JIS C 9802:1999 家庭用電気掃除機の性能測定方法 | ページ 3

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る。1回の計測は,次の式によって求める。
md−mr
khf = 100
md
ここに, khf : 1回でのじんあい除去能力 (%)
md : 試験床面上に散布されたじんあいの量 (g) (35g)
mr : 布でぬぐい払われたじんあいの量 (g)
備考 平均値が90%を超えないとき,各計測の範囲が3%を超える場合には,更に2回の計測を実施
し,全5回の計測の平均値をもって結果とする。
平均値が90%以上のとき,各計測の範囲が0.3×(100%−平均値)を超える場合には,更に2回の計測
を実施し,全5回の計測の平均値をもって結果とする。
いずれの場合においても,事前に予測し得ないいかなる要因が再現性に影響を与えているかどうかを明
確にするため,実験室内の再現性の管理,掃除機及びクリーニングヘッドの設計並びに製造には,配慮が
必要である。

2.2 溝がある硬い床からのじんあい除去

2.2.1 試験装置

 5.2.2に示す装置は,溝がある着脱式差込部がある試験板を含み,溝はストロークの方
向に対して45°の角度をもつ。
装置には,計測中に試験板の中心にクリーニングヘッドを保ちやすくするための案内部を設け,これに
沿って吸込ホースがある掃除機の接続管及びアプライト掃除機のハウシングを動かすが,確実性を高める
ために少しでも低く設定する必要がある。
備考 45°という角度はより確実な計測のために選ばれており,じんあい除去能力を決定するための
式にも入っている。

2.2.2 試験じんあいの散布

 差込部を計量した後,溝を5.1.2.1に示す鉱じんで満たす。じんあいの表面
をゴムベラでならした後,再度差込部を計量し,ゆすらないよう注意して試験板に移動させる。

2.2.3 じんあい除去能力の決定

 計測は,溝上でクリーニングヘッドをストローク速度 (0.50±0.02)   /s
の平行パターンでダブルストロークさせることによって行い,そのときクリーニングヘッドは試験板の中
心に保つ。
じんあい除去能力はパーセントで表し,軌跡幅(2.1.4参照)と斜め45°を考慮して決定される溝内のじ
んあい量に対する,取り除かれたじんあい量の比率を示し,次の式によって求められる。
mL−mr L
kcr= cos 45 100
mL B
ここに, kcr : じんあい除去能力 (%)
mL : 掃除前の溝内のじんあい量 (g)
mr : 掃除後に溝内に残留するじんあい量 (g)
L : 溝の長さ (mm)
B : 軌跡幅 (mm)
1回のダブルストロークでのじんあい除去能力 のダブルストロークでのじんあい除去能力
の平均値を得るために2回の計測を実施し,それぞれ別々に記録する。

2.3 じゅうたんからのじんあい除去

2.3.1 試験用じゅうたん

 試験用じゅうたんは,5.1.1に示すものを使用しなければならない。この試験
には湿度が大きな影響を及ぼすので,じゅうたんは実験を開始する前に少なくとも24時間以上標準雰囲気
中に放置することが望ましい。試験中,じゅうたんは固定具(5.2.4参照)によって試験床上に固定する。

――――― [JIS C 9802 pdf 11] ―――――

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2.3.2 試験領域及びストローク長さ

 試験領域の長さ(じゅうたん上のじんあいによって覆われた部分)
は,じゅうたんのパイル(図7b参照)の方向に0.7mとする。また,試験領域の幅は試験幅(1.3.12参照)
と同一とする。
ストローク長さは試験領域の前に0.2m,後ろに0.3mをそれぞれ付け加えることによって1.2mとする。
これらの追加長さは試験領域上で一定なクリーニングヘッドの速度を得るための加速及び減速のために必
要とされる。

2.3.3 クリーニングサイクル

 クリーニングヘッドを試験領域上でストローク速度 (0.50±0.02)   /sで前
進させ,先端部が減速領域の端に達したときに停止させる。次に,クリーニングヘッドを試験領域上でス
トローク速度 (0.50±0.02) /sで,先端部が再び前進ストロークの始点にくるまで引き戻す。これで1回
のクリーニングサイクルが完了する。
試験領域上においてクリーニングヘッドは一定速度で動かし続け,しかもじゅうたん固定具をガイドと
して直線上を運動させることが重要である。前述のクリーニングヘッドの操作を再現するために機械式試
験機(1.4.9参照)を使用することが望ましい。
備考1. 二つのじゅうたん固定具は,測定中に試験用じゅうたんを適正な位置に固定する働きと,ク
リーニングヘッドが試験領域上で操作されているときに,直線上に保つガイドとしての働き
をもつ。
2. 自己推進形クリーニングヘッドは製造業者の説明書によって試験しなければならない。した
がってクリーニングヘッドの速度は電気掃除機自身によって決定される。

2.3.4 試験カーペットのコンディショニング

 各測定に先立ち,試験カーペットは残留じんあいが取り除
かれていて,次に規定するプリコンディショニングを行う。
2.3.4.1 残留じんあいの除去 試験カーペットの清掃のために,5.2.3に規定する適切なカーペットたたき
機を使用するのが望ましい。
カーペットたたき機を使用しない場合は,試験カーペットを裏返しにして剛性メッシュ支持台に載せて
手でたたく。たたいた後,十分なじんあい除去能力をもつ電気掃除機でクリーニングサイクルを4回又は
6回行って残留じんあいを除去する。普通のノズルの試験用に指定された試験カーペットは必ず普通のノ
ズルで表をクリーニングする(ただし,裏にはかくはんノズル又はパワーノズルを使用することができる。)。
2.3.4.2 試験カーペットの確認及びプリコンディショニング 試験カーペットをクリーニング後,披験電
気掃除機にきれいな集じん容器(集じん袋)を装着し(1.4.5参照),その掃除機を使用して集じんが認め
られない点までカーペットがクリーニングされていることを確認する。クリーニングサイクルを5回行っ
たときのカーペットからの集じん量が0.2g未満であればその点に達しているとみなす。集じん量が0.2g
を超える場合には,要求事項が達成されるまでこの処置を繰り返す。
備考1. カーペットから残留じんあいを集じんする装置が確実にカーペットを許容可能な状態にでき
ることが分かっている場合にも,このプリコンディショニング手順を行って,カーペットに
対する湿度の影響を最小限に抑えるようにすることが重要である。
2. カーペットが試験じんあいで次第に詰まるのを防止するために,カーペットを当初のきれい
なカーペットの質量にできる限り近い質量に保つ(1.4.11参照)。

2.3.5 試験じんあいの散布

 試験じんあいは5.1.2.2によって平方メートル当たり125gを試験区域にでき
るだけ均一に散布する。
備考 使用する試験じんあいの量は,TW×0.7×125gの式から計算される。ここに,TWはメートルで
表される試験幅である。試験区域に対する均一な試験じんあいの散布のために,5.2.5に示され

――――― [JIS C 9802 pdf 12] ―――――

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るじんあい撒き機が用いられるのが望ましい。その装置の調整は,カーペット上の試験じんあ
いに対する目視検査によって確認される。

2.3.6 カーペットへのじんあいの埋込み

 5.2.6.1に指定されたローラを使用して,カーペット上を縦糸の
方向にダブルストロークを10回行ってじんあいを試験カーペットに埋め込む。ローラの速度は0.5m/sと
する。ローラを試験区域に完全,かつ,均一にかけるようにすることが重要である。カーペットを10分間
放置してローラがけから回復させる。

2.3.7 集じん容器のプリコンディショニング

 湿度の影響を最小限に抑えるために,集じん容器をプリコ
ンディショニングする。
試験に供する電気掃除機はきれいな集じん容器が備えられ,気流に妨げのない状態で8分間運転する。
例えば,カーペットをローラがけから回復させる10分間の間に行う。
このプリコンディショニングの後,集じん容器を掃除機から外して計量する。質量を記録して集じん容
器を元に戻す。
備考 掃除機の気流は8分間のプリコンディショニングの間に集じん容器の質量に影響を与えるので,
計量の前に集じん容器の質量が安定するように注意する。

2.3.8 じんあい除去能力の決定

 それぞれ5回のクリーニングサイクルからなる測定を1回行う。各測定
に先立ち,2.3.42.3.7に示された準備手順をすべて実施する。5回目のクリーニングサイクル後,クリー
ニングヘッドをカーペットから20100mmもち上げ,掃除機のスイッチを切りモータが完全に停止する
まで待つ。
各測定の後,集じん容器を外して計量し,2.3.7に示されたプリコンディショニング後に記録した空の集
じん容器の質量を差し引いて除去されたじんあい量を決定する。
次の式によって5回のクリーニングサイクルのじんあい除去能力 (%) を,3回の測定の平均値として算
出する。
Dr=Wf−Wi
Dr
K=
ct 100
Dd
Kct1+Kct2+Kct3
Km 3 =
3
ここに, Wi : 集じん容器の初期の空の質量 (g)
Wf : 5回のクリーニングサイクル後の集じん容器の質量 (g)
Dr : カーペットから集じんされたじんあい量 (g)
Dd : カーペットに散布したじんあい量 (g)
Kct : 1回の測定におけるじんあい除去能力 (%)
Km (3) : 3回の測定の平均じんあい除去能力 (%)
結果の範囲が3%を超える場合には,更に2回測定を行って,5回の測定の平均値から平均じんあい除去
能力を算出する。
Km (5) = (Kct1+Kct2+Kct3+Kct4+Kct5) /5
例 45%,47%,49%の場合は範囲が4%となるので,更に2回の測定を行う。

2.4 壁沿いのじんあい除去

2.4.1 試験装置及び材料

 2本の木片又はその他の適切な材料で構成した図8に示す直角T字形部材をこ
の試験に用いる。この部材は,測定の間に動かないよう十分な重さとするか,又はクランプ若しくはおも
りの使用によって動かないようにする。

――――― [JIS C 9802 pdf 13] ―――――

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カーペット上での測定には,5.1.1に示す試験カーペットを用いる。硬質平面床上での測定には5.2.1に
示す床用試験板を用いる。

2.4.2 試験じんあいの散布

 じんあいで覆われていることが十分に見て取れるように,T字形部材の縁に
隣接した試験面区域に5.1.2.1に示す十分な量の鉱じんを散布する

2.4.3 壁沿いのじんあい除去能力の決定

 試験面のじんあいで覆われた区域にT字形部材を置き,必要
に応じてクランプ又はおもりによって固定する。試験カーペット上に置くときは,T字形の脚部をカーペ
ットのパイル方向に平行に位置させる(図8参照)。
T字形の脚部の片側に沿ってクリーニングヘッドを案内し,前端のクリーニング限界を明確にするため
に前進ストロークの終わりに2秒から3秒操作を止めて, (0.25±0.05) /sの速度で1回のダブルストロ
ークを行う。
目視できる未掃除区域の幅を,脚部沿いとT字形のクロスバー沿いの等間隔に置いた3点で測定し,ク
リーニングヘッドの横及び前の両方の値を記録して,壁沿いのじんあい除去能力として2種類(横及び前)
の各3点の平均値を最も近いミリメートルで表す。じんあいが散布されたが完全に除去されていない区域
も未掃除区域に含める。
クリーニングヘッドの構造が対称的でない場合は,T字形部材の脚部の他方の側に沿って試験を繰り返
す。

2.5 カーペットからの繊維除去

2.5.1 試験カーペット

 5.1.1に規定する試験カーペットを使用する。
各測定に先立ち,試験カーペットの表面は目視できる綿じんあいがなくなるまで完全にクリーニングす
る。

2.5.2 繊維の散布

 5.1.3に規定するレーヨンくずを,クリーニングヘッドの幅より少なくとも50mm広
い幅をもつ試験区域をもつカーペット表面に軽く擦り込む。この寸法(クリーニングヘッドの幅より少な
くとも50mm広い幅寸法)は,試験カーペットのパイル方向に対して直角方向に取る。均一な散布となる
まで,いかなる分離していない繊維の固まりを取り除く。

2.5.3 カーペットヘの繊維の埋込み

 レーヨンくずを5.2.7に規定する埋込み具を使用してカーペットに
埋め込む。埋込み具をそれ自身の重みで,1回はカーペットのパイル方向に,1回はそれと直角方向に試験
区域全体を網羅するように動かす。

2.5.4 繊維除去能力の決定

 各測定に先立ち,クリーニングヘッドに付着した繊維を取り除く。
クリーニングヘッドをガイドストリップに沿って操作し,繊維で覆われた区域を (0.50±0.02) /sのス
トローク速度でクリーニングヘッドを通す。カーペットの掃過部分の表面からくっつき合った繊維材をす
べて除去する(目視で判断して)のに必要な最小のシングルストローク数及びクリーニングした掃過幅(繊
維がクリーニングされたと目視できる。)を記録する。10回の測定を行い,掃過幅及びストローク数の平
均値を求め,次の式で繊維除去能力を算出する。
繊維除去能力=掃過幅 (mm) /シングルストローク数
備考1. ベルト,ベルトガード,その他の存在のために生じた掃過幅内の未掃過部分は,全掃過幅か
ら差し引く。
2. クリーニングヘッドに付着した繊維は,カーペットから除去されたものとみなす。試験報告
書に適切な観察を記述することが望ましい。
3. 50ストローク後は測定を中止することか望ましい。

2.6 カーペットからの糸くず除去

――――― [JIS C 9802 pdf 14] ―――――

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2.6.1 試験カーペット 5.1.

1に示す試験カーペットを使用する。

2.6.2 糸くずの散布

 5.1.4に基づく40本の糸くずを,図9に示されたパターンでパイル方向4列に試験
カーペット上に配置する。各列は0.7mの長さとし,列間の距離はクリーニングヘッドの幅に合わせる。
5.2.6.2に基づくローラで, (0.5±0.02) /sのストローク速度で各列に対して5回のダブルストロークを
行うことによって糸くずをカーペットに埋め込む。

2.6.3 糸くず除去能力の決定

 クリーニングヘッドが糸くず除去に対して有効となる調整機能をもつと
きは,カーペットクリーニングに調整する。
各測定に先立ち,クリーニングヘッドに付着した糸くずは取り除く。
1回の測定の間,クリーニングヘッドが自己推進式の場合を除き,糸くずの各列を2.1.2(図2参照)に
示すストローク長さで (0.5±0.02) /sの速度の1回のダブルストロークによってクリーニングする。散布
した糸くずの数に対するカーペットから除去された糸くずの数の割合を計算し記録する。
3回の測定を行い,糸くず除去能力 (%) を平均値で表す。
備考 クリーニングヘッドに付着した糸くずは,カーペットから除去されたものとみなす。試験報告
書に適切な観察を記述することが望ましい。

2.7 集じん容器の最大有効容積

2.7.1 測定条件

 電気掃除機にきれいな集じん容器を装着し(1.4.5参照),運転時の通常の使用位置に配
置する。紙袋フィルタを使用する場合は,紙袋フィルタを完全に膨らませるために十分な量のチョーク粉
(タルク粉又はコンスターチ粉でもよい。)をゆっくりと掃除機に吸い込ませる。
5.1.5に示す樹脂ペレットを試験に使用する。
備考1. 1.4.1に示す標準の大気条件は必要としない。
2. 樹脂ペレットに損傷がない限り,過度のチョーク粉を除去し,樹脂ペレットを再使用できる。

2.7.2 樹脂ペレットの吸込み

 樹脂ペレットを,各L(リットル)ごとに静かに1Lのコンテナ容器に均
一に詰まるように注ぎ込んで慎重に測定し,掃除機がそれ以上受け入れなくなるまで1Lずつ掃除機に徐々
に吸い込ませる。
備考 任意のホースの使用が用意されないアプライト形掃除機の場合は,ハンドルを通常の使用位置
においてノズルアダプタ(図11参照)から樹脂ペレットを吸い込ませる。その他の掃除機につ
いては,ホースから樹脂ペレットを吸い込ませる。

2.7.3 集じん容器の有効容積の測定

 集じん容器に集まったじんあいの量は,掃除機に吸い込ませたじん
あいの量からホース,延長管,吸込み具,他に残ったじんあいの量を差し引き,0.1Lのけたまで決定する。
上記の測定を3回行って平均値を取り,この値を集じん容器の最大有効容積としなければならない。

2.8 空気データ

 この試験の目的は,他の試験項目及び,様々な背景において必要となる可能性がある,
空気データを決定するための基礎的なデータを確立することにある。次に示した値は,空気密度
1.20kg/m3(気温20℃,気圧1 013hPa,湿度50%)を基準とする値である
q : 風量 (dm3/s)
h : 真空度 (kPa)
P1 : 入力 (W)
P2 : 吸込仕事率(W)
効率 (%)
備考1. 基準環境条件は,1.4.1に示したとおりである必要はない。
2. 測定した空気データは,標準空気密度での値に補正しなければならない(5.2.8.4参照)。

――――― [JIS C 9802 pdf 15] ―――――

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JIS C 9802:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60312:1998(MOD)

JIS C 9802:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 9802:1999の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC9108:2017
電気掃除機
JISG5901:2016
鋳型用けい砂
JISZ8901:2006
試験用粉体及び試験用粒子