JIS B 8572-2:2011 燃料油メーター 取引又は証明用 第2部:小型車載燃料油メーター | ページ 5

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6 電子装置を備える計量システムに対する要求性能

6.1 一般要件

6.1.1  電子装置を備える計量システム(以下,電子計量システムという。)は,その器差が定格動作条件
下で検定公差を超えないように設計及び製造しなければならない。
6.1.2 電子計量システムは,8.6.5及び8.6.6に規定する妨害にさらされたとき,次のいずれかで設計及び
製造しなければならない。
a) 有意な誤りを生じない。
b) 有意な誤りを検出し,かつ,その有意な誤りに対応する。
6.1.3 電子計量システムは,有意な誤りが発生し,それが検出されたとき,機器内に含まれる計量値に関
する情報の回復ができるものでなければならない。

6.2 電源装置

  主電源装置の故障によって燃料油の流れが中断された場合,主電源復帰後,中断前までの計量値を表示
しなければならない。また,主電源復帰後,中断された計量が続行できないようにするか,又は中断され
たことが分かるように設計しなければならない。

7 一般試験方法

7.1 メーター又は計量変換器の試験

7.1.1  一般要件
通常,試験は,該当する全ての補助装置を取り付けたメーターに対して実施する。ただし,メーターの
計量精度に影響するおそれがなく,かつ,分離して試験する補助装置(例えば,電子式印字装置)につい
ては,試験を受けるメーターに補助装置を備える必要はない。
計量変換器は,計算器及び各表示機構が分離試験の対象であるという条件で,単独で試験してもよい。
この計量変換器が補正装置を備えた計算器に接続されることが意図されている場合,器差決定のために
製造事業者によって指定される補正アルゴリズムは,変換器の出力信号を適用しなければならない。
7.1.2 精度試験
7.1.2.1 一般
メーターの精度試験は,7.1.2.27.1.2.4による。7.1.2.2の試験は耐久試験の前に実施しなければならな
い。
7.1.2.2 メーターの精度試験
メーターの一般的な精度試験は,次による。
a) メーターの器差は,使用最大流量(Qmax)から使用最小流量(Qmin)までの間の6流量点で試験しな
ければならない。ただし,最大流量の試験は,Qmaxの0.8倍からQmaxの間,最小流量の試験は,Qmin
からQminの0.1倍の間,その他の流量は,試験流量の0.9倍から1.1倍の間とする。
b) 6流量点は,次の式によって求める。
Q=KnF−1×Qmax
ここに, nF : 流量点の番号
K=[Qmin/Qmax]1/5
例 Qmax/Qmin=10の場合の6流量点
Q(1)=1.00×Qmax (0.80×Qmax≦Q(1)≦1.00×Qmax)
Q(2)=0.63×Qmax (0.56×Qmax≦Q(2)≦0.70×Qmax)

――――― [JIS B 8572-2 pdf 21] ―――――

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Q(3)=0.40×Qmax (0.36×Qmax≦Q(3)≦0.44×Qmax)
Q(4)=0.25×Qmax (0.22×Qmax≦Q(4)≦0.28×Qmax)
Q(5)=0.16×Qmax (0.14×Qmax≦Q(5)≦0.18×Qmax)
Q(6)=0.10×Qmax=Qmin (0.10×Qmax≦Q(6)≦0.11×Qmax)
c) 各流量点における器差は,独立して行い,少なくとも3回の試験の平均値で決定しなければならない。
d) 各流量点の器差の平均値に一定値(5 %以下)を加減した値は,検定公差を超えてはならない(図2
参照)。
e) さらに,最小測定量の5倍以上の量に対し,5.1.2.2の繰返し誤差に関する要件を適用する。
器差曲線
一定量(5 %以下)を
加減することによる移動
検定公差
(±0.5 %)
器差曲線
0%
流量(L/min)
図2−精度試験の器差曲線
7.1.2.3 定格動作条件への考慮
メーターの器差が,定格動作条件の限界において検定公差を超えないことを確実なものとしなければな
らない。ただし,定格動作条件の限界における試験は,定格動作条件の限界値が技術的に無視できる影響
の場合には必要がないことがある。
7.1.2.4 最小測定量の精度試験
最小測定量の精度試験は,計量対象の燃料油又は試験液を用いて使用最小流量(Qmin)で3回計量し,
その3回の器差の平均値が検定公差を超えてはならない。
7.1.3 耐久試験
耐久試験は,メーターの使用最大流量(Qmax)で,計量対象の燃料油又は試験液を用いて実施しなけれ
ばならない。ただし,計量対象の燃料油と比べて最も厳しい試験条件となる種類の燃料油又は試験液を用
いる場合は,この限りでない。
通常,耐久試験の試験時間は,1回又は何回かの休止をもって100時間でなければならない。
試験は,使用最大流量(Qmax)の0.8倍と使用最大流量(Qmax)との間の流量で実施する。
メーターは,可能な限り試験台で耐久試験にかけることが望ましい。
耐久試験後,メーターは再び7.1.2.2のa) e) の試験を行う。耐久試験前後の器差の差は,いかなる調
整又は補正なしに,検定公差以内でなければならない。
7.1.4 流れの妨害試験
流れの妨害を伴う試験は,同一の計量中にノズルなどの停止装置によって,流れの妨害を5回行い,使
用最大流量(Qmax)で1分以上吐出する体積を,計量対象の燃料油又は試験液を用いて3回計量し,その

――――― [JIS B 8572-2 pdf 22] ―――――

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3回の器差の平均値に7.1.2.2 d) に規定する一定量と同一の値を加減した値は,検定公差を超えてはならな
い。
7.1.5 試験を実施する燃料油の特例
計量対象の燃料油と異なる燃料油又は計量対象の燃料油に相当する粘度と異なる粘度をもつ試験用の燃
料油で試験を実施するよう計画できるが,計量対象の燃料油と計量対象の燃料油と異なる燃料油又は計量
対象の燃料油に相当する粘度と異なる粘度をもつ試験用の燃料油との影響量を考慮しなければならない。
また,計量対象の燃料油が三つ以上ある場合には,最も低い粘度をもつ燃料油と最も高い粘度をもつ燃
料油との中間の粘度をもつ計量対象の燃料油(以下,中間粘度をもつ燃料油という。)は,7.1.2に規定す
る精度試験を省略することができる。ただし,試験省略の条件としては,計量対象の燃料油のうちの最も
低い粘度及び最も高い粘度の燃料油による7.1.2.2のa) d) の試験結果から,中間粘度をもつ燃料油の精
度試験への影響が無視できる場合とする。
注記 試験を実施する燃料油の特例としての中間粘度をもつ燃料油の考えは,計量対象の燃料油で試
験が実施できない場合に,その計量対象の燃料油の粘度よりも高い及び低い粘度の二つの燃料
油での試験を実施することによって,計量対象の燃料油の試験への適合性を判断することにも
使用できる。

7.2 空気分離器の試験

  空気分離器が4.9.7の規定を満足することを検証するために計量対象の燃料油又は試験液に4.9.8の条件
によって,空気を一定流量で連続的に混入させ,使用最大流量(Qmax)で30秒以上計量して行う。この場
合において試験は,計量を5回以上行い,その平均値を算出して行う。

7.3 電子式計算器の試験

7.3.1  電子式計算器を計量システムから分離して試験するときは,適切な標準で,種々の入力を擬似入力
しながら,その電子式計算器単独で実施する。電子式計算器の器差試験は,計量変換器が電子式計算器に
入力する燃料油の真実の量に相当する体積を,電子式計算器に入力し,電子式計算器の出力(体積表示及
び価格表示をもつ場合には価格表示)で判定する。
器差は,4.7に規定する値を満足しなければならない。
7.3.2 電子式計算器が換算装置として計算を実行するときには,7.3.1に規定する試験を,基準条件での
体積計算に対し実施しなくてはならない。

7.4 換算装置の試験

7.4.1  全ての付加計器を組み込んだ換算装置を計量システムから分離して試験するときは,4.6の規定に
適合しているかを検証する。この場合,付加計器が計量する各特性量を擬似入力する標準によって得られ
る値を入力することができ,換算される計量条件での体積は,いかなる器差も含んでいないこととする。
温度換算にあっては,換算温度範囲の上限,下限及びその範囲内の任意の一つの温度を温度検出部に与
えて行い,この三つの温度のいずれもが4.6の規定に適合しているかを検証する。
7.4.2 電子式換算装置については7.4.1の手順に替え,7.3.2の試験を実施することでもよい。

7.5 補助装置の試験

  一次表示を行う補助装置について4.8.4の規定に適合しているかを検証するときは,複数の補助装置に入
力される計量値の信号のうち,少なくとも一つがアナログの信号であるときは,その計量システムを構成
する全ての装置を組み合わせて試験を行わなければならない。複数の補助装置に入力される全ての計量値
の信号がデジタルの信号であるときは,試験においてその補助装置のいずれかが計量システムから分離し
ていてもよい。

――――― [JIS B 8572-2 pdf 23] ―――――

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分離して試験をするときには,メーターからの計量値の信号,又は擬似信号発生器が発生する計量値に
代わる信号を補助装置に入力し,既に試験を行った同じ目量をもつ各補助装置の表示(印字又は記憶)と
比較し,4.8.4の規定を満足しなければならない。
一次表示を行う補助装置は,計量システムの他の装置と整合を取るための必要条件を明確にしておかな
ければならない。

7.6 計量システムの試験

7.6.1  計量システムの試験は,分離試験の対象となっていない各構成要素が要件を満足し,かつ,これら
の構成要素が他の構成要素と互いに整合しているということを検証する。
ただし,既に分離試験した構成要素の試験結果を根拠として,その試験にかかわる部分を省略すること
ができる。
7.6.2 定量装置が計量システムに含まれる場合は,定量装置によって設定量を設定し,5.6.6の規定に適
合することを検証する。
7.6.3 計量システムに複数の表示装置(表示装置及び印字装置の場合も含む。)をもつ場合には,メータ
ー以外の表示装置又は印字装置の試験は,その装置の動作条件を考慮して,試験を省略することができる。
注記 運転席に取り付けられる印字装置などは,例えば,−25 ℃の周囲温度での作動が保証されてい
ない場合がある。

7.7 電子装置の試験

7.7.1  一般
電子計量システム(電子計量システムの構成要素も含む。)は,次の試験を実施する。
7.7.2 性能試験
電子計量システムが影響量に関する6.1.16.1.3の規定に適合していることを,次の試験によって検証す
る。
− 影響因子の影響下での性能試験 8.6に規定する影響因子の影響を受けているとき,その機器は正確
に,かつ,その器差が適用される検定公差を超えないように動作を続けなければならない。
− 妨害の影響下での性能試験 8.6に規定する外部からの妨害を受けたとき,その機器は正確に動作を
続けるか,又は何らかの有意な誤りの存在を検出し,かつ,表示するかのいずれかでなければならな
い。
7.7.3 試験対象となる計量システム(EUT)
試験は,計量システム,計量システムの通常の動作を代行するその計量システム以外の構成によるサブ
システム(例を参照。)又は構成要素で実施しなければならない。ただし,サブシステム及び補助装置は,
擬似信号による分離試験を可能とする。
特に,表示機構付きの計算器は,計算器の最終のきょう体内,又は最終のきょう体に相当するきょう体
内に収まっていなければならない。
サブシステムは,次の例のような構成となる。
例 サブシステムの構成
− 計量変換器
− 計算器
− 体積表示機構。ただし,二次表示のものは除く。
− 電源装置
− 該当すれば,補正装置

――――― [JIS B 8572-2 pdf 24] ―――――

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7.8 周辺装置の影響試験

  メーターが4.17に適合するかどうかの試験は,必要とする全ての補助装置及び補助装置を介さないでメ
ーターに接続する周辺装置を接続した状態で,7.1.2.4,7.6.2及び7.7に規定する試験を行う。

8 電子計量システムの性能試験方法

8.1 一般要件

  この箇条は,電子計量システムが規定された環境条件で意図された機能・性能を実行できるかどうかを
確かめるための性能試験プログラムを規定する。各試験では,必要に応じ,標準条件下での器差決定にお
ける環境条件を示す。
これらの試験は,箇条7に規定されている試験を補足する。
ある影響量の影響を評価しているとき,他の全ての影響量は,標準条件に近い値でほぼ一定に保つもの
とする。

8.2 厳しさレベル

  各性能試験において,計量システムが通常さらされる気候的及び機械的環境条件に相当する代表的な試
験条件を規定する。

8.3 標準条件

  標準条件は,次による。ただし,屋内のみで使用する装置にあっては,別に定めることができる。
− 周囲温度 15 ℃35 ℃
− 相対湿度 25 %75 %
− 大気圧 86 kPa106 kPa
− 電源電圧 公称電圧
− 電源周波数 公称周波数
各試験の間,温度及び相対湿度は,標準条件内でそれぞれ5 ℃又は10 %より多く変化してはならない。
なお,標準条件の範囲を超えて試験を行う場合は,器差への影響を考慮しなければならない。

8.4 試験体積

  複数の影響量は,計量体積に応じて比例的に影響を与えずに計量値に一定の影響を与える。有意な誤り
の値は,計量体積に関連している。したがって,試験結果を比較可能とするため,使用最大流量(Qmax)
で1分間排出するのに相当する最小測定量以上の体積(以下,試験体積という。)で試験する必要がある。
ただし,妨害による影響試験の場合には,試験体積を超える体積で試験することができる。

8.5 液温の影響

  温度試験は周囲温度に関するものであり,使用する燃料油の温度に関するものではない。したがって,
燃料油の温度が試験結果に影響を与えないよう,擬似入力による試験方法を用いることが望ましい。

8.6 性能試験

8.6.1  一般要件
性能試験は,表1の項目について行い,試験の順序は,特に規定しない。

――――― [JIS B 8572-2 pdf 25] ―――――

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  • OIML R117-1:2007(MOD)

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