JIS C 6185-3:2014 オプティカルタイムドメインリフレクトメータ(OTDR)―第3部:校正方法―マルチモード光ファイバ用OTDR | ページ 7

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C 6185-3 : 2014 (IEC 61746-2 : 2010)
ルス入力用光ファイバの伝搬時間Taについて校正することである。後者は,入力光ファイバ,光カプラピ
グテール及び出力光ファイバの伝搬時間の合計である。
A.2.2 測定装置
測定装置は,パルスの繰返し周期及び遅延時間を変えることができるパルス発生器,デジタルカウンタ,
E/O変換器,O/E変換器,オシロスコープ及び光減衰器によって構成する。E/O変換器は,その中心光波
長が分かっていなければならない。
A.2.3 手順
A.2.3.1 ループ伝搬時間の測定
ループ伝搬時間を求めるためのシステム構成を,図A.2に示す。OTDRの出射条件に似た出射条件を確
立するか,又はより過剰に入射させるためにモードコンディショナ(MC)を用いる。パルス発生器を適
切な幅のパルスを発生するように設定し,光減衰器をE/O変換器に対し適切な振幅を発生するように設定
する。パルスの繰返し周波数(単位は,kHz)を200/Lbに設定する。ここで,Lbはループ内の光ファイバ
のおおよその長さ(単位は,km)である。O/E変換器からの出力パルスをオシロスコープで見て,次に規
定する二つのパルスが,オシロスコープの波形上で重なるようにパルスの繰返し周波数を調整する。二つ
のパルスのうち,一つは,E/O変換器から,ループを回らずに直接O/E変換器に伝達した光パルスであり,
もう一つは,ループを一度走行してきた進行光パルスの一部分であり,一緒に検出する。デジタルカウン
タによって繰返し周波数を記録する。これが,ループ伝搬時間Tbである。繰返し周波数に小さな変化を与
えることによって不確かさuTbを概算する。
MC : モードコンディショナ
E/O : E/O変換器
O/E : O/E変換器
A1 : 可変光減衰器
図A.2−ループ伝搬時間Tbの測定システム構成
A.2.3.2 光パルス入力用光ファイバ伝搬時間の測定
光パルス入力用光ファイバの伝搬時間を校正するためのシステム構成を,図A.3に示す。OTDRの出射
条件に似た出射条件を確立するか,又はより過剰に入射させるためにモードコンディショナ(MC)を用
いる。パルス発生器のパルス幅,振幅及び繰返し周波数(推奨値は,約1 kHz。)を適切な値に調整し,デ
ジタルカウンタにトリガ信号を与える。カウンタによっては,開始トリガと停止トリガとの間に“不感時
間”をもつものがあるため,このトリガパルスに対し,E/O変換器への出力パルスを遅延させる必要があ
る場合がある。カウンタのチャネルBのトリガレベルを,カウンタがO/E変換器の信号出力を受けたとき

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にだけトリガするように調整する。これは,カウンタが,ループを1回以上回ってきた減衰したパルスに
よってトリガすることを防止するためである。カウンタによって表示した伝搬時間T1を記録する。O/E変
換器の出力を一時的にカウンタから外し,オシロスコープに接続し,直接伝達したパルスを見て,それら
の振幅を書き留める。次に,ループ遅延線を取り除き,O/E変換器を直接光減衰器に接続する。オシロス
コープで再びパルスを観測し,光減衰器を前と同じ振幅のパルスを発生するように調整する。O/E変換器
出力を再びカウンタに接続し,伝搬時間T2を測定する。以上の測定から,光パルス入力用光ファイバの伝
搬時間Taは,式(A.1)を用いて算出する。
Ta T1 T2 (A.1)
MC : モードコンディショナ
E/O : E/O変換器
O/E : O/E変換器
A1 : 可変光減衰器
図A.3−光パルス入力用光ファイバ伝搬時間Taの校正システム構成
A.3 不確かさ
不確かさを計算し,規定する場合,附属書Bの数学的根拠(のガイドライン)を用いることが望ましい。
ループ伝搬時間の不確かさuTbは,次に示す各要因の二乗和平方根を算出することによって求める。
uTb, counter : クロック周波数の不確かさ及び時間間隔分解能によるデジタルカウンタの時間の
不確かさ(s)
uTb, adjust : オシロスコープを用いて繰返し周期を調整することによる時間の不確かさ(s)
uTb, λ : E/O変換器の中心光波長の不確かさによる時間の不確かさ(s)。波長の不確かさに
光ファイバの長さLb及び波長分散を乗じることによって算出できる。
uTb, θ : 光ファイバの温度係数による時間の不確かさ。代表値は,許容温度範囲内で1
cm/(km℃)。
uTb, MD : 適用した出射条件におけるモード分散による時間の不確かさ。
光パルス入力用光ファイバ伝搬時間の不確かさuTaは,次に示す各要因の二乗和平方根を算出すること
によって求める。
uTa, counter : クロック周波数の不確かさ,時間間隔分解能及びトリガ振幅の設定によるデジタル
カウンタの時間の不確かさ(s)
uTa, typeA : 例えば,タイミングジッタによる時間のタイプAの不確かさ(s)。一連の継続的
なカウンタの読取り値から得ることができる。
uTa, λ : E/O変換器の中心光波長の不確かさによる時間の不確かさ(s)。波長の不確かさに

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光ファイバの長さLa及び波長分散を乗じることによって算出できる。
uTa, θ : 光ファイバの温度係数による時間の不確かさ。代表値は,許容温度範囲内で1
cm/(km℃)。
uTa, MD : 適用した出射条件におけるモード分散による時間の不確かさ。
測定のシステム構成及び手順によっては,追加の要因を考慮に入れる。
A.4 文書化
ループ遅延線には,次の事項を記述した文書を校正結果を添付する。
a) 光パルス入力用光ファイバ及びループのおおよその長さ
b) 光パルス入力用光ファイバ及びループの測定した伝搬時間
c) /O変換器の中心光波長
d) .3に従って算出した時間の不確かさ,±2 uTa及び±2 uTb

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附属書B
(規定)
数学的根拠
B.0 一般事項
この附属書では,測定の不確かさの要約及び評価を集積して報告する形態を示す。これは,ISO/IEC
Guide 98-3:2008の“計測における不確かさの表現の指針”に基づくが,この附属書は,この指針に記載さ
れている詳細内容を十分には反映していない。
標準として,測定の不確かさの評価方法について二つのタイプを規定する。タイプAは,同じ測定に対
する一連の繰返し測定を統計的に分析し,不確かさを評価する方法である。タイプBは,その他の知識に
基づいて,不確かさを評価する方法である。
B.1 タイプA評価の不確かさ
タイプA評価の標準不確かさは,同じ測定条件の下で,個別の独立した測定の場合に適用できる。
量Xについて,n回の独立な測定で得られたXkに対しての算術平均は,式(B.1)を用いて算出する。
n
1
X Xk (B.1)
nk 1
この平均は,その量の推定値とされる。つまり,xX とする。測定に基づいて実験の標準偏差は,式(B.2)
を用いて算出する。
1
n
1 2 2
sX Xk X (B.2)
n 1k1
ここに, X : 測定した値の算術平均
Xk : 一連の測定の測定サンプル
n : 測定の回数で,例えば,n≧10のような大きな数字を想定する。
推定値をxとするとき,タイプAの標準不確かさutypeA(x) は,式(B.3)を用いて算出し,実験の平均値に
おける標準偏差で表す。
sX
utypeA x sX (B.3)
n
B.2 タイプB評価の不確かさ
タイプB評価の標準不確かさは,一連の測定の統計的な分析以外によって不確かさを評価する方法であ
る。ここでは,数値の変動に関して得たあらゆる情報に基づいた科学的な判断によって評価する。
量Xの推定値xを,製造業者の仕様,校正証明書,ハンドブック又はその他の情報源から得て,その引
用した不確かさU(x) が,標準偏差のk倍ある場合,標準不確かさu(x) は,単に,式(B.4)となる。
ux Ux / (B.4)
量Xについて,上限値Xmax及び下限値Xminが評価できる場合(例えば,製造業者の仕様又は温度範囲の
ような),長方形状の確率分布を推定して,推定値xは,式(B.5)を用いて算出する。

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1
x Xmax Xmin (B.5)
2
標準不確かさは,式(B.6)を用いて算出する。
1
ux Xmax Xmin (B.6)
2 3
出力推定値y及び関連する標準不確かさへの寄与で,入力推定値x及び関連する標準的不確かさが要因
となって生じるものは,式(B.7)を用いて算出する。
uy c u (B.7)
ここに,cは,入力推定値x及び関連する感度係数であって,その関係は式(B.8)で示し,これは,モデ
ル関数y(x) の入力推定値xに関する偏導関数である。
c y
(B.8)
x
感度係数cは,出力推定値yが,入力推定値xの変化によってどの程度影響を受けるかを示す。感度係
数cは,出力推定値yの変化分であって,それは,入力推定値xの変化からモデル関数y(x) を用いて算出
できる。また,式(B.8)又は数値計算でも計算できる。xの変化によって生じる出力推定値yの変化は,実
験で求めることが適切なこともある。
B.3 標準不確かさの合成
合成標準不確かさとは,個々の不確かさを集めて一つの量にまとめたものである。
標準不確かさは,個々の不確かさが統計上互いに独立であるとして,タイプA及びタイプBによって見
積もった全ての不確かさの二乗和の平方根をとって,式(B.9)のように合成する。
n
2
uc y uiy (B.9)
i=1
ここに, i : 個々の要因の数
ui(y) : それぞれの標準不確かさ
n : 不確かさの数
注記 この式では,最大の不確かさ(ばらつき量)の1/10以下の不確かさは,二乗すると1/100以下
となるので無視してもよい。
上記の量を基に,さらに,詳細に不確かさを算出する場合は,合成標準不確かさucを基準として,式(B.9)
に再投入すればよい。ここに,ucは,部分的にはタイプAの性格を帯びているが,タイプBの不確かさを
示している。
B.4 報告
校正報告書及び技術的なデータシートから集計した標準不確かさは,適用できる信頼水準とともに拡張
不確かさの形で報告する。それぞれの補正係数又は偏差も報告する。拡張不確かさUは,標準不確かさuc(y)
に包含係数kを乗じることによって式(B.10)のように得る。
U k uc (B.10)
約95 %の信頼水準を推定値(デフォルト)として選択する場合,k=2となる。約99 %の信頼水準を選

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  • IEC 61746-2:2010(IDT)

JIS C 6185-3:2014の国際規格 ICS 分類一覧

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