JIS C 60068-2-81:2007 環境試験方法―電気・電子―第2-81部:衝撃応答スペクトル合成による衝撃試験方法 | ページ 2

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C 60068-2-81 : 2007 (IEC 60068-2-81 : 2003)
JIS B 0153 機械振動・衝撃用語
注記 対応国際規格 : ISO 2041 : 1990,Vibration and shock−Vocabulary (MOD)
JIS C 60068-1 環境試験方法−電気・電子−通則
注記 対応国際規格 : IEC 60068-1 : 1988,Environmental testing. Part 1 : General guidance (IDT)
JIS C 60068-2-6 環境試験方法−電気・電子−正弦波振動試験方法
注記 対応国際規格 : IEC 60068-2-6 : 1995,Environmental testing−Part 2 : Tests−Test Fc : Vibration
(sinusoidal) (IDT)
JIS C 60068-2-27 環境試験方法−電気・電子−衝撃試験方法
注記 対応国際規格 : IEC 60068-2-27 : 1987,Environmental testing−Part 2 : Tests−Test Ea and guidance :
Shock (IDT)
JIS C 60068-2-47 環境試験方法−電気・電子−動的試験での供試品の取付方法
注記 対応国際規格 : IEC 60068-2-47 : 1999,Environmental testing−Part 2-47 : Test methods−Mounting
of components, equipment and other articles for vibration, impact and similar dynamic tests (IDT)
JIS C 60068-2-57 環境試験方法−電気・電子−時刻歴振動試験方法
注記 対応国際規格 : IEC 60068-2-57 : 1999,Environmental testing−Part 2-57 : Tests−Test Ff : Vibration
−Time-history method (IDT)
JIS C 60068-2-64 環境試験方法−電気・電子−広帯域ランダム振動試験方法及び指針
注記 対応国際規格 : IEC 60068-2-64 : 1993,Environmental testing−Part 2 : Test methods−Test Fh :
Vibration, broad-band random (digital control) nd guidance (IDT)
ISO 266,Acoustics−Preferred frequencies

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0153,JIS C 60068-1,JIS C 60068-2-6,JIS C 60068-2-27,
JIS C 60068-2-57及びJIS C 60068-2-64によるほか,次による。
3.1
−3 dB帯域幅 (−3 dB bandwidth)
単一の共振ピークがあるとき,最大応答の0.707倍となる振動数応答関数上の2点間の振動数の幅。
3.2
臨界減衰 (critical damping)
変位した系が振動することなく最短時間で元の位置に戻ることができる最小の粘性減衰。
3.3
臨界振動数 (critical frequency)
− 振動によって供試品の機能不良及び/又は性能劣化が現れる振動数,
及び/又は
− 機械共振及び/又は,例えば,チャタリングなどその他の応答の影響が現れる振動数。
3.4
減衰 (damping)
系内部の種々のエネルギー損失のメカニズムに起因する一般的用語。減衰は実際には,構造系,振動モ
ード,ひずみ,外力,速度,材料,接合部の滑りなどのような多くのパラメータに影響される。

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C 60068-2-81 : 2007 (IEC 60068-2-81 : 2003)
3.5
減衰比 (damping ratio)
粘性減衰系における臨界減衰に対する実際の減衰の比。
3.6
デシベル dB (decibel, dB)
対数で表す値の比。次の式によって表せる。
X
L 20 log10
X0
ここに, L : 対数の値 (dB)
X/X0 : 値Xの値X0に対する比
注記 詳細は,JIS B 0153の1.58及び1.59参照。
3.7
固定点 (fixing point)
供試品が通常使用中に固定されている点で,取付具又は振動台に接している供試品の部分。
注記 実際の取付構造物の一部を取付具として使用するときは,供試品上の点ではなく,取付構造物
の点を固定点とする。
3.8
gn
地球の重力による標準加速度。地球上の加速度は,高度及び緯度によって変化する。
注記1 この規格では,gnの値を10 m/s2に丸めた。
注記2 我が国では,国際単位系 (SI) を採用しており,gnを用いていないが,ここでは翻訳してそ
のまま記載した。
3.9
ハニング窓 (Hanning window)
選択した時刻歴データの最初の値及び最後の値をゼロにする重み付け関数。この窓は,鐘状のコサイン
の形をしている。
注記 詳細は,ISO 18431-2参照。
3.10
高振動数漸近値 (high-frequency asymptote, HFA)
SRS曲線の高振動数漸近値(図3参照)。
注記1 SRSの高振動数漸近値は,励振時刻歴の最大ピーク値に相当するので,実用上重要である。
この値は,SRSのピーク値と混同してはならない。
注記2 SRSの高振動数漸近値は,ゼロ周期加速度 (zero-period acceleration, ZPA) ともいう。
3.11
計測点 (measuring points)
試験を実施するときにデータを収集する点。計測点には,次に定義する監視点,基準点及び応答点の3
種類がある。
3.11.1
監視点 (check point)
固定点の一つにできるだけ近い取付具,振動台又は供試品上の点で,いずれの場合も固定点に固着して

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C 60068-2-81 : 2007 (IEC 60068-2-81 : 2003)
いる点。
注記1 試験要求事項を満たすことを確実にするための手段として,複数の監視点を使用する。
注記2 固定点が4点以下の場合は,各点を監視点とする。固定点が4点を超える場合は,製品規格
で代表的な固定点4点を監視点として規定する。
注記3 供試品が大きいか又は複雑なため,固定点に近接した点を監視点とすることができないよう
な特別の場合は,製品規格で,監視点を規定する。
注記4 多数の小形の供試品を1個の取付具に付ける場合,又は幾つかの固定点がある小形の供試品
の場合は,制御信号を取り出すための監視点(すなわち,基準点)を1点としてもよい。し
たがって,この信号は,供試品の固定点よりも,むしろ取付具に関係していることになる。
この方法は,供試品を取り付けた状態の取付具の最低共振振動数が,試験上限振動数よりも
十分高いときに限り使用できる。
3.11.2
基準点 (reference point)
その点の信号を使って試験を制御するために,監視点から選択した1点。
3.11.3
応答点 (response point)
振動応答検査又は試験中に応答を測定するための供試品上の点。この点は,監視点又は基準点とは異な
る。
注記 2点以上の応答点を使ってもよい。
3.12
固有振動数 (natural frequency)
構造物自体の物理的特性(質量,剛性及び減衰)だけに起因する,減衰又は非減衰自由振動の振動数。
3.13
応答時刻歴の高いピーク数 (number of high peaks of the response time-history)
時刻歴で励振した実際の系の応答又は計算による1自由度系(振動系)の時刻歴応答の,規定のしきい
値を超えるピークの数(図1参照)。
注記1 この試験で用いる時刻歴は,過渡的(持続時間が短い)であるから,1自由度系は定常的な
応答に達しないので,実際には,応答の時刻歴波形の高いピークを数える。
注記2 ピーク値は,連続する二つのゼロと交差する点との間の正又は負の最大値とする(図2参照)。
注記3 常に時刻歴応答が得られるとは限らないので,この規格では,測定したピークよりも計算し
たピークを優先する。
3.14
振動系 (oscillator)
機械振動を発生し又は持続させることを目的とする1自由度系。
3.15
休止 (pause)
引き続く二つの時刻歴の間の間隔。
注記 供試品の応答運動ができるだけ重ならないように休止時間を設ける。休止時間は,次の式で計
算する。

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C 60068-2-81 : 2007 (IEC 60068-2-81 : 2003)
1 100
T
f d
ここに, T : 休止時間 (s)
f : 最低非減衰固有振動数 (Hz)
d : 最低固有振動数における減衰比 (%)
3.16
推奨試験軸 (preferred testing axes)
供試品の最も弱い軸を含む直交する3軸。
3.17
Q値 (Q-factor)
1自由度の機械共振系の共振の鋭さ又は振動数の選択度を表す量。Q値は,減衰比の逆数の1/2に等しい。
3.18
要求SRS (required SRS)
製品規格で規定されたSRS(図3参照)。
注記 製品規格で一つの試験にQ値ごとの複数のSRSを規定することができる。
3.19
衝撃応答スペクトル,SRS (shock response spectrum, SRS)
規定の入力運動でベースを励振した状態で,特定のQ値における一連の1自由度系の最大応答(変位,
速度又は加速度)を非減衰固有振動数の関数としてプロットしたもの。
注記1 特に規定がなければ,計算は剛体ベースの線形1自由度系及び粘性減衰を仮定する。
注記2 製品規格で一つの試験にQ値ごとの幾つかのSRSを規定することができる。その場合,供試
品のQ値によって要求SRSを選択する。
3.20
サンプリング周波数 (sampling frequency)
時刻歴をデジタル形式で記録又は表現するための離散的な値の1秒間当たりの数。
3.21
シグナルトレランス (signal tolerance)
シグナルトレランスSt (%) は,次の式で定義する。
NF
St 1 100
F
ここに, NF : フィルタを通さない信号のrms値
F : フィルタを通した信号のrms値
注記1 このパラメータは,試験の制御に用いる信号,すなわち,加速度,速度又は変位のいずれか
に適用する。
注記2 このパラメータは,正弦波振動の加振にだけ適用する。
3.22
時刻歴の強部 (strong part of the time-history)
瞬時値が最大値の25 %に達した時点から最後に25 %に下がった時点までの時刻歴の部分(図4参照)。
3.23
合成時刻歴 (synthesized time-history)
そのSRSが要求SRSを包絡するように,人工的に作った時刻歴。

――――― [JIS C 60068-2-81 pdf 9] ―――――

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C 60068-2-81 : 2007 (IEC 60068-2-81 : 2003)
3.24
試験振動数範囲 (test frequency range)
要求SRSを満たす時刻歴の合成及び供試品を取り付けた試験装置の能力に基づいて試験のために選択
した振動数範囲。その下限振動数f1及び上限振動数f2は,用いる要素波の下限及び上限振動数に一致する。
注記 SRSの振動数範囲は,試験振動数範囲より広く,無限の振動数まで伸びている(3.10参照)。
3.25
試験SRS (test SRS)
振動台上の基準点の実際の運動から解析して,又はSRS解析装置を用いて求めたSRS(図3参照)。
3.26
時刻歴 (time-history)
時間の関数としての加速度,速度又は変位の記録。
注記 JIS B 0153では,時刻歴の数学的定義は,ある量の時間の関数としての表現である。
3.27
時間窓 (time window)
すべての要素波を含む試験時刻歴の持続時間。
注記 制御装置によっては,時間窓の長さは,合成時刻歴の倍で,合成時刻歴は,新しい時間枠の中
央に置かれることがある。
3.28
要素波 (wavelet)
SRS試験用に合成した時刻歴の一つの構成要素である単一振動数の時刻歴。
注記 この規格で用いる用語“要素波 (wavelet)”は,ウエーブレット理論又はウエーブレット解析で
用いるウエーブレットとは異なる。

4 試験装置に関する要求事項

  この要求事項は,動電式試験装置では,制御器,電力増幅器,振動発生機,試験取付具及び試験のため
に取り付けた供試品を含む試験装置全体に適用する。サーボ油圧式試験装置の構成は,これに類似してい
る。
4.14.3の試験装置に関する要求事項は,正弦波加振によって検証する。

4.1 基本運動

  検証中の基本運動は,時間の正弦関数で,供試品の固定点が実質的に同位相で平行な直線上を動き,4.2
及び4.3の制限内の運動とする。

4.2 横運動

  規定軸に直行する軸方向の監視点の加速度又は変位の振幅の最大値は,1 000 Hz以下では基本運動の振
幅の50 %以下,1 000 Hzを超える振動数では100 %以下とする。横運動は,規定振動数範囲内で測定する。
小形の供試品のような特別の場合,製品規格に規定があれば,横運動を25 %に制限してもよい。
振動台の回転運動が重要と考えられる場合,製品規格に許容レベルを規定し,試験報告書にその結果を
記載する。
大形の若しくは質量の大きな供試品又はある振動数においては,これらの値を実現することが困難な場
合がある。そのような場合,製品規格には,次のいずれを適用するかを規定する。
a) 前記の規定を超える横運動は,試験報告書に記載する。

――――― [JIS C 60068-2-81 pdf 10] ―――――

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JIS C 60068-2-81:2007の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60068-2-81:2003(IDT)

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