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3.7
単電池(cell)
電極,セパレータ,電解液,容器,端子などで構成し,充電することによって化学エネルギーを電気エ
ネルギーに変換して電気エネルギー源を供給するシステムの基本構成ユニット。
3.8
組電池(battery)
電気エネルギー源として使用できるよう単電池を単数又は複数使用して組み立てたもので,電圧,寸法,
端子配列,容量及び放電性能によって特徴付けるもの。
3.9
トリクル充電(trickle charge)
単電池の自己放電を補うため負荷から切り離した状態で,微小な電流を流して行う充電方法。
3.10
ポータブル機器用組電池(battery for portable applications)
(この規格で使用しないため,不採用とした。)
4 測定精度
制御する値又は測定値の総合精度は,次の各項目の範囲内でなければならない。
a) 電圧 ±1 %
b) 電流 ±1 %
c) 容量 ±1 %
d) 温度 ±2 ℃
e) 時間 ±0.1 %
f) 寸法 ±0.1 mm
g) 湿度 ±5 %
これらは,測定器具,使用する測定技術及び試験の手順におけるその他の発生源によって生じる総合的
な精度でなければならない。
試験結果の報告には,使用した測定器具類の詳細を記載する。
4A 測定器具
試験に使用する測定器具類は,測定値の大きさに応じて選択する。また,次に示す精度を確保するため
に,測定器具は,定期的に校正しなければならない。
a) 電圧の測定 電圧測定の器具は,アナログ式の場合,JIS C 1102-2に規定する階級0.5級又はこれと同
等以上の精度をもつ電圧計とする。デジタル式の場合,アナログ式と同等の精度をもつ電圧計を使用
する。
電圧計の抵抗値は,10 kΩ以上とする。
b) 電流の測定 電流測定の器具は,アナログ式の場合,JIS C 1102-2に規定する階級0.5級又はこれと同
等以上の精度をもつ電流計とする。デジタル式の場合,アナログ式と同等の精度をもつ電流計とする。
この精度は,電流計,分流器及び導線を組み立てた電流の測定器において維持する。
c) 温度の測定 温度測定の器具は,JIS B 7414に規定する許容差±1 ℃若しくはこれと同等以上の精度
をもつ一般ガラス製棒状温度計,又は最小読取値が1 ℃以下のデジタル式温度計とする。
――――― [JIS C 8705 pdf 6] ―――――
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デジタル式温度計の精度は,±0.5 ℃とする。
d) 時間の測定 時間測定の器具は,1時間当たりの誤差が±1秒又はこれと同等以上の精度をもたなけれ
ばならない。
e) 寸法の測定 寸法測定の器具は,JIS B 7507に規定する0.05 mm目盛のノギス又はこれと同等以上の
精度をもつノギスとする。
f) 湿度の測定 湿度測定に使用する器具は,JIS Z 8806の10.1(電子式湿度計)に規定するもの又はこ
れと同等以上の精度をもつ器具とする。
5 単電池及び組電池の分類及び表示
5.1 単電池及び組電池の分類
5.1.1 小型角形単電池及び円筒形単電池
5.1.1.1 一般事項
単電池は,放電性能によって,L,M,J,H又はXの五つの文字で区分する。
− 低率放電性能(L)
− 標準率放電性能(M)
− 標準率放電性能と高率放電性能との中間(J)
− 高率放電性能(H)
− 超高率放電性能(X)
注記1 これらの文字は,次の放電率の場合に使用するのが通常ではあるが,他の放電率の場合に使
用してもよい。
− Lは,0.5 It Aまで
− Mは,3.5 It Aまで
− Jは,5.0 It Aまで
− Hは,7.0 It Aまで
− Xは,15 It Aまで又はそれ以上
注記2 これらの単電池の電流は,It Aの倍数で表される。It Aは,次の式によって求めることができ
る(IEC 61434参照)。
C5Ah
It A
h1
40 ℃を超える高温で連続充電しながら使用できる単電池の場合,文字L,M,J,H又はXの後に文字
“T”を付ける(以下,T単電池という。)。
50 ℃を超える高温で連続充電しながら使用できる単電池の場合,文字L,M,J,H又はXの後に文字
“U”を付ける(以下,U単電池という。)。
1.0 It Aで急速充電できる単電池の場合,文字L,M,J,H又はXの後に文字“R”を付ける(以下,R
単電池という。)。
5.1.1.2 小型角形単電池
小型角形単電池は,“KF”の文字,それに続くL,M,J,H又はXの文字,及びそれに続く斜線で区切
った3群の数字で示し,次による。
a) 最初の斜線の左側 : 2桁の数字は,単電池に規定する幅の最大値を示し,ミリメートル表示の小数点
以下を切り上げた整数で表す。
――――― [JIS C 8705 pdf 7] ―――――
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b) 斜線で囲んだ中央 : 2桁の数字は,単電池に規定する厚さの最大値を示し,ミリメートル表示の小数
点以下を切り上げた整数で表す。
c) 二つ目の斜線の右側 : 2桁の数字は,単電池に規定する総高の最大値を示し,ミリメートル表示の小
数点以下を切り上げた整数で表す。
分類の例を,次に示す。
例 KFL18/07/49(低率放電性能の小型角形単電池で,幅の最大値が18 mm,厚さの最大値が7 mm及
び総高の最大値が49 mmを示す。)
5.1.1.3 円筒形単電池
円筒形単電池は,“KR”の文字,それに続くL,M,J,H又はXの文字,及びそれに続く斜線で区切っ
た2群の数字で示し,次による。
a) 斜線の左側 : 2桁の数字は,単電池に規定する直径の最大値を示し,ミリメートル表示の小数点以下
を切り上げた整数で表す。
b) 斜線の右側 : 2桁の数字は,単電池に規定する総高の最大値を示し,ミリメートル表示の小数点以下
を切り上げた整数で表す。
製造業者が,乾電池と互換性がある寸法及び許容誤差によって単電池を設計する場合,表2の分類を単
電池の表面に表示することもできる。
分類の例を,次に示す。
例1 KRL33/62(低率放電性能の円筒形単電池で,直径の最大値が33 mm及び総高の最大値が61.5 mm
を示す。)
例2 KRLT33/62(40 ℃を超える高温での連続充電に使用する低率放電性能の円筒形単電池で,直径
の最大値が33 mm及び総高の最大値が61.5 mmを示す。)
例3 KRHR23/43(急速充電に使用する高率放電性能の円筒形単電池で,直径の最大値が23 mm及び
総高の最大値が43 mmを示す。)
乾電池と寸法上の互換性がある単電池は,L,M又はRの文字,及びそれに続く次の1桁又は2桁の数
字で,その寸法を表す。
− 20 : 単一形(Dサイズ)
− 14 : 単二形(Cサイズ)
− 6 : 単三形(AAサイズ)
− 03 : 単四形(AAAサイズ)
分類の例を,次に示す。
例4 KRMR03(標準率放電性能の円筒形ニッケル・カドミウム蓄電池であり,急速充電に使用され,
寸法は乾電池と互換性があるAAAサイズを示す。)
5.1.2 ボタン形単電池
ボタン形単電池は,“KB”の文字,それに続くL,M又はHの文字,及びそれに続く斜線で区切った2
群の数字で表す。L,M及びHの意味は,それぞれ次のとおりとする。
− L : 低率放電性能
− M : 標準率放電性能
− H : 高率放電性能
3文字からなる1群に続く斜線で区切った2群の数字は,次による。
――――― [JIS C 8705 pdf 8] ―――――
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a) 斜線の左側 : 3桁の数字は,単電池に規定する直径の最大値を示し,ミリメートル表示の小数点第2
位を切り上げた小数点第1位まで数値で表す。
b) 斜線の右側 : 3桁の数字は,単電池に規定する総高の最大値を示し,ミリメートル表示の小数点第2
位を切り上げた小数点第1位まで数値で表す。
分類の例を,次に示す。
例 KBL116/055(低率放電性能のボタン形単電池で,直径の最大値が11.6 mm及び総高の最大値が5.5
mmを示す。)
5.1.3 組電池
密閉型ニッケル・カドミウム組電池の形式は,次による。
N1 単電池を表す記号-N2
N1は,組電池内で直列に接続した単電池の数。
N2は,並列に接続した2以上の単電池の数(1は表示しない)。
この表記は,組電池全体の特性表記ではなく,単電池の特性表記とする。
− 小型角形組電池
例1 2KFL18/07/49(低率放電性能の小型角形単電池で,幅の最大値が18 mm,厚さの最大値が7 mm
及び総高の最大値が49 mmの単電池2個を直列に接続した組電池を示す。)
− 円筒形組電池
例2 3KRL33/62(低率放電性能の円筒形単電池で,直径の最大値が33 mm及び総高の最大値が61.5
mmの単電池3個を直列に接続した組電池を示す。)
− 一次電池と互換性がある組電池
例3 KRMR03-3(標準率放電性能で,AAAサイズ(単4形)と互換性がある急速充電可能な単電
池3個を3並列に接続した組電池を示す。)
− ボタン形組電池
例4 KBL116/055-3(低率放電性能で直径の最大値が11.6 mm及び総高の最大値が5.5 mmの単電
池3個を3並列に接続した組電池を示す。)
5.2 単電池及び組電池の接続用端子
この規格では,単電池及び組電池の接続用端子を規定しない。
5.3 表示
5.3.1 小型角形単電池及び円筒形単電池
接続用端子がない絶縁被覆付き単電池には,容易に消えない方法で少なくとも次の事項を表示する。
− 密閉型ニッケル・カドミウム蓄電池を表す名称
例 ニッケル・カドミウム蓄電池,Secondary sealed nickel-cadmium又はNi-Cd
− 定格容量
− 公称電圧
− 極性(+,−)
− 製造時期(年,及び月又は週を明瞭に表示する。表示は,記号又は略号でもよい。)
− 製造業者若しくは供給業者の名称,又はそれらの登録商標若しくはその略号
− 単電池の資源有効利用促進のためのマーク表示
注記1 マーク表示については,“資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年4月26日法律
第48号)”による。
――――― [JIS C 8705 pdf 9] ―――――
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注記2 小型角形単電池又は円筒形単電池を組電池に使用する場合,一般的に,それぞれの単電池
に上記の情報を表示する必要はない。この場合,組電池側に上記の情報を表示する。
注記3 この供給業者とは,自身で製造を行わず製造業者から製品を購入し第三者へ供給する者を
いう。
5.3.2 ボタン形単電池
接続用端子がない各ボタン形単電池には,容易に消えない方法で少なくとも次の事項を表示する。
− 5.1に規定する単電池の分類
例 KBL116/055
− 極性(+,−)
− 製造時期(年,及び月又は週を明瞭に表示する。表示は,記号又は略号でもよい。)
− 製造業者若しくは供給業者の名称,又はそれらの登録商標若しくはその略号
− 単電池の資源有効利用促進のためのマーク表示
5.3.3 組電池
組電池には,容易に消えない方法で少なくとも次の事項を表示する。
− 密閉型ニッケル・カドミウム蓄電池を表す名称
例 ニッケル・カドミウム蓄電池,Secondary sealed nickel-cadmium battery又はNi-Cd
− 定格容量
− 公称電圧
− 製造時期(年,及び月又は週を明瞭に表示する。表示は,記号又は略号でもよい。)
− 組電池の資源有効利用促進のためのマーク表示
5.4 表示の例外
それぞれの単電池又は組電池のラベルには,5.3.15.3.3に規定されている最小限の情報を表示しなけれ
ばならない。そのため,注意事項のような追加情報は,単電池又は組電池のラベルではなく,取扱説明書
に記載することが望ましい。
また,ソフト若しくはハードプラスチックの外部に安全に関する注意事項が印刷されていれば,そこに
収納されている単電池若しくは組電池のラベルに注意事項の詳細を表示しないことが望ましい。
6 寸法
6.1 小型角形単電池及び円筒形単電池
6.1.1 一般事項
単電池の寸法(絶縁被覆を含む。)は,図1及び図2に示す箇所を測定する。
――――― [JIS C 8705 pdf 10] ―――――
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JIS C 8705:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61951-1:2017(MOD)
JIS C 8705:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.220 : 電池及び蓄電池 > 29.220.30 : アルカリ二次電池(アルカリ蓄電池)
JIS C 8705:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7414:2018
- ガラス製温度計
- JISB7507:2016
- ノギス
- JISC1102-2:1997
- 直動式指示電気計器 第2部:電流計及び電圧計に対する要求事項
- JISC8500:2017
- 一次電池通則
- JISC8515:2017
- 一次電池個別製品仕様
- JISC8712:2015
- ポータブル機器用二次電池(密閉型小型二次電池)の安全性
- JISC8713:2006
- 密閉形小形二次電池の機械的試験
- JISZ8806:2001
- 湿度―測定方法