吸収特性・散乱特性とは同様であり,光吸収係数は基本的に排気煙の
粒子密度の関数である。
3.6 ベア・ランベルトの法則(Beer-Lambert law) 光吸収係数(k),不透過率(N)又は透過率(τ),及び有効
光路長さ(LA)の間の物理的な関係を表す法則。
備考 光吸収係数(k)は,直接には測定できないので,不透過率(N)又は透過率(τ),及び有効光路長さ
(LA)が既知の場合には,光吸収係数(k)を計算するためにベア・ランベルトの法則を用いる。
1 τ
k ln (1)
LA 100
1 N
k ln 1 (2)
LA 100
3.7 不透過率メータ(opacimeter) 光学的方法による透過率を使用した,排気煙濃度を測定する装置。
3.7.1 全流形不透過率メータ(full-flow opacimeter) 排気の全流が測定室を通過する不透過率メータ。
3.7.1.1 全流形エンドオブライン不透過率メータ(full-flow end-of-line opacimeter) 排気管端に取り付け
られ,排気全量の不透過率を測定する装置。
備考 この形式の不透過率メータの光源と受光部とは,排気を挟んで対向し,排気管の開放端に設置
する。この形式の不透過率メータを適用する場合には,有効光路長さは,排気管の形状及び排
気管端とメータとの距離によって決定される。
3.7.1.2 全流形インライン不透過率メータ(full-flow in-line opacimeter) 排気管内において,排気全量の不
透過率を測定する装置。
――――― [JIS B 8008-10 pdf 6] ―――――
4
B 8008-10 : 2006
備考 この形式の不透過率メータの光源及び受光部は,排気管の内壁に対向する位置に設置される。
この形式の不透過率メータの場合には,有効光路長さはその測定装置によって決まる。
3.7.2 分流形不透過率メータ(partial-flow opacimeter) 全排気流れの代表的な一部をサンプルとして不
透過率を測定する装置。サンプルは,測定室内を通る。
備考 この形式の不透過率メータの場合には,有効光路長さは,その測定装置によって決まる。
3.7.3 不透過率メータの応答時間(opacimeter response time)
3.7.3.1 不透過率メータの物理的応答時間tp (opacimeter physical response time) 測定されるガスの光吸
収係数が0.01秒未満で変化する場合に,信号処理前のk信号が全偏差の10 %及び90 %に達する時間の差。
備考 分流形不透過率メータの物理的応答時間は,サンプリングプローブ及びトランスファーチュー
ブによって定義される。物理的応答時間に関するその他の情報は,ISO 11614の8.2.1及び11.7.2
に規定されている。
3.7.3.2 不透過率メータの電気的応答時間te (opacimeter electrical response time) 不透過率又は光消滅係
数が0.01秒未満で変化する場合に,装置の出力信号又は表示がフルスケールの10 %から90 %に達する時
間の差。
備考 電気的応答時間に関するその他の情報は,ISO 11614の8.2.3及び11.7.3に規定されている。
――――― [JIS B 8008-10 pdf 7] ―――――
5
B 8008-10 : 2006
4. 記号及び単位
この規格で用いる記号及び単位は,表1による。
表 1 用語の記号及び単位
記号 用語 単位
D ベッセル関数の定数 ―
E ベッセル定数 ―
fa 大気条件係数 ―
fc ベッセルフィルタの遮断周波数 s-1
k 光吸収係数 m-1
kcorr 周囲条件を補正した光吸収係数 m-1
kobs 観測された光吸収係数 m-1
K ベッセル定数 ―
Ks 排気煙大気補正係数 ―
LA 有効光路長さ m
LAS 標準有効光路長さ m
N 不透過率 %
NA 有効光路長さにおける不透過率 %
NAS 標準有効光路長さにおける不透過率 %
pme 正味平均有効圧力 kPa
ps 乾き状態の大気圧力 kPa
P 機関出力 kW
Si 排気煙濃度の瞬時値 m-1又は%
Δt データのサンプリング間隔(=1/サンプリング周波数) s
tAver 全応答時間 s
te 不透過率メータの電気的応答時間 s
tF ベッセル関数のフィルタ応答時間 s
tp 不透過率メータの物理的応答時間 s
Ta 機関の吸入空気温度 K
X 要求された全応答時間 s
Yi ベッセル平均排気煙濃度 m-1又は%
ρ 乾き状態の空気密度 kg/m3
τ 排気煙の透過率 %
Ω ベッセル定数 ―
5. 試験条件
5.1 大気試験条件
5.1.1 試験条件の変数 機関の吸入空気温度Ta(K)及び乾き状態の大気圧力ps(kPa)を測定し,大気条件係
数faを式(3)(5)によって求める。
無過給又は機械過給圧縮点火機関及びウエィストゲート付き圧縮点火機関では,式(3)による。
7.0
99 Ta
fa (3)
ps 298
備考 この式は,試験サイクルでウエィストゲートが作動している場合には,式(3)を使用する。試験
――――― [JIS B 8008-10 pdf 8] ―――――
6
B 8008-10 : 2006
サイクルでウエィストゲートが作動していない場合には,冷却方式によって,式(4)又は(5)を用
いる。
給気冷却器なし又は空冷式給気冷却器付きターボ過給機関では,次の式による。
7.0 2.1
99 Ta
fa (4)
ps 298
液冷式給気冷却器付きターボ過給機関では,次の式による。
7.0 7.0
99 Ta
fa (5)
ps 298
5.1.2 試験の妥当性 試験を妥当と認めるには,大気条件に関して,係数faが次の条件を満足することが
望ましい。
.093 ≦fa≦ .107
(pdf 一覧ページ番号 )
faがこの範囲にあるときに得られた排気煙濃度は,10.3に従って補正する。この範囲から外れた条件で
の試験結果は,JIS B 8008-9による試験結果との比較はできない。
追加基準を7.3.4(不透過率メータのゼロドリフト)並びに附属書A,附属書B及び附属書C(試験サイ
クルに関する追加基準)に示す。
5.2 出力
機関の運転に直接必要のない補機は,試験時には作動しないようにする。作動を止めること
のできない場合には,試験時に補機の出力が最小となるようにする。このような補機の一例を,次に示す。
− 空気圧縮機
− パワーステアリング用ポンプ
− 空調用圧縮機
− 油圧機器用ポンプ
− 補助電気装置(電灯,ブロワなど)
5.3 機関吸気装置
吸気装置の漏れ,クランプ又は継手のゆるみ,脱落を検査する。エアクリーナの状
態を含め,吸気装置の状態を記録する。
5.4 機関排気装置
排気装置の漏れ,クランプ又は継手のゆるみ,脱落を検査する。排気装置の状態を
記録する。
5.5 給気冷却式機関
給気冷却装置の漏れ,クランプ又は継手のゆるみ,脱落を検査する。給気冷却装
置の状態を記録する。
6. 試験燃料
燃料の特性は,機関排気煙濃度に影響を与える。JIS B 8008-9に従って実施した排気煙濃
度試験は,一般的に認証試験又は型式認定試験であるので,規格に明記されている燃料を使用している。
しかし,現地測定では一般的に標準燃料を使用することができない。標準燃料による排気煙濃度測定がで
きなかった機関では,試験に使用した燃料の性状を測定し,試験結果を記録して提出する。
JIS B 8008-5に標準燃料として規定された燃料を用いる場合には,標準コード及び燃料分析結果を用意
する。他の燃料の場合に記録すべき特性は,JIS B 8008-5のデータシートに記載された項目とする。
燃料の選定は,試験目的による。受渡当事者間の合意がある場合を除き,表2に従って選定する。
受入れ試験で使用する燃料は,機関製造業者が技術資料で認めている燃料特性範囲であることが望まし
――――― [JIS B 8008-10 pdf 9] ―――――
7
B 8008-10 : 2006
い。適切な燃料が入手できない場合には,標準燃料になるべく近い特性の燃料を用いてもよい。その場合,
その燃料の性状を公表する。
表 2 試験燃料の選定
試験の目的 関係者 燃料の選定
型式認定(認証)1. 認定機関 規定されている場合は標準燃料
2. 製造業者又は供給者 規定されていない場合は市販燃料
検査又は維持試験1. 製造業者又は供給者 製造業者が規定する市販燃料(1)
2. 使用者又は検査官
研究開発 製造業者,研究機関,燃料供給者又は潤滑油供給者 試験の目的に適合する燃料
注(1) 使用者及び検査官は,市販燃料で実施した試験では必ずしも標準燃料を用いた場合の試験結果に匹敵す
る結果が得られないことを承知しておく必要がある。
7. 測定器及び精度
7.1 全般
現地で排気煙濃度を測定するために使用する測定器の要求仕様を7.3に示す。
7.2 試験条件
7.2.1 全般 この規格では,機関回転速度,圧力及び温度の測定器の詳細を規定せず,これらの測定器の
要求精度だけを7.4に示す。
7.2.2 機関回転速度 試験が正確に行われていること,及び,機関の不具合を避けるための機関の調速機
が正常に制御していることを確認するために,機関回転速度を測定する。
不適切なローアイドル又はハイアイドル回転速度で排気煙濃度の測定を行うと,その試験結果は,JIS B
8008-9に従って行った試験の結果と異なる。
7.2.3 大気温度 排気煙濃度を大気条件によって修正し,JIS B 8008-9の規定に基づいた基準に適合した
機関であることを確認するために,大気温度(乾球温度)を測定する。
7.2.4 乾き状態の大気圧力 排気煙濃度を大気圧力によって修正し,JIS B 8008-9の規定に基づいた基準
に適合した機関であることを確認するために,乾き状態の大気圧力を測定する。乾き状態の大気圧力は,
通常,測定された湿り状態の大気圧力(通常の大気圧力)から水蒸気圧力を差し引いて求める。水蒸気圧
力は,通常,露点温度又は乾湿球温度から求める。
7.3 排気煙濃度の測定
7.3.1 全般 過渡状態での排気煙濃度試験は,不透過率メータタイプのスモークメータを使って行う。全
流形インライン不透過率メータ,全流形エンドオブライン不透過率メータ及び分流形不透過率メータの,
三つの異なるタイプの不透過率メータを使用できる。この三つの不透過率メータに対する仕様は,7.3.2に
よる。過渡状態での試験に対する温度修正は確立されていないため,この規格では排気煙濃度の測定結果
の温度修正を規定しない。
7.3.2 不透過率メータの仕様全般 排気煙濃度試験は,三つの機能をもつ排気煙濃度の測定及びデータ処
理システムを使用する。これらは,一つの構成要素に組み込まれるか,又は相互接続する構成要素のシス
テムとして提供される。三つの機能は,次による。
− 7.3.37.3.9の仕様を満たしている全流形又は分流形不透過率メータ。不透過率メータの詳細仕様は,
11.並びにISO 11614の6及び7に規定されている。
− 附属書A,附属書B又は附属書Cに対応して,10.2及び10.3で規定する機能を実施することができ
――――― [JIS B 8008-10 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS B 8008-10:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 8178-10:2002(MOD)
JIS B 8008-10:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.020 : 内燃機関
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.50 : 交通機関からの排気ガス
JIS B 8008-10:2006の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB8008-4:2009
- 往復動内燃機関―排気排出物測定―第4部:各種用途の定常状態における試験サイクル
- JISB8008-5:2009
- 往復動内燃機関―排気排出物測定―第5部:試験燃料
- JISB8008-6:2000
- 往復動内燃機関―排気排出物測定―第6部:試験報告
- JISB8008-7:2000
- 往復動内燃機関―排気排出物測定―第7部:エンジンファミリの定義及び決定方法
- JISB8008-8:2000
- 往復動内燃機関―排気排出物測定―第8部:エンジングループの定義及び決定方法
- JISB8008-9:2004
- 往復動内燃機関―排気排出物測定―第9部:圧縮点火機関の過渡状態における排気煙濃度の台上測定での試験サイクル及び試験方法