JIS C 60068-2-81:2007 環境試験方法―電気・電子―第2-81部:衝撃応答スペクトル合成による衝撃試験方法 | ページ 6

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C 60068-2-81 : 2007 (IEC 60068-2-81 : 2003)
SRSのピークの性質は,ある衝撃現象の異なるQ値の応答スペクトルを比較することによって説明でき
る。このような比較によって衝撃現象が衝撃的か又はより振動的かが分かり,次の係数を定義できる。
A peakSRS Q 20 ( peakSRS) Q 10
B peakSRS HFA
衝撃的(例えば正弦半波)なときは,これらの係数は低く,振動的衝撃では,高い値となる。連続正弦
波では極限値となる。
B.6 衝撃現象を特徴付ける他のパラメータ
衝撃現象を記述するために使うことができる他のパラメータを,次に示す。
− 選択した固有振動数に関して計算したSRSの応答時刻歴の高いピーク数
− ひずみ度及びとがり度のような,確率分布のモーメント
SRSの応答時刻歴の高いピーク数は,選択したSRSのQ値に関して,振動数範囲内の選択した固有振
動数について計算できる。
Q値は,供試品の代表的な値とする。Q値10をデフォルト値とする。
高いピーク数は,時刻歴で励振した1自由度系(振動系)の計算した応答のしきい値を超えるピーク数
として定義される。製品規格に規定がなければ,減衰比が2 %10 %の場合で,しきい値が70 %では,高
いピーク数は320の範囲にする。
応答のピークは,ピークランキング基準,レベルクロッシング計算及び疲労損傷スペクトル (FDS) を使
って,更に解析することができる。
ひずみ度及びとがり度のような確率分布のモーメントは,衝撃現象を特徴付けるために使用できる。こ
れらは移動平均として示すことができる。ひずみ度は時刻歴の振幅分布の正又は負への偏りの指標であり,
とがり度は,時刻歴の振幅分布のピークの程度の指標である。

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図B.1−SRSの強部

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附属書C
(参考)
試験時刻歴合成方法

序文

  この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
C.1 概要
動電式振動試験装置の制御器のほとんどの供給者は,特別のSRS試験ソフトウエアを用意している。こ
の道具を使って,操作員は,振動発生機が接続された電力増幅器への駆動信号として,電圧時刻歴過渡信
号を発生できる。
振動台の試験SRSは,何度かの反復制御の後,要求SRSに一致する。その信号は,形状,振動数及び
長さが異なる複数の要素波を,規定時間窓内で,混合させたものである。信号の合成には,振動試験装置
の限界を考慮する。
C.2 振動試験装置の制限
要求SRSは,多くの場合,製品規格に非常に高い振動数まで規定されている。SRSは振動数に限界がな
く,無限の振動数まで伸びているので,こういうことが起きる。SRSは,高い振動数でその時刻歴の最大
ピーク値と等しい値に近付く。
製品規格に規定する事項の実現に関して,試験装置の最も重要な制限は,振動数範囲,電力増幅器の出
力電力及び最大許容加速度で表現された振動発生機可動部の機械的強度である。制限パラメータの値は,
個々の振動発生機及び電力増幅器に依存する。96 kVAの電力増幅器で駆動される加振力80 kNの標準的な
振動発生機では,高い振動数の限界は2 500 Hz3 000 Hzで,最大応答は350 gn400 gnである。特殊な
動電式振動発生機ではより高い値が可能である。
C.3 SRS制御ソフトウエアの特性
ほとんどの制御ソフトウエアでは,SRS時刻歴を合成するとき,次のパラメータが選択できる。
a) 要素波の種類(最も一般的に使われるもの)
1) 指数減衰正弦波
2) 一定振幅サインバースト(方形窓正弦波)
3) 振幅変化サインバースト(ハニング窓正弦波)
操作員はどの種類の要素波を使うか決定する。SRSを満足する程度は,それぞれ異なるので,特
別の種類は推奨しない。異なる種類の要素波を混合することは,不可能である。
b) 時間窓 これは,すべての要素波を混合する時間枠であり,これによって試験用の合成時刻歴の持続
時間が制限される。
c) 要素波の振動数間隔 各要素波の振動数は,SRSの下限振動数から初めて,1/nオクターブ間隔で自
動的に決定される。ここで,nは変数で,各時刻歴に関して選択する。
d) 各要素波の持続時間
− 種類1) 持続時間の選択なし,要素波の減衰比を選択

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− 種類2) 偶数の半サイクル数から選択
− 種類3) ハニング窓内の奇数の半サイクル数から選択
e) 各要素波の開始時間 要素波の全時間が規定の時間窓内に入るように,時間窓の開始時点からの遅れ
時間を選択する。
f) 減衰比 これは,種類1) の要素波にだけ使用する。
g) 開始極性 各要素波は,正又は負の向きで開始できる。
C.4 衝撃波の発生方法
Q値付きのSRS及び重要なパラメータは製品規格に規定する。製品規格のSRSの元になったSRSは,
いつも分かるわけではない。可能なら,操作員は,合成時刻歴と元の時刻歴とを比較することが重要であ
る。
時刻歴合成の段階とその要約を,次に示す。
a) 要素波の種類 各種類の要素波は大なり小なり望む結果を与える。
要素波の開始時点で高いレベルをもつ指数減衰正弦波[種類1)]は,火薬衝撃の再現に有効である
が,合成時刻歴内に非常に高い加速度ピークを発生させることがある。
一定振幅のサインバースト[種類2)]を使った場合,各要素波が合成信号に与える影響を最も容易
に想像できる。
振幅変化サインバースト[種類3)]は,常にハニング窓の形による滑らかな増加で始まり,時間窓
の中央で最大値になる。
種類2) 及び3) を使えば,合成時刻歴の持続時間を目標に合わせるのが容易である。
b) 振動数範囲 可能なサンプリング周波数を考慮して,試験振動数範囲を選択する。選択する試験振動
数範囲は,再現すべき衝撃環境の上限振動数成分及び供試品を取り付けた試験装置が,実際に発生で
きる振動数によって決める。
c) 時間窓 時間窓内に,合成時刻歴の要求持続時間が入るようにする。時間窓の幅は,選択した振動数
範囲及びサンプリング周波数に依存する。
制御器によっては,時間窓が倍で,合成時刻歴は新しい時間枠の中央に位置するものがある。
d) 要素波の振動数間隔 選択した振動数間隔は,全振動数範囲で一定である。下限振動数は,SRSの上
昇部分が満たされるように選択する。隣接する要素波の振動数間隔は,1/3オクターブ以下とする。
この間隔(隣接する要素波の間隔)によって,−2.5 dBの精度のSRSが実現する。1/6オクターブ間
隔では,精度は−0.5 dBよりよくなる。要素波を多くするとその調整はより複雑になる。
e) 要素波の持続時間 要素波の持続時間は,減衰正弦波の場合を除いて,サイクル数又は半サイクル数
で決まる。低振動数の要素波の持続時間は,合成時刻歴の選択した時間窓の制限を受ける。
各要素波のサイクル数は310の範囲から選択するとよい。
Q値10の場合,1個の要素波の増幅倍率は,3サイクルで定常値の60 %,5サイクルで81 %,12
サイクルで97 %となる。しかし,次のように,別の影響もある。隣り合う振動数(1/3オクターブ)
は相互に影響し,10サイクルで既に定常増幅倍率10に達する。1/6オクターブ間隔の場合,7サイク
ルで増幅倍率10に達する。
f) 要素波のピーク値 要素波の発生段階では,各要素波の加速度ピーク値を規定のSRS値の1/Qに設定
する。ピーク値は,反復調整中にソフトウエアによって調節される。
g) 要素波の開始時間 各要素波の開始時間(遅延時間)は,要素波が選択した時間窓内に入ることを考

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慮して,選択できる。実際には,低い方から2オクターブの要素波は,その時間幅が長いので,ゼロ
又はゼロ近くから開始する。高いピーク値の要素波は,時間窓の前半にお互いに重ならないように交
互に配置する。これは,合成時刻歴に高すぎるピーク値ができないようにして,時刻歴の減衰の形を
実現するためである。残りのすべての要素波は,長い時間の重なりを避けるように時間窓内に配置す
る。
重要な要素波の場所を修正する必要があるときがあるので,時間窓内のどこにそれらの要素波があ
るかを知っておくと役に立つ。これは,要素波の混合によって,高い加速度ピークが発生するか又は
試験装置の別のパラメータが高くなりすぎる場合に必要なことである。
h) 要素波の開始極性 要素波の開始点の極性は正又は負から選択できる。これで,要素波の最初のピー
クの試験軸方向の正又は負が決まる。最初は,すべての要素波について同じ極性を使い,合成時刻歴
内で過度のピークが発生したときに個々の極性を変更することが望ましい。
i) 要素波の減衰 この選択は,要素波として指数減衰正弦波[種類1)]を使うときだけ必要である。減
衰正弦波を使うとき,正弦波の減衰比は,2 %10 %の範囲から選択できる。
C.5 試験性能
SRS試験はオープンループ過程であり,最初に合成した時刻歴は,供試品を取り付けた振動発生機の伝
達関数を考慮していないので,最終合成レベルの−12 dBで反復制御加振を開始する。
通常,軸当たり一つの試験が要求される。したがって,この段階では,試験取付具を付けるか,又は,
動的ダミー負荷付き振動発生機を使う(このほうがよい)ことが望ましい。
反復制御中,加振レベルを,最初は3 dB間隔で,フルレベル近くで1 dB間隔で段階的に上げる。次に,
ダミーを実際の供試品に交換し,最後に修正したパラメータの合成時刻歴をもう一度出力する。試験装置
の限界に達したら,要素波の位置を再調整又は関連するパラメータを修正する必要があることがある。そ
れを実施した後で,反復制御を行う。加振軸を変更したときも同様である。

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