この規格ページの目次
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C 6185-3 : 2014 (IEC 61746-2 : 2010)
〈Dotdr〉
〈Dotdr 〉 Dref
ΔSL 1 (2)
Dref Dref
ここに, 〈Dotdr〉 : 一つ以上のサンプル間隔にわたって平均化した,1本の
光ファイバにおける二つの事象間の表示距離。
3.10
距離スケール係数,SL(distance scale factor)
表示された距離(3.7参照)の平均値を,対応する基準距離(3.27参照)で除したもの。SLは,式(3)を
用いて算出する。
〈Dotdr〉
SL (3)
Dref
ここに, 〈Dotdr〉 : 一つ以上のサンプル間隔にわたって平均化した,1本の
光ファイバにおける二つの事象間の表示距離(実際の距
離又はシミュレーションによる距離)。
3.11
距離スケールの不確かさ,uΔSL(distance scale uncertainty)
距離スケール偏差(3.9参照)の不確かさ(例えば,m/m)。uΔSLは,式(4)を用いて算出する。
〈Dotdr 〉 〈Dotdr〉
uΔ SLu 1 u (4)
Dref Dref
注記 式(4)において,u( ) は,括弧内の標準不確かさを表している。
3.12
98 %ダイナミックレンジ(片道)[dynamic range at 98 %(one-way)]
後方散乱信号レベルと98 %雑音レベル(3.24参照)とが等しくなる光ファイバ減衰量(3.1参照)。石英
系マルチモード光ファイバ(JIS C 6832参照)を用いたときの,後方散乱波形の延長線とパワー軸との切
片と雑音レベル(dB)との差によって表す。
3.13
エンサークルドフラックス,EF(encircled flux)
光ファイバを伝搬する全光パワーに対する,コア中心からある距離以内を伝搬するニアフィールド光パ
ワーの割合を,その距離の関数として表したもの。
3.14
群屈折率,N(group index)
真空中における光速度と光ファイバ内の光パルス伝搬速度との比。
3.15
位置,L(location)
OTDR装置のフロントパネル(入出力コネクタ面)と光ファイバにおけるある目標との間の間隔(通常,
m)。
3.16
位置偏差,ΔL(location deviation)
目標を表示した位置(3.15参照)Lotdrから基準位置(3.28参照)Lrefを引いたもの(通常,m)。
注記 この偏差は位置の関数である。
――――― [JIS C 6185-3 pdf 6] ―――――
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C 6185-3 : 2014 (IEC 61746-2 : 2010)
3.17
位置オフセット,ΔL0(location offset)
この規格で用いる位置偏差(3.16参照)モデルにおける定数項の部分。測定器の距離表示におけるOTDR
前面コネクタの位置とほぼ等しい(通常,m)。
注記 完全なOTDRである場合,位置オフセットはゼロである。
3.18
位置オフセットの不確かさ,uΔL0(location offset uncertainty)
位置オフセット(3.17参照)の不確かさ。
3.19
位置読取りの不確かさ,uLreadout(location readout uncertainty)
距離サンプリング誤差(3.8参照)と測定サンプルのタイプAの不確かさとの両方が原因となって起こ
る位置(3.15参照)の測定値の不確かさ。信頼区間の半幅の形で表す(m)。
3.20
損失偏差,ΔA(loss deviation)
光ファイバ部品の損失指示値Aotdrとその基準損失(3.29参照)Arefとの差(dB)。ΔAは式(5)を用いて算
出する。
ΔA AotdrAref (5)
注記 損失偏差は,通常,表示パワーレベルFに依存している。
3.21
損失の不確かさ,uΔA(loss uncertainty)
損失偏差(3.20参照)の不確かさ(dB)。
3.22
損失スケール偏差,ΔSA(loss scale deviation)
光ファイバ部品の損失指示値Aotdrとその基準損失(3.29参照)Arefとの差を基準損失で除したもの(dB/dB)。
ΔSAは,式(6)を用いて算出する。
Aotdr Aref
ΔSA (6)
Aref
注記 詳細は7.1を参照。
3.23
モードコンディショナ(mode conditioner)
入射側での光パワーの空間分布がどのような形であっても,これをエンサークルドフラックスに関する
要求条件に完全に適合する空間分布に変換するように接続した光ファイバの組。
注記 この規格の目的に対するエンサークルドフラックスの要求条件は,IEC 61280-4-1に規定があ
る。
3.24
98 %雑音レベル(noise level at 98 %)
全雑音データ点の98 %以上を含む範囲の上限。
3.25
非線形性,NLloss(non-linearity)
規定パワー領域における,損失偏差ΔAの最大値と最小値との差(dB)。
――――― [JIS C 6185-3 pdf 7] ―――――
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C 6185-3 : 2014 (IEC 61746-2 : 2010)
注記 非線形性は,損失偏差の一要因であり,通常,表示したパワーレベル及び位置に依存している。
3.26
(受信)パワーレベル,P(power level)
OTDRの光端子によって受信したパワー。
3.27
基準距離,Dref(reference distance)
国際標準又は国家標準に対しトレーサビリティをとって校正した測定装置によって精密に決定した距離
(3.7参照)(通常,m)。
3.28
基準位置,Lref(reference location)
国際標準又は国家標準に対しトレーサビリティをとって校正した測定装置によって精密に決定した位置
(3.15参照)(通常,m)。
3.29
基準損失,Aref(reference loss)
国際標準又は国家標準に対しトレーサビリティをとって校正した測定装置によって精密に決定した光部
品の損失。
3.30
rmsダイナミックレンジ(片道)[rms dynamic range(one-way)]
後方散乱信号レベルとrms雑音レベル(3.31参照)とが等しくなる光ファイバ減衰量(3.1参照)。
注記 雑音分布がガウス分布と仮定すると,rmsダイナミックレンジは片道ダイナミックレンジに1.56
dBを加えた値に等しくなる。rms雑音レベルの項目を参照。
3.31
rms雑音レベル(rms noise level)
雑音の二乗平均レベル。
注記1 一般的には,rms雑音レベルは,OTDRの波形データから読み取ったり抽出したりすること
はできない。これは,光パワーレベルの波形を対数変換してdB単位で表示するときに負の
値を示す雑音信号の部分を取り除いてしまうためである。
注記2 雑音分布が正規分布と仮定する場合,98 %雑音レベルとrms雑音レベルとの関係は式(7)を用
いて算出する。
Noise98 Noise
rms .156 dB
5 log10 .2053 75 (7)
ここに, Noise98 : 雑音レベル(dB)
Noiserms : rms雑音レベル(dB)
2.053 75 : 正規分布の98 %に対応する偏差の値
3.32
サンプル間隔(sample spacing)
OTDRによってデジタル化した二つの隣り合うデータ点間の距離(通常,m)。
注記 サンプル間隔は,測定器の設定情報から得ることもある。サンプル間隔は,測定スパン及び
OTDR測定器のその他の設定値に依存することもある。
3.33
光スペクトル幅,ΔλFWHM(spectral width)
――――― [JIS C 6185-3 pdf 8] ―――――
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C 6185-3 : 2014 (IEC 61746-2 : 2010)
光源スペクトルの半値全幅[FWHM(JIS C 61280-1-3を参照。)]。
4 校正に向けた準備
4.1 校正実施機関に対する留意事項
校正機関は,JIS Q 17025の要求事項を満たすことが望ましい。各校正のステップごとの作業指示及び用
いる装置を文書化した測定手順書をもつことが望ましい。
4.2 トレーサビリティ
トレーサビリティは,JIS Q 17025の要求事項を満たすことが望ましい。
校正手順で用いる全ての標準器は,あらかじめ,国家標準機関又は認定された校正機関によってトレー
サビリティを保証した手順書に従って校正する。校正手順の各々の階層ごとに,それぞれ複数の標準器を
準備することが望ましい。それらの標準器の準備によって,標準器の性能を同一水準での比較によって確
認することができる。
校正結果に少なからず影響を及ぼす試験装置は,全て校正済みであることを確認する必要がある。また,
要求に応じてこれらの試験装置のトレーサビリティの連鎖及び校正の頻度(校正間隔)を規定し文書化し
なければならない。
4.3 校正実施の準備
その他に規定がない場合,全ての校正は,室温23±3 ℃の環境において実施する。校正のための試験装
置は,校正前2時間以上放置し,試験環境に対し平衡状態になるようにする。OTDRは,製造業者の説明
書に指示する時間にわたって暖機運転を行う。
4.4 校正条件に関する留意事項
校正条件には,通常,OTDR外部条件として,日付,温度,光ファイバの種類,コネクタとアダプタと
の組合せ及び入力用光ファイバの使用を含む。
校正は,製造業者の仕様書及び操作手順書に従って実施する。実施する場合,校正を受けるOTDRの実
地運転条件と対応するように,適切な範囲の校正条件及びパラメータを選択する。それらのパラメータは,
製造業者の操作手順書の指示に従い,OTDRの精度及び分解能(例えば,ビューウィンドウ,ズーム機能
など)を最適化するように選択する。
校正条件には,通常,OTDRパラメータとして,平均化時間,パルス幅,サンプル間隔及び中心光波長
を含む。その他の規定がない場合,OTDRの群屈折率は,正確に1.46に設定する。
注記1 校正結果は,校正過程において用いた校正条件に限り有効である。
注記2 危険な放射の可能性があるため,レーザの安全性に関わる条件を必ず設定し維持する(JIS C
6802及びJIS C 6803参照)。
4.5 文書として記録する事項
校正証明書には,次のデータ及び不確かさを記述する。
a) 位置オフセットΔL0及びその不確かさ±2uΔL0並びに距離スケール偏差ΔSL及びその不確かさ±2uΔSL,
又は位置偏差ΔLi及びその不確かさ±2uΔLi
b) 非線形性NLloss
c) 校正時の装置設定(パルス幅,測定スパン,波長,平均化回数など)
d) その他,JIS Q 17025で要求する校正証明書類
――――― [JIS C 6185-3 pdf 9] ―――――
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C 6185-3 : 2014 (IEC 61746-2 : 2010)
5 距離の校正の一般事項
5.1 はじめに
距離校正の目的は,光ファイバ上の異なる点の間の距離について,測定値の真値に対する偏差(誤差)
を求め,これら偏差の不確かさを定式化することである。OTDRは,光パルスが測定対象点に到達し,そ
こから戻るまでの往復時間Tを測定することによって,光ファイバが測定器に接続している点を基準とし
た測定対象点の位置Lを測定する。Lは,真空における光速度c(2.997 924 58×108 m/s)及び光ファイバ
の群屈折率Nを用いてTから式(8)によって算出する。
cT
L (8)
2N
Lの測定誤差は,OTDRのスケール誤差,時間軸のオフセット及び時間軸に対する測定対象点の位置測
定誤差に起因する。位置測定のためのマーカの設置は手動で行ってもよいし,測定器によって自動的に行
ってもよい。一般的に,誤差はマーカ設置方法及び測定対象点の種類(例えば,局在する損失又は受信機
が飽和する大きな反射若しくは受信機が飽和しない小さな反射)の両方に依存する。Lの測定における更
に大きな誤差は,マルチモード光ファイバの群屈折率Nとモード遅延時間差を考慮するときの不確かさに
よって生じる。Nの求め方とモード遅延時間差の結果の分析は,この規格の適用範囲外である。したがっ
て,次の校正手順では,Tを正しく測定するOTDRの能力についてだけ規定する。この規格の目的のため
に,デフォルト値N=1.46を用い,Nの不確かさはゼロとみなす。また,校正方法は,モード遅延時間差
による不確かさの影響を抑制するようなものに限っている。
注記 測定対象となる光ファイバの群屈折率の不確かさが既知の場合,光速度cの有効数字桁数は,
群屈折率の不確かさに対して十分高い精度を保つ範囲で打ち切ってもよい。
5.2 位置偏差モデル
ほとんどのOTDRの動作を表現するモデルを仮定し,位置偏差を次のように定式化する。OTDRのフロ
ントパネルコネクタに対する測定対象点の基準位置をLrefとし,表示した位置をLotdrとする。雑音を除去
するためにOTDRの平均化を用いた表示位置Lotdrは,式(9)のように基準位置Lrefによって決まるものと仮
定する。
LotdrSLLref ΔL0 (9)
f (Lref )
ここに, SL : 距離スケール係数。理想的には1である。
位置オフセット。理想的にはゼロである。
f (Lref) : 距離サンプリング誤差。理想的にはゼロである。距離サ
ンプリング誤差は,平均がゼロで,周期は,OTDR上の
サンプル点間の距離間隔に等しい周期関数である。一例
として,信号の増大を示す最初のデータ点にマーカを置
くことによって,大きな反射が起こった位置を測定し,
その反射の位置が僅かずつ遠方に移動している場合,f
(Lref) は,周期的傾斜波形のような形になる。
式(9)は,位置測定の既知の誤差を定式化することを意図したものであるが,更にタイプAの不確かさが
加わることもある。これは,距離の測定値及び精度の両方に影響を及ぼす。この精度は,誤差を表すパラ
メータとともに,次の手順によって決定する。まず,SL及び Lrefの異なる値に対するLotdrを測定し,
その後,最小二乗法によって測定結果に適合する直線を適合する求め,この直線からSL及び 騰
る。SL及び それぞれ,傾き及び切片である。同様に,位置偏差関数,すなわち,LotdrとLrefとの差
分に適合する直線から,式(10)を用いて, び 侮地
――――― [JIS C 6185-3 pdf 10] ―――――
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JIS C 6185-3:2014の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61746-2:2010(IDT)
JIS C 6185-3:2014の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.01 : 光ファイバシステム一般
JIS C 6185-3:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC6828:2019
- 光ファイバ構造パラメータ測定器校正方法
- JISC6832:2019
- 石英系マルチモード光ファイバ素線
- JISC6835:2017
- 石英系シングルモード光ファイバ素線
- JISQ17025:2018
- 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項