この規格ページの目次
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注記1 ロボットにおいては,制動の結果として,停止状態となる場合において,倒立姿勢維持のた
めに,対地速度が“0”とならず,微小な揺動をしている場合がある。また,接地部分が,姿
勢保持のために微小な移動を行う場合がある。
注記2 ロボットの制動停止時には,ロボット本体だけではなく,負荷(搭乗するユーザを含める。)
が脱落しない状態が系として維持されることが考慮されている。
3.10
制動距離(braking distance)
走行中に減速を開始してから制御静止に至るまでの,ロボットの移動距離。
3.11
エラー(error)
製造業者があらかじめ正しいと規定する値,値の範囲又は状態からの逸脱。
注記 エラーは,ロボットが計測,観測,計算及び推定することで検出される。
3.12
アラート(alert)
エラーを人に伝える信号。
注記 アラートは,人に注意を喚起したり,又は素早い行動を人に求めたりするときに用いられ,通
常,視覚的信号,聴覚的信号,触覚的信号などが用いられる。
3.13
電気火災(electric fire)
電気的な要因で発生する火災。
3.14
暴走状態(runaway state)
ロボットが製造業者の意図した以外の動作を行う状態又は制御不能の状態。
3.15
接触可能な部分(accessible part)
通常使用において,人が接触することができるロボットの部分又は表面。
注記 接触可能な部分は,JIS C 0922のテストプローブBなどによって確認できる。
3.16
意図する使用(intended use)
製造業者が想定する通常のロボットの用途,使用方法及び使用条件。
注記 意図する使用とは,JIS B 9700の3.23(意図する使用)では,使用上の情報によって定まるも
のとされているが,この規格では,設計の最初に定めるものをいう。
3.17
合理的に予見可能な誤使用(reasonably foreseeable misuse)
製造業者が予測できる範囲での,想定されるユーザによる,意図する使用を超えたロボットの使用方法。
注記 JIS B 9700の3.24(合理的に予見可能な誤使用)では,“設計者が意図していない使用方法であ
るが,容易に予測できる人間の挙動から生じる機械の使用”と定義されている。
3.18
定期検査(periodic inspection)
製造業者の指定する(運転)時間間隔及び検査方法で,ロボットの動作及び機能が正しく働くかを確認
――――― [JIS B 8446-3 pdf 6] ―――――
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する検査。
3.19
保守(maintenance)
ロボットの動作及び機能が正しく働くかを確認し,必要に応じてロボットを修理・調整すること。
3.20
環境整備(environmental maintenance)
安全のために環境側の条件を整えること。
注記 環境側の条件の例として,ロボットの稼動する空間の温度,湿度,照明条件,ロボットの周囲
にいる人の密集度などがある。
3.21
インストールマニュアル(installation manual)
ロボットの設置工事の方法,初期設定,起動方法などが記載された,設置作業者のための文書。
4 リスクアセスメント
4.1 一般
JIS B 8445の4.1(一般)による。ただし,必要な場合には,ロボットの使用を限定することによって,
特定の危険源が除去されていることを前提としてリスクアセスメントを行うことができる。また,使用の
限定を含むロボットの意図する使用は,ユーザマニュアルに記載しなければならない。
注記1 例えば,段差,障害物などのない環境,雨風が防げる環境,監督下にない子供がいない環境
などに限定することで,特定の危険源を除去することができる。
注記2 ロボットの使用を限定する手段及びその限定を保障する手段に関する要求事項は,箇条9に
規定している。
注記3 ロボットの使用の限定は,JIS B 9700の5.3(機械類の制限の決定)に規定されている機械類
の制限に相当する。
注記4 ユーザマニュアルに関する要求事項は,8.3に規定している。
4.2 危険源の同定
JIS B 8445の4.2(危険源の同定)による。
注記 ロボットにおいて,JIS B 8445の附属書A(生活支援ロボットの重要危険源のリスト)に記載
されている危険源が危害に発展する典型的な発生シーンを附属書Cに示す。附属書Cは,JIS B
8445の附属書Aと併せて参照することが望ましい。
4.3 リスク見積り
JIS B 8445の4.3(リスク見積り)によるほか,リスク見積りにおいては,箇条9を前提として考慮する
のがよい。
5 安全要求事項及び保護方策
5.1 一般
JIS B 8445の5.1(一般)によるほか,次による。
a) 各危険源について,本質的安全設計並びに安全防護及び付加保護方策を適用した後,それでも存在す
る残存リスクを低減するために採用する使用上の情報には,ロボットによるアラートを含む。
注記1 使用上の情報に関する要求事項は,箇条8に規定している。
――――― [JIS B 8446-3 pdf 7] ―――――
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注記2 JIS B 8445の5.1の第10段落では,使用上の情報によるリスク低減手段として,表示,マ
ーキング及びユーザマニュアルによる注意及び警告だけが想定されている。
b) 本質的安全設計並びに安全防護及び付加保護方策の適用が適切でなく,アラートだけでリスクを受容
可能なレベルまで低減する場合,ユーザ及び/又はオペレータがアラートに対し,必要な対処を取れ
ることを確実にしなければならない。アラート及びそれに対する必要な対処の情報は,ユーザマニュ
アルに記載しなければならない。
注記3 意図するユーザがアラートを知覚可能であり,かつ,アラートに反応して適切な時間で必
要な対処が取れることを確実にするのがよい。
c) 5.x又は5.x.xに示した危険源に関連するリスクを低減するために,二次的に引き起こされる危険源の
リスクを低減することで代替してもよい。
注記4 危険源の連鎖的な発展及びそのリスク低減に関する詳細を,附属書Aに示す。
d) ロボットの安全に関わる性能は,定期的な検査,部品交換,調整などによって,製造業者が規定する
範囲内に維持しなければならない。
ロボットを運用する環境は,製造業者が規定する範囲内に維持しなければならない。
ロボットのユーザは,製造業者の規定する適性を満足しなければならない。
注記5 定期検査の実施間隔及び実施方法,維持しなければならない環境条件及びその管理方法,
満たさなければならないユーザの適性条件及びその管理方法などに関する要求事項は,箇
条9に規定している。
e) 5.x.5及び5.x.x.5に示した試験は,必要に応じて実施しなければならない。検証及び妥当性確認のため
に,製造業者が5.x.5及び5.x.x.5に規定していない試験の必要性を特定した場合は,その試験を実施
することが望ましい。
なお,検証及び妥当性確認のための試験方法及びその判定方法の例を,附属書Dに示す。
5.2 電池の充電に関連する危険源
5.2.1 一般
JIS B 8445の5.2.1(一般)によるほか,次による。
a) IS B 8445の5.2.1の第1段落の要求事項は,この規格の5.3.1及び5.15による。
注記1 感電への防護に関する要求事項は5.3.1に,電気火災への防護に関する要求事項は5.15に
規定している。
b) 5.15に適合するために,電気安全に関わる規格への適合を製造業者が選択した場合,ロボット本体に
電気的に接続する充電システムは,その選択した規格に適合しなければならない。
c) ロボット本体から取り外した電池を充電する充電システムについて,電気安全に関わる規格を適用す
る場合は,JIS C 9335-2-29を利用してもよい。
注記2 非接触形の充電器に対する規格は,現在国際規格化が検討されている。
5.2.2 本質的安全設計
JIS B 8445の5.2.2(本質的安全設計)による。
5.2.3 安全防護及び付加保護方策
JIS B 8445の5.2.3(安全防護及び付加保護方策)による。
注記 JIS B 8445の5.2.3のb) に対応する方策は,この規格の5.2.4に規定している。
5.2.4 使用上の情報
JIS B 8445の5.2.4(使用上の情報)によるほか,必要に応じて,充電システムは,充電状態を表示する
――――― [JIS B 8446-3 pdf 8] ―――――
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か,又は満充電となったとき,信号を発するようにしなければならない。
5.2.5 検証及び妥当性確認
JIS B 8445の5.2.5(検証及び妥当性確認)による。
5.3 エネルギーの蓄積及び供給による危険源
5.3.1 危険なエネルギー部との接触
5.3.1.1 一般
JIS B 8445の5.3.1.1(一般)によるほか,次による。
a) ロボットは,危険な充電部への偶然の接触から,適切に人を保護する構造を備えなければならない。
b) ロボットが,危険な電圧をもつ電源(商用電源など)を利用する場合,その危険な電圧に対する基礎
絶縁が絶縁破壊した場合であっても,人が感電しない構造を備えなければならない。
c) 動作状態において,ロボットの漏れ電流は過度になってはならず,かつ,ロボットは十分な耐電圧強
度を備えなければならない。
d) ロボットが備える電気絶縁物は,ロボットが使用される環境条件下において,絶縁劣化してはならな
い。
e) ロボットは,製造業者が指定する使用範囲において,液体及び湿気に対する耐性をもっていなければ
ならない。
5.3.1.2 本質的安全設計
JIS B 8445の5.3.1.2(本質的安全設計)による。
5.3.1.3 安全防護及び付加保護方策
JIS B 8445の5.3.1.3(安全防護及び付加保護方策)によるほか,必要に応じて,次のいずれかの方策を
適用しなければならない。
a) 電気安全に関わる規格のいずれかに適合する。ただし,各規格の定める感電保護クラス0は認めない。
注記 電気安全に関わる規格の例は,5.15.1による。5.15に適合するための規格と,5.3.1に適合す
るための規格とは同一にすることが望ましい。
b) IS C 0365に規定する感電保護クラスI,クラスII又はクラスIIIを満たす。
5.3.1.4 使用上の情報
JIS B 8445の5.3.1.4(使用上の情報)による。
5.3.1.5 検証及び妥当性確認
JIS B 8445の5.3.1.5(検証及び妥当性確認)による。ただし,JIS B 8445の5.3.1.2(本質的安全設計)
のa) の安全超低電圧を超える電圧を使用する場合は,電気安全に関わる規格の定める漏れ電流試験及び
耐電圧試験を行い,適合しなければならない。漏れ電流試験は,ユーザ及びオペレータが接触可能な部分
に対して行う。
注記 接触可能な部分であるかは,テストプローブによって確認できる。テストプローブの規格には
JIS C 0922がある。意図する使用に応じて,適切なプローブを利用することが望ましい。例え
ば,3歳の子供を想定する場合は,テストプローブ19を用いる。
5.3.2 貯蔵エネルギーの制御されていない解放
JIS B 8445の5.3.2(貯蔵エネルギーの制御されていない解放)による。
5.3.3 動力故障又は遮断
5.3.3.1 一般
JIS B 8445の5.3.3.1(一般)による。
――――― [JIS B 8446-3 pdf 9] ―――――
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5.3.3.2 本質的安全設計
JIS B 8445の5.3.3.2(本質的安全設計)によるほか,次の方策を適用しなければならない。
a) 第三者の力で押して止めることができる推力とする。
b) ユーザが自分で無理なく降車できる速度しか出力しない駆動系を採用する。
注記 b) において,無理なく降車した場合の二次的リスクについても考慮が必要である。
5.3.3.3 安全防護及び付加保護方策
JIS B 8445の5.3.3.3(安全防護及び付加保護方策)によるほか,必要に応じて,利用できる内部エネル
ギー又は貯蔵動力(バッテリ容量など)が危険レベルに達したとき,自動的に安全状態に入るようにしな
ければならない。
注記 JIS B 8445の5.3.3.3のc) に対応する方策は,上記a) 及び5.3.3.4に規定している。
5.3.3.4 使用上の情報
JIS B 8445の5.3.3.4(使用上の情報)によるほか,必要に応じて,利用できる内部エネルギー又は貯蔵
動力(バッテリ容量など)が一定のしきい値を下回った場合には,ロボットはユーザ及び/又はオペレー
タに,アラートによってその状態を通知しなければならない。
5.3.3.5 検証及び妥当性確認
JIS B 8445の5.3.3.5(検証及び妥当性確認)による。
5.4 ロボットの通常運転における起動及び再起動
5.4.1 一般
JIS B 8445の5.4.1(一般)による。
5.4.2 本質的安全設計
JIS B 8445の5.4.2(本質的安全設計)による。
5.4.3 安全防護及び付加保護方策
JIS B 8445の5.4.3(安全防護及び付加保護方策)によるほか,ロボットの起動後に,安全関連構成部品
にエラーがないことを確認するために実施する必要最小限の動作において,ロボットの出力は,その出力
によるリスクが受容可能な範囲にとどめられなければならない。
注記 起動後に安全関連構成部品にエラーがないことを確認するための必要最小限の動作は,JIS B
8445の5.4.2(本質的安全設計)の最終段落において許容されている。
5.4.4 使用上の情報
JIS B 8445の5.4.4(使用上の情報)による。ただし,JIS B 8445の5.4.2(本質的安全設計)の最終段落
又は5.4.3の付加保護方策を適用する場合は,ロボットが正常な状態にあることを確認する起動時の動作
についての情報をユーザマニュアルに記載しなければならない。
5.4.5 検証及び妥当性確認
JIS B 8445の5.4.5(検証及び妥当性確認)による。
5.5 静電電位
JIS B 8445の5.5(静電電位)による。
なお,JIS B 8445の5.5.1(一般)の第2段落及び第3段落の要求事項は,静電放電に起因するロボット
の暴走状態によって,人及び飼育動物に危害を加えないことを要求している。
5.6 ロボットの形状による危険源
5.6.1 一般
JIS B 8445の5.6.1(一般)によるほか,ロボット及びロボットから分離可能な構成部品における次の箇
――――― [JIS B 8446-3 pdf 10] ―――――
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JIS B 8446-3:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.040 : 産業オートメーションシステム > 25.040.30 : 産業用ロボット.機械操縦装置
JIS B 8446-3:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB9960-1:2019
- 機械類の安全性―機械の電気装置―第1部:一般要求事項
- JISC0365:2007
- 感電保護―設備及び機器の共通事項
- JISC0448:1997
- 表示装置(表示部)及び操作機器(操作部)のための色及び補助手段に関する規準
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC60695-11-10:2015
- 耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
- JISC9335-2-29:2019
- 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性―第2-29部:バッテリチャージャの個別要求事項