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ットが限度値内にあることを確認するために監視する。並列配置の場合,個々の分岐電流の計測を避ける
ために分析をしてもよい。結果は,充電するための規定動作領域を超えてはならない(例えば,電圧及び
電流の限度は温度による。)。
注記1 次は,分析結果の一例である。
充電器の最大供給可能電流が単一セルの最大充電電流を超えない場合は,並列接続の充電
電流を監視する必要はない。
直列配置のバッテリーの場合は,試験は故意に不均衡にしたバッテリーで繰り返し行う。一つのセルを
完全充電の約50 %まで充電することで,完全放電バッテリーに不均衡が生じる。
通常使用で50 %未満の不均衡が起きることを試験又は設計評価を通して実証できる場合は,低い方の不
均衡を用いてもよい。
注記2 例として,バッテリーパックのセル間のバランスを保つために電気回路を使用する設計があ
る。
直列の少量のセルをもつシステムは,より小さな初期不均衡で準備されたバッテリーで製
品が動作しなくなった場合は,実際には限られた不均衡を示すことがある。
注記3 試験の実施例として,製造業者の指示に従って,試験終了時の不均衡を使って定格容量の
80 %まで容量が下がるまで,バッテリーの充放電を繰り返すことがある。
O.8 温度保護
O.8.1 一般要求事項
バッテリー駆動の溶接電源には,温度保護を備えていなければならない(鉛バッテリーは除外する。)。
この温度保護は,8.2,8.3,O.8.4,及び8.58.7の要求事項を満たさなければならない。
適合性は,目視検査によって確認する。
O.8.4 動作能力
温度保護は,定格最大溶接電流を供給しているときに,200回動作できなければならない。
適合性は,温度保護が使われる回路と同じ電気特性,特に電流及びリアクタンスをもつ回路に適切な過
負荷をかけて確認する。
O.9 異常操作
O.9.1 一般要求事項
全ての溶接電源及びバッテリーパックは,O.9.2O.9.207の操作条件の下で,故障してはならず,電撃
又は火災の危険が増大してはならない。
適合性は,次の試験によって確認する。
O.9.2 ファン停止試験
箇条7の試験に適合するためにモータ駆動の(一つ以上の)ファンに依存する溶接電源は,O.7.1の出
力条件で全てのファンを機械的に停止させ,かつ,完全充電バッテリーで運転する。
O.9.3 短絡試験
バッテリー駆動の溶接電源は,通常,製造業者によって供給されるトーチ及び溶接ケーブルを用いて,
又は供給されないときは,表8に示す断面積をもつ長さ1.2 mの導電体を用いて短絡する。
注記 SI単位系でない断面積を,表F.1に示す。
完全充電バッテリーで,最大出力に設定されたバッテリー駆動の溶接電源は,短絡時に入力ヒューズ又
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は電流遮断器が次の条件で遮断してはならない。
a) 垂下特性の場合は,15秒間
b) 定電圧特性の場合は,1分間以内に1秒間の短絡を3回
短絡は,2分間又は保護装置が作動するまで継続する。
O.9.4 過負荷試験
この項は適用しない。
箇条9への追加要求事項は,次による。
O.9.201 溶接電源−異常状態
バッテリー駆動の溶接電源,バッテリーパック,並びに次のb) 及びc) にあるケーブルは,必要に応じ
て,両端を150 mmに伸ばした乾燥した脱脂綿の上に置く。試験は故障するか,試験サンプルが周囲温度
の5 K以内に戻るまで,又はいずれも起こらない場合は,3時間以上経過するまで行う。
次の不具合に対して,新しいサンプルを使用してもよい。ただし,試験中又は試験後に爆発してはなら
ない。
− O.6.2に規定するように,電撃に対する適切な保護を備えている。
− 綿のチャリング又は燃焼を,生じない。
− セルのガス抜きは許容されている。
− 細別a),b),及びc) の短絡に対する抵抗は,10 mΩを超えない。
− 短絡手段からの綿のチャリング又は発火は,故障とみなさない。
ヒューズ,熱動開閉器,温度ヒューズ,温度制限,電子機器又は放電電流を遮断する部品若しくは導電
体は,上記の試験中に作動してもよい。
機器が試験に合格することが,これらの部品に依存している場合,試験は二つの追加サンプル機器を用
いて,もう2回繰り返し,試験が正常に終了しない限り,同じ方法で回路を開放する。代替として,試験
は開回路デバイスを短絡して繰り返してもよい。
a) 着脱式バッテリーパックの露出した端子の組合せは,最悪の結果を生じさせるように短絡させる。JIS
C 0922:2002の検査プローブB又はJIS C 0922:2002の検査プローブ13にいずれかで接続されたバッ
テリーパックの端子は,露出しているとみなす。
短絡の手段は,綿のチャリング又は発火に影響を受けていないように,選択又は配置する。
b) 分離形バッテリーパックとバッテリー駆動の溶接電源との間のケーブルは,最も悪影響を与える可能
性がある箇所で短絡する。
c) バッテリーパック又はバッテリー駆動の溶接電源と充電器との間のケーブルは,最も悪影響を与える
可能性がある箇所で短絡する。
O.9.202 溶接回路部品−異常状態
次の故障条件は,溶接電源の電源回路経路とみなされ,必要に応じて一つずつ適用され,重要な故障と
みなす。
a) いずれかの部品の端子の開回路
b) EC 60384-14に適合しないコンデンサの短絡
c) モノリシック集積回路以外の,電子部品のあらゆる二つの端子の短絡
この故障は,フォトカプラの入出力端子間には適用しない。
d) ダイオードモードにおけるトライアックの故障
e) ) d) までの故障状態で評価されないモノリシック集積回路又はその他の回路の故障。この場合,安
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全性がそのような部品の正しい機能に依存しないことを保証するために,溶接電源の可能性のある危
険状況を評価する。全ての可能な出力信号は,集積回路内の故障状態と考える。特定の出力信号が発
生する可能性が低い場合,関連故障と考えない。
サイリスタ又はトライアックのような部品は,故障状態e) に当たらない。
製造元の仕様内で使用されている場合は,正の温度係数抵抗(PTCs)は短絡しない。
条件の模擬として,溶接電源は最大出力設定の無負荷条件で運転する。
試験は,故障するか又は次のいずれかが起こるまで行う。
− 熱平衡が成り立つ。
− 試験サンプルが周囲温度5 K以内に戻る。
− 試験時間が3時間経過する。
注記 溶接電源及びその回路図を調査することで,回路分析を通して模擬された故障原因が明らかに
なるため,最も好ましくない結果をもたらす可能性のある,これらのケースに試験を限定する
ことができる。
O.9.203 リチウムイオン充電システム異常状態
この細分箇条は,リチウムイオンバッテリーだけに適用する。
リチウムイオンシステムの充電システム及びバッテリーは,充電中の異常動作の結果として起こる火災
又は爆発の危険性がないよう考慮して設計されなくてはならない。
適合性は,次の試験によって確認する。
バッテリー及びそれに関する充電システムの組立品を含むサンプルは,両端を150 mmに伸ばした乾燥
した脱脂綿の上に置く。
バッテリーシステムは,次のa) d) に記載されている異常状態のカテゴリで,O.17.1のt) 1) に規定さ
れたように運転する。
a) 故障の原因が分析結果に基づいて不明という結果になった場合,充電システムの部品は,O.9.202の
a) d) のように,一つずつ故障する。起こった故障状態について,充電前のバッテリーの状態は次の
いずれかである。
− 直列に配列されたバッテリーは,意図的に不均衡をもつ。
不均衡は,一つのセルを完全充電の約50 %まで充電することで,完全放電バッテリーへ取り込ま
れる。
− O.7.201の試験が50 %未満の不均衡で行われた場合,直列配列のバッテリーは,O.7.201に定める意
図的な不均衡をもつ,又は
− 単一セル又は並列配列だけのバッテリーは,完全に放電する。
b) .7.201の試験が回路の機能が原因で50 %未満の不均衡で行われ,また,回路内の部品の一つが故障
と分かった場合,直列配列のバッテリーは意図的な不均衡で充電する。
不均衡は,一つのセルを完全充電の約50 %まで充電することで,完全放電バッテリーへ取り込まれ
る。
c) 直列配列のバッテリーの場合,短絡したものは除き,全てのセルは約50 %に充電する。その後バッテ
リーを充電する。
d) 完全充電バッテリーを充電器につなぐと,バッテリーからの逆流の影響を受ける最も不都合な結果を
予想される位置で,部品又は隣接するPCB間で充電システムに向かって短絡が導入される。
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バッテリーを接続するケーブルを備えた充電器は,最も悪影響を及ぼす可能性がある場所で短絡が
導入されなければならない。
短絡の抵抗は,10 mΩを超えない。
試験中,それぞれのセルの電圧は限界値を超えていないか判定するために継続して監視される。セ
ルのガス抜きは許容されている。
試験は試験中のサンプルが故障するか,又は周囲温度が5 K以内に戻るまで行う。ただし,いずれ
でもない場合は,7時間か,又は通常の充電時間の2倍の時間かいずれか長い方が経過するまで行う。
次の全てが当てはまる場合,試験は合格したとみなす。
− 試験中に爆発がなかった。
− 綿がチャリングになったり燃えたりしなかった。短絡手段からの綿のチャリング又は発火は,故障
とはみなさない。
− セルは上限充電電圧の150 mVを超えていない。超える場合,充電システムは,永久にバッテリー
の再充電を禁止する。
再充電が禁止されているかどうか確認するには,試験済みの溶接電源(内蔵システムの場合)又は溶接
電源の新しいサンプル(取外し可能なバッテリーシステムの場合)を使用して,約50 %充電し,その後,
通常通りバッテリーの再充電を行う。
10分後又は公称容量の25 %が供給された後の,いずれか早い方に,充電電流が流れてはならない。
− O.14.204の遵守を損なうセルの通気口への損傷がない。
O.9.204 リチウムイオンバッテリーの短絡
この細分箇条は,リチウムイオンバッテリーだけに適用する。
極端な不均衡状態の下で,直列配列の一体形バッテリー,着脱式バッテリーパック又は分離形バッテリ
ーパックの主放電接続が短絡したときは,火災又は爆発の危険性があってはならない。
適合性は,次の試験によって確認する。
− 試験は全てのバッテリーセルを完全に充電し,一つのセルを完全に放電して行う。
− 着脱式バッテリーパック又は分離形バッテリーパックは,両端を150 mmに伸ばした乾燥した脱脂綿
の上に置く。
一体形バッテリーを搭載した溶接電源は,両端を150 mmに伸ばした乾燥した脱脂綿の上に置く。
− バッテリーの主放電接続は,10 mΩを超えない抵抗値で短絡する。試験は,試験中のサンプルが故障
するか,又は周囲温度が5 K以内に戻るまで行う。試験中又は試験後に爆発してはならない。綿のチ
ャリング又は燃焼を生じない。セルのガス抜きは許容されている。
− 短絡手段からの綿のチャリング又は発火は,故障とはみなさない。
ヒューズ,熱動開閉器,温度ヒューズ,温度制限,電子機器又は放電電流を遮断する部品若しくは導電
体は,上記の試験中に作動してもよい。
機器が試験に合格することが,これらの部品に依存している場合,試験は二つの追加サンプル機器を用
いて,もう2回繰り返し,試験が正常に終了しない限り,同じ方法で回路を開放する。代替として,試験
は開回路デバイス短絡して繰り返してもよい。
O.9.205 リチウムイオン以外のバッテリー−過充電
リチウムイオンタイプ以外のセルで構成するバッテリーは,火災又は爆発の危険性があってはならない。
適合性は,次の試験によって確認する。
可能な場合,バッテリーは両端を150 mmに伸ばした乾燥した脱脂綿の上に置き,5時間率の10倍で85
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分間充電を行う。
爆発又は綿がチャリング若しくは発火を生じない。
セルのガス抜きは,許容される。
O.9.206 バッテリーパックの取外し
バッテリーパックの電流回路内のプラグ,コネクタ及びスイッチは,この用途に適していて,火災及び
電撃の危険性がなく,バッテリー駆動の溶接電源からバッテリーパックを取り外せなければならない。
この細分箇条は,一体形バッテリー搭載の溶接電源には適用されない。
適合性は,次の試験の後,O.6.1.202によって目視検査で確認する。
出力が標準負荷に接続され,定格最大溶接電流を発生するように調整されたバッテリー駆動溶接電源を
動作させる完全充電バッテリーパックは,取外しを10回行う。
O.9.207 汎用バッテリー
ユーザが交換できる汎用バッテリーの場合,追加のリスク分析は製造業者によって行われなければなら
ない。
O.10 一次入力への接続
箇条O.10は,次の例外を除いて,一次入力に接続されたバッテリー電圧クラスB回路だけに適用する。
O.10.5 保護回路
10.5への追加要求事項は,次による。
O.10.5.201 バッテリー電圧クラスB回路の等電位ボンディングの導通試験
等電位ボンディングの電流経路(導電体,接続部など)を構成する全ての部品は,単一故障状態での最
大電流に耐えなければならない。
人が同時に触れることができるバッテリー電圧クラスBの電気回路の露出した導電部の間の等電位ボン
ディング経路の抵抗は,0.1 Ωを超えてはならない。
等電位ボンディング抵抗は,SELV電源から得られる50 Hzか60 Hzで,10 A以上の電流を導入するこ
とで試験され,この電流は,露出した二つの導電性部品の間の電位電流経路を5秒間以上通過させる。
この経路は,測定用の他の意図しない潜在経路から隔離されなければならない。
これらの導通部には,バッテリー電圧クラスBのコンポーネントハウジング,並びにバッテリー駆動の
溶接電源及びそのカバーへの接続も含む。
2.5 mまでの距離にある露出した二つの導電性部品の間の電圧降下を測定し,抵抗値は電流及びこの電
圧降下から計算する。
注記 2.5 mは人が届く一般的な距離である。
O.10.8 一次入力ON/OFF切替装置
10.8への追加要求事項は,次による。
内蔵されたバッテリー回路にON/OFF切替装置(例えば,スイッチ,接点,電流遮断器など)を設えて
いる場合,切替装置は次のa) 及びb),又はa) 及びc) を満足する。
a) 回路の開閉状態を明示している。
b) 次の定格をもつ。
− 電圧は,定格バッテリー電圧以上である。
− 電流は,定格最大溶接電流での標準溶接条件でバッテリー電流以上である。
c) この用途に適している。
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JIS C 9300-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60974-1:2017(MOD)
JIS C 9300-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.30 : 溶接設備
JIS C 9300-1:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0365:2007
- 感電保護―設備及び機器の共通事項
- JISC0445:1999
- 文字数字の表記に関する一般則を含む機器の端子及び識別指定された電線端末の識別法
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC0922:2002
- 電気機械器具の外郭による人体及び内部機器の保護―検査プローブ
- JISC1102-2:1997
- 直動式指示電気計器 第2部:電流計及び電圧計に対する要求事項
- JISC1302:2018
- 絶縁抵抗計
- JISC3663-6:2007
- 定格電圧450/750V以下のゴム絶縁ケーブル―第6部:アーク溶接電極ケーブル
- JISC60664-3:2019
- 低圧系統内機器の絶縁協調―第3部:汚損保護のためのコーティング,ポッティング及びモールディングの使用
- JISC60695-11-10:2015
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- JISC61558-1:2019
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- JISC61558-2-4:2012
- 入力電圧1 100V以下の変圧器,リアクトル,電源装置及びこれに類する装置の安全性―第2-4部:絶縁変圧器及び絶縁変圧器を組み込んだ電源装置の個別要求事項及び試験
- JISC61558-2-6:2012
- 入力電圧1 100V以下の変圧器,リアクトル,電源装置及びこれに類する装置の安全性―第2-6部:安全絶縁変圧器及び安全絶縁変圧器を組み込んだ電源装置の個別要求事項及び試験
- JISC9300-7:2017
- アーク溶接装置―第7部:トーチ
- JISZ8210:2017
- 案内用図記号