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C 2558 : 2015
6 一般的要求事項
6.1 製造方法
鋼帯の製造方法及びその化学組成は,製造業者の裁量に委ねる。
6.2 供給形態
鋼帯は,巻取り状態のコイルの形態で供給する。
コイルの質量は,発注時に取り決める。
コイルの内径は,約400 mm,又は500 mmから520 mmまでの間とし,508 mmを推奨する。
コイルは,幅が一定で両側面が実質的に平面とみなせるよう,エッジをそろえて巻き取る。
コイルは,その質量で潰れたりすることがないよう,十分堅く巻き取る。
発注時の受渡当事者間の協定によって,不良部分を除去したコイルを溶接又は巻込みによってつなぎ合
わせてもよい。許容される溶接部の厚さの増加は,受渡当事者間の協定による。溶接部又は巻込み部のマ
ーキングについて,必要があれば,発注時に受渡当事者間の協定としてもよい。
溶接部又は巻込み部をもつコイルの場合,各片の鋼帯は,いずれも同じ種類のものでなければならない。
つなぎ合わせのため溶接した各片の鋼帯のエッジは,その後の作業に支障が生じるほど不ぞろいであっ
てはならない。
6.3 納品状態
鋼帯は,通常,両面に無機質又は半有機質の絶縁皮膜を施して供給する。
注記 半有機質の皮膜とは,無機質及び有機質を含む皮膜をいう。異なる種類の皮膜を用いてもよい。
6.4 表面状態
鋼帯の表面は,平滑でグリースの付着及びさび(錆)のない清浄なものでなければならない。
鋼帯表面の絶縁皮膜は,切断加工時及び製造業者が指定する条件下での熱処理時に,がれたりしない
よう,強固に密着していなければならない。繰返し曲げ試験(8.4.4.2参照)において,1回目の90°曲げ
によって絶縁皮膜が離してはならない。
注記 鋼帯を液に浸す場合又はコーティングを追加若しくは含浸する場合には,液及び絶縁皮膜の両
立性に関して受渡当事者間で協定することが望ましい。
6.5 切断性
鋼帯はいかなる部分でも,適切な工具を用いることによって,一般的な形状に正確に切断することが可
能でなければならない。
7 特性及び許容値
7.1 磁気特性
7.1.1 磁束密度
a) 無方向性薄電磁鋼帯の磁束密度は,8.4.2によって,直流又は周波数が50 Hz若しくは60 Hzでの磁界
の強さが5 000 A/mにおける磁束密度ピーク値を測定したとき,表2による。
b) 方向性薄電磁鋼帯の磁束密度は,8.4.2によって,a)と同じ周波数で磁界の強さが800 A/mにおける磁
束密度ピーク値を測定したとき,表1による。
7.1.2 鉄損
鉄損の最大値は,表1及び表2による。無方向性薄電磁鋼帯を除き,切断した後,製造業者の定める条
件で応力除去焼なましを行った試験片を用いて測定する。
無方向性薄電磁鋼帯の場合には1.0 Tにおいて,呼称厚さによって表2に規定する周波数で測定する。
――――― [JIS C 2558 pdf 6] ―――――
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方向性薄電磁鋼帯の場合には1.0 T又は1.5 Tにおいて,呼称厚さによって表1に規定する周波数で測定す
る。
7.2 寸法及び形状,並びにそれらの許容差
7.2.1 厚さ
鋼帯の呼称厚さは,次とする。
− 無方向性薄電磁鋼帯では,0.05 mm,0.10 mm,0.15 mm及び0.20 mm
− 方向性薄電磁鋼帯では,0.05 mm,0.10 mm及び0.15 mm
厚さの許容差は,次のとおり区別する。
− 同じ受渡単位の製品における呼称厚さに対する厚さの許容差
− 長さ1.5 mの鋼帯における,圧延方向の厚さの偏差
− 長さ1.5 mの鋼帯における,幅方向の厚さの偏差。この許容差は,幅150 mmを超える鋼帯にだけ適
用し,エッジから40 mmまでの部分を除いて測定する。
呼称厚さに対する厚さの許容差は,8.4.3.1によって試験したとき,表3の値を超えてはならない。
長さ方向の厚さの偏差は,8.4.3.1によって試験したとき,0.020 mmを超えてはならない。
幅方向の厚さの偏差は,8.4.3.1によって試験したとき,表3の値を超えてはならない。
表3−鋼帯の厚さの許容差及び幅方向の厚さの偏差
単位 mm
呼称厚さ 呼称厚さに対する厚さの許容差 幅方向の厚さの偏差
無方向性薄電磁鋼帯 方向性薄電磁鋼帯 無方向性薄電磁鋼帯 方向性薄電磁鋼帯
0.05 ±0.008 ±0.008 0.008 0.008
0.10 ±0.010 ±0.010 0.010 0.010
0.15 ±0.015 ±0.015 0.020 0.020
0.20 ±0.020 − 0.020 −
7.2.2 幅
7.2.2.1 無方向性薄電磁鋼帯
適用される鋼帯の呼称幅は,1 250 mm以下とする。ただし,受渡当事者間の協定によって,1 250 mm
を超えてもよい。
ミルエッジを除去して供給される鋼帯の幅の許容差は,8.4.3.2によって試験したとき,表4による。
ミルエッジのまま供給される鋼帯の幅の許容差は,受渡当事者間の協定による。
注記 ミルエッジとは,圧延のままのエッジをいう。
――――― [JIS C 2558 pdf 7] ―――――
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表4−無方向性薄電磁鋼帯の呼称幅の許容差
単位 mm
呼称幅 幅の許容差a)
+0.4
150以下
0
+0.5
150を超え 300以下
0
+0.7
300を超え 600以下
0
+1.0
600を超え1 000以下
0
+1.5
1 000を超え1 250以下b)
0
注a) 受渡当事者間の協定によって,異なる幅の許容差としてもよい。
b) 受渡当事者間の協定によって,呼称幅1 250 mmを超える鋼帯も供給
できる。また,この場合の幅の許容差は,受渡当事者間の協定による。
7.2.2.2 方向性薄電磁鋼帯
適用される鋼帯の呼称幅は,400 mm以下とする。ただし,受渡当事者間の協定によって,400 mmを超
えてもよい。
ミルエッジを除去して供給される鋼帯の幅の許容差は,8.4.3.2によって試験したとき,表5による。
ミルエッジのまま供給される鋼帯の幅の許容差は,受渡当事者間の協定による。
表5−方向性薄電磁鋼帯の呼称幅の許容差
単位 mm
呼称幅 幅の許容差a)
+0.4
150以下
0
+0.5
150を超え 400以下b)
0
注a) 受渡当事者間の協定によって,異なる幅の許容差としてもよい。
b) 受渡当事者間の協定によって,呼称幅400 mmを超える鋼帯も供給で
きる。また,この場合の幅の許容差は,受渡当事者間の協定による。
7.2.3 横曲がり
横曲がりは,幅150 mm以下の鋼帯及びミルエッジのまま供給される鋼帯には,適用しない。横曲がり
は,8.4.3.3によって試験したとき,長さ2 mに対し2.0 mmを超えてはならない。
7.2.4 巻ぐせ
巻ぐせは,幅150 mm以下の鋼帯には,適用しない。巻ぐせは,発注時に受渡当事者間の協定による。
ただし,試験は,8.4.3.4による。
7.2.5 切断かえり
切断かえりは,8.4.3.5によって試験し,切断かえり高さの許容差は,受渡当事者間の協定による。
7.3 その他の材料特性
7.3.1 密度
――――― [JIS C 2558 pdf 8] ―――――
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密度は,規定しない。ただし,磁気特性及び占積率測定のための計算に用いる密度は,表1及び表2に
よる。受渡当事者間の協定によって,他の密度としてもよい。
7.3.2 占積率
占積率の最小値は,8.4.4.1によって試験したとき,表1及び表2による。
7.3.3 繰返し曲げ回数
無方向性薄電磁鋼帯の場合,繰返し曲げ回数の最小値は,8.4.4.2によって試験したとき,表2による。
この値は,圧延方向と直角に採取した試験片に適用する。
方向性薄電磁鋼帯の場合,繰返し曲げ回数の最小値は,8.4.4.2によって試験したとき,表1による。こ
の値は,圧延方向に採取した試験片に適用する。
7.3.4 絶縁皮膜抵抗
絶縁皮膜抵抗の値及びその試験方法は,受渡当事者間の協定による。
8 検査及び試験
8.1 一般事項
製品がスリットコイルの形態で納品される場合には,母材に行った試験結果を適用する。
8.2 供試材の採取
供試材は,最終焼なまし時のコイルごとに,少なくとも一組採取する。ただし,供給される製品単位で
変化する可能性がある項目については,各製品の品質が保証できるように供試材を採取する。
コイルの最内周及び最外周の一巻は,鋼帯の品質を代表しない単なるこん(梱)包材とみなす。供試材
は,このこん包用の一巻に続く内周又は外周部分から,溶接部及び巻込み部を避けて採取する。
試験片は,供試材から採取する。
試験の実施手順が適正であれば,同一の試験片を様々な特性の試験に使用してもよい。
8.3 試験片の準備
8.3.1 磁気特性
磁束密度及び鉄損測定のためのエプスタイン試験片は,次に示す寸法の試験片とする。
− 長さは,280 mmから310 mmまでの間で,各試験片の長さの許容差は,±0.5 mm。
− 幅は,30 mm ±0.2 mm。
エプスタイン試験片の枚数は,表6による。
表6−鋼帯の試験片の枚数
呼称厚さ 試験片の枚数
mm
0.05 96以上
0.10 52以上
0.15 36以上
0.20 28以上
無方向性薄電磁鋼帯の場合は,試験片の半数は圧延方向に平行に,半数は直角に採取する。鋼帯幅が狭
く圧延方向と直角に試験片を採取するのが難しい場合は,圧延方向と平行に採取した試験片だけを用いる。
方向性薄電磁鋼帯の場合は,全ての試験片を圧延方向と平行に採取する。
圧延方向と平行又は直角な方向と採取方向との角度の許容差は,次による。
――――― [JIS C 2558 pdf 9] ―――――
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− 無方向性薄電磁鋼帯の場合 : ±5°
− 方向性薄電磁鋼帯の場合 : ±1°
試験片はできる限り,鋼帯の幅方向にわたり均一となるように採取する。試験片が変形しないよう注意
して採取する。切断又は打抜きは,刃先の良好な工具を用いて行う。
方向性薄電磁鋼帯の試験片は,測定前に7.1.2に規定した応力除去焼なましを行う。
注記 JIS C 2550-1を参照。
8.3.2 寸法及び形状,並びにそれらの許容差
厚さ,幅及び横曲がりの測定には,長さ2 mの鋼帯1枚を試験片として用いる。
巻ぐせの測定には,製品幅の状態で,長さ500 mmで切断した試験片1枚を用いる。
注記 JIS C 2550-2を参照。
8.3.3 その他の材料特性
8.3.3.1 占積率
試験片は,同一寸法とし,表6の枚数を準備する。試験片寸法は幅20 mm以上,面積は5 000 mm2以上
とする。各試験片の幅及び長さのばらつきは,いずれも±0.2 mm以内とする。
試験片の切断かえりは,試験前に入念に取り除いておく。
8.3.1によるエプスタイン試験片をこの試験に用いることができる。
注記 JIS C 2550-1及びJIS C 2550-5を参照。
8.3.3.2 繰返し曲げ回数
試験片は,JA.1.1による。
8.3.1によるエプスタイン試験片をこの試験に用いることができる。
8.4 試験方法
8.4.1 一般事項
試験は,最終焼なまし後のコイルごとに,規定された各特性について行う。試験は特に取り決めない限
り,23 ℃ ±5 ℃で行う。
8.4.2 磁気特性
試験は,JIS C 2550-3に基づく25 cmエプスタイン試験器を用いて行う。
8.4.3 寸法及び形状,並びにそれらの許容差
8.4.3.1 厚さ
厚さの測定は,エッジから30 mm以上離れた任意の点で行う。幅60 mm未満の鋼帯については,鋼帯
の長さ方向の中心線上で厚さを測定する。この測定は,精度0.001 mmのマイクロメータを用いて行う。
8.4.3.2 幅
幅の測定は,鋼帯の長さ方向の中心線に直角な方向で行う。
8.4.3.3 横曲がり
横曲がりの測定は,JIS C 2550-2による。
8.4.3.4 巻ぐせ
巻ぐせの測定は,JIS C 2550-2による。
8.4.3.5 切断かえり
切断かえり高さの測定は,JIS C 2550-2による。
8.4.4 その他の材料特性
8.4.4.1 占積率
――――― [JIS C 2558 pdf 10] ―――――
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JIS C 2558:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60404-8-8:1991(MOD)
JIS C 2558:2015の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 2558:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC2550-1:2011
- 電磁鋼帯試験方法―第1部:エプスタイン試験器による電磁鋼帯の磁気特性の測定方法
- JISC2550-2:2020
- 電磁鋼帯試験方法―第2部:寸法・形状の測定方法
- JISC2550-3:2019
- 電磁鋼帯試験方法―第3部:中間周波磁気特性の測定方法
- JISC2550-5:2020
- 電磁鋼帯試験方法―第5部:電磁鋼帯の抵抗率,密度及び占積率の測定方法