JIS B 8008-1:2009 往復動内燃機関―排気排出物測定―第1部:ガス状排出物及び粒子状排出物の台上測定 | ページ 4

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qrt ew
qmew (8)
60 cmix ca
ここに, qmew : 排気質量流量 (kg/s)
qrt : トレーサガス流量 (cm3/min)
cmix : 混合後のトレーサガス濃度 (ppm)
ρew : 排気密度 (kg/m3)
ca : 吸気中のトレーサガスのバックグラウンド濃度 (ppm)
トレーサガスのバックグラウンド濃度caは,試験運転直前及び直後に計測したバックグラウンド濃度の
平均によって決めてもよい。
バックグラウンド濃度が最大排気流量時に混合後のトレーサガス濃度cmixの1 %より低くなった場合は,
バックグラウンド濃度は無視してもよい。
システム全体は,排気質量流量についての精度を満足しなければならない。8.6によって校正する。
7.3.6 空気流量及び空燃比測定法
空気流量及び空燃比から排気質量流量を算出する。瞬時排気質量流量の計算式を,次の式(9)に示す。
1
qmew qmaw 1 (9)
A/ Fst
ここに,
1380.
4 2
A/ Fst (10)
12.011 .1007 94 15.999 4 14.006 7 32.065
4
2 cCO 10
4 1
cCO 10 4 5.3 cCO2 4
100 cHC 10 cCO2 cCO 10
2 4 cCO 10 4 2 2
1
5.3 cCO2
4 4
.4764 cCO2 cCO 10 cHC 10
4 2

(pdf 一覧ページ番号 )

                      ここに,   A/Fst :  理論空燃比 (kg/kg)
λ : 空気過剰率
cCO2 : 乾きCO2濃度 (%)
cCO : 乾きCO濃度 (ppm)
cHC : HC濃度 (ppm)
注記 燃料組成はCβHαSγNδOεとし,β=1とする。炭素を含まない燃料(例 : 水素燃料)に対して
は,式(10)及び式(11)は使用できない。
空気流量計は,7.4に示す精度を満たし,使用するCO2分析計は,7.5.3.3の仕様を満たし,かつ,全体
システムは排気流量についての精度を満たさなければならない。
空気過剰率の測定には,7.5.3.13の仕様を満たすジルコニア形センサのような空燃比測定器を使用しても
よい。
7.3.7 希釈排気全流量測定
全流希釈システムを使用する場合,希釈排気の全流量 (qmdew) をPDP,CFV (17.2.2)又はSSVで測定する。

――――― [JIS B 8008-1 pdf 16] ―――――

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要求精度は,箇条10に規定する。

7.4 精度

  すべての測定器の校正は,国家標準又は国際標準に対するトレーサビリティをもち,表2及び表3の条
件を満たさなければならない。
分析計の校正精度は,8.5による。
測定機器は,試験者の規定又は測定器製造業者による要求に従って校正しなければならない。表2及び
表3に規定した許容誤差は,データ収集システムを含めた最終記録値に適用する。
表2−機関に関連する項目を測定する測定器の許容誤差
No. 測定機器 許容誤差
1 機関回転速度 読み値の±2 %又は機関最大値の±1 %のどちらか大きい方
2 トルク 読み値の±2 %又は機関最大値の±1 %のどちらか大きい方
3 燃料消費量a) 機関最大値の±2 %
4 空気消費量a) 読み値の±2 %又は機関最大値の±1 %のどちらか大きい方
5 排気流量a) 読み値の±2.5 %又は機関最大値の±1.5 %のどちらか大きい方
注a) この規格で規定する排気排出物の計算は,この項目と異なる測定及び/又は計算法による
場合がある。排出物計算結果に対する公差要求より,計算式に用いられる幾つかの項目の
許容値は,JIS B 8003の表4(測定項目)で規定する公差よりも小さくなっている。
表3−その他の基本的な項目を測定する測定器の許容誤差
No. 項目 許容誤差
1 温度≦600 K ±2 K(絶対値)
2 温度>600 K 読み値の±1 %
3 排気圧力 ±0.2 kPa(絶対値)
4 吸気負圧 ±0.05 kPa(絶対値)
5 大気圧 ±0.1 kPa(絶対値)
6 その他圧力 ±0.1 kPa(絶対値)
7 相対湿度 ±3 %(絶対値)
8 絶対湿度 読み値の±5 %
9 希釈空気流量 読み値の±2 %
10 希釈排気流量 読み値の±2 %

7.5 ガス成分の測定

7.5.1  一般的な分析計の仕様
7.5.1.1 一般的な仕様
分析計は,ガス成分の濃度を測定するために必要な精度に適した測定レンジをもたなければならない
(7.5.1.2)。測定濃度がフルスケールの15 %100 %で測れるような分析計を使用する。
フルスケール値が155 ppm(又はppmC)以下である場合,又は読取りシステム[コンピュータ,データ
ロガー(data logger)]がフルスケールの15 %未満で十分な精度及び読取りができる場合には,測定濃度は,
フルスケールの15 %未満でもよい。この場合は,校正曲線の精度を確かめるために追加校正を行う。
装置の電磁両立性 (EMC)は,電磁界による誤差が最小限にとどめられるものでなければならない。
7.5.1.2 精度
分析計は校正点から,すべての測定レンジ(ゼロを除く)にわたって読み値の±2 %又はフルスケール

――――― [JIS B 8008-1 pdf 17] ―――――

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の±0.3 %のどちらか大きい方を外れてはならない。精度は,8.5.5の規定による。
注記 この規格では,精度は校正ガスを使用した校正値(真の値)から分析計の読み値の偏差として
定義される。
7.5.1.3 再現性
再現性の定義は,校正ガス又はスパンガスへの10回連続の応答の標準偏差の2.5倍とし,その値は100
ppm(又はppmC)以上で使用される各レンジにおいてフルスケールの±1 %でなければならない。また,
100 ppm(又はppmC)未満で使用される各レンジにおいてフルスケールの±2 %でなければならない。
7.5.1.4 雑音
10秒間におけるゼロガス及び校正ガス又はスパンガスに対する分析計の出力変化の最大値(全振幅)は,
すべてのレンジにおいてフルスケールの2 %を超えてはならない。
7.5.1.5 ゼロドリフト
1時間内のゼロ応答のドリフトは,使用する最も低いレンジにおいてフルスケールの2 %未満でなけれ
ばならない。ゼロ応答とは,雑音を含むゼロガスへの応答の30秒間の平均である。
7.5.1.6 スパンドリフト
1時間内のスパン応答のドリフトは,使用する最も低いレンジにおいてフルスケールの2 %未満でなけ
ればならない。スパン応答とは,雑音を含むスパンガスへの応答の30秒間の平均である。
7.5.2 ガスの乾燥
排気は湿り状態又は乾き状態で測定する。排気に乾燥装置を用いる場合は,測定する排気の濃度に与え
る影響が最小となるものでなければならない。サンプルの水分を取り除くために化学式乾燥器を使用して
はならない。
7.5.3 分析計
7.5.3.1 概要
7.5.3.27.5.3.12に使用する測定原理を示す。測定システムの詳細を,箇条16に示す。測定する排気は,
次の測定器を用いて分析する。非線形分析計については,直線化回路を使用してもよい。
7.5.3.2 一酸化炭素 (CO) 分析
一酸化炭素分析計は,非分散形赤外線分析計(NDIR)とする。
7.5.3.3 二酸化炭素 (CO2) 分析
二酸化炭素分析計は,非分散形赤外線分析計(NDIR)とする。
7.5.3.4 酸素 (O2) 分析
酸素分析計は,磁気式検出器(PMD),ジルコニアセンサ(ZRDO)又は電気化学式センサ(ECS)とする。
ジルコニアセンサは,火花点火希薄燃焼機関などのHC濃度及びCO濃度が高い場合には使用しない。
電気化学式センサは,CO2及びNOxの干渉に対して補償を行う。
7.5.3.5 炭化水素 (HC) 分析
炭化水素分析計は,検出器,弁,配管などが加熱され,排気の温度を463±10 K (190±10 ℃) に維持で
きる加熱形水素炎イオン化形検出器(HFID)とする。メタノール燃料機関の場合の必要温度条件を,7.5.3.12.3
に示す。ガス燃料機関及び希釈試験を行う火花点火機関では,非加熱形水素炎イオン化形検出器(FID)を使
用してもよい。
7.5.3.6 非メタン炭化水素 (NMHC) 分析
7.5.3.6.1 概要
メタン (CH4) の濃度が高いためNMHCの分析は,天然ガスを燃料とする場合に適している。

――――― [JIS B 8008-1 pdf 18] ―――――

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7.5.3.6.2 ガスクロマトグラフ (GC) 法
非メタン炭化水素は,7.5.3.5に示す方法で測定した炭化水素から423 K (150 ℃)で調製したガスクロマ
トグラフ(GC)で分析したメタンを引いて求める。
7.5.3.6.3 非メタンカッタ (NMC) 法
非メタンの部分の測定は,非メタンカッタ(NMC)及び7.5.3.5に規定する非加熱形水素炎イオン化形検出
器 (FID) とを直列にして行い,炭化水素からメタンを引いて求める。
7.5.3.7 窒素酸化物 (NOx) 分析
窒素酸化物分析計は,乾き状態で測定する場合は,NOxコンバータ付きの化学発光検出器 (CLD)又は加
熱形化学発光検出器 (HCLD)とする。湿り状態で測定する場合は,328 K (55 ℃) 以上に維持したコンバー
タ付の水分クエンチの検査(8.9.3.2参照)を満足する加熱形化学発光検出器 (HCLD)を使用する。CLD及
びHCLDともに採取経路の壁温は,乾き状態での測定ではコンバータまでを,湿り状態での測定では分析
計までを,328 K以上473 K以下(55 ℃以上200 ℃以下)に維持しなければならない。
7.5.3.8 二酸化硫黄 (SO2) 分析
二酸化硫黄の排出量は,経験的に直接測定法からは正確な結果が得られないため,使用燃料の硫黄含有
量から次の式(12)によって求める。
qmSO2 qmf wGAM 20 (12)
ここに, qmSO2 : 二酸化硫黄の排出質量流量 (g/h)
qmf : 燃料質量流量 (kg/h)
wGAM : 燃料中のS含有率(質量%)
注記 SO2の計算法は,硫黄がすべてSO2に変換されることを仮定しており,後処理システムのない
機関に限って適用できる。SO2は測定器供給者の説明書に従って測定してもよい。SO2の測定は
困難な作業であり排気測定に対し十分な受渡当事者間の協定が必要である。
7.5.3.9 アンモニア (NH3) 分析
アンモニアは,異なる二つのコンバータを使用して,7.5.3.7に規定する化学発光検出器で測定する。NOx
及びNH3の総量を分析するために,適切な高温コンバータ[例えば,973 K(700 ℃)]を使用する。NOx
だけを分析するために,適切な低温コンバータ[例えば,573 K(300 ℃)]を使用する。この二つの測定値
の差がアンモニア濃度となる。この方法は,長い応答時間を必要とする(約10分)。
代わりにフーリエ変換赤外線分析計 (FTIR) 又は非分散形紫外線分析計 (NDUV) を測定器供給者の指
示に従って使用してもよい。この技術は,排気の測定には十分な実例がないのであらかじめ受渡当事者間
の協定が必要である。この方法での応答時間は,二つのコンバータを用いる方法による場合より相当短縮
される。
7.5.3.10 亜酸化窒素 (N2O) 分析
フーリエ変換赤外線分析計(FTIR)又は非分散形赤外線分析計(NDIR)を測定器供給者の指示に従って使用
してもよい。この技術は排気の測定には十分な実例がないのであらかじめ受渡当事者間の協定が必要であ
る。
7.5.3.11 ホルムアルデヒド (HCHO) 分析
ホルムアルデヒドは,DNPH試薬のアセトニトリル(ACN)溶液を入れたインピンジャ又は2,4−DNPH
被覆のシリカカートリッジに排気からのサンプル(希釈排気が望ましい。)を通過させて測定する。収集し
たサンプルは紫外線検出器の365 nmの波長を用いて高速液体クロマトグラフ (HPLC) で分析する。
代わりにフーリエ変換赤外線分析計(FTIR)を測定器製造業者の取扱説明書に従って使用してもよい。

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7.5.3.12 メタノール (CH3OH) 分析
7.5.3.12.1 概要
フーリエ変換赤外線分析計(FTIR)を測定器供給者の指示に従って使用してもよい。この技術は排気の測
定には十分な実例がないのであらかじめ受渡当事者間の協定が必要である。
7.5.3.12.2 ガスクロマトグラフ (GC) 法
メタノールは,非イオン化水を入れたインピンジャにサンプルを通過させて測定する。サンプルは,非
加熱形水素炎イオン化形検出器(FID)付ガスクロマトグラフ(GC)で分析する。
7.5.3.12.3 HFID法
プロパンで校正した加熱形水素炎イオン化形検出器(HFID)は,385 K±8 K (112 ℃±8 ℃) で運転する。
メタノールの応答係数は,8.8.5によってサンプルにおける濃度レンジ内の幾つかの濃度で測定する。
7.5.3.13 空燃比測定法
7.3.6で定義される排気流量の算出に使用される空燃比測定器は,広いレンジの空燃比センサ又はジルコ
ニア形のラムダセンサとする。
センサは,排気管の排気温度が高く水の凝縮がない状態にある位置に直接設置する。
電子機器を含むセンサの精度は,次による。
λ<2の場合,読み値の±3 %
2≦λ<5の場合,読み値の±5 %
5≦λの場合,読み値の±10 %
センサは,この精度を満たすように測定器製造業者によって校正されなければならない。
7.5.4 ガス成分の採取
ガス状排出物サンプルプローブは,排気管出口から少なくとも0.5 m又は管の直径の3倍のいずれか長
い方の距離だけ上流に設置しなければならない。かつ,サンプルプローブで排気の温度が最低でも343 K
(70 ℃) になるように十分に機関に近付ける。
排気マニホールドが枝分かれしている多気筒機関の場合は,サンプルプローブの入口は十分に下流に設
置して,すべてのシリンダから均等に排気が採取できるようにする。V形機関のように排気マニホールド
のグループが区別されている多気筒機関の場合には,各グループごとに採取し,排気排出物の平均を求め
てもよい。上記の方法との相関が分かっているならば,他の方法を用いてもよい。排気排出物計算には全
排気の質量流量を用いる。
排気の成分が排気後処理システムの影響を受ける場合は,この装置の下流で排気を採取する。
火花点火機関では,サンプルプローブは,できるだけ排気ポートから遠い位置でマフラの高圧側に設置
する。サンプルの採取前に排気が完全に混合されているようにするため,混合室をマフラとサンプルプロ
ーブとの間に置いてもよい。試験に用いる混合室の内容積は,機関のシリンダ容積の10倍より小さくして
はならない。高さ,幅及び奥行きをほぼ同じとする。混合室の大きさはできるだけ小さくし,機関の近く
に設置する。混合室から出る排気管はサンプルプローブの位置から少なくとも610 mm延ばし,背圧を最
小にするよう十分な大きさとする。混合室の内面の温度は,排気の露点を超えるようにする。最低338 K
(65 ℃) が望ましい。
水上で使用される機関では,サンプルプローブの入口は,冷却,チューニング及び騒音低減のために排
気に注入される水を吸入しない箇所に設置する。
粒子状排出物の測定に全流希釈システムを使用する場合は,ガス状排出物を希釈排気から測定してもよ
い。サンプルプローブは,希釈トンネル内の粒子状排出物サンプルプローブに近付ける(17.2.2の図19,

――――― [JIS B 8008-1 pdf 20] ―――――

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JIS B 8008-1:2009の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 8178-1:2006(MOD)

JIS B 8008-1:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8008-1:2009の関連規格と引用規格一覧