JIS B 9971:2019 機械安全に関する要員の力量 | ページ 2

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表4−M30の力量をもつ要員が実施できる作業
概要 作業内容
リスクアセスメントの実施 チームリーダーとしてリスクアセスメントを実施する。
保護方策の立案 リスクアセスメントの結果に応じて,3ステップメソッド(JIS B 9700の6.1参
照)に基づく保護方策を立案する。
リスクアセスメント及びリスクリスクアセスメントの結果及びリスク低減に関わる手順及び結果を文書化する。
低減の文書化
4.4.3 要求される知識及び技能
M30の要員は,次の知識及び技能をもたなければならない。
a) 機械安全に関する次の知識
1) 機械安全の基礎(5.1参照)
2) 機械安全規格における安全の概念(5.2参照)
3) リスクアセスメントのプロセス(5.3参照)
4) 本質的安全設計方策(5.4参照)
5) 予期しない起動の防止を考慮した設計(5.5参照)
6) 適切な安全機能をもった制御システムの設計に関する基礎知識(5.6.1参照)
7) 機械の電気装置の適切な設計に関する基礎知識(5.7.1参照)
8) 安全防護(5.8参照)
9) 付加保護方策に関する基礎知識(5.9.1参照)
10) 非常停止機能(5.9.2参照)
11) 使用上の情報(5.10参照)
12) リスクアセスメント及びリスク低減の文書化(5.11参照)
b) 実務遂行に必要な次の技能
1) 5.3に基づくリスクアセスメントのプロセスのうち,次を実施する技能
1.1) 機械類の制限の決定(5.3.1参照)
1.2) 危険源の同定(5.3.2参照)
1.3) リスク見積り(5.3.3参照)
1.4) リスク評価(5.3.4参照)
2) 5.4,5.5,5.6.1,5.7.1,5.8.1,5.9.1及び5.10に基づく保護方策の立案
3) 5.11に基づくリスクアセスメント及びリスク低減の文書化

4.5 機械類の保護方策の設計-機械設計分野(M41)

4.5.1  一般
M41では,M30の知識及び技能に加えて,機械的な保護方策を設計するための力量を規定する。
この力量をもつ要員は,リスクアセスメントの結果に基づき,機械設計に関連する規格の要求事項を満
足する保護方策を設計することができる。機械的要素と関連する電気的要素及び制御的要素についても,
それらの作業を遂行する他の担当者とともに適切なリスク低減を達成することができる。
4.5.2 実施できる作業
M41の要員が実施できる作業は,表5による。
注記 この力量は保護方策の立案,実施及び検証のいずれにも有効であるが,これらの全ての業務を
同一の要員によって実施することを規定するものではない。

――――― [JIS B 9971 pdf 6] ―――――

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表5−M41の力量をもつ要員が実施できる作業
概要 作業内容
安全に関する要求仕様の決定 安全に関する機械的な設計に関する要求仕様を決定し,文書化する。
本質的安全設計方策の設計 少なくとも次を考慮して設計する。
− 視認性
− 押潰しを防止する空間の確保
− 鋭利な端部又は突出部からの保護
− 高温部からの保護
− 可動要素の推力及び速度の抑制
− エミッションの抑制
− 空圧及び液圧装置による危険源の防止
安全防護及び付加保護方策の設少なくとも次を考慮して設計する。
計 − ガードの適切な強度
− 検知保護装置の適切な設置
− 人体の侵入を防ぐことができる適切な開口部の設計
− 捕捉された人の脱出のための手段の設計
使用上の情報の作成 少なくとも次を考慮して作成する。
− 機械の機構部分への引込み,捕捉,巻込みなどの危険源に関する注意喚起
− 機械の清掃,保全,及びトラブルシューティング時の安全な接近手段に関す
る情報提供
要求仕様の検証 設計された機械的な保護方策が,安全に関する要求仕様を満たしていることを確
認する。
4.5.3 要求される知識及び技能
M41の要員は,次の知識及び技能をもたなければならない。
a) 機械安全に関する次の知識
1) 機械安全の基礎(5.1参照)
2) 機械安全規格における安全の概念(5.2参照)
3) リスクアセスメントのプロセス(5.3参照)
4) 本質的安全設計方策(5.4参照)
5) 予期しない起動の防止を考慮した設計(5.5参照)
6) 適切な安全機能をもった制御システムの設計に関する基礎知識(5.6.1参照)
7) 機械の電気装置の適切な設計に関する基礎知識(5.7.1参照)
8) 安全防護(5.8参照)
9) 付加保護方策(5.9参照)
10) 使用上の情報(5.10参照)
11) リスクアセスメント及びリスク低減の文書化(5.11参照)
b) 実務遂行に必要な次の技能
1) 30に要求される技能。詳細は4.4.3 b)による。
2) 5.4,5.5,5.6.1,5.7.1,5.8,5.9及び5.10に基づく保護方策のうち機械的要素の設計及び検証の技能

4.6 機械類の保護方策の設計-電気設計分野(M42)

4.6.1  一般
M42では,M30の知識及び技能に加えて,電気的な保護方策を設計するための力量を規定する。
この力量をもつ要員は,リスクアセスメントの結果に基づき,電気設計に関連する規格の要求事項を満

――――― [JIS B 9971 pdf 7] ―――――

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足する保護方策を設計することができる。電気的要素と関連する機械的要素及び制御的要素についても,
それらの作業を遂行する他の担当者とともに適切なリスク低減を達成することができる。
4.6.2 実施できる作業
M42の要員が実施できる作業は,表6による。
注記 この力量は保護方策の立案,実施及び検証のいずれにも有効であるが,これらの全ての業務を
同一の要員によって実施することを規定するものではない。
表6−M42の力量をもつ要員が実施できる作業
概要 作業内容
安全に関する要求仕様の決定 安全に関する電気的な設計に関する要求仕様を決定し,文書化する。
本質的安全設計方策の設計 少なくとも次を考慮して設計する。
− 使用環境の特性(周囲温度,湿度,高度,汚染物,振動,衝撃など)に適し
た電気部品の選定及び回路構成
− 適切な入力電源開閉機能
− 直接接触及び間接接触による感電からの保護
− 人間工学に基づいたオペレータインタフェース
安全防護及び付加保護方策の設少なくとも次を考慮して設計する。
計 − 動力源の遮断及び電気的エネルギー消散時の安全性
− 危険電圧への接触を避ける保護構造物
使用上の情報の作成 少なくとも次を考慮して作成する。
− 感電及び高温のリスクに対するマーキング及び警告標識
− 光及び音響などを用いた警告機能
要求仕様の検証 設計された電気的な保護方策が,安全に関する要求仕様を満たしていることを確
認する。
4.6.3 要求される知識及び技能
M42の要員は,次の知識及び技能をもたなければならない。
a) 機械安全に関する次の知識
1) 機械安全の基礎(5.1参照)
2) 機械安全規格における安全の概念(5.2参照)
3) リスクアセスメントのプロセス(5.3参照)
4) 本質的安全設計方策(5.4参照)
5) 予期しない起動の防止を考慮した設計(5.5参照)
6) 適切な安全機能をもった制御システムの設計に関する基礎知識(5.6.1参照)
7) 機械の電気装置の適切な設計(5.7参照)
8) 安全防護(5.8参照)
9) 付加保護方策に関する基礎知識(5.9.1参照)
10) 非常停止機能(5.9.2参照)
11) 使用上の情報(5.10参照)
12) リスクアセスメント及びリスク低減の文書化(5.11参照)
b) 実務遂行に必要な次の技能
1) 30に要求される技能。詳細は4.4.3 b)による。
2) 5.4,5.5,5.6.1,5.7,5.8,5.9.1,5.9.2及び5.10に基づく保護方策のうち電気的要素の設計及び検証
の技能

――――― [JIS B 9971 pdf 8] ―――――

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4.7 機械類の保護方策の設計-制御設計分野(M43)

4.7.1  一般
M43では,M30の知識及び技能に加えて,制御システムを用いた保護方策を設計するための力量を規定
する。
この力量をもつ要員は,リスクアセスメントの結果に基づき,制御システムの安全設計に関連する規格
の要求事項を満足する保護方策を設計することができる。制御的要素と関連する機械的設計要素及び電気
的設計要素についても,それらの作業を遂行する他の担当者とともに適切なリスク低減を達成することが
できる。
4.7.2 実施できる作業
M43の要員が実施できる作業は,表7による。
注記 この力量は保護方策の立案,実施,検証及び妥当性確認のいずれの作業の従事にも有効である
が,これらの全ての作業を同一の要員によって実施することを規定するものではない。
表7−M43の力量をもつ要員が実施できる作業
概要 作業内容
安全に関する要求仕様の決定 安全に関する制御的な設計に関する要求仕様を決定し,文書化する。
本質的安全設計方策の設計 少なくとも次を考慮して設計する。
− 危険な機械の挙動の回避
− 制御機能における安全さ及び容易さ
安全防護及び付加保護方策の設少なくとも次を考慮して設計する。
計 − リスクアセスメントの結果に応じて選択されたPLr(要求パフォーマンスレ
ベル)又は要求SIL(安全インテグリティレベル)
− 意図した安全機能(ソフトウェアを含む)の実現
使用上の情報の作成 少なくとも次を考慮して作成する。
− 安全関連部の情報
− 安全関連部の性能の維持に関する情報
要求仕様の検証及び妥当性確認設計された制御的な保護方策が,安全に関する要求仕様を満たしていることを確
認する。
4.7.3 要求される知識及び技能
M43の要員は,次の知識及び技能をもたなければならない。
a) 機械安全に関する次の知識
1) 機械安全の基礎(5.1参照)
2) 機械安全規格における安全の概念(5.2参照)
3) リスクアセスメントのプロセス(5.3参照)
4) 本質的安全設計方策(5.4参照)
5) 予期しない起動の防止を考慮した設計(5.5参照)
6) 適切な安全機能をもった制御システムの設計(5.6参照)
7) 機械の電気装置の適切な設計に関する基礎知識(5.7.1参照)
8) 安全防護(5.8参照)
9) 付加保護方策に関する基礎知識(5.9.1参照)
10) 非常停止機能(5.9.2参照)
11) 使用上の情報(5.10参照)

――――― [JIS B 9971 pdf 9] ―――――

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12) リスクアセスメント及びリスク低減の文書化(5.11参照)
b) 実務遂行に必要な次の技能
1) 30に要求される技能。詳細は4.4.3 b)による。
2) 5.4,5.5,5.6,5.7.1,5.8,5.9.1,5.9.2及び5.10に基づく保護方策のうち制御的要素の設計及び検証
の技能

5 知識及び技能の分類

5.1 機械安全の基礎

  機械安全に関する基礎知識は,次による。
a) 次の危険源に関する知識(JIS B 9700の表B.1参照)
1) 機械的危険源
2) 電気的危険源
3) 熱的危険源
4) 騒音による危険源
5) 振動による危険源
6) 放射による危険源
7) 材料及び物質による危険源
8) 人間工学原則の無視による危険源
9) 機械が使用される環境に関連する危険源
10) 危険源の組合せ
b) リスクアセスメント及びリスク低減のための方法論に関する知識(JIS B 9700の箇条4参照)

5.2 機械安全規格における安全の概念

  機械安全規格における安全の概念を示す知識は,次による。
a) 次に示す“安全”又は“リスク”の概念に関する知識
1) 機械安全に関わる用語及び定義(JIS Z 8051の箇条3参照)
2) “安全”及び“安全な”という用語の使用についての要求事項(JIS Z 8051の箇条4参照)
3) リスクの要素(JIS Z 8051の箇条5参照)
b) IS B 9700の箇条3に基づく機械安全に関する基本的な用語及び定義に関する知識
c) 機械安全に関する次の規格の種類及び体系に関する知識(JIS Z 8051の7.1参照)
1) 基本安全規格
2) グループ安全規格
3) 製品安全規格
4) 安全側面を含んでいる規格

5.3 リスクアセスメントのプロセス

5.3.1  機械類の制限の決定
機械類の制限に関する知識及び技能は,次による(JIS B 9700の5.3及びISO/TR 14121-2の5.2参照)。
a) 機械類の制限の種類に関する知識
b) 機械類の制限を決定する技能
5.3.2 危険源の同定
危険源の同定に関する知識及び技能は,次による。

――――― [JIS B 9971 pdf 10] ―――――

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JIS B 9971:2019の国際規格 ICS 分類一覧

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