JIS C 6704:2017 人工水晶 | ページ 4

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C 6704 : 2017
− 切断方位 : ATカット35°15′±30″
− 形状 : 正方形で一辺はX軸に平行
− 外形寸法 : 8 mm×8 mm
− 電極直径 : 4 mm±0.1 mm
− 周波数低下量 : 70 kHz90 kHz
− 電極材料 : 銀又は金
− 支持位置 : 対角の2点
− 表面仕上げ : 研磨(研磨材の平均粒径は,3 μm未満とする。)後,200 kHzの周波数に相当するエッチ
ングを行う。
− 平たん度 : 直径6 mmの円の範囲でオプチカルフラットガラスを通した単色光による干渉じま(縞)
が,ナトリウム光の測定では5本,緑色光の測定では6本以下とする。
− 平行度 : 表面両方での平行度は10″以内とする。
− 封じ : 常温常圧の乾燥窒素ガス雰囲気中で密封を行う。
測定は,JIS C 6701の附属書3(励振レベル依存性の測定方法)に規定する方法で,励振レベルを約0.1
mW以下とし,15 ℃,25 ℃及び35 ℃での周波数を測定し,周波数温度特性で最小傾斜及び最大傾斜を
とる(図4参照)。
図4−試験試料の周波数温度特性
4.2.8 光学用人工水晶の脈理
ランバード人工水晶の脈理はシリコンオイルのような屈折率がほぼ同じ液体を塗布することによって白
色光で観察できる。ランバード人工水晶はクロスニコル1) の状態の偏光板の間に置かれた状態で,脈理が
Z方向から観察できる。脈理は,数,大きさ及び濃度を限度見本と比較する。また,これらは,シュリー
レン法又はこれと同類の装置によって数ミリの厚さの透明研磨をしたYカット試料で観察できる。代表的
なシュリーレン法の光学系を,図5に示す。
注1) 光路に,偏光子に加えて検光子を差し込んだ状態をクロスニコル(直交ニコル)という。この

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状態は偏光子と検光子との偏光方向が直交しているため光線が遮断され,暗視野に見える。
図5−シュリーレンシステムの例
4.2.9 光学用人工水晶の成長じま(縞)
Y軸方向に対し,垂直に切断し透明研磨をした試料を用いて,シュリーレン法,又は同様の装置を用い
て成長じま(縞)を観察する。
4.2.10 エッチチャンネル密度
4.2.10.1 概要
エッチチャンネル密度は,エッチングされたAT板試料のチャンネル本数を顕微鏡で測定する。具体的
な試験方法は,4.2.10.24.2.10.4による。
4.2.10.2 ロットのサンプリング
結晶のエッチチャンネルは,種結晶に先天的に存在するケースと成長過程で後天的に発生するケースと
がある。したがって,育成前に種結晶のエッチチャンネルのグレード分類を行い,記録に残しておくこと
が望ましい。さらに,オートクレーブ中に種結晶が置く位置によって,種結晶加工層の溶解量及び異物の
含有量が異なり,これらが原因で後天的に発生するエッチチャンネル密度にばらつきが生じるため,これ
らを考慮してサンプリングを行うことが望ましい。
4.2.10.3 エッチング用試料の準備
試料は,次によって製作する。
− 位置 : Z領域
− 仕上げ厚さ : 6.010.0 mm
− 切断方位 : ATカット35°15′±3°
− 形状 : 種結晶の寸法X以上の,寸法Xをもつ角板又は丸板
− 表面仕上げ : 平均粒径11.5 満の研磨材で研磨する。ただし,前の研磨材による加工層を残さな
いように研磨する。
4.2.10.4 試料のエッチング方法
エッチング試験は危険を伴うので,ドラフト内で十分な安全備品を用いて,慎重に作業を進める必要が
ある。まず,温浴バスを用いて,ふっ化水素アンモニウム(示性式 : NH4F・HF)の飽和溶液を作り,75±
2 ℃に保つ。次に,研磨及び洗浄したAT板試料を飽和溶液に浸す。エッチング作業の間は,溶液をかき

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混ぜるか,又は試料をゆっくり動かすのがよい。約4時間エッチングを行い,エッチングの層厚さが0.1
0.12 mmとなるようにエッチングレートを安定化させ,エッチング終了後に十分洗浄する。
4.2.10.5 エッチチャンネル密度測定方法
試料のATカット面のZ成長領域に,0.25 cm×0.25 cm又は0.5 cm×0.5 cmの正方形の格子の印を付ける。
格子の正方形は,できるだけ種結晶の高さに合ったZ領域の長方形部分だけに描き,種結晶の中心線から
2 mm以内は避ける。測定は,試料に−X方向から平行光線を当て,3040倍率の顕微鏡で行う。このと
き,試料深部でのエッチチャンネルを数えるのを避けるために,試料表面上に焦点を合わせる。それぞれ
の正方形に見えるエッチチャンネルを全て数え,平均数を計算し,1 cm2当たりの平均数に換算する。0.25
cm×0.25 cmの場合は16倍,0.5 cm×0.5 cmの場合は4倍して,1 cm2当たりの平均数に換算する。
4.2.11 光学用人工水晶の内部透過率
内部透過率は,次の手順で測定する。
a) 二つの試料を,同じ人工水晶から切断する。
b) 試料の切断方位は,Y軸±60′に対して垂直方向とする。
c) 二つの試料の厚さは,それぞれ5 mm及び10 mmとする。
d) 二つの試料の両面を,鏡面研磨する。
e) 内部透過率は,同一の結晶から切出し鏡面研磨した厚さ10.0 mm及び5.0 mmの2種類の試料を用い
て,分光光度計でそれぞれの試料への入射及び出射における表面反射損失を含む透過率を測定する。
測定波長は400 nm,550 nm,650 nm及び1 550 nmとする。
f) 5 mmの試料の内部透過率は,式(3)によって算出する。
T1

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                            T2
ここに, τ : 試料厚さD mmのときの内部透過率で,ここではD=5。
T1 : 試料厚さ5.0 mmで得られる表面反射損失を含む透過率
T2 : 試料厚さ10.0 mmで得られる表面反射損失を含む透過率
他の厚さの内部透過率の値は,式(4)によって算出できる。
expt
t In (4)
5
ここに, In : 自然対数
exp : 指数関数
5 : τを算出したときの試料の厚さ(mm)
t : 内部透過率を算出する,試料の厚さ(mm)

4.3 表示及び納入条件

4.3.1  表示
人工水晶の+X面又は−X面に,次の必要事項を明記する。
a) 製造業者名又はその商標
b) 種結晶の方位
c) 右水晶又は左水晶の別(RH又はLHとしてもよい。)
d) 製造ロット番号又はその略号 他の情報として要求がある場合は,明細書に次の項目を表示する。
1) 製造ロット番号
2) α値等級

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− 振動子用の場合 : Aa,A,B,C,D又はE
− 光学用の場合 : OPT A,OPT B,OPT C又はOPT D
3) 異物密度
− 振動子用の場合 : Ia,Ib,I,II又はIII
− 光学用の場合 : OPT I,OPT II,又はOPT III
4) エッチチャンネル密度等級
− 振動子用の場合 : 1aa,1a,1,2,3又は4
− 光学用の場合 : 1aa,1a,1,2又は3
4.3.2 納入条件
納入条件は,受渡当事者間の協定による。

5 ランバード人工水晶

5.1 標準値

5.1.1  寸法公差
図6のa) 及びb) に示す,X軸及びZ軸又はZ´軸方向の規定寸法に対する許容差は,±0.2 mm以下と
する。

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a) 棒
b) 板
図6−ランバード人工水晶の略図並びにX軸,Y軸及びZ軸方向の寸法
5.1.2 基準面の平たん度
基準面の平たん度は,0.2 mm以内か,又は受渡当事者間の協定による(5.2.4参照)。
5.1.3 基準面の角度偏差
基準面の角度偏差は,規定の結晶軸に対して±15′以内とする(図7及び5.2.5参照)。

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JIS C 6704:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60758:2016(MOD)

JIS C 6704:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6704:2017の関連規格と引用規格一覧