JIS C 9802:1999 家庭用電気掃除機の性能測定方法 | ページ 2

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
C 9802 : 1999

家庭用電気掃除機の性能測定方法

Methods of measurement of performance of vacuum cleaners for household and similar use

序文

 この規格は,1998年に第2版として発行されたIEC 60312 , Methods of measurement of performance of
vacuum cleaners for household and similar useを元に,対応する部分については対応国際規格を翻訳し,作成
した日本工業規格(日本産業規格)であり,測定の一般条件以外は技術的内容を変更することなく作成している。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項又は変更した事項である。

1.1 適用範囲

 この規格は,家庭用電気掃除機及び同種の用途に用いられる機器に適用する。
この規格の目的は,ユーザに関心がある電気掃除機の主要性能・特性を明示及び定義し,それらを測定
する標準試験方法を示すことにある。
備考1. 時間に伴う変化及び測定に使用される試験材料の素性に由来する低級な精度及び繰返し精度,
並びに試験担当者の技能の影響を考慮すると,ここに示す試験方法のほとんどは,様々な試
験所における単一の器具の試験に適用するよりは,同一の試験担当者による同一の試験所に
おける多数の器具の同時比較試験を適用するほうが信頼性が高いであろう。
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
IEC 60312 : 1998 Methods of measurement of performance of vacuum cleaners for household and
similar use
安全性の要求については,IEC 60335-1 : 家庭用及び同種電気機器の安全性,第1部 一般IEC 60335-2 :
第2部 電気掃除機のための個別要求を参照。
電波障害規制の要求については,CISPR 14 : 家庭用電気機器,可搬式工具及び電気機器の電波障害特性
の測定方法と限度を参照。

1.2 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成
する。これらの引用規格及び技術資料は,その最新版を適用する。
JIS C 9108 電気掃除機
JIS G 5901 鋳型用けい砂
JIS Z 8901 試験用粉体及び試験用粒子
IEC 60704-1 : 1982 Test code for the determination of airborne acoustical noise emitted by household and
similar electrical appliances−Part 1 : General requirements
IEC 60704-2-1 : 1984 Test code for the determination of airborne acoustical noise emitted by household and
similar electrical appliances−Part 2 : Particular requirements for the vacuum cleaners
ISO 554 : 1976 Standard atmospheres for conditioning and/or testing−Specifications
ISO 679 : 1989 Methods of testing cements−Determination of strength

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ISO 5167-1 : 1991 Measurement of fluid flow by mean of pressure differential devices−Part 1 : Orifice
plates, nozzles and Venturi tubes inserted in circular cross-sections conduits running full

1.3 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
1.3.1 掃除される表面に当てられる電気掃除機の部分。
クリーニングヘッド (cleaning head)
備考 クリーニングヘッドは床ノズル,延長パイプに接続されたブラシの付いたノズル,パワーヘッ
ド又は電気掃除機本体の形作られた一部分の場合などのクリーニングする表面に対して使用す
る部分。

1.3.2 パワーヘッド

 (power nozzle) じんあいの除去を助ける回転部(ブラシ)を備えた電気掃除機の
附属品でその回転部は別に組み込まれたモータによって駆動するもの(モータ式ブラシ),電気掃除機の空
気流によって動くタービンが組み込まれたもの(エアータービン式ブラシ)又はクリーニングヘッドを前
後に動かすことによって,摩擦又はギヤで動く機構のもの(機構ノズル)。
1.3.3 自走機構をもつクリーニングヘッド。
自走式クリーニングヘッド (self-propelles cleaning head)

1.3.4 アプライト掃除機

 (upright cleaner) クリーニングヘッドが掃除機本体の一部を構成し,クリー
ニングヘッドは一般的にじんあいをかき出す機構を備え,掃除機全体が取り付けられたハンドルによって,
掃除面上を動かす構造となっているもの。

1.3.5 往復ストローク

 (double stroke) 測定に用いられる表面上の二つの平行線間のクリーニングヘッ
ドの前進運動1回及び後退運動1回の動き。

1.3.6 前進ストローク

 (forward stroke) 往復ストロークのうちの前進運動。
備考 試験カーペット上において,前進ストロークはカーペットパイル方向(製造業者の指定による。)
で行う。

1.3.7 後退ストローク

 (return stroke)往復ストロークのうちの後退運動。
1.3.8 ストロークが行われる2本の平行線間における垂直移動距離。
ストロークの長さ (stroke length)

1.3.9 ストロークパターン

 (stroke pattern) クリーニングする表面に前進ストロークと後退ストロー
クとを配置する方法。

1.3.10 平行パターン

 (parallel pattern)前進ストロークと後退ストロークが一致するパターン。
後退ストロークが次の前進ストロークの開始位置に対して,

1.3.11 ジグザグパターン

 (zig-zag pattern)
斜めに向いているパターン。

1.3.12 試験幅

 (test width)  クリーニングヘッドの外幅から20mm(各側に10mm)を差し引いた幅。
操作中に適当なクリーニングヘッドを製造業者の取扱説明

1.3.13 軌跡幅(トラック幅)

 (truck width)
書によって調整し,試験区域に完全に接触させて標準試験じんあいを散布した指定区域を前進ストローク
で押したときの目に見える軌跡の幅。

1.3.14 ストローク幅

 (stroke width)軌跡幅より20mm減じたもの。

1.3.15 クリーニングヘッドの能動奥行

 (active depth of cleaning head) クリーニングヘッドの前端から
後端までか,クリーニングヘッドの下側の吸込穴の後端の10mm後方の線までか,どちらか短かいほうの
距離。

1.3.16 ストローク速度

 (stroke speed) クリーニングヘッドの前進,後退の速度は,前進,後退ともでき
るだけ一定であることが望ましい。
測定に使用する指定試験区域のクリーニング操作,指定

1.3.17 クリーニングサイクル

 (cleaning cycle)
ストロークパターンで区域全体が網羅されるまで指定ストロークパターン及びストローク速度でこれを行
う(この手順で種々の機種の試験を繰り返す。)。

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1.3.18 比クリーニング時間

 (specific cleaning time)一定のストロークパターン,ストローク幅,ストロ
ーク速度による1m2の障害物がない区域におけるクリーニングサイクル1回に要する時間。

1.3.19 じんあい除去能力

 (dust removal ability) 指定されたクリーニングサイクル中に除去されるじん
あいの量と,テスト範囲上に散布されたじんあいの量との比率をパーセントで表したもの(規定回数で除
去したじんあいの量/散布したじんあいの量) (%)。

1.3.20 糸くず除去能力

 (thread removal ability) 1回のクリーニングサイクル中に除去した糸くずの本
数と試験カーペットに指定パターンで散布して埋め込んだ指定糸くず本数の比率 (%)。

1.3.21 繊維除去能力

 (fibre removal ability)掃過幅 (mm) 及び試験カーペットに指定方法で散布して
埋め込んだ指定繊維を除去するのに必要なシングルストロークの数の比。

1.3.22 吸込仕事率

 (suction power)空気力学的動力曲線から求めた最大の空気力学的動力。

1.4 測定の一般条件

1.4.1 大気条件

 特に指定された場合を除き,測定は次の条件の下で実施する(ISO 554に適合した条件)。
標準大気条件20/60
温度 20±5℃
相対湿度 (60±25) %
気圧 101.3±2.66kPa (760±20mmHg)
備考1. 十分な繰返し精度及び再現精度を得るためには,指定範囲内の定温湿度状態が必要である。
更に試験中に変化しないよう注意すべきである。
2. 試験場所が正しい値を設定するための基準
湿球温度 : 16.3℃
水蒸気圧 : 1.41kPa
水分量 : 8.8g/kg(乾燥空気)
標準大気以外の条件で測定を行う場合であっても,温度(乾球)は20±15℃の範囲に保つべきである。

1.4.2 試験設備及び試験材料

 静電気の影響を最小限にするために,試験カーペットのサイズに適したサ
イズの,厚さが少なくとも15mmの滑らかな未処理松合板又は同等のパネルからなる平らな床で試験を行
う。
測定の設備と材料(装置,試験カーペット,試験じんあいなど)は,試験に先立って少なくとも24時間,
1.4.1の標準条件下に置くことが望ましい。

1.4.3 電圧及び周波数

 許容範囲±1%の定格電圧及び適用可能な場合には,定格周波数で測定を行う。
直流専用に設計された器具は,直流で測定する。直流交流両用に設計された器具は,交流で測定する。定
格周波数が表示されていない器具は,使用国で一般的な50Hz,60Hz両方で測定する。
定格電圧範囲をもつ器具については,範囲の上下限の差か電圧範囲の平均値の10%以下の場合には,電
圧範囲の平均値で測定を行う。
上下限の差が平均値の10%を超える場合には,範囲の上限及び下限の両方で測定を行う。
備考 定格電圧が関係国の公称系統電圧と違う場合には,定格電圧での試験は消費者に誤解を与える
おそれがあり,追加測定が必要であることも考えられる。試験電圧が定格電圧とは違う場合に
は,そのことを報告する。

1.4.4 ランニング運転及びアタッチメント

 最初の試験に先立って,掃除機及びそのアタッチメントは,
予備的に(何も妨げがない状態で)少なくとも30分の運転をして,適切に慣らす。
アプライト掃除機及びパワーヘッドについては,回転ブラシ又は同種の器具を床に接触させないで運転

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する。

1.4.5 掃除機の装備

 製造業者が使い捨てフィルタ(紙袋)の使用を推奨していて,そうした使い捨てフ
ィルタ(紙袋)を電気掃除機の製造業者が提供する場合には,掃除機に使い捨てフィルタ(紙袋)を装着
する。新しい使い捨てフィルタ(紙袋)を使用して各測定を行う。
フィルタ(繊維)又はフィルタバッグがある[唯一のオリジナルフィルタとして,唯一のフィルタバッ
グ/集じん容器として又は使い捨てフィルタ(紙袋)のエンクロージャとして]場合には,各測定前に,
例えば,ゆすったり,たたいたりしてその質量が当初質量の1%以内になるまでそれをクリーニングする。
ブラシがけ又は洗濯は許されない。ただし,プラスチック製のものは洗って乾かしてもよい。
備考 掃除機に追加フィルタがあり,製造業者が取扱説明書でユーザによる定期的なクリーニング又
は交換を推奨している場合には,上記の要求事項も適用する。ただし,これらのフィルタの掃
除が試験結果に対した影響がない場合はこの掃除を省く。

1.4.6 掃除機の運転

 クリーニングヘッドの高さ調節装置の設定は,被験表面及び注記された位置に適切
な設定にする。
製造業者の取扱説明書に別の指定がある場合を除き,
− 空気う(迂)回口(吸引力引下げ用)がある場合には,それを閉じる。
− 電気制御装置が付いている場合には,それを最高モータ速度に設定する。
− 吸込ホース又はハンドルの筒状のグリップは一般運転条件では,床上800±50mmの高さで通常の
操作の場合と同様に保持する。
アプライト掃除機又はパワーヘッドについては,回転ブラシ又は同種の器具を床から10cm以上離して
運転する。

1.4.7 試験前のコンディショニング

 各試験の前に,電気掃除機は試験で使用する部品,附属品,使い捨
て集じん容器及び別体フィルタとともに1.4.1に示す標準雰囲気中に24時間以上放置することが望ましい。
次に,1.4.4で準備した電気掃除機と附属品を安定させるために,10分以上運転しなければならない。

1.4.8 じんあいの初期付着

 集じん容量を計量する各試験の前には,適切な試験表面上において,試験結
果の対象としない2回の予備じんあい除去試験を実施することで,集じん容器に達するまでに空気が通過
する電気掃除機内のすべての部品にあらかじめじんあいを付着させなければならない。

1.4.9 機械式試験機

 信ぴょう(憑)性の高い結果を得るために,計測は試験表面上でのクリーニングヘ
ッドの移動速度を一定とし,かつ,クリーニングヘッドが試験表面を押さえるような余分な力がかからな
いようにすることが要求される。
このような場合,5.2.13にあるような機械式試験機を使用して電気掃除機を操作することが望ましい。
吸込ホースがある掃除機のパイプハンドル又は異なる形態の掃除機のハンドルを,ハンドルの中心が試験
表面の (800±50mm) 上方となるよう直線運動部に固定する。直線運動部はモータ又は手動で駆動する。

1.4.10 サンプル数

 例えば,比較試験などのために,性能の計測は1台だけの電気掃除機とその部品,附
属品をサンプルとして実施しなければならない。
通常使用状態において電気掃除機が受けると思われる応力を想定するために実施される試験は,掃除機
性能の低下につながるおそれがあるので,交換用部品を余分に必要とする。このような試験は試験計画の
最後に実施しなければならない。

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1.4.11 標準掃除機

 じんあい除去能力を決定するために実験室で使用される試験用じゅうたんは,過度の
使用によって擦り切れたり,徐々にじんあいが詰まるなどによって,当初の状態から変化する。そのため,
試験結果の確かさの検証のために,標準掃除機を用いて定期的にじゅうたんの状態をチェックすることが
望ましい。

2. 乾いた床面における試験

2.1 硬い床からのじんあい除去

2.1.1 試験装置

 5.2.1に示す床面試験板を用いなければならない。

2.1.2 試験領域及びストローク長さ

 試験領域の長さ及び幅(床面試験板のじんあいの載った部分)は,
0.7m及び1.0mとする。
ストローク長さは,試験領域の両端にクリーニングヘッドの有効深さと同じ長さを加え,0.7mに有効深
さの2倍を加算したものとする(図2参照)。

2.1.3 試験じんあいの散布

 5.1.2.1に示す鉱じん35.0gを試験領域に極力均一になるよう散布する。
均一に散布するためには,熟練した試験者が散布器(図4参照)を使用するか又は他の同等の方法を用
いる。試験じんあいが試験領域内に確実に散布されるように0.7m×1.0mの枠体を使用することが望まし
い。

2.1.4 軌跡幅及びストローク幅の決定

 鉱じんを2.1.3によって試験領域に散布する。
標準操作状態での,試験領域を通過する際のクリーニングヘッドの前進ストローク速度は,0.50±0.02m/s
とする。
軌跡幅は,mm単位で表示し,ほぼ等間隔の5点で計測した視認可能な軌跡幅の平均値によって決定す
る。
備考 じゅうたん上でのクリーニングヘッドの軌跡幅決定の際には,試験用じゅうたんの類似した領
域に散布するが,埋め込まないようにして実施する。
クリーニングヘッドのストローク幅は,1.3.14によって,軌跡幅から導かれる。

2.1.5 試験方法

 試験領域の上下両境界線からそれぞれクリーニングヘッドの有効深さと同一距離をお
いて平行に配置された2本の物差しにストローク幅をマークし,掃除中ストロークを正しい位置に保つた
めのガイドにする(図1参照)。
全試験領域を掃除し終わるまで,クリーニングヘッドをジグザグパターンで動かす。試験領域上での前
進ストロークと後退ストロークをほぼ均一に分布させるために,最初に(試験結果とは関係ない。)前進ス
トロークを試験領域のすぐ外の左下の隅から実施しなければならない。最後に残る細い部分は通常ストロ
ーク幅よりも細い。これは1クリーニングサイクルとして扱う。
自己推進形クリーニングヘッドを除き,ストローク速度 (0.50±0.02) /sで掃除し,そのときクリーニ
ングヘッドが試験床から離れたり,逆に余分な力がかかったりしないように注意する。
クリーニングヘッドの平均速度を確認するため,メトロノーム及びそれに類する器具を使用することが
望ましい。

2.1.6 じんあい除去能力の決定

 それぞれ1回のクリーニングサイクルからなる3回の計測を実施する。
各計測終了後,試験板の表面をじんあい付着性の高い乾燥した綿布でふき,ふく前後に試験板の質量を
測定することで掃除後に残留するじんあいの量を決定する。
なお,試験領域外に押し出されたすべてのじんあいを含む。
じんあい除去能力はパーセントで表し,しばしば98%を超えるが,3回の計測の平均値として算出され

――――― [JIS C 9802 pdf 10] ―――――

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JIS C 9802:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60312:1998(MOD)

JIS C 9802:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 9802:1999の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC9108:2017
電気掃除機
JISG5901:2016
鋳型用けい砂
JISZ8901:2006
試験用粉体及び試験用粒子