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C 4604 : 2017
表9−定格過渡回復電圧の標準値
定格電圧 基本パラメータ 導出値
ピーク電圧 時間協調 遅延時間 上昇率
Ur uc t3 td uc/t3
kV kV μs μs kV/μs
3.6 6.2 39 5 0.16
7.2 12.3 39 5 0.32
表10−定格過渡回復電圧の標準値−シリーズ2
(適用範囲外のため,対応国際規格の規定を不採用とした。)
表9の値は,指定値であり,回復電圧の低下に注意を必要とする。単相システムの場合,又はヒューズ
をより厳しい条件に取り付ける場合,定格過渡回復電圧の値は,製造業者と使用者との協定による。
定格遮断電流に対応する定格過渡回復電圧は,6.6.1.2.2に示す,許容差をもつ定格値に等しい遮断電流
での試験に用いる。
定格値よりも低い遮断電流で試験する場合は,ほかの過渡回復電圧の値を指定する(6.6.1.2.3参照)。
4.10.2 過渡回復電圧の表現
過渡回復電圧の波形は,実際の回路構成によって異なる。
この規格が対象とするヒューズの過渡回復電圧は,減衰性の単周波振動に近い。この波形は,二つのパ
ラメータ(基準線)の間で定義された2本の線分から成る包絡線によって,適切に表現する(附属書A参
照)。
ヒューズより電源側にある局部的な静電容量の影響は,過渡回復電圧の最初の数マイクロ秒間のより緩
やかな電圧上昇率をもたらす。これは,時間遅延を引き起こすためと考えられる。
この現象は,遅延線及び基準線の二つのパラメータによって表現する,ほかの過渡回復電圧及び定格電
圧にも適用する。
4.10.3 定格過渡回復電圧の表現
次のパラメータは,定格過渡回復電圧(図3参照)の表現に用いる。
uc : 過渡回復電圧波高値(kV)
t3 : 電圧ucまでの時間(μs)
遅れ線は,定格遅れ時間tdにおいて時間軸上を出発し,基準線の最初の区間に平行に走り,規定電圧u'
(時間協調t')で終わる。
図3−基準線及び遅れ線の二つのパラメータによって表現した過渡回復電圧の表現
――――― [JIS C 4604 pdf 16] ―――――
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4.11 溶断時間-電流特性
ヒューズリンクの溶断時間−電流特性は,6.5.1.2に規定する電線サイズ及び電線長さの試験回路に接続
し,製造業者が指定するヒューズホルダに取り付けた,未使用のヒューズリンクに電流を通電して行うこ
とを基本とする。
特に指定がない限り,溶断時間−電流特性は,周囲温度20 ℃の条件の特性とする。
製造業者は,6.7.2に規定する溶断時間−電流特性試験で得られるデータから,特性曲線を作成する。
溶断時間−電流特性は,電流を横軸に,時間を縦軸にして表す。
グラフは,両対数目盛を用いる。
曲線には,次の内容を表示する。
・ バーチャル時間と固有電流との関係
・ 平均電流又は最小電流。平均電流の場合,許容値は,製造業者が明示する特性曲線に対して,電流座
標で±20 %の範囲を超えず,かつ,表10Aの規定を満足しなければならない。最小電流の場合,許容
値は,+50 %を超えてはならない。
・ 特性曲線を適用するヒューズの形式及び定格。
・ 6.7.2.2に規定する時間範囲。バックアップヒューズで最小遮断電流の動作時間が600 s未満の場合,
最小遮断電流から600 sまでを点線でプロットする。
ヒューズどうし,又はヒューズと他の保護装置との保護協調には,0.1 sまでの,関連する時間−電流特
性を用いてもよい。
溶断時間が0.1 s以下の場合,関連する溶断I2t及び動作I2t(3.1.11の注記1及び注記2参照)を用いて
もよい。
表10A−溶断特性
ヒューズの 溶断特性
種類 不溶断電流 If7200/IrIf60/Ir If10/Ir If0.1/Ir
.025 .025
G 定格電流の1.3倍の電 If7200/Ir − 2≦If10/Ir≦5 I I
7 r
≦If0.1/Ir≦ 20
r
(一般用) 流で2 h以内に溶断し ≦2 100 100
ない。
T − − 2.5≦If10/Ir 12≦If0.1/Ir≦25
(変圧器用) ≦10
M − − 6≦If10/Ir≦ 12≦If0.1/Ir≦25
(電動機用) 10
C 定格電流の2倍の電流 − If60/Ir≦ − −
(リアクトルなし で2 h以内に溶断しな 10
コンデンサ用) い。
LC − If60/Ir≦ − −
(リアクトル付き 10
コンデンサ用)
If7200/Ir : 2 h溶断電流(平均値)
If60/Ir : 60 s溶断電流(平均値)
If10/Ir : 10 s溶断電流(平均値)
If0.1/Ir : 0.1 s溶断電流(平均値)
――――― [JIS C 4604 pdf 17] ―――――
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4.12 限流特性
6.6に規定する遮断試験の一部として,製造業者は,規定の条件でヒューズの定格遮断電流までの固有遮
断電流値それぞれに対する限流特性の上限値を示さなければならない。
その上限値は,50 Hz又は60 Hzについて示す。
4.13 I2t特性
製造業者は,ヒューズの限流特性を示すような固有電流に対する動作I2t及び溶断I2tを表示する。
動作I2tの表示値は,実使用時に発生する最大値を表示する。その値は,この規格の試験条件(例えば,
電圧,周波数及び力率)を参考に決める(附属書JAも参照)。
溶断I2tの表示値は,実使用時に発生すると思われる最も低い値を表示する。
I2t値は,簡単な表形式若しくは図表(例えば,棒グラフ)で提示してもよく,又は横軸に固有電流,縦
軸にI2t,及び両方の目盛を両対数座標とした図で提示してもよい。
6.6で規定する遮断試験の一部で得られた動作I2t値及び溶断I2t値は,製造業者が指定する動作I2t特性
より大きくてはならず,かつ,溶断I2t特性より小さくてはならない。
4.13A 許容時間-電流特性
6.7Aによって試験を行ったとき,a)及びb)でなければならない。
なお,許容時間−電流特性は,許容時間の最小値を明示する。
a) 許容時間−電流特性上の60 sに対応する電流を60 s通電し,これを3回繰り返した後,60 s溶断電流
における溶断時間が溶断特性の電流座標で±20 %の範囲内とする。
b) 許容時間−電流特性上の60 sに対応する電流を60 s通電し,これを100回繰り返しても溶断しない。
4.13B 繰返し過電流特性
一般用以外のヒューズは,6.7Bによって試験を行ったとき,ヒューズの種類ごとに表10Bの繰返し過電
流特性とならなければならない。表10Bに規定した以上の繰返し回数が必要な場合は,製造業者と使用者
との協定による(附属書JB参照)。
表10B−繰返し過電流特性
ヒューズの種類 繰返し過電流特性
G −
(一般用)
T 定格電流の10倍の電流を0.1 s通電し,
(変圧器用) これを100回繰り返しても溶断しない。
M 定格電流の5倍の電流を10 s通電し,こ
(電動機用) れを10 000回繰り返しても溶断しない。
C 定格電流の70倍の電流を0.002 s通電し,
これを100回繰り返しても溶断しない。
(リアクトルなしコンデンサ用)
LC 定格電流の5倍の電流を0.1 s通電し,こ
れを100回繰り返しても溶断しない。
(リアクトル付きコンデンサ用)
4.14 ストライカの機械的特性
ストライカは,図4のA点からB点に移動する間に開閉装置又は表示装置に放出できるエネルギーの総
量及び最小押出力によって分類する場合もある。ストライカの押出し力は,ストライカ動作後に,静的外
力によって最小許容移動距離OB未満にストライカが戻ることを阻止する特性である。
ストライカを放出するエネルギーで分類する場合のストライカの機械的特性は,表11による。
――――― [JIS C 4604 pdf 18] ―――――
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OA : 自由移動距離−エネルギー出力なし
AB : 指定するエネルギーを放出するための移動距離
OB : 最小許容移動距離
OC : 最大許容移動距離
CB : 最小押出し力に等しい静的外力での最大許容戻り距離
図4−ストライカの移動位置
表11−ストライカの機械的特性
種類 エネルギー 機械的特性
自由移動 エネルギー伝 実移動距離 実移動距離 最小押出力 最長移動
距離の値 達のための移 の最小値 の最大値 (B点における) 時間b)
(OA)a) 動距離の値 (OB)a) (OC)a)
(AB)a)
J mm mm mm mm N ms
軽 0.3±0.25 2 8 10 30 適用外 50
中 1±0.5 4 16 20 40 20 50
重 2±1 4 6 10 16 40 50
注a) 図4参照。
b) 移動時間は,アーク発生から距離OBを移動するまでの時間と定義する。
4.15 IEC 62271-105に基づく開閉器とヒューズとの組合せ用バックアップヒューズの特別要求事項
(IEC 62271-105は我が国では製造実績がないため,対応国際規格の規定を不採用とする。)
5 設計,構造及び性能
5.1 ヒューズの動作に関する一般要求事項
5.1.1 一般
ヒューズは,定格遮断電流以下の回路で使用し,ヒューズ動作時に動作過電圧が発生するために定格電
圧に適合した回路電圧で使用する。
ヒューズは,電気的及び機械的に十分な耐久性をもち,保守点検が安全かつ容易にできる構造でなけれ
ばならない。
なお,断路形ヒューズは,開閉時の衝撃が少なく,円滑かつ確実に操作できなければならない。
5.1.2 標準使用条件
この規格で規定する試験は,次の条件で使用するヒューズの妥当性を実証することを目的とする。
・ 電流の交流分は,定格遮断電流以下である。
・ ヒューズが遮断する電流の交流分は,次の電流以上である。
− バックアップヒューズ : 最小遮断電流
− ジェネラルパーパスヒューズ : 1 h溶断電流
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− フルレンジヒューズ : 定格電流
・ (低電流制限のない)最高適用温度(MAT)を指定するフルレンジヒューズでは,周囲温度はMAT
以下である。
・ 配電電圧の最高値は,ヒューズの定格電圧以下である。
・ 固有過渡回復電圧は,6.6.1.2に規定する試験ごとに規定する限度値以内である。
・ 周波数は,48 Hz62 Hzである。
・ 力率は,表13に規定する範囲の値である。
・ 遅れ線を通過するが再交差はしない場合の固有過渡回復電圧の波形は,6.6.1.2に規定するパラメータ
で基準線を超えない。
注記 固有過渡回復電圧に関しては,アーク電圧の最大値がアーク発生直後に生じる場合を除き,波
高時間t3は重要な意味をもたない(6.6.1.2.2参照)。
上記の条件を満たした場合,直流分の大小にかかわらず,電流を適正に遮断できるものとみなす。
5.1.3 標準挙動条件
5.1.2に規定する使用条件に従い,ヒューズの挙動は,次による。
a) 粉末物質を充したヒューズリンクは,火炎及び粉末物質を排出しない。ただし,絶縁破壊又は接地
への有意な漏電の原因とならない場合には,ストライカ及び指示器から微小な火炎が排出してもよい。
b) ヒューズの動作後は,ヒューズリンクを損傷なく除去することが可能でなければならない。
c) ヒューズリンクが表示器又はストライカを備えている場合,次による。
1) 表示器は,特定の要求事項によらず,視覚的に動作したことが確認できるように動作する。
2) ストライカの動作は,4.14による。
ストライカを放出エネルギーで分類するのではなく,専用の機器若しくは表示器を動作させるか,
又は連動させるために設計・製造したものである場合は,その機器若しくは表示器での動作若しく
は連動を確認したとき,4.14の規定による必要はない。
d) 動作によって,4.9に規定する値を超える動作過電圧が発生しない。
e) 固有遮断電流の各値に相応する限流値は,製造業者が指定する限流特性に相応する値を超えない。
f) 動作後,ヒューズは,端子全体で商用周波数回復電圧に耐えることができる。
5.2 識別表示
ヒューズリンク及びヒューズホルダ表面への永久的な表示が求められる識別表示は,次による。
注記 ヒューズリンクの物理的な寸法が小さく,次に示す内容を表示することが不可能な場合には,
代替方法を採用できる。
いずれの場合も,定格を表す数値には,その後ろに単位記号を記載する。
a) ヒューズホルダ
・ 製造業者名又はその略号
・ 定格電圧(kV又はV)
・ 定格電流(A)
――――― [JIS C 4604 pdf 20] ―――――
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JIS C 4604:2017の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60282-1:2009(MOD)
- IEC 60282-1:2009/AMENDMENT 1:2014(MOD)
JIS C 4604:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.120 : 電気付属部品 > 29.120.50 : ヒューズ及びその他過電流保護装備
JIS C 4604:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7722:2018
- 金属材料のシャルピー衝撃試験―試験機の検証
- JISC4003:2010
- 電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
- JISK7111:1996
- プラスチック ― シャルピー衝撃強さの試験方法