JIS B 9917-3:2009 クリーンルーム及び付属清浄環境―第3部:試験方法 | ページ 7

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ここでPsは,フィルタメーカが示すMPPSでの公称最大透過率であるが,MPPSでの値が示されていな
い場合は,特定の粒径での公称透過率を使用してもよい。
注記 正常な透過率の包含関係 PLはフィルタ正常部分の透過率も包含している。局部透過率が全体
透過率を上回る部分があっても,フィルタが仕様を満足しないわけではない。
手動走査の場合,CaはNpに置き換えることができる。Npは2個以上とすることが推奨され,また,B.6.2.6.3
を考慮する必要はない。
B.6.2.6.3 粒子計数値の期待値Np(個),及び観測許容値Ca(個)
観測許容値Caからは,統計計算によって上側信頼限界Npが得られる。CaとNpとの関係を表B.2に示す。
より小さなNpを用いると,より早い走査を行うことができるようになるか,上流側をより低い濃度にする
ことができる。
a) 偽計数が無視できる場合は,Ca=0個,Np=3.7個を選定することが望ましい。
b) 偽計数が無視できない場合は,Ca≧1個の値を選定することが望ましい。
表B.2−ポアソン分布の95 %上側信頼限界[8],[17]
観測 上側限界 観測 上側限界 Npが19.7を超える場合
許容値 許容値
Ca Np Ca Np Ca=Np−2Np (B.4)
0 3.7 6 13.1
1 5.6 7 14.4
2 7.2 8 15.8
3 8.8 9 17.1
4 10.2 10 18.4
5 11.7 11 19.7
B.6.2.6.4 走査速度Sr (m/s)
プローブの走査速度Srは,次の式によって決定することが望ましい。
6
Cc PL qVs Dp Cc PL 472 10 Dp
Sr ≦ (B.5) [18]
Np Np
Srは0.08 m/sを超えないことが望ましい。
Sr及びCaは最初に選定し,次に,上流側エアロゾル濃度Ccを式 (B.5) によって計算することが望まし
い。
B.6.2.6.5 静止測定時間Tr(s)と,そのときの期待値Npa(個)及び観測許容値Ca(個)
a) 静止測定時間Tr(s)の選択 走査測定でCaを超える観測値があった場合,静止測定時間Trの再測定を
行う。市販の粒子計数器を用いる場合においては,Trは最少設定可能測定時間又はその複数倍の時間
に設定することが望ましい。
b) r(s)及びCa(個)に対する期待値Npa(個)の計算 静止測定時間Trの間に検出される粒子計数の期
待値Npaは式 (B.6) で得られる。またNpaの数が大きいときのCaは式 (B.7) の計算で得られる。
V
Npa Cc PL qs Tr (B.6)
Ca Npa 2Npa (B.7)
B.6.2.6.6 走査試験によるリークが疑われる位置の特定

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a) 観測値が観測許容値Ca(個)よりも小さい場合 走査測定における,粒子カウント間隔Tsの間又はそ
れを上回る時間に得られた計数値が観測許容値Ca以下のとき,リークはないと判定される。
ここで,粒子カウント間隔Tsは,ある点をプローブが横切るのに要する時間以上の時間であり,式
(B.8) で与えられる。
Dp
T≧
s (B.8)
Sr
b) 観測値が観測許容値Ca(個)を超える場合 観測値がCaを超えた場合は,その位置でのリークが疑
われるので静止再測定を要する。
手動によって走査試験を行う場合は,計数表示値変化又はスキャンプローブに附属のビープ音などによ
って,その位置でのリークの検出が可能となる。計数値が許容できるかを判断することができるようにす
るため,上流側エアロゾル濃度を調整し,観測許容値が10個を超えないようにすることが望ましい。
粒子計数器のサンプリング間隔は十分に長くして,間隔のリセット時間の影響を避けるようにすること
が望ましい。
B.6.2.6.7 静止再測定による判定
a) 観測値が観測許容値Ca(個)以下の場合 静止測定時間Trで得られた計数値がCa以下のときは,リ
ークなしと判定される。
b) 観測値が観測許容値Ca(個)を超えた場合 静止測定時間Trで得られた計数値がCaを超えたときは,
再度その位置で測定を考慮してもよい。計数値がそれでもCaを超えた場合は,リークありと判定され
る。
B.6.2.7 基準流量でない粒子計数器を使用した場合の補正
定格リーク透過率PLは,基準流量qVs=472×10−6 m3/s (28.3 L/min) の粒子計数器を用いたときに得られ
る透過率として定義される。フィルタろ材全体からの粒子透過と違って,リーク箇所で得られる粒子計数
はサンプリング流量に左右されない。基準流量ではない粒子計数器を使用した場合は,次の式による補正
が必要となる。
Sr ≦ Cc PL Ps qVs Cc Ps qVa Dp Np (B.9)
Npa Cc PL Ps qVs Cc Ps qVa Tr (B.10)
B.6.2.8 リーク試験及び評価の適用例
評価の手順の例を,図B.3に示す。

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a) リーク試験の準備計算の手順 (qVa=qVs=472×10−6 m3/sの場合)
フィルタ上流 フィルタ 粒子計数器に関わるパラメータ
上流側濃度 フィルタの公称 プローブの走査 偽計数が無視できない 静止測定時間
Cc=30×106 最大許容透過率 方向の辺の長さ ので,観測許容値は Tr=6sを選択
個/m3 Ps=1×10−4 Dp=0.02 m Ca=1個とする
表B.1から倍率K=10を選択 リークと判断される粒
子カウント期待値は表
B.2からNp=5.6個と
試験フィルタの 求められる
定格リーク透過率は
PL=K×Ps=10−3
1) 走査測定によるリークが疑わしい位置の特定 2) 静止再測定
プローブ走査速度 (m/s)は プローブ静止再測定における期待値は
Sr≦Cc×PL×qVs×Dp/Np Npa=Cc×PL×qVs×Tr
=30×106×10−3×472×10−6×0.02/5.6 =30×106×10−3×472×10−6×6=85個
=0.051 m/s
走査測定における粒子カウント間隔は 静止測定時間Tr (s)中の観測許容値は
Ts≧Dp/Sr=0.02/0.051=0.4 s Ca=Npa−2 85=67 個
Npa =85−2
b) リーク試験の実施と評価の手順
1) 走査試験によるリークが疑わしい位置の特定
短時間(0.4 s程度)に,2個又はそれ以上のカウント増があった場合,その位置で静止再測定を行う。連
続カウントがない場合は,リークなしと判断する。
2) 静止再測定によるリークの判定
静止測定時間Tr=6 sの間に観測された計数値がCa=67個以下であればリークなしと判断する。静止測定
時間を延長してもCaを超えた場合は,その位置はリークありと判断する。
図B.3−リーク試験の準備計算及び評価の例
B.6.3 ダクトなどに装着されたフィルタの全体リーク試験方法
この試験は,ダクトなど(エアハンドリングユニットを含む。)に装着された,フィルタの全体リークを
評価するのに使われる。また,多段フィルタユニットで各段ごとの測定をせず,全体リークの評価をする
のにも使用される。これらの測定は非一方向流方式の場合には,最終の設置フィルタにも使用できる。こ
の方法は,B.6.2で説明された方法より感度が低い。
測定はクリーンルームから離れた設置フィルタの上流側に試験エアロゾルを導入して行われる。フィル
タを通った空気中の粒子濃度は,ダクト又はエアハンドリングユニット中で測定され,上流側の濃度と比
較され,全体効率又は透過率が決定される。
測定の実施前には,風速試験を実施することが望ましい。
粒子計数器によって,上流側の測定を行い,エアロゾル濃度が十分で均一であることを確認することが
望ましい。

――――― [JIS B 9917-3 pdf 33] ―――――

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下流側の測定は,フィルタ1台当たり少なくとも1か所,フィルタの下流側で十分均一にかくはん(攪
拌)された位置で実施することが望ましい。均一なかくはん(攪拌)が生じない場合,別の測定方法を採
用する。測定は,ダクト内でフィルタの下流側0.3 m1 mの間の1平面内で数箇所の均一に分割された点
と,ダクト壁面からおよそ0.03 mの位置で行うことが望ましい。
フィルタ上流側の測定は,適切な測定間隔で繰り返し,試験エアロゾル発生源の安定性を確認すること
が望ましい。
下流側の各位置で測定された濃度から,各位置の総合透過率を計算することが望ましい。いずれの透過
率も,フィルタの規定された公称最大透過粒子径 (MPPS) 透過率の5倍を超えないことが望ましい。その
他の合格基準については,受渡当事者間の合意によって決定してよい。
リークに関する補修又は是正は,B.6.5の補修及び補修手順,又は受渡当事者間の合意による手順に従っ
て行ってよい。
注記 ダクトに据え付けられたフィルタで,走査によるリーク試験が要求されている場合は,B.6.2で
説明した方法で行うことが望ましい。
B.6.4 設置フィルタシステムのリーク試験のための装置及び材料
B.6.4.1B.6.4.3に挙げているすべての装置は,有効期限中の校正証明書を備えていることが望ましい。
B.6.4.1 粒子計数器
十分に大きな吸引量と,リークの発見に適した粒径が検出できる粒子計数器(C.1参照)を用いる。
測定器の使用はバックグランドの計数値が,定格リーク値の10 %未満の場合に限られる。
B.6.4.2 エアロゾル発生器
エアロゾル発生器は,適切な粒径範囲で,適切な濃度の試験エアロゾルを発生するための空気圧式又は
加熱方式のもの(C.6.2参照)。
B.6.4.3 適切な希釈装置(C.6.4参照)
B.6.4.4 適切なエアロゾル源となる物質(C.6.3参照)
B.6.5 補修及び補修手順
リークに関する補修は,受渡当事者間の合意によって認められる。補修の方法は,使用者又は供給者か
らのすべての指示を考慮することが望ましい。
補修材料を選択するときは,製品及びプロセス上への吸着を考慮し,化学物質が発生しない材料が望ま
しい。
フィルタ,シール材又は取付枠で発見されたリークは補修することが望ましい。
フィルタ,シール材又は取付枠の補修は,受渡当事者間で合意された方法で行うことが望ましい。
補修が完了し,適切な養生時間が経過した後,リーク箇所を決められた方法で再度走査し,リークを調
べることが望ましい。
B.6.6 試験結果の報告
受渡当事者間の合意によって,箇条5に従って,次の情報及びデータを記録することが望ましい。
a) 測定方法 : 粒子計数器(走査試験又は全体リーク試験)
b) 各測定に使用した装置の形式及び校正状態
c) フィルタの仕様
d) この測定方法の特殊な条件及び変更,並びに受渡当事者間の合意によって決められた特殊な手順
e) 上流側のエアロゾル濃度,その測定位置及び測定時間
f) 粒子計数器の測定流量及び粒径範囲

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g) 計算された上流側のエアロゾル濃度及びその分布
h) 下流側の計算された許容基準
i) フィルタ,領域又は測定位置ごとの下流側の測定結果
j) 特定された各測定点の最終結果
k) リークがなかった場合は合格,リークがある場合はリークの位置,補修作業及び再測定の結果
B.7 気流の方向の測定及び可視化
B.7.1 概要
気流の方向の測定及び可視化を行う目的は,気流の方向及びその均一性が設計仕様及び性能仕様に適合
していることを確認し,また必要に応じて,施設における気流の空間的,時間的な特性を確認することで
ある。
注記 評価又は解析のためのツールとして使用する数値流体力学 (CFD) は,この規格では考慮して
いない。
B.7.2 方法
気流方向の測定及び可視化は,次の四つの方法に従って実施することができる。
a) タフト法
b) トレーサ注入法
c) 画像処理による気流の可視化法
d) 速度分布の測定による気流の可視化法
前記a)及びb)の方法では,タフト又はトレーサ粒子の使用によって施設の気流が可視化され,ビデオカ
メラ,写真などの記憶装置を利用して記録することができる。タフト又はトレーサ粒子は,汚染の原因と
なることがなく,また気流に対し正確に追従することが望ましい。また,トレーサ粒子発生器及び高出力
の光源などの器具を併用する場合がある。
方法c)は,施設内部の風速分布を定量的に明らかにするために用いる。この方法は,コンピュータを用
いたトレーサ粒子の画像処理に基づくものである。
測定者自身が,測定する気流のパターンを乱すことのないように注意する。
B.7.3 気流方向の測定及び可視化の手順
B.7.3.1 タフト法
この試験は,気流内に設置したタフト,例えば,絹糸,ナイロン繊維,織物の小さい帯及びフィルムの
薄いテープを観察することによって実施する。これらを支持棒の先端に固定するか,針金製の格子の交点
に取り付け気流内に設置する。これらは,気流の方向及び乱流によるゆらぎを視覚的に示す。効果的な照
明は,この気流の観察及び記録に有効である。
B.7.3.2 トレーサ注入法
この試験は,トレーサ粒子の挙動を観察又は画像化することによって行う。レーザなどの高出力の光源
を用いることがある。この試験からは,施設内の気流の方向及び均一性に関する情報が得られる。トレー
サ粒子は,注意して選定し,純水など表面汚染のないミストが望ましい。
使用するミストは,重力その他の作用を受けにくく,気流に追従し,かつ,画像処理によって十分に検
出できる粒径であることが望ましい。
B.7.3.3 画像処理による気流の可視化方法
B.7.3.2に記載する方法によって,可視化した画像データをコンピュータ上で処理すると,その領域内の

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JIS B 9917-3:2009の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 14644-3:2005(MOD)

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JIS B 9917-3:2009の関連規格と引用規格一覧