JIS C 6183-1:2019 光スペクトラムアナライザ―第1部:試験方法 | ページ 3

                                                                                              9
C 6183-1 : 2019
光ファイバ
光源 被試験器
基準の
光パワー
メータ
図4−標準試験条件におけるパワーレベルの不確かさ及び確度の試験の試験系
標準試験条件におけるパワーレベルの不確かさ及び確度の試験の装置及び試験手順は,次による。
a) 装置
1) 光源 出力0.1 mW(−10 dBm)から1 mW(0 dBm)までの安定な光ファイバ出射光を得ることが
でき,スペクトル半値幅が被試験器の設定スペクトル分解能より十分狭い光源を用いる。光源は,
表1に示すレーザ又はサイドモード抑圧比40 dB以上の波長安定化単一縦モード半導体レーザであ
ることが望ましい。
2) 光パワーメータ 標準試験条件で次のいずれかによって校正されたものを用いる。
− 校正業務を行う公的機関で校正されたもの。
− 上記の公的機関が定めた規格に従って,規定の不確かさで校正されたもの。
b) 試験手順
1) 被試験器のスペクトル分解能を,測定に用いる光源のスペクトル半値幅より十分大きく設定する。
光源からの光を光ファイバに導入し,光ファイバ出射光パワーを光パワーメータで測定する。出射
光パワーが測定に最適となるように光源の光パワーを調整し,調整後の光ファイバ出射光パワーを
リニアスケールで読み取り,その値をP0(mW又はμW)とする。
2) 次に上記光ファイバ出射光を被試験器に接続してスペクトル分布を測定し,ピークにおけるパワー
レベルをリニアスケール(mW又はμW単位)で読み取る。この測定を10回以上繰り返して行い,
i番目の測定値をP1i(mW又はμW)として,式(15)によって平均値 1P(mW又はμW)を算出する。
m
1
P1 P1i (15)
mi1
ここに, m : 繰返し測定の回数
3) パワーレベルについて被試験器の標準試験条件でのかたよりDPt(%)及び標準不確かさuPtd(%)
を,それぞれ式(16)及び式(17)によって算出する。
P1 P0
DPt 100 (16)
P0
m
1 2 100
uPtd (P1iP1) (17)
m 1 i 1 P0
4) パワーレベルについて被試験器の標準試験条件での標準不確かさuPto(%)は,式(18)によって算出
する。
2 2
uPto uPtd uPM (18)
ここに, uPM : 光パワーメータ測定値の百分率不確かさ(%)

――――― [JIS C 6183-1 pdf 11] ―――――

10
C 6183-1 : 2019
注記1 光パワーメータ測定値の不確かさがdB単位による表記となっている場合には,この値に23.0
(=10 loge10)を乗じることによって,%単位の不確かさに換算することができる。
注記2 複数回(例えば,m回)の測定結果の平均を測定値とする場合には,式(18)のばらつきに伴
う不確かさuPtdの値を,uPtd /mに置き換えて算出したuPtoの値を,標準試験条件での標準不
確かさとする。

7.3 動作条件におけるパワーレベルの不確かさ及び確度の試験

7.3.1  動作条件におけるパワーレベルの不確かさ及び確度の要因
動作条件においてパワーレベルの不確かさ及び確度に寄与する要因として,次の各項目による不確かさ
を考える。
a) 波長依存特性
b) 偏光依存特性
c) 直線性
d) 温度依存特性
注記 複数回の測定結果の平均を測定値とする場合も,ここで評価した不確かさを,そのまま動作条
件における不確かさとして用いてもよい。
7.3.2 波長依存特性
図5に波長依存特性の試験系を示す。試験は,標準試験条件で行う。
光ファイバ
光源 被試験器
光パワーメータ
波長計
図5−波長依存特性の試験系
波長依存特性の試験における装置及び試験手順は,次による。
a) 装置
1) 光源 スペクトル半値幅が,被試験器の設定スペクトル分解能より十分狭く,試験対象となる波長
範囲において出力光パワーが安定で,かつ,波長依存性の小さい波長可変光源を用いる。
2) 波長計 光源からの出力光の波長を測定する。出力光波長が校正された光源を用いる場合は,波長
計を用いず,校正された波長の値を用いる。
3) 光パワーメータ 波長依存性がないか,又は波長依存性の校正された光パワーメータを用いる。
b) 試験手順
1) 被試験器に対して製造業者が設定した波長範囲の上限及び下限の波長を含み,なるべく等間隔とな
るように配置した5点以上の波長を設定し,そのj番目の波長をλjとする。
2) 環境温度を十分安定させた後,波長が校正された光源の場合は,光源の波長設定機能を用いて波長

――――― [JIS C 6183-1 pdf 12] ―――――

                                                                                             11
C 6183-1 : 2019
をλjに設定する。波長が校正されていない光源の場合は,波長計を用いて光源の波長をλjに設定す
る。
3) 光源を光パワーメータに接続し,出力光パワーを測定する。このときの光パワーメータの指示値を
P0jとする。
4) 光源を被試験器に接続する。この場合の被試験器のスペクトル分解能は,入射光のスペクトル半値
幅よりも広く設定する。被試験器によってスペクトル分布を測定し,そのピークパワーをP1j,i(mW
又はμW)とする。この測定を10回以上繰り返して行い,式(19)によって百分率のかたよりDPt,λj
を算出する。

1 100
DPt, λ j P0j
P1j, i (19)
mλi 1 P0 j
ここに, mλ : 繰返し測定の回数
5) 2)4) の測定を,用意した全ての波長に対して実施する。各波長におけるかたよりDPt,λj(%)
( j=1, 2,···)の値から,式(20)によって,波長依存性に伴う不確かさuPt,λ(%)を算出する。
1
uPt, λ max
j

(pdf 一覧ページ番号 )

                                     (| DPt, λj |)
3

なお,繰返し測定の回数mλは,mλ≦100の範囲で,測定のばらつきに伴うDPt,λjの不確かさuPtd /
が,不確かさの寄与uPt,λに比べて十分小さくなるように設定する。
7.3.3 偏光依存特性
図6に偏光依存特性の試験系を示す。試験は,標準試験条件で行う。
偏光コントローラ
光ファイバ1 光ファイバ2
光源 被試験器
レ 偏 レ
1−2
ン 光 ン
ズ 子 波 ズ


図6−偏光依存特性の試験系
偏光依存特性の試験における装置及び試験手順は,次による。
a) 装置
1) 光源 出力0.1 mW(−10 dBm)から1 mW(0 dBm)までの安定な光ファイバ出射光を得ることが
でき,スペクトル半値幅が被試験器の設定スペクトル分解能より十分狭い光源を用いる。光源は,
表1に示すレーザ又はサイドモード抑圧比40 dB以上の波長安定化単一縦モード半導体レーザであ
ることが望ましい。
2) 偏光コントローラ 偏光子,及び1/2波長板を備え,入力光の偏波面を180°以上回転制御可能な
光ファイバ出力を得ることができるものを用いる。
3) 光ファイバ この場合の光ファイバ長は1 m2 mとし,JIS C 6830,JIS C 6831及びJIS C 6835で
規定されたシングルモード光ファイバを用いる。

――――― [JIS C 6183-1 pdf 13] ―――――

12
C 6183-1 : 2019
なお,光ファイバは,試験中に動かないように固定する。
b) 試験手順
1) 被試験器に対して製造業者が設定した波長範囲内で上限及び下限の近傍の波長を含み,なるべく等
間隔となるように配置した波長を発生可能な光源のセットを用意し,そのj番目の波長をλjとする。
λjが不明の場合は,波長計によって測定する。
2) 被試験器のスペクトル分解能を,測定に用いる光源のスペクトル半値幅より十分大きく設定し,j
番目の光源の出力を,光ファイバ1によって偏光コントローラに入射し,その出力を光ファイバ2
によって被試験器に入射する。
3) 光ファイバ2の出射光を,偏光コントローラの偏光子で消光比20 dB以上の直線偏光にする。1/2
波長板を回転させ,試験光の偏波面を0°180°まで回転させる。そのときの被試験器で測定値(ス
ペクトル分布のピークパワーレベル)の最大値R1(λj),最小値R2(λj)(mW又はμW)を求める。
4) 波長λjの試験光のパワーレベル変動に伴うかたよりDPt,R(λj)(%)を,式(21)によって算出する。
R2 ( λj)
R1 ( λj)
DPt, R ( λj) 100 (21)
R2 ( λj)
R1 ( λj)
5) 2)4) の測定を全ての波長λjに対して実行し,偏光依存性に伴う不確かさuPt,R(%)を,式(22)に
よって算出する。
1
uPt, R
3
max
j [{ }] (22)
DPt, R ( λj)
7.3.4 直線性
図7に直線性の試験系を示す。試験は,標準試験条件で行う。
光源 可変減衰器 被試験器
光ファイバ 光ファイバ
基準の
光パワー
メータ
図7−直線性の試験系
直線性の試験における装置及び試験手順は,次による。
a) 装置
1) 光源 7.2 a) 1) による。
2) 可変減衰器 光パワーの試験範囲を可変できる可変減衰器を用いる。
3) 光パワーメータ 測定光パワーレンジで確度の保証された光パワーメータを用いる。
b) 試験手順
1) 光減衰器出力を光パワーメータに接続し,出力光パワーレベルが標準試験条件における試験の際の
出射光パワーレベルP0とほぼ同じ値になるよう,光減衰器の減衰量を調整する。
2) 光パワーメータによって出力光パワーレベルを測定し,その測定値をPREF(mW又はμW)とする。
次に光減衰器出力を被試験器に接続して,出力光パワーレベル(スペクトル分布のピークパワー)
POSA(mW又はμW)を測定し,式(23)によって両者の比R0を算出する。

――――― [JIS C 6183-1 pdf 14] ―――――

                                                                                             13
C 6183-1 : 2019
POSA
R0 (23)
PREF
3) 被試験器に対して製造業者が設定した入力光パワーレベルの範囲内で,その上限及び下限の近傍の
値を含むように配置したmL個のパワーレベルを設定する。ただし,mLは5以上とする。
4) 光減衰器出力が,設定したj番目のパワーレベルの近傍の値になるように光減衰器の減衰量を調整
する。その後,光パワーメータによる出力光パワーレベル測定値PREF,j(mW又はμW)及び被試験
器による測定値POSA,j(mW又はμW)を求め,式(24)によって両者の比R0,jを算出する。さらに,
式(25)によって百分率のかたよりD0,j(%)を算出する。
0, POSA, j
Rj (24)
PREF, j
R0, jR0
D0, j 100 (25)
R0
5) 4) の測定を,設定した全てのパワーレベルに対して実行し,各減衰量におけるかたよりD0,j( j=1,
2,···)の値から,式(26)によって,波長依存性に伴う不確かさuPt,P(%)を算出する。
1
uPt, P max
j

(pdf 一覧ページ番号 )

                                     (| D0, j |)
3
7.3.5 温度依存特性
図8に温度依存特性の試験系を示す。試験は,温度を除き標準試験条件で行う。
光源 被試験器
光ファイバ
恒温槽
図8−温度依存特性の試験系
温度依存特性の試験における装置及び試験手順は,次による。
a) 装置
1) 光源 7.2 a) 1) による。
b) 試験手順
1) 被試験器に対して製造業者が設定した使用温度範囲の上限及び下限を含み,等間隔に配置した5点
以上の試験温度を設定し,そのj番目の温度をTjとする。
2) 被試験器のスペクトル分解能を,測定に用いる光源のスペクトル半値幅より十分大きく設定する。
被試験器の温度を標準試験条件内の設定温度に安定させ,被試験器によって光源のパワーレベル(ス
ペクトル分布のピークパワー)を測定する。この測定を10回以上繰り返してパワーレベルの平均値
を求め,その値をP0T(mW又はμW)とする。
3) 被試験器の温度がj番目の試験温度で安定するように恒温槽の温度を設定し,被試験器によって測
定したピークパワーをP1Tj,i(mW又はμW)とする。この測定を10回以上繰り返して行い,式(27)
によって百分率のかたよりDPt,Tj(%)を算出する。

――――― [JIS C 6183-1 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS C 6183-1:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6183-1:2019の関連規格と引用規格一覧