JIS B 9917-3:2009 クリーンルーム及び付属清浄環境―第3部:試験方法 | ページ 6

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B.4.5 試験報告書
受渡当事者間の合意によって,箇条5に従って次の情報及びデータを記録することが望ましい。
a) 試験項目,測定方法及び測定条件
b) 使用した各測定器及び器具の形式,及びその校正の状態
c) 測定位置及びフィルタ面からの距離
d) 占有状態
e) 測定に関するその他のデータ
B.5 差圧試験
B.5.1 概要
この試験の目的は,クリーンルームとその外部環境との間,及びクリーンルーム内での室間において,
規定の差圧を維持するための施設全体の能力を検証することである[15]。この試験は,JIS B 9920 (ISO
14644-2) に規定しているように,規定の3種類の占有状態及び施設のモニタリングとして実施することが
望ましい。
B.5.2 差圧試験の試験手順
クリーンルーム間又はクリーンルームと外部領域との間の差圧の測定を開始する前に,クリーンルーム
の外気取入量及び排気量が仕様どおり得られていることを確認することが望ましい。
クリーンルームと外部環境との間の差圧は,すべてのドアを閉じて測定し,記録することが望ましい。
施設が複数のクリーンルームに分割されている場合は,中央の室とその隣の室との間の圧力差を測定し,
更に同様の測定を最後の区画とその周囲の二次環境及び外部環境との間の圧力差を測定するまで続ける。
この試験で測定する差圧は非常に低く,不適切な測定を行うと,正しく評価することができない。次の
要素を考慮することが望ましい。
a) 常時測定点を設ける。
b) 測定は,クリーンルームの中心部近くで,また,測定点の局部圧力に影響を与えるすべての給気口及
び排気口から離れたところで実施する。
B.5.3 差圧試験に用いる測定器
差圧試験に用いる測定器の仕様をC.5に示す。電子式マイクロマノメータ,傾斜管式マノメータ又は機
械式マノメータが使用できる。
使用する測定器は,有効期間中の校正証明書を備えていることが望ましい。
B.5.4 試験報告書
受渡当事者間の合意によって,箇条5に従って次の情報及びデータを記録することが望ましい。
a) 試験項目,測定方法及び測定条件
b) 使用した各測定器及び器具の形式,及びその校正の状態
c) 対象クリーンルームの清浄度クラス
d) 測定点の場所
e) 占有状態
B.6 設置フィルタシステムのリーク試験
B.6.1 概要
B.6.1.1 一般

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この試験は,フィルタシステムが適切に設置されていること,又はその使用中にリークが生じていない
ことを確認するために行われる。この試験[18]は,そのクリーンルームの清浄度クラスに対して,フィルタ
システムのリークがなく適切であることを証明するものである。この試験はフィルタ上流側に試験エアロ
ゾルを導入し,フィルタ下流側と取付枠を粒子計数器のサンプリングプローブで走査するか,ダクト下流
でサンプリングすることで実施される。この試験はフィルタメディア,シール材,フィルタ枠,ガスケッ
ト,グリッドシステムのすべてを含む設置フィルタシステムのリーク試験である。この試験は,フィルタ
製造業者が工場で行う個別の効率試験と混同すべきではない。この試験は,施工完了時又は製造装置設置
時のクリーンルームに適用され,新設のクリーンルームの性能検証時,既設フィルタの再試験が要求され
たとき又は最終フィルタが交換されたときに行われる。
天井,壁又は装置に取り付けられたフィルタシステムに対する試験手順を,B.6.2に記載する。またダク
トに取り付けられたフィルタに対する試験手順をB.6.3に記載する。
注記 主に半導体及び液晶などの電子デバイスを製造するクリーンルームでは,試験粒子によっては,
受け入れられない粒子状又は分子状の汚染を引き起こすことがある。幾つかの試験エアロゾル
はある環境下では安全上の問題を生じることもある。この規格は,その使用に関する安全上の
問題を取り扱っているわけではない。この規格を使用するのに先立ち,使用者の責任において,
適切な安全に関する実施要領,リスク評価及び法的規制を検討し適用することが望ましい。
B.6.1.2 粒子計数器の使用
粒子計数器による方法 (B.6.2) は,高い感度を示すので,フィルタシステムの汚染は低いものとなる。
この方法は,次の場合に使用できる。
a) すべての空調システムを備えたクリーンルーム
b) 使用されたフィルタの最大透過粒子径 (MPPS) における,公称透過率が0.000 005 %までのシステム
c) フィルタ及びダクトに付着した揮発性の試験エアロゾルからのアウトガスが許されないか,固体のエ
アロゾル粒子の使用が推奨されるクリーンルーム
注記 B.6.1.2では測定器として粒子計数器を用いる方法を記載しているが,フォトメータを用いる場
合についてはISO 14644-3を参照。
B.6.2 設置フィルタシステムの走査リーク試験方法
B.6.2.1 一般
この現場リーク試験は,次の二段階法によって正確かつ迅速に行うことができる。
a) 第1段階としてフィルタの下流側を走査し,リークが疑われる位置を特定する。走査測定時の粒子カ
ウント間隔Tsの間に,粒子計数値が観測許容値Caを超えた場合,その位置でのリークが疑われる。
この場合は第2段階に進む。そのようなリークの疑いがない場合は,次の段階は不要である。Ca及び
Tsの決定はそれぞれB.6.2.6.3及びB.6.2.6.6による。
b) 第2段階として,リークの疑いのある最大粒子計数地点にプローブを戻し,静止して再測定を行う。
この再測定で,静止測定時間Trの間に観測許容値Caを超える粒子数が検出された場合は,リークあ
りと判断される。Tr及びCaの決定はB.6.2.6.5による。
B.6.2.2 試験エアロゾルの条件
必要な試験濃度を確保するため,上流側に人為発生させた多分散エアロゾル又は大気じんを投入する必
要がある。
注記 エアロゾルに関する手引きをC.6.3に示す。
試験エアロゾルは,次の条件を満たすことが望ましい。

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a) 個数基準の中央径は,0.1 μm0.5 μmの間とする。
b) 粒子計数器の粒径区分を,この中央径以下とする。
c) 粒子計数器にそのしきい(閾)値粒径と0.5 μmとの間に複数の粒径チャンネルがある場合,下流側で
最大計数を示すチャンネルを選択する。
d) 平均相当粒子径は,使用される最も適切な粒径チャンネルの範囲内とする。
B.6.2.3 上流側エアロゾルの濃度及びその確認
フィルタ上流側の試験エアロゾルの濃度は,B.6.2.6.4に示す走査速度が実用的な速さとなるように十分
高い濃度であることが望ましい。ほとんどの場合,必要な試験粒子濃度を得るために上流側にエアロゾル
を加える。このような高濃度を確認するためには,適切な希釈器を使い,粒子計数器の最大可測濃度を超
えないようにする必要があることがある(同時計数損失の防止)。使用される希釈器の性能は,それぞれの
使用の最初と最後に確認することが望ましい(参考文献 [16] 参照)。
上流側の濃度が測定中に大きく変動する場合,連続的に下流側の粒子計数とともに計算に用いるために,
上流側の測定を走査中も連続的に測定することが望ましい。その測定頻度及び測定点数など[14]を含むエア
ロゾルと空気との混合テストをどのように行うかの詳細については,受渡当事者間の合意によることが望
ましい(参考文献 [16] 参照)。
B.6.2.4 プローブサイズの決定
サンプリングプローブの吸引口の大きさは,測定器の吸引量とフィルタの吹き出し風速とを考慮して計
算し,プローブの吸引口での風速とフィルタの吹き出し風速とがほぼ等しくなることが望ましい。プロー
ブは正方形又は長方形であることが望ましい。また,プローブの吸引口の流速分布には注意を要する(参
考文献 [18] 参照)。走査方向のプローブの長さは,次による。
qVa
Dp (B.2)
U Wp
ここに, Dp : 走査方向のプローブの長さ (m)
qVa : 測定器の実際のサンプリング流量 (m3/s)
U : フィルタの吹き出し風速 (m/s)
Wp : 走査方向と直角方向のプローブの長さ (m)
注記 プローブ入口での風速Usは,次の範囲内にあることが望ましい。
1.2U≧Us≧0.8U
ここに, U : フィルタの吹き出し風速 (m/s)
qVa
Us : プローブの入口での風速
Dp Wp
B.6.2.5 設置フィルタシステムのリーク試験の手順
この試験は,特定の試験エアロゾルをフィルタの上流側に導入し,フィルタ及びグリッド,又は取付け
用フレームの下流側表面を,次のようにプローブを用いて走査することで実施する。
a) 最初の確認として風速試験(B.4参照)を,この試験に先立って実施することが望ましい。
b) 最初に,B.6.2.3に従ってフィルタの上流側のエアロゾルを測定し,粒子の濃度及びエアロゾルの分布
の均一性を検証する。
c) 次に,B.6.2.6.4に示すSrの値を超えない走査速度で,走査パスがわずかに重なり合うようにして,プ
ローブを横移動させることが望ましい。プローブは,下流のフィルタ面又はそのフレーム構造から約
0.03 mの距離で維持することが望ましい。

――――― [JIS B 9917-3 pdf 28] ―――――

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d) この走査は,各フィルタの下流側の面全体,その周囲,接続部を含めてフィルタのフレームとグリッ
ドとの間のシールに実施することが望ましい。
e) フィルタの上流側濃度の測定をリーク走査の間に妥当な間隔で,又はその走査の後で繰り返し,試験
エアロゾルの安定性を確認することが望ましい(B.6.2.3参照)。
B.6.2.6 準備計算及び評価
B.6.2.6.1 準備計算のフローチャート及び記号並びに評価手順
B.6.2.6で使用する記号を,次に示す。
Cc : フィルタ上流側に導入されるエアロゾル濃度(個/m3)
Ps : 試験フィルタの最大透過粒子径 (MPPS) における公称最大許容透過率
PL : 試験フィルタの定格リーク透過率
K : PLがPsの何倍となるかを表す倍率
qVs : 測定器のサンプリング流量の基準値,472×10−6 (m3/s) (=28.3 L/min)
qVa : 測定器の実際のサンプリング流量 (m3/s)
Sr : プローブの走査速度 (m/s)
Dp : プローブの走査方向の辺の長さ (m)
Np : 定格リーク透過率から得られる粒子カウントの期待値(個)
Npa : 静止再測定における,定格リーク透過率から得られる粒子カウントの期待値(個)
Ca : 観測許容値(個)
Ts : 走査測定時の粒子カウント間隔 (s)
Tr : 静止測定時間 (s)
準備計算及び評価手順のフローチャートを,図B.2に示す。

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a) リーク試験の準備計算の手順
フィルタ上流 フィルタ 粒子計数器に関わるパラメータ
上流側濃度 フィルタの公称 プローブの走査 偽計数が無視できない 静止測定時間
最大許容透過率 方向の辺の長さ 場合,観測許容値Ca
Cc(個/m3) Ps Dp (m) は1個以上が望ましい Tr (s)
表B.1から倍率Kを選択 リークと判断される粒
子カウント期待値Np
(個)は表B.2で求め
試験フィルタの られる
定格リーク透過率
PL=K×Ps
1) 走査測定によるリークが疑わしい位置の特定 2) 静止再測定
プローブ走査速度 (m/s) プローブ静止再測定における期待値Npa(個)
Sr≦Cc×PL×qVs×Dp/Np Npa=Cc×PL×qVs×Tr
粒子計数器の実際の流量 粒子計数器の実際の流量
qVa (m3/s)が基準流量と異なる場合は qVa (m3/s)が基準流量と異なる場合は
Sr≦[Cc(PL−Ps) qVs+Cc×Ps×qVa]Dp/Np Npa≦[Cc(PL−Ps) qVs+Cc×Ps×qVa]Tr
走査測定における粒子カウント間隔 (s) 静止測定時間Tr (s) 中の観測許容値(個)
Ts≧Dp/Sr Ca=Npa−2Npa
b) リーク試験の実施及び評価の手順
1) 走査試験によるリークが疑わしい位置の特定
許容値Caに1個を選んだ場合は,短時間(Ts程度)に2個以上の連続カウントがあったとき,その位置は
リークの疑いありと判定する。連続カウントがなければ,走査した領域でのリークはなしと判断する。
2) 静止再測定によるリークの判定
静止測定時間Trの間に計測された計数値がCa以下の場合,その位置でのリークはなしと判断する。静止測
定時間を延長してもCaを超えた場合,その位置はリークありと判断する。
図B.2−リーク試験の準備計算及び評価手順のフローチャート
B.6.2.6.2 試験フィルタの定格リーク透過率 PL
リーク位置に基準流量の粒子計数器のプローブを保持して測定したときに得られる透過率が,標準サン
プル流量リーク透過率と定義され,その許容値を定格リーク透過率PLとする。基準流量qVsは472×10−6
m3/s (28.3 L/min)である。
許容される上限値としての定格リーク透過率PLは受渡当事者間の合意によって決められるか,表B.1と
式 (B.3) で計算される。
表B.1−各最大許容透過率Psに対する倍率K
最大許容透過率 Ps ≦5×10−4 ≦5×10−5 ≦5×10−6 ≦5×10−7 ≦5×10−8
倍率 K 10 10 30 100 300
PL K Ps (B.3)

――――― [JIS B 9917-3 pdf 30] ―――――

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