JIS B 8572-2:2011 燃料油メーター 取引又は証明用 第2部:小型車載燃料油メーター | ページ 4

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5 メーター及び計量システムの補助装置に対する要求性能

5.1 メーター

5.1.1  動作範囲
5.1.1.1 メーターの動作範囲は,少なくとも次の特性によって決定する。
− 最小測定量
− 使用最大流量(Qmax)及び使用最小流量(Qmin)によって限定される流量範囲
− 燃料油の最大圧力
− 燃料油の種類(燃料油の種類の表示だけではその粘度の特定化が不十分なときは,粘度又は動粘度の
限定)
− 燃料油の使用最高温度
− 燃料油の使用最低温度
− 気候及び機械的環境条件に対応する厳しさレベル
− 直流電源電圧の限界値
5.1.1.2 メーターの最小測定量は,4.3.3のa) 及びb) の要件を適用する。ただし,計量システムをメー
ターに置き換える。
5.1.2 計量上の要件
5.1.2.1 メーターの器差は,検定公差内でなければならない。
5.1.2.2 最小測定量の5倍以上になる任意の量に対し,メーターの繰返し誤差は,検定公差の値の2/5以
下でなければならない。
5.1.2.3 動作範囲内にある,計量対象の燃料油に対し,メーターの初期固有器差と耐久試験後の器差との
差は,検定公差以下でなければならない。
5.1.2.4 計量が中断できる計量システムは,計量中に流れの妨害を行い,使用最大流量(Qmax)における
器差が検定公差を超えてはならない。
5.1.3 調整装置
メーターは,通過した燃料油の実量と計量値との間の比を単純な操作で修正できる調整装置を備えるこ
とができる。
調整装置によって,この比を断続的に修正するときは,その比の隣り合った値は0.001以下が望ましい。
メーターのバイパス流による調整はしてはならない。
5.1.4 補正装置
5.1.4.1 メーターは,補正装置を備えていてもよい。ただし,補正装置を備えた場合は,メーターの必須
の部分とみなす。メーターに適用する全ての要件,特に検定公差は(計量条件下での)補正後の計量値に
適用する。
5.1.4.2 補正装置のあるものは通常動作において,未補正体積を表示してはならない。ただし,未補正体
積の表示は,試験のために利用することができる。
5.1.4.3 補正装置は,その器差をできるだけゼロに近づけるためだけに使用する。
5.1.4.4 補正のために必要であり,かつ,計測によって得ることがない全ての設定値は,計量動作開始前
に計算器内に入っていなければならない。
5.1.4.5 複数の燃料油の種類を選択できる計量システムにおいて,液体の種類にかかわるデータ量が補正
に関係するときは,計量動作の開始時に液体名称又は種類を選択し補正することができる。
いかなる場合でも,次の条件の対象となる。

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− 一次表示を印字する印刷装置が必須である。
− 液体名称又は種類は曖昧さを伴うことなく表示し,印刷しなければならない。

5.2 体積表示機構

5.2.1  一般規定
5.2.1.1 表示の読み取りは,正確に読みやすく,かつ,曖昧さがないものでなければならない。表示機構
が幾つかの桁からなっているときには,計量値の読み取りは各々の桁が一列になるように配列されていな
ければならない。小数点は,明確に表されていなければならない。
5.2.1.2 目量は,体積の法定単位の1×10n,2×10n,又は5×10nの形でなければならない。nは,正・負
の整数又はゼロとする。
5.2.1.3 意味のない目盛標識は,避けることが望ましい。これは,価格表示には適用しない。
5.2.1.4 目量は,次に示す体積が最小許容体積偏差を超えてはならない。
− 連続表示の場合,目盛標識上の2 mmに相当する体積,又は目量の1/5に相当する体積のいずれか大
きい方
− 断続表示の場合,2目量に相当する体積
5.2.2 機械式体積表示機構
5.2.2.1 各桁の1回転の値は,体積の法定単位の10nの形でなければならない。ただし,最上位の桁には
適用しない。nは,正・負の整数又はゼロとする。
5.2.2.2 幾つかの桁をもつ機械式体積表示機構について,下位の桁の1回転の値は,上位の桁の値に1を
加えたものでなければならない。
5.2.2.3 機械式体積表示機構の最下位の桁の指示は,連続又は断続のいずれの動きでもよい。ただし,最
下位の桁以外の桁で,それらの目盛標識の一部だけが窓を通して見ることができるものは,それらの桁は
断続表示でなければならない。
5.2.2.4 断続表示における一つの数字の進みは,その下位の桁の9から0へ進むときにその進みが生じ,
かつ,完了するものでなければならない。
5.2.2.5 最下位の桁が窓を通して見え,かつ,連続表示の目盛標識の一部だけ見えるときは,その窓の大
きさは目幅の1.5倍以上でなければならない。
5.2.2.6 目盛線は,その幅が目幅の1/4を超えないで,一直線上に全て同じ幅でなければはならない。見
かけの目幅は,2 mm以上でなければならない。
数字の見かけの高さは,4 mm以上でなければならない。
5.2.3 電子式体積表示機構
計量中,計量値は,常に表示しなければならない。ただし,排出開始時点で次に示すa) 又はb) に相当
する体積及び価格は,表示する必要はない。また,その体積及び体積に相当する価格で表示を開始する必
要もない。
この表示を必要としない体積及び価格は,次の要件を満たさなければならない。
a) 表示を必要としない体積は,最小許容体積偏差の2倍以下。
b) 表示を必要としない価格は,その体積に相当する価格以下。
5.2.4 体積表示機構のゼロ戻し装置
5.2.4.1 体積表示機構は,体積表示をゼロに戻す装置を備えていなければならない。
5.2.4.2 一度ゼロ戻しが開始された場合は,その体積表示機構はゼロ戻しが完了するまで,前回計量され
た結果と異なった結果を示すことができないものでなければならない。

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体積表示機構は,計量中ゼロ戻しができてはならない。また,電気的なゼロ戻し装置を除き,計量中の
ゼロ戻しが禁止される旨の表記が明確に目視できるものでなければならない。
ゼロ戻しを開始するまでは,前回とそれ以前の複数の計量値とを加算した総量を表示してもよい。この
場合においても,総量と前回計量された結果とを同時に表示するか,又は簡単な操作によって前回計量さ
れた結果を表示できるものでなければならない。前回の計量結果と総量とは,明らかに区別できなければ
ならない。
表示チェック機能が作動する場合には,その表示は計量結果としない。
5.2.4.3 連続表示においては,ゼロ戻し後の表示のずれは,最小許容体積偏差の1/2より大きくてはなら
ない。
5.2.4.4 断続表示においては,ゼロ戻し後の表示は,ゼロでなければならない。

5.3 価格表示機構

5.3.1  ゼロ戻し装置をもつ体積表示機構は,ゼロ戻し装置をもつ価格表示機構を付加してもよい。
5.3.2 設定単価は,計量開始前に価格表示機構によって表示されなければならない。単価は調整可能なも
のでなければならない。単価の変更は計量システム上で直接に,又は周辺装置を通してのいずれで行って
もよい。
計量動作開始時点の表示単価は,その取引完了までの間有効でなければならない。単価を変更した場合
は,次の計量から有効とならなければならない。
5.3.3 体積表示機構に関する5.2の規定は,価格表示機構に準用する。
5.3.4 価格の単位又はその記号は,表示値の近くに示さなければならない。
5.3.5 価格表示機構のゼロ戻し装置は,体積表示機構のゼロ戻しによって,自動的に動作しなければなら
ない。
5.3.6 価格表示機構の目量は,次に示す価格が最小許容金額偏差を超えてはならない。ただし,最小許容
金額偏差の値は,1円より小さい値である必要はない。
− 連続表示 目盛標識上の2 mmに相当する価格,又は機械式表示機構における最下位の桁の目量の1/5
に相当する金額のいずれか大きい方。
− 断続表示 2目量に相当する価格。
5.3.7 表示価格と,単価及び表示体積から計算される価格との差は,最小許容金額偏差を超えてはならな
い。ただし,この差は,1円より小さい必要はない。
さらに,この要件は,2回の計量の間で単価が変更された場合には適用しない。
注記 表示価格と計算された価格との差とは,4.4.4に規定した有意な誤りに対応する価格である。
5.3.8 連続表示において,ゼロ戻し後の表示のずれは最小許容金額偏差の1/2を超えてはならない。
ただし,これは1円より小さい必要はない。
5.3.9 断続表示において,ゼロ戻し後の表示はゼロでなければならない。

5.4 印字装置

5.4.1  印字目量は,体積の法定単位の1×10n,2×10n,又は5×10nの形で示され,かつ,最小許容体積
偏差より大きくてはならない。nは,正・負の整数又はゼロとする。
5.4.2 印字される体積は,体積表示のための法定計量単位及び体積表示機構と同じ単位で表さなければな
らない。
数値,用いられる単位又はその記号及び小数点は,伝票上に明瞭に印字されなくてはならない。
5.4.3 印字装置は,計量を特定する情報,例えば,伝票番号,日付,油種,その他を印字してもよい。

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印字装置が二つ以上の計量システムに接続されているときは,どの計量システムであるかを識別できる
よう印字しなければならない。
5.4.4 印字装置が新たな計量を開始する前に印字を繰り返すことができるときには,“複写”を印字する
などして,複写であることが明確に示すものでなければならない。
5.4.5 印字装置にゼロ戻し装置が備わっている場合,ゼロ戻しすることによって,体積表示機構もゼロ戻
しするように設計することが望ましい。
注記 印字装置における機能切り替え時のゼロ表示,通信式プリンターにおいて,計量システムと連
動していない状態でのゼロ表示などは,印字装置によるゼロ戻しには該当しない。
5.4.6 印字装置は,計量値に加えて,これに相当する価格及び単価を印字してもよい。いずれの値も計量
システムと同じ結果が印字されなければならない。
数値,通貨単位又は通貨単位記号及び小数点は,伝票上に明瞭に印刷しなければならない。
5.4.7 印字される価格の目量は,価格単位の1×10n,2×10n,又は5×10nの形でなければならない。nは,
正・負の整数又はゼロとする。
この目量は,最小許容金額偏差を超えてはならない。ただし,1円より小さい必要はない。
5.4.8 表示機構が価格表示機構を備えていなければ,印字価格と,単価及び表示体積から計算される価格
との差は,5.3.7の要件に適合するものでなければならない。

5.5 記憶装置

5.5.1  計量システムは,計量結果を保存する記憶装置を備えてもよい。保存情報を読み出す装置も記憶装
置に含まれるものとみなす。
5.5.2 情報が保存される媒体は,通常の保存条件下でその情報が変化しないことを保証するに足る十分な
耐久力をもたなくてはならない。
5.5.3 保存データは,次のいずれかの場合には削除してもよい。
− 取引が清算された。
− これらのデータが一次表示の印字を行う印字装置で印刷された。
5.5.4 記憶容量がなくなった場合には,次の条件に従い,記憶情報を削除してもよい。
− 用途に応じて作成された操作ルールに従い,かつ,記録した順序と同じ順序でデータを削除する。
− 特殊な手動操作後に削除を実行する。
5.5.5 記憶する場合は,通常の使用条件で保存されている他の値を変更することがあってはならない。
記憶されたデータは,共通のソフトウェアツールを用いた故意でない変更及び意図的な変更に対して保
護されていなければならない。

5.6 定量装置

5.6.1  設定量は,その量が表示される数値選択装置又は目盛標識をもった装置の操作によって設定される
ものでなければならない。
設定量は,計量開始前に表示されなければならない。
5.6.2 定量設定が互いに独立した複数の制御装置を使って行われる場合,1台の制御装置に対応する目量
は,次低位の制御装置の設定範囲に等しくなければならない。
固定量を設定するための押しボタン,又は類似の手段を備えた定量装置は,これらの固定値が体積単位
の整数に等しいことを条件として許可される。
5.6.3 定量装置は,設定を繰り返すとき,その繰り返す設定を新たな設定として行わないように作られて
いてもよい。

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5.6.4 定量装置の表示機構の数値と体積表示機構の数値とを同時に表示するとき,前者は後者と明確に区
別できるものでなければならない。
5.6.5 計量中の設定量の表示は,計量中常に表示されるか,又は残量表示によってゼロに戻るものでなけ
ればならない。ただし,電子式定量装置にあっては,定量設定による計量開始前に設定量がゼロに置き換
わることにより,特別な操作を行って,設定量を体積表示機構,又は価格表示機構に表示することで,計
量中の設定量の表示は必要ない。
5.6.6 設定量と計量動作完了時に体積表示機構に示される量との間の差は,最小許容体積偏差を超えては
ならない。
5.6.7 設定量と体積表示機構に示される量は,同じ単位で表されなければならない。この単位(又はその
記号)は,定量装置上に表示されなければならない。
5.6.8 定量装置の目量は,表示機構の目量より小さくなってはならない。
5.6.9 定量装置は,必要であれば燃料油の流れを急停止させる装置と一体になっていてもよい。
5.6.10 価格表示機構をもつ計量システムは,設定した価格に相当する量に排出量が一致したとき,燃料油
の流れを止める価格設定装置を付けてもよい。
この場合,5.6.15.6.9は,設定量を設定価格と,その量をその価格と,体積表示機構を価格表示機構と,
最小許容体積偏差を最小許容金額偏差と,示される量を示される価格と読み替えて適用する。

5.7 換算装置

5.7.1  計量システムは,換算装置を備えてもよい。この5.7の規定は,電子式換算装置に適用し,機械式
換算装置にも同等の規定を適用する。
5.7.2 換算係数の計算は,JIS K 2249に従って行わなければならない。
5.7.3 通常計量する燃料油を特性づける設定値及び換算方程式に介在する設定値は,付加計器を用いて計
測されなければならない。ただし,検定公差の1/10よりも小さいなど換算係数に関する影響が無視できる
場合,幾つかの設定値は計測する必要はない。
なお,影響が無視できる幾つかの設定値を計測した場合,その付加計器は規格の対象としなくてもよい。
注記 例えば,圧力及び密度の変化が小さいとき,多くの場合,温度を測定するだけで基準条件の体
積へ換算することが可能である。
5.7.4 燃料油の特性を測定するためのセンサーなどの付加計器は,メーターから距離1 m以内に設置する
ことが望ましい。
5.7.5 複数の燃料油の種類を選択できる計量システムにおいては,計量動作開始前に燃料油の種類を計算
器に入力することができ,その燃料油の種類を表示又は印字できるものでなければならない。換算に関係
するその他の設定値は,変更できるものであってはならない。
5.7.6 4.8.2に従って表示しなければならない基準条件における体積及び計量条件における体積に加え,
他の計測量(密度,圧力及び温度)の値は,各試験計測のために読み出し可能でなければならない。

5.8 計算器

  単価,計算テーブル,補正計算式など一次表示の作成に必要な全ての設定値は,計算動作の開始時点で
計算器内に存在しなければならない。
計算器は,周辺装置と接続できるようにインターフェイスを備えていてもよい。このインターフェイス
を使用する場合,計算器は正しい機能を維持し,かつ,計量システムの機能に影響を及ぼすおそれがあっ
てはならない。

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JIS B 8572-2:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • OIML R117-1:2007(MOD)

JIS B 8572-2:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8572-2:2011の関連規格と引用規格一覧