JIS B 8310:2021 ポンプの騒音測定方法 | ページ 2

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B 8310 : 2021
の振動速度の測定に基づいている。ISO/TS 7849-1は,A特性音響パワーレベルの算出値(上
限)を示しており,ISO/TS 7849-2は,A特性音響パワーレベル,又はオクターブバンドごと若
しくは1/3オクターブバンドごとの音響パワーレベルを示している。
ポンプの音響パワーレベルを算出するための基本的な規格を選択するには,ポンプ単体については表1
に,ポンプユニットについては表2による。なお,上記の規格の中での反射面とは,ポンプの場合には固
い面又は水面を意味する。
表1及び表2の太字で示す規格が望ましい方法であり,最初に適用を検討する。その規格の適用が難し
い場合は,表中の他の規格の一つを採用する。
表1−ポンプ単体における音響パワーレベル算出方法の選択
試験場所 精度 ポンプへ入力される動力P kW
グレード 0.5300
音響測定 2 JIS Z 8733 JIS Z 8736b) JIS Z 8736 b) JIS Z 8736 b)
用施設a) ISO 3743-2 JIS Z 8733 JIS Z 8733 JIS Z 8733
JIS Z 8736 b) ISO 3743-2
試験台 2 JIS Z 8736 b) この規格の適用外
3 JIS Z 8736 b) JIS Z 8736 b)
ISO 3746
現場 2 JIS Z 8736 b) この規格の適用外
3 JIS Z 8736 b) JIS Z 8736 b)
ISO 3746 ISO/TS 7849 c)
注a) 精度グレード2の測定が行えるよう設計されたもの。
注b) この表でJIS Z 8736としているのは,JIS Z 8736-1又はJIS Z 8736-2の意味である。
注c) この表でISO/TS 7849としているのは,ISO/TS 7849-1又はISO/TS 7849-2の意味である。
表2−ポンプユニットにおける音響パワーレベル算出方法の選択
試験場所 精度 ポンプへ入力される動力P kW
グレード 0.5300
音響測定 2 JIS Z 8733 JIS Z 8733 JIS Z 8736 b)
用施設a) ISO 3743-2 JIS Z 8736 b) JIS Z 8733
JIS Z 8736 b)
試験台 2 JIS Z 8733 JIS Z 8733 JIS Z 8736 b) JIS Z 8736 b)
ISO 3743-1 c) JIS Z 8736 b) JIS Z 8733
JIS Z 8736 b)
3 ISO 3746 JIS Z 8736 b) JIS Z 8736 b)
JIS Z 8736 b) ISO 3746 ISO 3746
現場 2 JIS Z 8736 b) JIS Z 8736 b)
JIS Z 8733
3 ISO 3746 JIS Z 8736 b)
JIS Z 8736 b) ISO 3746
注a) 精度グレード2の測定が行えるよう設計されたもの。
注b) この表でJIS Z 8736としているのは,JIS Z 8736-1又はJIS Z 8736-2の意味である。
注c) SO 3743-1は,配管がラギングなどで適切に覆われている試験台でのポンプユニットのテストに
用いられる。

――――― [JIS B 8310 pdf 6] ―――――

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5.2 基準箱,測定表面,マイクロホン及びインテンシティプローブの位置

5.2.1 一般
JIS Z 8733,ISO 3746,JIS Z 8736-1又はJIS Z 8736-2を用いる場合には,5.2.25.2.4を適用する。
5.2.2 基準箱
基準箱とは,ポンプユニット,又はポンプ単体及びフランジを囲む最小の体積であり,直方体,箱状,
円筒状などの形状をもつ仮想的な表面とする。なお,配管類,動力伝達装置,ポンプを駆動する装置(ポ
ンプ単体の場合),及び音の放射に寄与しない個別の小さな部品は,この中に含まない。JIS Z 8733及び
ISO 3746では,基準箱の形は直方体としている。基準箱は,音源を含み,反射面(固い床又は水面)で終
わる。その例を,図1及び図2に示す。
記号説明
A : 反射面
B : 基準箱
C : ポンプ
D : 原動機
E : ベースプレート
図1−ポンプユニットに対する基準箱の例

――――― [JIS B 8310 pdf 7] ―――――

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記号説明
A : 反射面
B : 基準箱
C : ポンプ
D : 原動機
E : ベースプレート
図2−ポンプ単体に対する基準箱の例
5.2.3 測定表面及びマイクロホンの位置
測定表面とは,基準箱から一定の距離にあって,基準箱を包み込む面とする。
基準箱と測定表面との距離を,測定距離という。この長さは,測定方法ごとに規定している。
JIS Z 8733及びISO 3746は,いずれも音圧レベル測定を基にしており,測定距離は1 mにとる。これら
の規格で要求するよりも暗騒音が大きい場合には,測定距離を1 mより小さくしてもよいが,0.25 m以上
は確保する。
JIS Z 8736-1及びJIS Z 8736-2は,音響インテンシティの測定が基であり,次のとおりとする。
− JIS Z 8736-1では,d1≧0.5 m
− JIS Z 8736-2では,0.2 m≦d2≦0.5 m
測定表面の例を,図3図6,及び附属書Aに示す。
ポンプ単体の場合の測定表面の例を,図4に示す。この表面の上で原動機側を向いた位置には,マイク
ロホンを設置しない(附属書Aを参照)。ただし,測定が8.2.4の音響測定用施設で実施され,原動機から
の騒音を小さくできている場合には,その限りではない。試験報告には,どのように原動機からの騒音及
び暗騒音を減らしたかの手段を記載する。
ポンプのサイズ及び種類ごとの実際のマイクロホンの位置については,附属書Bに規定する。

――――― [JIS B 8310 pdf 8] ―――――

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単位 m
記号説明
A : 反射面
B : 上側の測定表面
C : 基準箱
D : 中央の測定表面
E : ベースプレート
: グレード3でのマイクロホンの位置
○ : グレード2で追加するマイクロホンの位置
L : 基準箱高さ。
ポンプユニットで最も高い位置の高さとする。
h : 中央測定表面の高さ。h=(L+1)/2
h1 : 上側の測定表面の高さ。h1=L+1
図3−ポンプユニットに対する音圧レベル測定の測定表面の例

――――― [JIS B 8310 pdf 9] ―――――

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B 8310 : 2021
単位 m
記号説明
A : 反射面
B : 上側の測定表面
C : 基準箱
D : 中央の測定表面
E : ベースプレート
: グレード3でのマイクロホンの位置
○ : グレード2で追加するマイクロホンの位置
L : 基準箱高さ。
ポンプユニットで最も高い位置の高さとする。
h : 中央測定表面の高さ。h=(L+1)/2
h1 : 上側の測定表面の高さ。h1=L+1
図4−ポンプ単体に対する音圧レベル測定の測定表面の例

――――― [JIS B 8310 pdf 10] ―――――

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JIS B 8310:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 20361:2019(MOD)

JIS B 8310:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8310:2021の関連規格と引用規格一覧