JIS B 8008-1:2009 往復動内燃機関―排気排出物測定―第1部:ガス状排出物及び粒子状排出物の台上測定 | ページ 2

2
B 8008-1 : 2009
試験台の使用が不可能な場合,又は稼動中の機関からの実際の排出物の情報が必要な場合には,JIS B
8008-2に規定する現地での測定方法及び計算方法を適用する。
注記1 この規格は,オフロード機関からのガス状排出物及び粒子状排出物のレベルを測定するため
に用いる測定方法を規定することを目的とする。この規格のねらいは,機関の排出物特性を
マップで示し,適切な重み係数を用いることによって,その機関の種々の用途での排出物の
レベルを示すことができるようにすることである。排出物の測定結果は,出力当たりの質量
排出率を,g/kW・hで表す。
排出物の測定値は,単一の測定値ではなく,種々の測定値の組合せであるので,この規格
に示す種々の手順は,実験室で実施する方法を列挙したものである。そのため,得られる結
果は,機関及び機関試験方法によっても,また,測定方法によっても大きく影響される。
オフロード機関からの排出物の評価は,オフロード機関の用途の多様性から,路上走行用
機関の場合より複雑である。例えば,路上走行用車両は,主に舗装された道路上を一点から
他の点へ貨物を移動することが目的である。舗装された道路であること,舗装の耐圧及び使
用燃料の許容範囲という制限条件が,路上走行用車両及び機関サイズの適用範囲を狭めてい
る。オフロード機関及びオフロード車両は,機器を駆動する機関を含めて,広いサイズの範
囲を含んでいる。多くの機関は,路上走行用機関に適用できる測定装置又は測定方法を適用
するには,大きすぎる。動力計が使用できない場合には,測定は,現地で実施するか,又は
適切な条件の下で行う。
注記2 この規格の対応国際規格及び対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 8178-1:2006,Reciprocating internal combustion engines−Exhaust emission measurement−
Part 1: Test-bed measurement of gaseous and particulate exhaust emissions (MOD)
なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正していることを
示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 8003 内燃機関−機関出力の決定方法及び測定方法−共通要求事項
注記 対応国際規格 : ISO 15550,Internal combustion engines−Determination and method for the
measurement of engine power−General requirements (IDT)
JIS B 8004 往復動内燃機関−機関出力の決定方法及び測定方法−排気排出物測定に対する追加要求
事項
注記 対応国際規格 : ISO 14396, Reciprocating internal combustion engines−Determination and method
for the measurement of engine power−Additional requirements for exhaust emission tests in
accordance with ISO 8178 (IDT)
JIS B 8008-2 往復動内燃機関−排気排出物測定−第2部 : ガス状排出物及び粒子状排出物の現地測定
JIS B 8008-4 往復動内燃機関−排気排出物測定−第4部 : 各種用途の定常状態における試験サイクル
注記 対応国際規格 : ISO 8178-4,Reciprocating internal combustion engines−Exhaust emission
measurement−Part 4: Steady-state test cycles for different engine applications (MOD)
JIS B 8008-5 往復動内燃機関−排気排出物測定−第5部 : 試験燃料

――――― [JIS B 8008-1 pdf 6] ―――――

                                                                                              3
B 8008-1 : 2009
注記 対応国際規格 : ISO 8178-5,Reciprocating internal combustion engines−Exhaust emission
measurement−Part 5: Test fuels (MOD)
JIS B 8008-6 往復動内燃機関−排気排出物測定−第6部 : 試験報告
注記1 対応国際規格 : ISO/DIS 8178-6,Reciprocating internal combustion engines−Exhaust emission
measurement−Part 6: Test report (IDT)
注記2 対応国際規格のISO 8178-6は,2000年版が発行されている。
JIS Z 8402-1 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第1部 : 一般的な原理及び定義
注記 対応国際規格 : ISO 5725-1, Accuracy(trueness and precision) f measurement methods and results
−Part 1: General principles and definitions (IDT)
JIS Z 8402-2 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第2部 : 標準測定方法の併行精度及
び再現精度を求めるための基本的方法
注記 対応国際規格 : ISO 5725-2, Accuracy(trueness and precision) f measurement methods and results
−Part 2: Basic method for the determination of repeatability and reproducibility of a standard
measurement method (IDT)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
粒子状物質 (particulates)
ろ過した清浄な空気で,一次捕集フィルタの直前において,315 K (42 ℃)を超え 325 K (52 ℃) 以下ま
で希釈した排気から,決められたフィルタ上に捕集するすべての物質。
注記1 粒子状物質は,主に炭素,凝縮した炭化水素及び水を含む硫酸化合物である。
注記2 この規格で定義する粒子状物質は,希釈しない排気から加熱フィルタ法(例えば,JIS Z 7151)
を使用して直接捕集する粒子状物質又はダストと比べて組成及び質量が本質的に異なる。こ
の規格で規定する粒子状物質測定法は,燃料中の硫黄含有率が0.8 %以下まで有効であるこ
とを確認している。0.8 %を超える場合には,測定方法について受渡当事者間で協議するこ
とが望ましい[測定方法の一例については,参考文献45) 及び46) を参照。]。
注記3 米国及び欧州連合の最新の規制と整合化するために,希釈排気の温度条件は,旧規格から変
更した。旧規格に基づいて製作された既存の設備は,更新までそのまま使用してもよい。
3.2
分流希釈法 (partial-flow dilution method)
全排気から希釈前の排気の一部を分岐した後,粒子状物質捕集フィルタの上流で適切な量の希釈空気と
混合する方法(17.2.1及び図10図18参照)。
3.3
全流希釈法 (full-flow dilution method)
希釈空気と排気の全量とを混合した後,分析のために希釈した排気の一部分を分岐する方法。
注記 捕集フィルタで適切な温度になるように,あらかじめ希釈した排気の一部をもう一度希釈する
ことが多くの全流希釈システムで一般的に行われている(17.2.2及び図19参照)。

――――― [JIS B 8008-1 pdf 7] ―――――

4
B 8008-1 : 2009
3.4
等速吸引 (isokinetic sampling)
採取プローブ内の平均吸引流速を,排気の平均流速と同一にするように排気採取量を制御する方法。
3.5
非等速吸引 (non-isokinetic sampling)
排気採取量を排気平均速度と無関係に制御する方法。
3.6
マルチフィルタ法 (multiple-filter method)
試験サイクルの個々のモードごとに一対又は1枚の捕集フィルタを用いる方法。
注記 粒子状物質捕集後のデータ評価段階でモードごとの重み係数を割り当てる。
3.7
シングルフィルタ法 (single-filter method)
試験サイクルの全モードにわたり同じ一対又は1枚の捕集フィルタを用いる方法。
注記 モードごとの重み係数は,粒子状物質捕集段階において,捕集流量及び/又は捕集時間を調整
することで割り当てなければならない。この方法は,捕集流量及び捕集時間に細かい注意を必
要とする。
3.8
排出率 (specific emissions)
機関の仕事量当たりの排出量。(単位 : g/kW・h)
注記 この規格の適用範囲内の多くのタイプの機関は,生産又は認証の時点で,その機関に装着され
る補機が不明である。
例えば,機関及び変速機が一体になっている場合のように,JIS B 8004で定義した状態で試
験することが適切ではない場合には,その機関は,その他の補機を装着して試験してもよい。
この場合,動力計の設定負荷は,5.3及び12.5に従って決めることが望ましい。補機による損
失は,測定された出力の5 %を超えないことが望ましい。損失が5 %を超える場合には,試験
前に受渡当事者間の協定が必要である。
3.9
軸出力 (brake power)
台上での機関の運転に必要な標準補機だけを装備した状態で,クランク軸又は同等の部分で測定した出
力(5.3及びJIS B 8004を参照)。
3.10
補機 (auxiliaries)
JIS B 8004で規定した装置及び機器。
3.11
低アイドル (low idle)
機関の無負荷運転のうち,製造業者が申告する安定して運転のできる最低の回転速度での運転。

4 記号及び略語

4.0A 全般

  この規格で用いる記号,略号及び単位は,次による。

――――― [JIS B 8008-1 pdf 8] ―――――

                                                                                              5
B 8008-1 : 2009

4.1 一般記号

        記号                                  意味                                 単位
A/Fst 理論空燃比 1
Ap 等速吸引採取管断面積 m2
Ar 原子量 g
AT 排気管断面積 m2
cgas,c バックグラウンド濃度で補正済みの濃度(添字gasは,成分を示す。)ppm 又は
容積%
cgas,d 希釈空気中の濃度(添字gasは,成分を示す。) ppm又は
容積%
cx 排気中の濃度(添字xは,成分を示す。) ppm又は
容積%
D 希釈係数 l
Eco2 NOx分析計のCO2による干渉率 %
EE エタン効率 %
EH2O NOx分析計の水分による干渉率 %
EM メタン効率 %
ENOx NOxコンバータの効率 %
ePT 粒子状排出物の排出率 g/kW・h
ex ガス状排出物の排出率(添字は,成分を示す。) g/kW・h
λ 空気過剰率(燃料1 kg当たりの乾燥空気質量を理論空燃比で除した値) 1
λRef 標準状態での空気過剰率 1
fa 試験室の大気条件係数 l
fc 炭素係数 l
ffd 乾き状態の排気流量計算に用いる燃料別係数 l
ffh 乾き状態濃度から湿り状態濃度の算出に用いる燃料別係数 l
ffw 湿り状態の排気量計算に用いる燃料別係数 l
Ha 吸入空気絶対湿度[水分質量(g)と乾燥空気質量(kg)との比] g/kg
Hd 希釈空気絶対湿度[水分質量(g)と乾燥空気質量(kg)との比] g/kg
i 各モードを示す添字 l
kf カーボンバランス法に用いる燃料別係数 l
khd NOxの湿度補正係数(ディーゼル機関) l
khp NOxの湿度補正係数(ガソリン機関) l
kp 粒子状物質の湿度補正係数 l
kwa 吸入空気の乾き状態から湿り状態への換算係数 l
kwd 希釈空気の乾き状態から湿り状態への換算係数 l
kwe 希釈排気の乾き状態から湿り状態への換算係数 l
kwr 排気の乾き状態から湿り状態への換算係数 l
M 機関の試験回転速度での最大トルクに対する試験トルクの割合 %
Mr 分子量 g
md 粒子状物質捕集フィルタを通過した希釈空気質量 kg
mf,d 希釈空気から捕集された粒子状物質の質量 mg
mf 捕集された粒子状物質の質量 mg
msep 粒子状物質捕集フィルタを通過した希釈排気質量 kg
pA ポンプ又はベンチュリ入口の絶対圧力 kPa
pA' ポンプ又はベンチュリ出口の絶対圧力 kPa
pa 吸入空気の飽和蒸気圧 kPa
pb 大気圧 kPa
pd 希釈空気の飽和蒸気圧 kPa
pr 冷却槽下流の水蒸気分圧 kPa
ps 乾き状態の大気圧 kPa
P 無修正軸出力 kW
Paux 試験時に装着した補機のうち,JIS B 8004では装着しないものと規定してkW
いる補機の呼び合計吸収動力
Pm 試験条件の回転速度での実測最大出力又は呼び出力(12.5参照) kW
qmad 乾き状態の吸入空気質量流量 kg/h

――――― [JIS B 8008-1 pdf 9] ―――――

6
B 8008-1 : 2009
記号 意味 単位
qmaw 湿り状態の吸入空気質量流量 kg/h
qmdw 湿り状態の希釈空気質量流量 kg/h
qmedf 湿り状態の等価希釈排気質量流量 kg/h
qmew 湿り状態の排気質量流量 kg/h, kg/s
qmf 燃料質量流量 kg/h, kg/s
qmdew 湿り状態の希釈排気質量流量 kg/h
qmgas 個々のガス状排出物の質量流量 g/h
qmPT 粒子状排出物の質量流量 g/h
rd 希釈比 1
ra 等速吸引採取管の断面積と排気管の断面積との比 1
Ra 吸入空気の相対湿度 %
Rd 希釈空気の相対湿度 %
rh 水素炎イオン化形検出器の応答係数 1
rm 水素炎イオン化形検出器のメタノールへの応答係数 1
rx 亜音速ベンチュリ(SSV)スロート部静圧の入口絶対圧力に対する比率 1
ry SSVスロート部内径(d)の入口配管内径(D)に対する比率 1
ρ 密度 kg/m3
S 動力計の設定値 kW
Ta 吸入空気絶対温度 K
Td 露点(絶対温度) K
Tref 吸入空気標準温度 (298 K) K
Tc 給気冷却器出口空気温度 K
Tcref 給気冷却器出口空気標準温度 K
Vm モル体積 (22.413 L) L
Wf 重み係数 1
Wfe 実効重み係数 1

4.2 燃料組成に関する記号

        wALF    :  燃料中のH含有率(質量%)
wBET : 燃料中のC含有率(質量%)
wGAM : 燃料中のS含有率(質量%)
wDEL : 燃料中のN含有率(質量%)
wEPS : 燃料中のO含有率(質量%)
α : 燃料水素−炭素モル比率 (H/C)
β : 燃料炭素−炭素モル比率 (C/C)
γ : 燃料硫黄−炭素モル比率 (S/C)
δ : 燃料窒素−炭素モル比率 (N/C)
ε : 燃料酸素−炭素モル比率 (O/C)
注記 成分の質量割合とモル比率との変換は,式(A.3)式(A.12) による。

4.3 化学組成に関する記号及び略号

         ACN :       アセトニトリル
Cl : 炭素1当量炭化水素
CH4 : メタン
C2H6 : エタン
C3H8 : プロパン
CH3OH : メタノール
CO : 一酸化炭素

――――― [JIS B 8008-1 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS B 8008-1:2009の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 8178-1:2006(MOD)

JIS B 8008-1:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8008-1:2009の関連規格と引用規格一覧