JIS C 6704:2017 人工水晶 | ページ 3

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右水晶又は左水晶の区別は,種結晶で規定する(図1参照)。
4.2.3 人工水晶の寸法
4.2.3.1 概要
人工水晶の寸法は,受渡当事者間の協定による。測定は,ノギス又はくぼんだ部分の測定が可能なネッ
クノギス(附属書D参照)で行う。
4.2.3.2 寸法Y又はY´
Y又はY´は,図2 d) に示すとおり,Y軸又はY´軸方向の寸法とする。
4.2.3.3 寸法Z又はZ´
Z又はZ´は,図2 c) に示すとおり,+X領域におけるZ軸又はZ´軸方向の寸法とする。
4.2.3.4 寸法Zeff又はZ´eff
Zeff又はZ´effは,図2 c) に示すとおり,Z軸又はZ´軸方向の有効Z寸法とする。
4.2.3.5 寸法Zmin又はZ´min
Zmin又はZ´minは,図2 d) に示すとおり,Z軸又はZ´軸方向の最小Z寸法とする。
4.2.3.6 寸法X
Xは,図2 c) に示すとおり,X軸方向の寸法とする。
a) 断面図 b) 断面図
c) 寸法Z及びZeffの図解 d) 寸法Zminの図解
図2−Zカットの種結晶を用いて育成した人工水晶の断面図
4.2.4 種結晶の寸法
4.2.4.1 寸法Z又はZ´

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Zカット又は回転Zカットの種結晶の寸法(厚さ)Z又はZ´は,3 mm以下とするが,必要な場合は受渡
当事者間の協定による。
4.2.4.2 寸法X
種結晶の寸法Xは,受渡当事者間の協定による。
4.2.5 欠陥
4.2.5.1 双晶
使用領域内に,電気的双晶又は光学的双晶は認めない。双晶の有無の確認は,目視検査による。
4.2.5.2 クラック又は欠け
使用領域内に,クラック又は欠けは認めない。クラック及び欠けの有無の確認は,目視検査による。
4.2.5.3 異物密度
4.2.5.3.1 概要
測定方法には,次の二つの方法があり,いずれかを選択する。
− 方法1 単位面積当たりの異物数を,粒径の区分ごとに,円形の視野をもつ3040倍の実体顕微鏡を
用いて数える。このとき,升目けい線入りの目盛付きスケール付きの顕微鏡で,黒いつや消しの背景
に強い側面照明(ハロゲンランプなど)を当てながら行う。透明度が必要な場合には,屈折率が水晶
に近い液体(屈折率nは,約1.55)を試料に塗布する。算出例を,附属書Bに示す。
− 方法2 方法1の適用が困難な場合には,等級ごとに規定する異物の最大許容数と同等の限度見本と
比較して判定する。透明度が必要な場合には,屈折率が水晶に近い液体中で,又はこのような液体を
塗布して行う。このとき用いる限度見本は,受渡当事者間の協定による。限度見本の作製例を,附属
書Cに示す。
4.2.5.3.2 抜取り
異物密度又はエッチチャンネル密度の品質管理が必要な場合は,通常,膨大な時間のコスト,労力及び
費用を省くため,人工水晶及びその領域の抜取方法は受渡当事者間の合意に基づいて簡略化した方法を用
いる。
この方法は,少ない試料であっても,異物密度又はエッチチャンネル密度が最大値よりも明らかに下回
る状況では,望ましい廉価な検査の一つとして有効である。このような状況に到達できない場合は,適切
な密度のコントロールのために,より厳しい検査計画が必要であり,これは受渡当事者間で協定する。
品質保証水準検査に適合し,また,その水晶及び計測数値が十分に代表的なものであることを保証する
ために,有効な統計方法が必要である。抜取手順及び統計的信頼度試験の原理は,文献(JIS Z 9015-1な
ど)に記載されているので,ここでは省略する。
4.2.5.3.3 ロットの抜取り
ロットの抜取りは,母集団を代表するように行う。抜取数は,ロットの大きさ,人工水晶のタイプ,用
途,平均値と目標密度との差異及び要求する受入品質水準AQLに依存する。このAQLは,それぞれの異
物の粒径区分でのロット評価による密度が,適用等級の最大値以下であることを保証する。抜き取ったサ
ンプル集団は,異物密度についてそのロットを代表するものとする。
4.2.5.3.4 検査領域
異物の検査領域は,顕微鏡の視野内(又は升目けい線内)であって,人工水晶の高さ又は顕微鏡で操作
可能な焦点深度範囲とする。この検査領域内の異物は,全て集計する。検査領域は,最終製品において機
能する部分(通常は,図3に示すZ領域)を主体に含むように選ぶ。これらの検査領域内で異物密度の高
い部分があっても,除外しない。1本の結晶当たりの検査領域の数は,集計の信頼度をもたせるために6

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か所以上とする。異物密度にばらつきがある場合には,検査領域の位置をばらつきに合わせて適切に分散
させる。一般的に,人工水晶は,Y方向に長く,X方向及びZ方向には短い。通常,異物密度は成長方向
に沿った変化が最も大きいため,Z領域ではZ方向の変化が最も大きい。このため,寸法Zの大きい結晶
では,Z方向に種結晶からの距離が異なる検査領域を数箇所選ぶ。Y方向又はX方向に密度の変化がある
場合には,同じように,検査領域を選択する。
検査領域の分布をとるために,人工水晶の−X面に,種結晶に直交するZ´方向のけい線を10 mm間隔で
Y方向全体に引く。異物集計の検査領域は,これらの升目の中から必要な部分を選択する。例えば,Z領
域が視野直径の2倍程度の小形結晶で種結晶から異なる距離の検査領域を設定する場合には,種結晶から
近い部分と遠い部分とを交互に置く。大形の結晶では,異物密度の高い部分があっても,その部分を除外
しないように検査領域をZ方向に連続して設定する。よく用いる幾つかのサンプリング方法を,附属書A
に示す。
a) Tカット板及びrカット板配置図
b) カット板,Yカット板及びZカット板方位図
図3−典型的な切断方位の例
4.2.5.3.5 異物測定
異物測定は,升目の範囲内で顕微鏡を上下させ,測定する円形又は長方形を視野移動させながら,次の

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ように行う。
試料の寸法Xが比較的小さいアズグロウンY棒水晶の場合,視野移動は長手方向だけでもよい。−X面
を上にし,横方向から照明を当て,有効使用領域の一端から検査を開始し,X方向の円筒体積内で測定を
行う。−X面の直下から測定を始め(面上の粒子は無視する。),焦点の合った全ての異物を,表1の粒径
区分ごとに数を集計する。次に,鏡筒を移動させ,新たに焦点の合った異物の粒径区分ごとの数を集計す
る。これを選択した寸法X範囲内で繰り返し,更に次の検査領域でも同様の作業を繰り返す。
異物密度は,粒径区分ごとの集計値を,検査領域全体の体積(cm3)で除して算出する。ロットからサ
ンプリングした全ての試料の平均値を記録する。必要な場合には,ロットからサンプリングした試料の異
物密度の最大値及び最小値を記録する。計算例を,附属書Bに示す。
4.2.6 α値による評価
4.2.6.1 概要
α値は,Yカットの試料を用いて,波数3 800 cm−1又は3 979 cm−1を基準として,波数3 500 cm−1又は
3 585 cm−1で赤外分光光度計を用い,透過率を測定する。また,一つのロットにおいて結晶の寸法Z分布
とともに変化すると知られており,寸法Zが最大の結晶(最もα値が大きい結晶)はロットの特性を示す
のに用いる。他の結晶(例えば,平均的な寸法Zの結晶)はロットの更なる評価のために測定する。
水晶の赤外線測定には,二つの方法が用いられてきた。当初は,分散型で,規定の波数の単一ビームの
範囲で試料が照射されるように調整する方法であった。その後,全ての関連した波長を同時に抽出するフ
ーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)が開発された。この方法は,広い範囲にわたって透過率を収集するた
めに,干渉計を用いる。検出器信号は,測定装置に組み込まれたコンピュータに送られ,単一ビームスペ
クトルに変換するためにフーリエ変換と呼ばれるアルゴリズムがインターフェログラム干渉計上で実行さ
れ,α値を推定する。近年,FT-IRは分散型赤外分光光度計よりも広く用いられている。分散型赤外分光光
度計及びFT-IRは,いずれも,規定の波数で試料全体の位置のα値を測定することができる。また,測定
試料は,Z方向に沿って,狭いビームを用いてポイントごとに赤外線の吸収を測定し,Z位置に対応した
吸収率の分布を得ることもできる。
4.2.6.2 Yカット試料の準備
測定を行う結晶の寸法Yの中央部から,次の仕様の測定試料を作製する。α値は,ロット内での寸法Z
のばらつきを反映する。そのため,ロット中のα値が最も大きいと考えられる最大寸法Zの試料を測定に
用いる。
− 切断方位 Yカット
− 厚さ5.010.0 mm
− 表面研磨 鏡面研磨仕上げ又はよく混合された平均粒径3 磨材による研磨仕上げ
4.2.6.3 赤外分光光度計の調整
赤外分光光度計は,スイッチを入れてから完全に安定するまで暖め,その後校正する。日々の校正では,
透過率の100 %調整,及び記録紙送り速度と試料の送りとを同期するように調整する。通常の評価では,
幅1.5 mmの絞りをサンプルビーム側に置く。小さいα値領域を測定する場合は,5 mm幅の絞りが適切で
ある。絞りの高さ方向の寸法は,種結晶の寸法X又は5.0 mm以下とする。試料を付けない状態で,透過
率を100 %に調整をして波数を4 000 cm−1から2 000 cm−1まで移動させながら,100 %ラインが一定の状
態に保たれていることを確認する。100 %ラインが一定に保たれていない場合は,赤外分光光度計のバラ
ンス調整を行う。
4.2.6.4 Yカット試料の測定

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次に,鏡面研磨したYカット試料を試料ホルダに入れ,送り装置に装着する。波数をOH吸収バンド外
の基準波数領域に設定する(通常は,3 800±3 cm−1)。波数を固定した状態で,試料を送り装置の上で赤
外ビーム中を通過させるのと同期して記録紙を送る。この場合,Yカット試料のZ領域(図2及び図3参
照)で測定する。基準波数領域のノイズが問題になる場合は,波数を3 979±3 cm−1としてノイズを減ら
してもよい。基準波数領域の測定ラインが種結晶境界の外側で平らでない場合は,ふっ素系油脂を半ポリ
ッシュ状態の両研磨面に薄く塗ることによって改善される。基準波数領域測定の間,ベースラインの揺ら
ぎは,透過率で±1.0 %を超えないようにする。基準波数領域の測定後,波数を3 500±3 cm−1又は3 585
±3 cm−1のいずれかを選んで設定する。試料は最初の測定の開始位置に戻し,同時に記録紙も基準波数領
域測定の開始点まで巻き戻す。その後,測定波数で赤外線吸収の場所による透過率の変化を記録する。校
正α値(最大値及び最小値)は,上記の測定から,式(2)によって算出する。
log 10 I2
log 10 I1

(pdf 一覧ページ番号 )

                                  t
ここに, I1 : 基準波数(3 800又は3 979)の透過率(cm−1)
I2 : 吸収波数(3 500又は3 585)の透過率(cm−1)。ただし,3 585
はピーク値。
t : 測定試料の厚さ(cm)
α値の最大値及び最小値の読みが標準値に対して±0.004の範囲で再現性がある場合は,分光光度計の校
正は良好とみなす。標準試料で装置の読みを補正するときは,計算値によって補正してもよい。ただし,
標準値は,製造業者が標準試料で数回の測定実績によって決定する。
α値の測定は,次の条件で行う。
a) 測定波数 次による。
基準波数領域 : 3 800 cm−1又は3 979 cm−1
吸収波数 : 3 500 cm−1又は3 585 cm−1
b) スリット 次の寸法のスリットを,サンプルビーム側に置く。
幅 : 1.55.0 mm
高さ : 種結晶の寸法X又は5 mm以下とする。
c) 測定領域 試料のZ領域部分に赤外線を透過させる。ただし,種結晶の中心から±2.0 mmの領域及び
ランバード加工によって研削した領域は,評価から除く。
d) 試料の方向 試料は,+X方向を上向きにして試料台へ載せる。
校正後,それぞれの試料(なるべく,鏡面研磨してある試料)を基準波数領域及び波数3 500 cm−1又は
3 585 cm−1で走査する。研磨仕上げの場合には,油膜を試料表面に塗布する。α値は,式(2)で算出する。
4.2.6.5 標準試料による赤外分光光度計の補正
装置ごとの測定値の相違は,測定条件及び測定手順の統一だけでは解決できないため,標準試料による
装置ごとの補正を必要とする。標準試料を用いた赤外分光光度計の推奨する補正方法を,附属書E及び附
属書Gに示す。
4.2.7 水晶振動子の周波数温度特性
周波数温度特性評価の水晶振動子の仕様は,次による。
− 周波数 : 10 MHz±10 kHz(基本波)
− 位置 : Z領域

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JIS C 6704:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60758:2016(MOD)

JIS C 6704:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6704:2017の関連規格と引用規格一覧