JIS C 6760:2014 弾性表面波デバイス用単結晶ウェハ―仕様及び測定法 | ページ 3

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3.6.8
面方位の許容差(tolerance of surface orientation)
指定の面方位と,X線カット面検査装置で測定した面方位との差の許容差。
3.6.9
ベベリング(beveling)
ウェハ外周エッジ部の面取り加工。
3.6.10
ウェハの直径(diameter of wafer)
オリエンテーションフラットを除く,ウェハ円形部分の直径。
3.6.11
ウェハの厚さ(wafer thickness)
ウェハ中心点で測定した厚さ。

4 要求事項

4.1 材料仕様

4.1.1  水晶
ウェハは,−X領域以外の成長領域で構成し,種子の方向角は5°以下とする。人工水晶の品質は,JIS
C 6704に基づく次の等級以上でなければならない。
a) 赤外線吸収係数α値 等級D
b) 異物密度(立方センチメートル当たりの個数) 等級II
c) エッチチャンネル密度(平方センチメートル当たりの本数) 等級2
4.1.2 LN
キュリー温度が所定範囲内で,かつ,単分域化を施す。
4.1.3 LT
キュリー温度又は格子定数が所定範囲内で,かつ,単分域化を施す。
4.1.4 LBO及びLGS
双晶を含んではならならない。

4.2 ウェハ仕様

4.2.1  一般
製造業者と顧客との協定がない場合,4.2.24.2.17に規定した仕様を適用する。今後,新しい工程及び
設備の開発の進展に従い,これらの仕様は見直す。
例えば,露光設備に関連し,LTVという平たん(坦)度を評価する基準を規格化している。また,主面
を参照して傾斜修正する露光設備では,FPDはTTVよりも適切である。ソリは,基準面の設定に最小二乗
法を適用しているため,ワープよりも正確にウェハの変形を表現している。
4.2.2 直径及び許容差
直径及び許容差は,次による。
76.2 mm±0.25 mm(以下,76.2 mmウェハという。通称,3インチウェハともいう。)
100.0 mm±0.5 mm(以下,“100 mmウェハ”という。)
125.0 mm±0.5 mm(以下,“125 mmウェハ”という。)
150.0 mm±0.5 mm(以下,“150 mmウェハ”という。)

――――― [JIS C 6760 pdf 11] ―――――

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4.2.3 厚さ及び許容差
ウェハの厚さは,0.180.80 mmとする。直径が100 mm以下のウェハの許容差は,±0.03 mmとする。
直径が100 mmを超えるウェハの許容差は,製造業者と顧客との協定による。
4.2.4 オリエンテーションフラット(OF)
OF寸法及びOF方位の許容差は,次による。
a) F寸法及び許容差
22.0 mm±3.0 mm(76.2 mmウェハ)
32.5 mm±3.0 mm(100 mmウェハ)
42.5 mm±3.0 mm(125 mmウェハ)
57.5 mm±3.0 mm(150 mmウェハ)
b) F方位の許容差
OF方位の許容差 : ±30′
OF方位は,SAW伝搬方向に垂直とする。ただし,平行とする場合は,製造業者と顧客との協定に
よる。水晶のOF方位は,(1 1−2 0)面で−X側とする。
4.2.5 セカンダリフラット(SF)
SF寸法及びSF方位の許容差は,次による。
a) F寸法及び許容差 SF寸法及び許容差を,参考値として次に示す。
11.2 mm±4.0 mm(76.2 mmウェハ)
18.0 mm±4.0 mm(100 mmウェハ)
27.5 mm±4.0 mm(125 mmウェハ)
37.5 mm±4.5 mm(150 mmウェハ)
b) F方位の許容差 特定のSF方位の許容差は,その特定のOFについて測定する。製造業者と顧客と
の協定によるが,SF方位の標準的な許容差は,±1.0°とする。
SFの代替として,レーザマーキングを表面に表示してもよい。
4.2.6 裏面粗さ
製造業者と顧客との協定による(表2参照)。
4.2.7 ワープ(Warp)
表2による。
4.2.8 TV5及びTTV
表2による。

――――― [JIS C 6760 pdf 12] ―――――

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表2−裏面の粗さ,ワープ(Warp),TV5及びTTVの限界
材料 ウェハ直径 裏面粗さ(Ra) ワープ(Warp) TV5 TTV
水晶 76.2 mm 0.5 μm以上 30 10 10
(3インチ) 0.5 μm未満 20 10 10
100 mm 0.5 μm以上 40 10 10
0.5 μm未満 30 10 10
LN 76.2 mm 2.0 μm以上 50 15 15
LT (3インチ) 2.00.5 μm 40 15 15
0.5 μm未満 40 10 10
100 mm 2.0 μm以上 50 20 20
2.00.5 μm 40 15 15
0.5 μm未満 40 10 10
125 mm 2.0 μm以上 60 20 20
2.00.5 μm 50 15 15
0.5 μm未満 40 10 10
150 mm 2.0 μm以上 60 20 20
2.00.5 μm 50 15 15
0.5 μm未満 40 10 10
LBO 76.2 mm 0.5 μm以上 40 15 15
(3インチ) 0.5 μm未満 40 10 15
100 mm 0.5 μm以上 40 10 10
0.5 μm未満 40 10 10
LGS 76.2 mm 0.5 μm以上 40 15 15
(3インチ) 0.5 μm未満 40 10 10
100 mm 0.5 μm以上 40 20 20
0.5 μm未満 40 10 10
4.2.9 表面仕上げ
表面は,鏡面仕上げとする。詳細は製造業者と顧客との協定による。
4.2.10 ウェハの欠陥
ウェハの欠陥は,次による。
a) キズ 目視検査で,キズがあってはならない。
b) カケ カケは,次による。
1) エッジのカケ 直径方向で0.5 mm以下,かつ,円周方向で1.0 mm以下とする。
2) 主面部のカケ 目視検査で,カケがあってはならない。
c) クラック 目視検査で,クラックがあってはならない。
d) 汚れ 目視検査で,汚れがあってはならない。
e) その他 目視検査で,ディンプル,ピット,オレンジピールなどがあってはならない。
4.2.11 面方位及び許容差
面方位は,製造業者と顧客との協定による。
許容差は,次による。
水晶ウェハ,LGSウェハ : ±10′
LN,LT,LBO : ±20′

――――― [JIS C 6760 pdf 13] ―――――

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4.2.12 異物
LN,LT,LBO,LGSウェハ : 目視検査で異物があってはならない。
水晶ウェハ : JIS C 6704の4.1.2に規定する“異物密度”において,等級IIと同等以上とする。
4.2.13 水晶ウェハ種子部のエッチチャンネル数及び位置
水晶ウェハ種子部のエッチチャンネル数及び位置は,次による。
a) 種子部のエッチチャンネル ウェハ表面と裏面との間を貫通していないエッチチャンネルの本数(ウ
ェハ1枚当たり)は,表2Aによる。
表2A−水晶ウェハ種子部のエッチチャンネル最大数
等級 76.2 mmウェハ 100 mmウェハ
1 6 8
2 12 16
3 36 47
また,ウェハ表面と裏面との間には,貫通しているエッチチャンネルがあってはならない。
b) 種子部の位置 Z′方向の種子のずれは,ウェハの中心から3.5 mm以内の位置とする。
4.2.14 ベベリング
ベベリングは,製造業者と顧客との協定による。
4.2.15 キュリー温度
LN及びLTだけに適用する。
格子定数で規定する場合,この細分箇条は適用しない。
キュリー温度は,製造業者によって差異があるため,参考値を次に示す。中心値及び許容差は,製造業
者と顧客との協定による。
LN : 中心値1 1331 142 ℃,許容差±3 ℃
LT : 中心値603608 ℃,許容差±3 ℃
4.2.16 格子定数
キュリー温度で規定する場合,この細分箇条は適用しない。
LT : a軸の格子定数で0.515 40 nm ±0.000 02 nm
4.2.17 還元反応処理LN及び還元反応処理LTの体積抵抗率(導電率)
還元反応処理LN及び還元反応処理LTの体積抵抗率(導電率)は,次による。
還元反応処理LN : 1.0×108 Ωcm 還元反応処理LT : 1.0×1010 Ωcm

5 抜取検査

  検査は,統計的に意味のある抜取数を製造業者と顧客との間で決定する。サンプルに用いるウェハは,
製造母集団からランダムに,かつ,母集団を代表するように抜き取り,箇条6の試験方法を用いて,箇条
4の要求事項を満たさなければならない。

5.1 抜取り

  製造業者と顧客との協定がない場合,抜取りは,JIS Z 9015-1に規定するAQL 2.5 %の1回抜取りを行
う。AQLは母数を考慮し,不良の判断基準として適用する。

――――― [JIS C 6760 pdf 14] ―――――

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5.2 抜取検査の数

  十分な抜取検査数及び受入の許容範囲は,ロットの大きさを考慮して適正な統計学上の方法によって決
定するほか,詳細な分析がない場合,次のサンプリング数を適用する。
a) 外径寸法
直径 製造ロットごとに2枚
厚さ 製造ロットごとに2枚
OFの長さ 製造ロットごとに2枚
b) 面方位 製造ロットごとに2枚
c) F方位 製造ロットごとに2枚
d) 裏面仕上げ 製造ロットごとに2枚
e) V5 製造ロットごとに2枚
f) ワープ(Warp) 製造ロットごとに2枚
g) TV 製造ロットごとに2枚

5.3 全数検査

  次の事項は,全数検査を行う。
a) Fの有無及びSFの位置
b) 表面仕上げ
c) ウェハの欠陥
d) 異物
e) ベベリング

6 試験方法

6.1 直径

  十分な精度の寸法測定器を用いて,OF及びSFを含まない位置でウェハの直径を測定する。

6.2 厚さ

  1 μm以下の精度をもつ板厚測定器で,ウェハ中心点の厚さを測定する。

6.3 OF寸法

  十分な精度の寸法測定器を用いて,OFとウェハ円周部とが交わる2点間の長さを測定する。

6.4 OF方位

  基準格子面の方位とOF面との角度偏差を,X線回折法で測定する(10.4及び図10参照)。

6.5 TV5

  TV5はASTMテスト法F533[ASTM F533-02(Standard Test Method for Thickness and Thickness Variation of
Silicon Wafers)を参照]に従い,1 μm以下の精度をもつ板厚測定器で,ウェハ中心点及びウェハ外周より
5 mm内側の4か所の厚さを測定し,厚さの最大値と最小値との差で表す。

6.6 ワープ(Warp)

  ワープ,その他のパラメータは,光学式平たん(坦)度測定装置によって測定する。

6.7 TTV

  TTVはウェハを吸着した状態で,光学式平たん(坦)度測定装置によって測定する。

6.8 鏡面の欠陥

  ウェハ鏡面の欠陥は,箇条12による。

――――― [JIS C 6760 pdf 15] ―――――

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JIS C 6760:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62276:2012(MOD)

JIS C 6760:2014の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6760:2014の関連規格と引用規格一覧