JIS C 9300-1:2020 アーク溶接装置―第1部:アーク溶接電源 | ページ 23

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適合性は,b) に対してはその他の関連する基準に従った目視検査によって,また,c) に対しては次の
試験によって確認する。
過負荷試験は,O.9.3に従って完全充電バッテリー駆動溶接電源の出力を短絡する。切替装置は,1秒間
以上のオン時間をもって,1分間に6回10回の周期で,100回動作させる。
耐久性試験は,出力に標準負荷を接続し,定格最大溶接電流を発生させるよう調整する。切替装置は,1
秒間以上のオン時間が1分間に6回10回の周期で1 000回動作させる。
箇条10への追加要求事項は,次による。
O.10.201 分離形バッテリーパックを備えたバッテリー駆動溶接電源の場合,外部フレキシブルケーブル
は,溶接電源内の導体のねじれを含むひずみを和らげるアンカーを備え,摩耗から保護されなければなら
ない。
適合性は,10.6に従った試験によって確認する。
O.14 機械的要求事項
O.14.1 一般要求事項
14.1への追加要求事項は,次による。
試験後に,バッテリー駆動の溶接電源及びバッテリーパックは,発火又は爆発しない。さらに,O.14.2.2
及びO.14.4の試験後に,リチウムイオンバッテリーは,次を満たさなければならない。
− バッテリーの開放電圧は,試験の直前に測定した電圧の90 %以上である。
− バッテリーは,試験後,正常な放電及び再充電を示す。
− O.14.204の遵守を損なうセルの通気口への損傷がない。
O.14.2 きょう体(外箱)
O.14.2.2 きょう体(外箱)強度
14.2.2への追加要求事項は,次による。
着脱式バッテリーパックは,きょう体(外箱)の強度試験中装着していなければならない。
3 kg以上の質量をもつ着脱式バッテリーパック又は分離形バッテリーパックの場合,試験はバッテリー
パックをきょう体(外箱)から切り離して繰り返す。
O.14.4 落下耐量
着脱式バッテリーパックを備えた装置は,落下試験に耐えなければならない。この試験では,装置には,
設置が推奨される全ての関連附属品,冷却液及び溶接ワイヤを装備しておく(ガスボンベ,分離式トレー
ラー,カート及び台車は除く。ただし,それらが標準装備で恒久的に固定された装備である場合は除く。)。
落下試験の高さは,次による。
a) 質量が25 kg以下の装置は,250 mmの高さからの落下に耐える。
b) 質量が25 kgを超える装置については,100 mmの高さからの落下に耐える。
注記1 装置の質量には,関連附属品,冷却液及び溶接ワイヤの質量を含む。
適合性は,装置を堅い面に3回落下させることによって確認する。この試験は,各々の落下の際,装置
のそれぞれ異なった底部の角を当てるようにする。
注記2 実際には,一角が最初に衝撃面に当たる。
また,3 kg未満の着脱式バッテリーパック又は分離形バッテリーパックは,高さ1 mから3回,バッテ
リーパックごとに試験を繰り返し行う。
サンプルは,衝撃点を変えるように配置する。

――――― [JIS C 9300-1 pdf 111] ―――――

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箇条14への追加要求事項は,次による。
O.14.201 着脱式バッテリーパック又は分離形バッテリーパックは,逆極性に取り付けることができては
ならない。
適合性は,目視検査によって確認する。
O.14.202 リチウムイオンバッテリーきょう体(外箱)の圧力試験
この細分箇条は,リチウムイオンバッテリーだけに適用する。
リチウムイオンバッテリーのきょう体(外箱)は,ガス抜きの結果として発生する可能性のあるガスを
安全に放出できるように設計されなければならない。
適合性は,a) の場合は測定,又はb) の試験によって確認する。
a) ガスが支障なく通過できるきょう体(外箱)開口部分の総面積は,20 mm2以上である。
b) きょう体(外箱)は,次の手順で試験する。
− 合計(21±2.1)mLの空気は,(2 070±207)kPaの初期圧力で,一体形バッテリー搭載の溶接電
源のきょう体(外箱),又は着脱式バッテリーパック若しくは分離形バッテリーパックのきょう体
(外箱)の(2.87±0.05)mm径の孔を通して溶接電源のきょう体(外箱)に送られる。
− きょう体内(外箱)の気圧は,30秒間で70 kPa未満に下がらなければならない。
− この規格の要求事項を満たすために,きょう体(外箱)が原因となる破裂が生じてはならない。
− 試験に必要な場合は,3 mLを超えない追加容積をきょう体(外箱)に追加してもよい。
O.14.203 製造業者は,指定した汎用バッテリーだけをバッテリー駆動溶接電源の主要なエネルギー源と
して使用するように指示しなければならない。
適合性は,目視検査によって確認する。
O.14.204 バッテリーセルの通気口が,ガス抜きが安全のための場合,その動作を無効にするような方法
で妨げられてはならない。
適合性は,検査によって確認,又は疑義がある場合は,セルの通気口以外に通気していないことを確認
するために,O.9.201のa),b) 及びc) の異常試験が終了してから,セルの検査をして確認する。
O.14.205 バッテリーシステムの構成部品間に使用者がアクセス可能なインターフェイスは,次のタイプ
のコネクタを使用してはならない。
− 一次電源の接続を除く,標準主電源入力コネクタ
− 外径6.5 mm以下のたる形コネクタ
− 直径3.5 mm以下の電話プラグ
適合性は,目視検査によって確認する。
O.15 定格銘板
O.15.3 内容
a) (機器)の識別名
枠4) 溶接電源のシンボル(任意)及び例えば,次のような一体形バッテリーの形番(識別)
NiCd ニッケルカドミウムバッテリー
NiMH ニッケル水素バッテリー
Li-ion リチウムイオンバッテリー
b) 溶接出力
枠12) 2max=···A シンボル及び定格最大溶接電流の値

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枠13) 2=···V シンボル及び標準負荷電圧
枠11a),11b),11c) 適用しない
枠12a),12b),12c) 適用しない
枠13a),13b),13c) 適用しない
代替として,溶接中の連続充電が,O.7.1.1に従って可能な溶接電源の場合,15.3 b) に規定する使
用率を使用することができる。
c) エネルギー供給
枠14) 例えば,次のようなエネルギー供給のシンボル
直流
枠 一体形バッテリーの溶接電源 枠 取外し可能又は分離可能なバッテリーの
溶接電源
15) Ub···V 定格バッテリー電圧 15) Ub···V 定格バッテリー電圧
16) E···Wh セルの定格容量に基づいた定格
バッテリー容量
17) Ib···A 定格充電電流
19) 充電器 製造業者に指定された充電器 19) バッテリー 製造業者に指定されたバ
注記 枠15)17) は,対応する値で表を作る。 ッテリー
15.3への追加要求事項は,次による。
d) 取外し可能又は分離形バッテリーパックは,次の情報を追記しなければならない。
− 製造業者による形番(識別)
− 少なくとも製造月が分かる製造年月日のコード
− 定格バッテリー電圧
− 決められたセルの定格容量に基づいた製造業者がW・hで割り当てた容量
− アルカリ又は酸性電解質でないバッテリーに関しては,Li-Ion,NiCd又はNiMHのバッテリーの
形番(識別)
注記 カナダ及び北米では,次の追加要求事項が適用される。
脱着式バッテリーパック又は分離形バッテリーパックのバッテリー駆動溶接電源には,次の
ことを記す。
“○○バッテリーの使用だけ”又はそれに相当するもので,○○にはバッテリーパックの製
造業者の名前若しくは商標,カタログ番号,シリーズの識別又はそれらに相当するものを記入
する。
代替として,“追加のバッテリーに関しては取扱説明書を参照”,又はそれに相当する文書を
少なくともカタログ番号で参照されるバッテリーパックの一つに追加してもよい。
着脱式バッテリーパック,分離形バッテリーパック又は一体形バッテリー搭載の溶接電源は,
“○○充電器の使用だけ”又はそれに相当することを記入する。
○○には充電器の製造業者の名前若しくは商標,カタログ番号,シリーズの識別又はそれら
に相当するものを記入する。
代替として,“追加の充電器に関しては取扱説明書を参照”又はそれに相当する文書を少なく
ともカタログ番号で参照される充電器の一つに追加してもよい。

――――― [JIS C 9300-1 pdf 113] ―――――

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O.17 取扱説明書及び注意書き
O.17.1 取扱説明書
17.1への追加要求事項は,次による。
t) バッテリー駆動溶接電源の場合,次を追加で記載する。
1) バッテリー充電に関する取扱い,溶接電源並びにバッテリーの使用及び保管に関する周囲温度範囲
の情報,及び充電中の充電システムに関する推奨周囲温度範囲。
2) 着脱式バッテリーパック又は分離形バッテリーパックのバッテリー駆動溶接電源の場合,取扱説明
書には適切な使用バッテリーパック,カタログ番号,シリーズの識別又はそれらに相当するものを
記載する。
3) カタログ番号,シリーズ識別,それらに相当するものなど,使用に適した使用充電器の説明。
4) バッテリーの耐久性及び寿命,完全充電バッテリーの溶接範囲並びに一般的な充電回数に関しての
情報
5) バッテリー駆動溶接電源に関する注意事項は,次を追加で記載する。
− 製造業者が指定した充電器でだけ充電する。1種類のバッテリーパックに適した充電器が,別の
バッテリーパックに使われると火災のおそれがある。
− 溶接電源用に特別に指定されたバッテリーパックだけを使用する。他のバッテリーパックを使用
すると,けが(怪我)又は火災の原因となる。
− バッテリーパックが使われてないときは,ペーパークリップ,コイン,鍵,くぎ(釘),ねじ,他
の小さな金属製のものなど,端子から他の端子につながるおそれのある金属製のものから離して
保管する。バッテリーの端子間を短絡すると,火傷又は火災の原因となることがある。
− 苛酷な条件下では,バッテリーからの液漏れの可能性があるため,触らない。
誤って漏れた液に触ってしまった場合は,水で洗い流す。眼に入った場合は,医師の診察を受
ける。
バッテリーから漏れた液は,炎症又は火傷の原因となることがある。
− 破損又は改造されたバッテリーパック又は溶接電源は使用しない。
破損又は改造されたバッテリーは,予期せぬ動作を起こし,火災,爆発又はけがの原因となる
ことがある。
− 火気又は高温の場所に,バッテリーパック又は溶接電源をさらさない。
火災又は130 ℃を超える温度は,爆発の原因となることがある。
注記1 130 ℃は,265 °Fに置き換えることができる。
− 全ての充電指示に従い,指定された温度範囲外でバッテリーパック又は溶接電源を充電しない。
不適切な充電又は指定された温度範囲外での充電は,バッテリーが破損し火災の危険性が高ま
る。
注記2 ヨーロッパ(EN 62841-1)では,次の追加要求事項も適用する。
一体形バッテリー搭載の溶接電源の場合,溶接電源が使用不可となった後,一体形
バッテリーを溶接電源から安全に取り外す方法,及びLi-Ion,NiCd,NiMHなどのバ
ッテリーの種類に関する情報。
O.17.2 注意書き
17.2への追加要求事項は,次による。
バッテリー電圧クラスBの電子部品のマーキングは,図O.1に示すJIS Z 8210に従ったW012のシンボ

――――― [JIS C 9300-1 pdf 114] ―――――

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ルを,バッテリー電圧クラスBの(できれば)電源上,又は近傍に表示しなければならない。
図O.1−バッテリー電圧クラスBの電子部品のマーキング

――――― [JIS C 9300-1 pdf 115] ―――――

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JIS C 9300-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60974-1:2017(MOD)

JIS C 9300-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 9300-1:2020の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC0365:2007
感電保護―設備及び機器の共通事項
JISC0445:1999
文字数字の表記に関する一般則を含む機器の端子及び識別指定された電線端末の識別法
JISC0920:2003
電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
JISC0922:2002
電気機械器具の外郭による人体及び内部機器の保護―検査プローブ
JISC1102-2:1997
直動式指示電気計器 第2部:電流計及び電圧計に対する要求事項
JISC1302:2018
絶縁抵抗計
JISC3663-6:2007
定格電圧450/750V以下のゴム絶縁ケーブル―第6部:アーク溶接電極ケーブル
JISC60664-3:2019
低圧系統内機器の絶縁協調―第3部:汚損保護のためのコーティング,ポッティング及びモールディングの使用
JISC60695-11-10:2015
耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
JISC61558-1:2019
変圧器,リアクトル,電源装置及びこれらの組合せの安全性―第1部:通則及び試験
JISC61558-2-4:2012
入力電圧1 100V以下の変圧器,リアクトル,電源装置及びこれに類する装置の安全性―第2-4部:絶縁変圧器及び絶縁変圧器を組み込んだ電源装置の個別要求事項及び試験
JISC61558-2-6:2012
入力電圧1 100V以下の変圧器,リアクトル,電源装置及びこれに類する装置の安全性―第2-6部:安全絶縁変圧器及び安全絶縁変圧器を組み込んだ電源装置の個別要求事項及び試験
JISC9300-7:2017
アーク溶接装置―第7部:トーチ
JISZ8210:2017
案内用図記号