この規格ページの目次
8
C 6102-3 : 2019
動作の状態で行う。使用者が自動周波数制御を非動作にできる手段が備えられている場合には,測定は自
動周波数制御が動作している場合と非動作の場合との両方について行ってよい。測定結果には,自動周波
数制御が動作しているか,又は非動作かを明確に示す。
1.4.4.2 望ましい同調方法
受信機が同調指示器を備えていれば,その受信機は,同調指示器の使用についての製造業者の指定に従
って同調させる。これは,受信機の使用時の同調方法に相当する。
同調指示器がないとき,又は同調指示器が正しく働かない場合には,最初,受信機を信号におおよそ同
調させ,可聴周波出力信号をオシロスコープで観察する。次に,周波数偏移を可聴周波信号がひずむまで
増加させ,受信機を可聴周波信号が対照的にクリップするように同調させる。音量調節器を備えていると
きは,受信機の可聴周波部が過負荷にならないように調節する。
別の同調方法を使用するときには,結果にこれを明記する。
1.5 測定上の全般的な留意事項
1.5.1 電圧及び電流の値
特記しない限り,電圧及び電流は実効値(r. m. s.)とする。
1.5.2 可聴周波測定技術
スピーカ及び受信機出力端子に接続する可聴周波分配線のような素子の特性は,定常入力電力よりも定
常入力電圧で規定されている(例えば,IEC 60268-1)。これは可聴周波出力だけでなく,例えば,中間周
波出力及び多重信号出力にも当てはまる。したがって,現在では大部分の測定を擬似負荷の両端の電圧で
行うことが慣習となっている。負荷の電力は,必要があれば,この電圧から次の式で算出できる。
P2=U22/R2
ここに,添字2は,入力端子に対応する出力端子を意味する。
出力電圧が実質的に純正弦波(雑音及びひずみ成分が10 %以下)のときは,測定は,正弦波入力に対し,
実効値で目盛った平均値読取形メータで行うことができる。その他の条件では,特記しない限り真実効値
計を使用する。
数組の出力端子を備えているときは,製造業者はそれぞれの組について次の点を明示する。
a) 擬似負荷の定格値(JIS C 6102-1参照)
b) ある端子の組を測定するとき,その他の端子の組に擬似負荷を接続する必要があるかどうか。
注記 通常,全てのスピーカ用の端子には擬似負荷を接続するが,その他の装置のための端子の組は
その端子で測定するときにだけ負荷を接続する。
1.5.3 無線周波信号レベル又は電圧の表示
無線周波信号のレベルは,dB (fW),dB (pW),dB (mW),又は明示した信号源若しくは負荷インピーダ
ンスでのマイクロボルトで表した起電力で示すことができる。これらの値の間の関係を表4に示す。
――――― [JIS C 6102-3 pdf 11] ―――――
9
C 6102-3 : 2019
表4−無線周波信号レベル又は電圧の表示
有効電力 電圧(75 電圧(300
W dB (fW) dB (mW) dB ( dB (
10−15 0 −120 0.55 −5 1.1 1
10−14 10 −110 1.75 5 3.5 11
10−13 20 −100 5.5 15 11 21
10−12 30 −90 17.5 25 35 31
10−11 40 −80 55 35 110 41
10−10 50 −70 175 45 350 51
10−9 60 −60 550 55 1100 61
10−8 70 −50 1750 65 3500 71
10−7 80 −40 5500 75 1.1×104 81
10−6 90 −30 1.75×104 85 3.5×104 91
10−5 100 −20 5.5×104 95 1.1×105 101
10−4 110 −10 1.75×105 105 3.5×105 111
10−3 120 0 5.5×105 115 1.1×106 121
10−2 130 10 1.75×106 125 3.5×106 131
1.5.4 気象及び環境条件
環境条件に関する情報は,JIS C 6102-1の第1章(全般)による。測定及び機械的な検査は,JIS C 6102-1
で規定されている限度値以内の温度,湿度及び気圧のどのような組合せで行ってもよい。
さらに,外部妨害信号による不要な妨害を防止するため,測定は遮蔽容器又は遮蔽室で行うことが望ま
しい(JIS C 6102-2参照)。
1.5.5 試験準備及び予備的測定
被試受信機は測定の結果を記録する前に,少なくとも10分間標準測定条件の状態に保つ(JIS C 6102-1
参照)。
この規格に規定の各種の測定の結果は,受信機のその他の特性によって影響を受けることもあるので,
通常は,JIS C 6102-1に規定の関連の測定(適用できるもの)を最初に行う。
1.5.6 試験装置及び測定の精度
一般に,この規格では,十分に信頼できる結果が得られる最も簡単な試験装置を使用する。しかし,こ
れは同じか,又はより信頼できる結果が得られるより複雑な装置の使用を妨げない。
測定機器の精度,結果の表示及び推奨方法からのずれについては,JIS C 6102-1の第1章(全般)を参
照する必要がある。
変調による平均搬送波周波数のずれは,十分小さく測定に影響しないように留意する。
1.5.7 定格値
定格という用語は,この規格では,製造業者が指定した値という特別な意味で使っている。
この用語は,定格条件及び特性の定格値を記載するときに使っている。
1.5.7.1 定格条件
受信機の性能を規定し測定するための条件を定義するため,製造業者は次の値を示す必要がある。
− 定格電源電圧及び周波数(又は周波数範囲)
− 無線周波数信号入力の定格特性インピーダンス(規定できるとき)
− 擬似負荷の定格値(出力端子の各組に対する)(1.4.1.2参照)
− 定格(ひずみ制限)出力電圧又は出力電力を規定する定格全高調波ひずみ
――――― [JIS C 6102-3 pdf 12] ―――――
10
C 6102-3 : 2019
− 定格環境条件(温度,気圧及び湿度の範囲)
これらの値は,その性格から測定では決定できない。
1.5.7.2 特性の定格値
1.5.4の気象及び環境条件,並びに1.5.7.1の電気的条件は,受信機の性能特性を製造業者が規定し,試験
機関が検証することを可能にする。製造業者は,重要な特性のための定格値を規定する必要がある。これ
らの特性の例を次に示す。
− 隣接及び隣隣接チャネル選択度(3.2参照)
− 規定の信号対雑音比での実用感度(2.5参照)
− 最大信号対雑音比[2.7.1のc)及び1.3.10参照]
− ひずみ制限出力電圧又は出力電力[5.2.1のb)参照]
− 信号源の最大実用有能電力又は起電力[5.2.1のc)参照]
これらの値が,限度値か中央値かを製造業者は明確にする必要がある。後者の場合には,許容偏差も示
す(JIS C 6102-1参照)。
1.5.8 測定結果の表示
二つ又はそれ以上の量の間の関係は,表よりも図の方が明確に提示できることが多い。理論的な期待値
と実際の測定値とは,明確に区別する(JIS C 6102-1参照)。
2 感度及び内部雑音
2.1 用語の説明
受信機の感度は,弱い信号を受信し,実用的な振幅で許容できる品質の可聴周波出力を得る能力を表す
尺度である。感度は,次の特性を含む出力信号の様々な特性で定義できる。
a) 信号対雑音比(2.2及び2.3参照)
b) 出力電圧又は出力電力(音量調節器があれば最大のときの)(2.4参照)
c) リミッティングレベル[2.7.1 a)参照]
感度の測定では,図8に示すような回路を使用する。
2.2 信号対雑音比(ウエイティングあり及びなし)並びにSINAD
2.2.1 一般
規定された条件での受信機の信号対雑音比は,信号による可聴周波出力電圧とランダム雑音による可聴
周波出力電圧との比である。雑音は,次の方法のいずれかで測定する。
a) 3 dB帯域幅が22.4 Hzから15 kHzまでの帯域フィルタ(1.4.1.3及び図2参照)と,真実効値計又は正
弦波信号で実効値に校正された平均値計とを使用する。
b) IS C 6102-1に規定されているAウエイティングフィルタ及び真実効値計を使用するか,又はc)によ
る。
c) IS C 6102-1の附属書A[雑音評価用回路網(雑音評価フィルタ)及び準ピーク値計]に規定されて
いる雑音評価用回路網(雑音評価フィルタ)及び準ピーク値計を使用する。
d) 3 dB帯域幅が200 Hzから15 kHzまで(図1参照)のフィルタ,又はa)のメータのいずれかを使用す
る。
これらの方法は,明らかに異なる結果を与えるので,測定結果には使用した方法を明示することが必須
である。
2.2.2 測定方法
――――― [JIS C 6102-3 pdf 13] ―――――
11
C 6102-3 : 2019
2.2.2.1 順次法
図8の回路を使用し,スイッチS1及びS3を必要なフィルタ及びメータ(2.2.1参照)を接続する位置に
置いて,受信機を標準測定条件で動作させる。このときの電圧計の読みを記録する。次に,信号の変調を
切り,前と同じでメータの読みを記録する。信号対雑音比は,電圧計の読みの比に等しい。
測定は,その他の信号周波数で繰り返してもよく,音質調節器があれば,その調節のその他の位置で繰
り返してもよい。ステレオ受信機のステレオモードでの測定では,1 kHzの変調を切ってもパイロットト
ーンの変調を維持する。
2.2.2.2 同時法
変調信号の存在は,ある条件ではFM受信機の雑音出力を減少させるよりもむしろ増加させる。次の方
法は,この効果を考慮している。2.2.2.1の方法で,変調を切る代わりにS2を2の位置に置き,変調周波数
の基本波出力をフィルタで除去する。このときの二つの電圧計の読みの比は,信号,雑音及びひずみを加
えたものと,雑音及びひずみを加えたものとの比に等しい。これをSINAD測定と呼んでいる。
測定は,その他の周波数偏移で繰り返す。
ステレオ受信では,二つのチャネルは逆相で変調する。各チャネルの出力は,図8の回路で交互に測定
する。
2.2.3 結果の表示
信号対雑音比を表す曲線は,横軸にデシベル(1 fWを基準とすることが望ましい。)の等分目盛でとっ
た入力信号レベルと,縦軸にデシベルの等分目盛でとった信号対雑音比で描く。
使用した方法(2.2.2.1又は2.2.2.2参照)は明示する。
同時法では,周波数偏移をパラメータとする曲線群で表してもよい。例を図9に示す(2.7参照)。
2.3 雑音制限感度
2.3.1 一般
受信機の雑音制限感度は,可聴周波出力が規定の信号対雑音比となる無線周波入力信号の最小値である。
規定値は,通常,順次法ではウエイティングなしで帯域制限をしたときの信号対雑音比が40 dB(高音質
受信機では50 dB),同時法では30 dBとする。
基準可聴周波出力レベルは,規定最大周波数偏移で発生したレベルとする。
感度は,信号対雑音比,及びそれがひずみを含むかどうかという様々な基準によって,次のように規定
できる。
a) 雑音制限感度(SN比法) SN比を40 dBに指定したとき,そのSN比が得られる最小入力信号レベル
をいう。
b) 50 dBクワイエティング感度(50 dB quieting sensitivity) 雑音制限感度(SN比法)においてSN比50
dBが得られる最小入力レベルをいう。
c) 雑音制限感度(SINAD比法) SINAD比を30 dBに同時法で得られる最小信号レベルをいう。
2.3.2 測定方法
測定結果は,2.2.2による測定から得ることができる。信号対雑音比の急激な変化を十分に調査できるよ
う,十分大きい範囲の入力信号レベルに対する信号対雑音比を測定することが望ましい。
測定は,幾つかの入力信号周波数で繰り返してもよい。
2.3.3 結果の表示
雑音制限感度は,横軸にメガヘルツ(MHz)の等分目盛で入力信号周波数をとり,縦軸にデシベル(dB)
(1 fWを基準とすることが望ましい。)の等分目盛で感度をとった図で示す。例を図10に示す。信号対雑
――――― [JIS C 6102-3 pdf 14] ―――――
12
C 6102-3 : 2019
音比をパラメータとする曲線群で表してもよい。使用した測定方法は,2.2.2.1又は2.2.2.2のいずれかを明
示する。
2.4 利得制限感度
2.4.1 一般
小信号入力で変調周波数を選択的に測定したときの可聴周波出力電圧又は出力電力が,定格ひずみ制限
出力電圧又は出力電力よりも小さいとき,受信機は利得制限されているという。
注記1 受信機は,非常に小さい入力信号でもある基準出力電圧又は出力電力(例えば,100 mW又
は50 mW)を得ることができる。しかし,これは製造業者が発表している出力及び附属機器
を動作させるため必要な出力よりはるかに小さいこともある。
利得制限感度は,標準変調信号(1.4.2.4参照)で変調された信号で定格ひずみ制限可聴周波出力電圧又
は出力電力を得るための無線周波入力信号レベルの最小値である。音量調節器があれば最大とする。
注記2 過負荷を防ぐため,周波数偏移を減少させ,それに比例して減少させた出力レベルを使用し
てもよい。
2.4.2 測定方法
2.2.2.2の方法を使用する。ただし,スイッチS2は3の位置に保ち,変調周波数の基本波だけを測定する。
入力信号レベルは,定格ひずみ制限出力が得られるように調節する。
測定は,その他の入力信号周波数及びステレオモードで繰り返してもよい。
2.4.3 結果の表示
利得制限感度は,横軸にメガヘルツ(MHz)の等分目盛で入力信号周波数をとり,縦軸にデシベル(dB)
(1 fWを基準とすることが望ましい。)の等分目盛で感度をとった図で示す。
モノフォニック動作及びステレオ動作に対する曲線の組を描いてもよい。例を図11に示す。
2.5 実用感度
2.5.1 一般
受信機の実用感度は,雑音制限感度と利得制限感度とのうち,入力信号レベルの大きい方をいう。
注記1 実用感度が雑音制限感度と等しいときは,雑音制限感度の基準を示す(2.3.1参照)。
注記2 ある種の受信機では,非常に低い入力信号レベルでの不十分な帯域幅によるひずみが実用感
度の実際的な限界になる。
2.5.2 測定方法
雑音制限感度及び利得制限感度は,この規格で規定している方法で測定し,結果を比較する。実用感度
は,二つの入力信号レベルのうちの高い方である。
2.5.3 結果の表示
雑音制限感度及び利得制限感度は,横軸にメガヘルツ(MHz)の等分目盛で無線周波数をとり,縦軸に
デシベル[dB (fW)]の等分目盛で感度をとった図で示す。
使用した方法は,結果に付記する。
2.6 偏移感度
2.6.1 一般
受信機の偏移感度は,1.3.9で定義している。
2.6.2 測定方法
標準無線周波試験信号(1.4.2.6参照)を受信機に加え,周波数偏移をゼロにする。次に,音量調節を最
大にし,周波数偏移を定格出力電圧又は出力電力が得られるまで増加する。
――――― [JIS C 6102-3 pdf 15] ―――――
次のページ PDF 16
JIS C 6102-3:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60315-4:1997(MOD)
JIS C 6102-3:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.160 : オーディオ,ビデオ及びAV技術 > 33.160.20 : ラジオ受信機
JIS C 6102-3:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC6102-1:2019
- AM/FM放送受信機試験方法―第1部:一般的事項及び可聴周波測定を含む試験
- JISC6102-2:2019
- AM/FM放送受信機試験方法―第2部:AM放送受信機