この規格ページの目次
14
B 8833-2 : 2022
附属書B
(参考)
表1に示した荷重の組合せの適用方法
B.1 荷重の組合せの説明
表B.1は,荷重の組合せごとに,その組合せに入れなければならない荷重の一般的な説明を行うととも
に,重負荷作業をする移動式クレーンにだけ適用する荷重の組合せを示す。
表B.1−荷重の組合せの説明
表1の荷重の組合せ 説明
荷の巻上げ及び移動
通常,荷重は,負荷された又は無負荷の移動式クレーンの加速,減速,荷の位置
A1(作業中の風を受けない)
決めを反映するように組み合わされる。地上に置かれた荷又はつり具を巻き上げ
B1(作業中の風を受ける)
る間,所定の通常操作及び駆動装置の制御に従って,他の駆動(巻上駆動を除く。)
によって生じる加減速駆動力の組合せだけを考慮する。
つり下げた荷重の一部を意図的に解放する重負荷作業をしている移動式クレー
A2(作業中の風を受けない)
ン
B2(作業中の風を受ける)
4.2及びJIS B 8833-1の6.1.2.2(取扱い荷重の急激な解放の影響)参照
A3(作業中の風を受けない) つり荷を保持中に巻上げ又は巻下げ以外の2動作を行う移動式クレーン
B3(作業中の風を受ける)
平たんでない場所を走行
A4(作業中の風を受けない) 荷又はつり具をつり下げた状態で,所定の通常操作及び駆動装置の制御に従っ
B4(作業中の風を受ける) て,いずれかの駆動によって生じる加速力若しくは減速力,又は位置決め動作中
の駆動の順序の組合せを考慮する。
組立,分解及び輸送時の移動式クレーン
C1
製造業者は,取扱説明書に最大許容風速を明記する(作業中の最小風速)。
C2 地上に置かれた荷を最高速度で巻上げ,2を適用する作業中の移動式クレーン
C3 定格総荷重の1.25倍の荷重によって試験する移動式クレーン
非常停止
C4
4.5による,緊急遮断によって移動式クレーンを停止する場合
休止時の移動式クレーン
C5
製造業者は,取扱説明書に最大許容風速を明記する。
つり荷の予期しない急激な解放
ロープで構造物を支持している場合など,設計者が構造上つり荷の予期しない急
C6
激な解放による荷重が後方へ作用しないと判断した場合は,この荷重の組合せは
考慮しなくてもよい。
注記 荷重の組合せC2は,JIS B 8833-1では荷重の組合せC1に該当する。
B.2 この附属書で使用する記号
mC : 移動式クレーンの質量,又は移動式クレーンの該当構成部品の質量
mR : 定格総荷重に関わる質量
mT : 試験荷重に関わる質量
ΔFS : 関数fS(mC,mR)によって表すことが可能な旋回駆動の加減速による力
――――― [JIS B 8833 pdf 16] ―――――
15
B 8833-2 : 2022
ΔFL : 関数fL(mC,mR)によって表すことが可能な起伏駆動の加減速による力
ΔFT : 関数fT(mC,mR)によって表すことが可能な伸縮駆動の加減速による力
ΔFTr : 関数fTr(mC,mR)によって表すことが可能な走行駆動の加減速による力
σ : 荷重及びそれらの荷重成分によって生じる応力
: 表2に示す動的影響係数
FD : 変位による力
F : 温度変化による荷重
FW : 作業中の風荷重
: 休止時の風荷重
FW,out-of-service
FW(E) : 組立,分解及び輸送時の風荷重
FE : 組立,分解及び輸送時の荷重
2max : 最高巻上速度による動的影響係数
B.3 動的影響係数の適用
荷重と応力との関係が非線形である場合,荷重に動的影響係数を適用するものとする。荷重と応力と
の関係が線形である場合,係数は,荷重又は応力のいずれかに適用することが可能である。
B.4 個々の適用可能な荷重の組合せにおける適切な荷重の選択
B.4.1 荷重の組合せA1及びB1においては,巻上げ以外の1駆動力が組み合わされる。したがって,最
大応力を生じさせるような駆動力による荷重を含む組合せだけを考慮する。
ΔFS,ΔFL及びΔFTのうちから最大となる荷重を選択し,最大駆動力(maximum drive force)とする。
荷重の組合せ σA1 mC mR maximum drive force FD
P1 P2 P5 P
荷重の組合せ σB1 A1 FW F
P P
B.4.2 荷重の組合せA2及びB2においては,動作中につり下げられた荷重の一部を意図的に解放するこ
とを考慮する。
ΔFS,ΔFL及びΔFTのうちから最大となる荷重を選択し,最大駆動力(maximum drive force)とする。
荷重の組合せ σA2 mC mR maximum drive force FD
P1 P3 P5 P
荷重の組合せ σB2 A2 FW F
P P
B.4.3 荷重の組合せA3及びB3においては,巻上げ又は巻下げ以外の2駆動力が組み合わされる。した
がって,最大応力を生じさせるような駆動力による荷重を含む組合せだけを考慮するのがよい。
――――― [JIS B 8833 pdf 17] ―――――
16
B 8833-2 : 2022
ΔFS+ΔFL,ΔFS+ΔFT及びΔFL+ΔFTのうちから最大となる組合せを選択し,最大応力を生む組合せ
(maximum combination)とする。
荷重の組合せ σA3 mC mR maximum combination FD
P P P5 P
荷重の組合せ σB3 A3 FW F
P P
B.4.4 荷重の組合せA4及びB4においては,平たんでない場所を走行する移動式クレーンに対する影響
を反映する。
荷重の組合せ σA4 mC mR FD FTr
P4 P4 P P5
荷重の組合せ σB4 A4 FW F
P P
B.4.5 荷重の組合せC1は,移動式クレーンの組立,分解及び輸送を考慮する。
荷重の組合せ σC1 (mP C PmR 曰
P5maximum drive force
FD
P PFWE PF PFE )
注記 この式の“ 曰
P5maximum drive force
”について,対応国際規格では“ 曰 maximum drive force ”
P5
であったものを,最大駆動力には動的影響係数などを乗じるとして修正した。
B.4.6 荷重の組合せC2は,地上に置かれた荷をつり上げる影響を検討する。
荷重の組合せ σC2 mC mR FD
P1 P2max P
B.4.7 荷重の組合せC3は,試験条件における影響を検討する。
荷重の組合せ σC3 (m mT FW FD)
P C P6 P P
B.4.8 荷重の組合せC4は,非常停止の影響を検討する。
荷重の組合せ σC4 mC mR maximum drive force FW FD
P P P5 P P
B.4.9 荷重の組合せC5は,休止時の条件を反映する。
荷重の組合せ σC5 PmC PmR FW,outofservice
P PFD F
P
――――― [JIS B 8833 pdf 18] ―――――
17
B 8833-2 : 2022
B.4.10 荷重の組合せC6は,つり荷の急激な解放を反映する。
荷重の組合せ σC6 mC 0.1 PmR FW FD F
P P P P
B.5 荷重及び荷重の組合せの例
B.5.1 限界状態設計法 : 荷重の組合せA1
荷重の組合せA1の例として,特定の荷重影響による応力は,次の式で求められる。
σ σ1.22 1mC σ1.34 2mR maxσ1.34 5 FS ,σ1.345 FL 又は σ1.34
5 FT σ1.0FD
注記 この式の右辺第3項は,対応国際規格では“max[σ(1.34ΔFS) or σ(1.34ΔFL) or σ(1.34ΔFT) ]”である。
B.4.1では駆動力に5を乗じていることから,この規格では右辺第3項のそれぞれの駆動力に5
を乗じている。
――――― [JIS B 8833 pdf 19] ―――――
18
B 8833-2 : 2022
附属書JA
(規定)
ブーム及びジブの質量による荷重を先端に換算した荷重
ブーム及びジブの質量による荷重を先端に換算した荷重の計算は,次のとおりとする(図JA.1参照)。
注記 この附属書は,ISO 4310でこの荷重の計算方法が規定されている箇所をそのまま翻訳し,作成し
たものである。
ブームだけ装着する移動式クレーンの場合
Rc
F1 mJ
R
ブーム及びジブの両方を装着する移動式クレーンの場合
− ブーム作業の場合
Rm
c J mRr
j c
F1
R
− ジブ作業の場合
Rm
c J mRr
j c
F2
Rr
図JA.1に,典型的な移動式クレーンの側面図及び計算に使用する係数を示す。
――――― [JIS B 8833 pdf 20] ―――――
次のページ PDF 21
JIS B 8833-2:2022の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 8686-2:2018(MOD)
JIS B 8833-2:2022の国際規格 ICS 分類一覧
JIS B 8833-2:2022の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0146-2:2017
- クレーン―用語―第2部:移動式クレーン
- JISB8829:2018
- クレーン―鋼構造部分の性能照査
- JISB8833-1:2008
- クレーン―荷重及び荷重の組合せに関する設計原則―第1部:一般
- JISB8833-1:2022
- クレーン―荷重及び荷重の組合せに関する設計原則―第1部:一般