JIS C 6870-3:2006 光ファイバケーブル―第3部:屋外ケーブル―品種別通則 | ページ 3

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C 6870-3 : 2006
8.2.3.2.1 テープ形光ファイバ心線からの光ファイバ単心分離性 光ファイバ単心分離性の試験は,JIS C
6838の8.5(IEC 60794-1-2方法G5)による。
8.2.3.2.2 テープ形光ファイバ心線の皮むき性 個々の光ファイバの被覆及びテープ形光ファイバ心線の
接着材料は,容易に除去できるものとする。除去の方法は,個別仕様書の規定又は受渡当事者間の合意に
よる。
8.2.3.2.3 ねじり テープ形光ファイバ心線のねじり試験は,JIS C 6838の8.4(IEC 60794-1-2方法G6)
による。
8.2.3.2.4 その他 この規格又は引用規格の規定以外に機械特性試験の要求がある場合には,個別仕様書
の規定又は受渡当事者間の合意による。
8.2.3.3 環境要求事項
8.2.3.3.1 水浸せき(漬) 検討中。
8.2.3.3.2 その他 ほかに環境特性要求事項がある場合には,受渡当事者間の合意による。

9. 光ファイバケーブルの試験

 この規格に規定する特性値は,測定誤差又は適切な基準器がないことに
起因する校正誤差によって生じる測定の不確かさの影響を受けることがある。受入判定基準は,この点を
考慮しなければならない。この規格に対する測定の不確かさは,伝送損失に関しては0.05 dB以下とする。
伝送損失の変動がないという表記は,この測定の不確かさの範囲内にある測定値の変動は,それがプラ
ス側であれマイナス側であれ,無視すべきであるということである。
試験する光ファイバの数は,ケーブルの設計によって決定するべきであり,受渡当事者間の合意による。
8の字構造のケーブルに適用する幾つかの試験については,つり線付きの状態で実施しなければならな
い。特定の布設工法による要求がある場合には,8の字構造ケーブルは,つり線なしの状態でも試験しな
ければならない。

9.1 引張特性

 JIS C 6851の5.(IEC 60794-1-2方法E1)による。

9.2 布設能力

 特定の布設条件に対する適合性は,次に挙げる試験から選択して証明してもよい。
9.2.1 張力下での曲げ JIS C 6851の20.(IEC 60794-1-2方法E18)による。
9.2.2 繰返し曲げ JIS C 6851の10.(IEC 60794-1-2方法E6)による。
9.2.3 衝撃 JIS C 6851の8.(IEC 60794-1-2方法E4)による。
9.2.4 キンク JIS C 6851の13.(IEC 60794-1-2方法E10)による。最小半径は,受渡当事者間の合意に
よる。
9.2.5 ねじり JIS C 6851の11.(IEC 60794-1-2方法E7)による。
9.2.6 水圧 湖沼及び河川横断用ケーブルの耐水圧試験は,JIS C 6851の29.(IEC 60794-1-2方法F10)
による。
9.2.7 コイル取り特性 湖沼及び河川横断用ケーブルのコイル取り特性試験は,JIS C 6851の22.(IEC
60794-1-2方法E20)による。
9.2.8 シースの耐摩耗性 JIS C 6851の6.1(IEC 60794-1-2方法E2A)による。

9.3 ケーブル曲げ

 JIS C 6851の14.の手順A(IEC 60794-1-2方法E11A)による。

9.4 圧壊

 JIS C 6851の7.(IEC 60794-1-2方法E3)による。

9.5 温度サイクル

 JIS C 6851の23.(IEC 60794-1-2方法F1)による。

9.6 エージング

――――― [JIS C 6870-3 pdf 11] ―――――

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9.6.1 光ファイバ被覆の適合性 光ファイバが充てん化合物と接している場合には,次の項目に関する充
てん化合物と光ファイバ被覆の適合性とが,ケーブル化後の光ファイバ又は充てん化合物に漬けた光ファ
イバに対する加速エージング後の試験によって証明されなければならない。
− JIS C 6851の9.(IEC 60794-1-2方法E5)による被覆除去力安定性
及び要求がある場合には,
− 寸法の安定性
− 被覆の透過率
(これらの試験方法については,検討中である。)
9.6.2 完成品ケーブル 検討中。

9.7 透水(充てん形ケーブルだけ)

 JIS C 6851の25.の方法F5B(IEC 60794-1-2方法F5B)による。
受渡当事者間の合意によって,ほかの受入判定基準を適用してもよい。
湖沼及び河川横断用ケーブルに対する試験方法は,検討中である。

9.8 ガス流動抵抗[非充てん(エアコア)形ケーブルだけ]

 JIS C 6851の27.(IEC 60794-1-2方法F8)
による。

9.9 落雷(金属構成部材をもつケーブルだけ)

 要求がある場合には,ケーブルの耐雷保護は,ITU-T
Recommendation K.25又は受渡当事者間で合意した要求事項を満足しなければならない。

9.10 特殊な架空布設条件

 特殊な架空布設条件に対するケーブルの適合性は,次のような方法で試験し
てもよい(湖沼及び河川横断用ケーブルを除く)。
9.10.1 微風振動 JIS C 6851の21.(IEC 60794-1-2方法E19)による。
9.10.2 耐散弾銃特性 ケーブルの耐散弾銃試験は,JIS C 6851の16.(IEC 60794-1-2方法E13)による。

10. 包装

 ケーブルは,リール巻き又は束取りの状態で供給され,輸送に耐える適切な保護,ケーブル両
端末の封止,及び必要な場合には,防湿処置を施さなければならない。

11. 品質保証

 規格要求事項に対するケーブルの適合性は,9.の該当する項目に規定する試験を実施する
ことによって検証する。すべての試験をケーブル全数について実施する必要はなく,試験の頻度は,受渡
当事者間の合意による。
製品がこの規格の要求事項を満足することを確実にする品質管理手順によって,品質保証体制を確立す
ることは,製造業者の責任である。購入者が,ほかの品質手順によって受入検査を行う場合には,発注時
に受渡当事者間で基本的な合意がなされているものとする。
関連規格 JIS C 3005 ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法

――――― [JIS C 6870-3 pdf 12] ―――――

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附属書A(参考)光ファイバケーブルのPMDの統計的仕様に関する指針
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
1. まえがき 偏波モード分散(PMD)は,確率論的な特性であり,その大きさは,時間及び波長によって
ランダムに変化する。光ファイバケーブルにおけるPMDの瞬時的な値の変動は,Maxwellの確率密度関数
によって記述され,その尺度は,ある波長域で測定されるPMD瞬時値の平均を長さの平方根(モード結
合のある光ファイバの場合)で除したPMD係数で表される。
同じ長さのケーブルを接続したリンクのPMD係数は,リンクを構成する個々のケーブル区間のPMD係
数の2乗平均となる。個々のケーブルのPMD係数は,ランダムに分布するため,それらを接続したリン
クのPMD係数もまた,ランダムに分布する。しかし,ケーブルを接続した場合に起こる平均化作用によ
って,接続されたリンクにおけるPMD係数の分布は,個々のケーブルのそれよりもばらつきが小さくな
る。
方法1は,PMD設計値を定義することによって,接続されたケーブルのPMD係数の変動が小さくなる
ことを利用している。このPMD設計値は,少なくとも20本のケーブルを接続したケーブルリンクのPMD
の統計的上限値を計算するのに使用することができる。この上限値は,PMDの最悪値を使って求められる
値よりも,接続されたリンクで起こり得るPMD最大値としてより現実的な値を意味する。
方法1は,接続されたリンクのPMDの統計的上限値を与えることから,そのPMDが製造業者のいう統
計的上限を満足するかどうか測定するのに,承認されたPMD測定方法を布設後のケーブルリンクに適用
することができる。さらに,この上限値は,あらゆるタイプの伝送システムの特性に対するリンクPMD
の影響を見積もるのに使用することができる。
方法2は,リンク両端間のPMD瞬時値が,与えられた波長において規定値を超える確率を見積もるた
めに,接続されたリンクのPMD密度関数とPMD瞬時値のMaxwellの確率密度関数とを組み合わせたもの
である。その計算は,40本のケーブルからなる長さ400 kmの基準リンクについて行われる。
附属書の5.1項に両方法の共通の特徴を示す。また,附属書の5.2項には方法1の詳細,附属書の5.3項
には方法2の詳細をそれぞれ示す。さらに附属書の5.4項には,デジタルシステムの設計に対する方法1
の結果の適用指針を示す。
この附属書は,光ファイバケーブルの偏波モード分散の統計的仕様を決めるための定義について記述す
る。
2. 装置 個々のケーブル区間のPMD測定には,IEC 60793-1-48に規定する装置を使用する。
3. 試験サンプル IEC 60793-1-48に従って,ケーブル区間について測定を行う。
4. 試験手順 試験手順は,IEC 60793-1-48による。

――――― [JIS C 6870-3 pdf 13] ―――――

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5. 計算 個々のケーブル区間に対するPMD係数の値の算出は,IEC 60793-1-48による。十分な数のケ
ーブル区間について測定が行われた場合には,この規格に対する適合性を評価するために,次に示す統計
的手法を用いる。ケーブルとシステム内の他の光部品とを組み合わせた全体的な特性の算出は,IEC
61282-3による。
5.1 接続された個々のケーブル区間 二つの方法の共通の特徴として,光リンク全体のPMD係数は,リ
ンクを構成するケーブルの長さが等しい場合にはそれら個々のPMD係数の2乗平均になるという事実に
基づいていることが挙げられる。
xi及びliをそれぞれ個々のケーブル中の光ファイバのPMD係数 ( ps / km )及び長さとすると,M個のケ
ーブルを接続したリンクのPMD係数XM ( ps / km )は,次のようになる。
M
2
xi li
i 1
XM M

(pdf 一覧ページ番号 )

                                   li
i 1
長さの等しい(li=lc) 個のケーブルからなるリンクのPMD係数は,式(1)から,
M
2
xi
i 1
XM (2)
M
となる。接続されたリンクPMD係数XMの変動は,光ファイバの接続による平均化作用によって,個々の
ケーブル区間のPMD係数xiの変動より小さくなる。
5.2 方法1 : PMD設計値
5.2.1 リンクPMD係数の確率分布の決定 式(2)によれば,特定の接続されたリンクのPMD係数XMは,
リンクを構成する個々のケーブル区間のPMD係数xiから求めることができる。リンクPMD係数の確率分
布は,ケーブルPMD係数及びリンクを構成するケーブル区間の数に依存する。
リンクPMD係数の分布を評価する方法には,次に示す三つの方法がある。方法a)は数値的手法であり,
方法b)及びc)は解析的手法である。二つの解析的手法のうち,方法b)は,ケーブルPMD係数の分布に特
定の解析関数を仮定するのに対し,方法c)は,そのような仮定は用いず,中心極限定理の拡張を利用する
方法である。
a) モンテカルロ法[1](Monte Carlo numeric method) モンテカルロ法は,その関数形式にいかなる仮定も
用いずに,リンクPMD係数の確率密度flinkを求めることができる。この方法は,測定するケーブルの
母集団を繰り返しサンプリングすることによって,リンクを構築する過程を模擬する。PMD係数は,
基になる分布の特性を記述できるように,十分大きな数のケーブル化された光ファイバについて測定
する。次にこのデータを用いて,リンクの中の1本の光ファイバルートについてPMD係数を算出す
る。
リンクPMD係数の計算は,測定したケーブルPMD係数の中からM個の値をランダムに抽出し,
式(2)に従ってそれらに2乗平均を加えていくことによって行う。算出したリンクPMD係数は,ほか
のランダムなサンプリングによって得られた値と一緒に,表又はヒストグラムに記入する。この手順
を繰り返し,リンクPMD係数の分布が0.001 km 幅の高密度のヒストグラムを形成するまで,十
ps /
分な数のリンクPMDを計算する。
中心極限定理によって,リンクPMD係数のヒストグラムは,最低二つのパラメータで記述できる

――――― [JIS C 6870-3 pdf 14] ―――――

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分布に収れん(斂)する傾向にある。そこで,このヒストグラムは,サンプルサイズによって決まる
水準より小さい確率水準に外挿できる媒介変数方程式で近似することができる。二つのパラメータは,
常に分布の二つの側面,すなわち中心値及び中心値のまわりの変動性を表す。ヒストグラムの形状に
基づいて,確率分布を選択することができる。典型的な分布は,対数正規(リンクPMD係数の対数
が正規分布となる。)か又はガンマ分布から導かれるものとなる。
b) ガンマ分布法[2](Gamma distribution analytic method) ガンマ分布は,測定されたケーブルPMD係数及
びリンクPMD係数の両方を表すのにしばしば用いられる。測定されたケーブルPMD係数xiの2乗が
ガンマ確率変数として分布すると仮定すると,ケーブルPMD係数の確率密度は,次の式で与えられ
る。
2 x2 1
,
fcable (x,) exp( x2 ) (3)
( )
ここに, x : ケーブルPMD係数のとりうる値
Γ(α) : ガンマ関数
α及びβ : 密度の形状を支配する値
α及びβの値を求めるには,式(3)を測定したケーブルPMDデータにあてはめるために,最ゆう(尤)
法のような標準的な近似手法を用いることができる。M本の接続されたケーブルのリンクPMD係数
の確率密度XMは,式(3)と同じ形をとるが,α及びβは,Mα及びMβで置き換えられる。
2M 1
(2M ) M XM 2
flink (XM ;M,
, ) exp( M XM ) (4)
(M )
結果として,式(3)を測定されたケーブルPMD係数にあてはめて求めたα及びβの値を式(4)に用い
て,リンクPMD係数の確率密度を記述することができる。
c) 中心極限定理法[3](Model-independent analytic method) )の方法より,更に一般的な代替法がある。こ
の方法は,測定されたケーブルPMD係数を記述する密度関数の形に関していかなる仮定も用いない。
N本のケーブル化した光ファイバについてPMD係数xiを測定し,その2乗の平均,分散及び3次
モーメントを計算する。
N
1 ix 2
μ1
N i 1
N
1 2
μ2 (xi μ1 )2

(pdf 一覧ページ番号 )

                              N   1 i 1
N
1 2
μ3 (xi μ1 )3
N 1 i 1
M本の等しい長さのケーブルを接続したある光ファイバルートのリンクPMD係数を表す確率変数
をXMとし,XMのとりうる値をuとする。拡大した中心極限定理[3]によって,リンクPMD分布は近
似的に次のように表される。
12
Flink (u;M) (z(u)) tM 1( z(u)2 )
(z(u)) (6)
ここに,
2z
1
(z) exp( )
2 2
z
(z) ( yd) y

――――― [JIS C 6870-3 pdf 15] ―――――

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JIS C 6870-3:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60794-3:2001(MOD)

JIS C 6870-3:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6870-3:2006の関連規格と引用規格一覧