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C 6185-3 : 2014 (IEC 61746-2 : 2010)
同様に,代表的なシングルモード光ファイバを表すのに,その他の波長に対する減衰定数の値を選択し
てもよい。領域Aの解析的記述を式(38)に示す。
Fmax L F0 L
min 3 ( dB)
(pdf 一覧ページ番号 )
Fmin L F0 L
max 3 (dB)
OTDRの製造業者によるその他の指定がない場合,Fmaxは,クリッピングレベルよりも1 dB低いレベル
を超えないことが望ましい。損失の校正点Fは,領域Aの内部にあることが望ましい。領域B及び領域C
における校正データを記載してもよい。領域Bは,光ファイバ線路に大きな損失の構成部品を含むときに
適用する。領域Cは,光ファイバ線路に強い反射の構成部品を含むときに適用する。
図9−損失測定サンプルの推奨領域A
7.3に規定する方法のそれぞれについて,サンプル設定の試験計画を立てる。各サンプル設定は,位置及
び表示パワーレベルの組合せとする。目標は,垂直サンプル0.51 dB,基準損失Aref以下とする。サンプ
ルは,F0から雑音レベルまでの減衰範囲で,領域A内で均一に分布するように選択することが望ましい。
また,図10に示すように同じ表示パワーレベルで,位置の異なる測定サンプルをオーバーラップさせて選
択することが望ましい。
図10−領域A内のサンプル点の望ましい配置
――――― [JIS C 6185-3 pdf 26] ―――――
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7.3 OTDR光源のニアフィールド分布の明確化
7.3.1 目標及び参照元
ここでの目標は,試験用光コードの出射端に到達する光のニアフィールド分布の測定から式(39)を用い
て算出するエンサークルドフラックス関数EF(r) を決定し,その結果を動径方向の境界に対する要求条件
と比較することである。
r
xI x dx
0
EF r R
(pdf 一覧ページ番号 )
xI x dx
0
測定に対する要求条件は,IEC 61280-4-1による。
また,手順の詳細は,IEC 61280-1-4で規定しており,校正法については,JIS C 6828に記述している。
7.3.2 手順
IEC 61280-1-4の要求条件に適合させるため,OTDR光源のニアフィールド分布は試験用光コードの出射
端のコネクタ位置で測定する。まず,OTDR試験用光コードの出射端をニアフィールド分布の測定系に接
続し,引用する文献の定義に従ってエンサークルドフラックス関数を測定する。次に,その測定結果を,
規定するエンサークルドフラックス関数の下限値及び上限値とともに同一のグラフに表示する。その結果,
測定されたエンサークルドフラックス関数の曲線が規定した下限値と上限値との間からはみ出さないこと
を確認する。
8 損失の校正方法
8.1 はじめに
既知の参照値に対する損失を与える校正方法は,ここでは規定しない。
8.2の方法では,損失参照値は未知であり,単に定数であると考える。それゆえ,その結果は変動だけを
表している。一方で,適切な不確かさレベルで減衰が分かる場合,その測定結果は,別の方法で報告可能
である(8.2.4参照)。
8.2 長尺ファイバ法
8.2.1 要点
長尺ファイバ法とは,長尺のマルチモード光ファイバを用いて,OTDRの垂直軸スケールの線形性を測
定する方法である。この参照損失値は未知であり,単に定数であると考える。
8.2.2 装置
8.2.2.1 一般事項
測定装置には,試験OTDR以外に,図11に示す次のものを含む。
a) 長尺マルチモード光ファイバで,SGI-50/125又はSGI-62.5/125の光ファイバ(JIS C 6832参照)
b) 一組のマルチモード入力用光ファイバ。これらは,最小1 dBの減衰をつくることができるSGI-50/125
又はSGI-62.5/125の光ファイバ(JIS C 6832参照)とする。
c) マルチモード光ファイバ用可変光減衰器
d) モードコンディショナ
光減衰器及び入力用光ファイバは,OTDR表示の領域A(箇条7参照)内の数多くの異なる位置に基準
光ファイバによる波形を表示するために用いる。例えば,表示パワーレベルは,減衰値が2 dB,4 dB,8 dB
の3本の入力用光ファイバを適切に組み合わせることによって,16 dBの範囲内で2 dBずつ変化させるこ
とができる。
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これらの光ファイバは,低反射率コネクタを用いて接続することが望ましい。減衰量には,代表的なコ
ネクタの損失値を含む。推奨する(精細な)サンプル間隔0.5 dBを得るためには,光減衰器は0.5 dBずつ,
ゼロ(0)から1.5 dBの間で変えなければならない。
推奨する0.5 dBずつの変化を数多くの入力用光ファイバによって作り出す場合,光減衰器は不要である。
モードコンディショナは,出射条件を整えるために用いる。
A1 : 可変光減衰器
MC : モードコンディショナ
図11−長尺光ファイバによる線形性測定
8.2.2.2 初期損失の決定
この細分箇条の手順の目的は,常に同じ損失を測定するために,光ファイバ上の正しく定義した参照ポ
イントを用いることである。
長さ測定についてのOTDRのマニュアルに従って,長尺光ファイバの全長D2を測定する。OTDRマー
カを用い,光ファイバの長さD1の区間を選択する。このとき,光ファイバの近端のコネクタによる損失測
定デッドゾーンを外して選択する(図12参照)。この区間の開始点は,実際の後方散乱光波形とその直線
近似線間の差 愀 に小さくなるように選択する(この条件を達成するには,1本の入力用光ファ
イバが必要な場合がある。)区間D1の長さを測定する。
図12−損失測定デッドゾーンを外してD1区間の最も早い開始点を配置する方法
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長さD1は,約0.5 dBの初期損失に相当する長さが望ましい。基準光ファイバの遠端からの後方反射が
生じると,先行する後方散乱光波形に影響することがあるため,後方反射が生じないように十分な注意が
必要である。
8.2.3 測定手順
8.2.3.1 準備
最初に,垂直軸方向のサンプル間隔がおおむね0.5 dBになり,全ての測定サンプルがOTDR表示の領域
A内に入るように光ファイバ及び光減衰器の試験計画を立てる。その一例を,8.2.2に規定している。
8.2.3.2 測定結果
各表示パワーレベルFiについて,損失値Aotdr, iを測定する。不確かさを小さくするために,単一パワー
レベルを用いる代わりに,マーカの周り又は長さD1全体にわたって平均化することが望ましい。タイプA
の不確かさを小さくするためには,低い表示パワーレベルにおいてできるだけOTDRの平均化を行う。こ
の場合,適用された平均化回数は,全て報告することが望ましい。全てのAotdr, i,表示パワーレベルFi及
び位置Liを記録する。
8.2.4 計算及び結果
式(40)を用いて,非線形性NLlossを算出する。
i
NLloss max Aotdr,Aotdr,0 (dB) (40)
適切な損失の不確かさレベルで光ファイバの減衰Arefが既知であれば,式(41)を用いて損失偏差サンプ
ルΔAiを算出してもよい。
Ai Aref (dB) (41)
Aotdr,i
式(42)を用いて損失スケール偏差を報告してもよい。
Aref
Aotdr,i
SA,i (dB/dB) (42)
Aref
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附属書A
(規定)
距離校正用のマルチモードループ遅延線
A.0 一般事項
この附属書では,マルチモード光ファイバ用OTDRの距離校正のための部品として用いる,光ファイバ
形ループ遅延線について規定する。
A.1 構造
装置は,図A.1に示すように,次のものから構成する。
a) マルチモード4端子光カプラ : 一対の入出力端間に長尺光ファイバ(長さは校正する距離範囲による。)
が融着接続されているもの。OTDRの光ファイバタイプとは無関係に,光ファイバのコア径は,50 μm
又は62.5 μmとする。同一の光ファイバコア径は,挿入損失を最小に保ち,超長距離測定に用いられ
る。光ファイバの種類及び出射条件にかかわらず,長尺光ファイバの長さは,モード分散を許容範囲
内に保つために1 kmを超えてはならない。
b) 入力光ファイバ : 4端子光カプラの第2入力端子に融着接続した,入力側がコネクタ付きの入力光フ
ァイバ(代表的な長さは,約250 m)。
c) 出力光ファイバ : 4端子光カプラの第2出力端子に融着接続した,終端に後方反射を抑圧したコネク
タを備えた1本の出力光ファイバ。この光ファイバの長さは,例えば,1 m未満など,短く抑える。
d) 反射部 : 出力光ファイバの端面で反射を生じさせるために用いる反射率が大きい反射部品。
光パルス入力用光ファイバの長さは,入力光ファイバ,光カプラの一つの分岐枝及び出力光ファイバに
よって定義する。
ループの長さは,a) に規定する長尺光ファイバ及び光カプラの別のもう一つの分岐枝によって定義する。
図A.1−ループ遅延線
A.2 校正
A.2.1 一般事項
目的は,ループ遅延線を,二つのパラメータ,すなわち,ループ内の光ファイバの伝搬時間Tb及び光パ
――――― [JIS C 6185-3 pdf 30] ―――――
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JIS C 6185-3:2014の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61746-2:2010(IDT)
JIS C 6185-3:2014の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.01 : 光ファイバシステム一般
JIS C 6185-3:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC6828:2019
- 光ファイバ構造パラメータ測定器校正方法
- JISC6832:2019
- 石英系マルチモード光ファイバ素線
- JISC6835:2017
- 石英系シングルモード光ファイバ素線
- JISQ17025:2018
- 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項