JIS D 1047-2:2017 二輪自動車―排出ガス及び燃料消費率試験方法―第2部:テストサイクル及び試験条件 | ページ 3

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4.5 試験手順

4.5.1  タイプ1試験
4.5.1.1 排出ガス試験
排出ガスには,一酸化炭素(CO),炭化水素(HC),全炭化水素(THC),窒素酸化物(NOx),二酸化
炭素(CO2)などの排出ガス成分が含まれる。
4.5.1.1.1 エンジンの始動及び再始動
エンジンは,製造業者の推奨する始動手順に従って始動するものとし,テストサイクル走行は,エンジ
ンが始動したときに開始するものとする。
オートマチックチョークを装備した試験二輪車などは,チョークの設定などについて,製造業者の指示,
又はチョークの操作方法が記載されているオーナーズマニュアルに従って作動させる。エンジン始動から
15秒間後にギヤを入れる。必要があれば,駆動輪が回らないようにするためにブレーキを掛けてもよい。
マニュアルチョークを装備した試験二輪車などは,製造業者の指示,又はオーナーズマニュアルに従っ
て作動させるものとする。取扱説明書などに時間が記載されている場合は,推奨された時間から15秒以内
の範囲で作動させるポイントを指定することができる。
エンジンの作動を維持するために必要であれば,チョーク,スロットルなどを使うことができる。
取扱説明書又はオーナーズマニュアルに,暖機されたエンジンの始動手順が記載されていない場合は,
エンジン(オートマチック及びマニュアルチョークエンジン)の始動は,スロットルを半分ほど開いて,
エンジンが始動するまでクランキングすることによって行う。
コールドスタートのときに,10秒間エンジンをクランキングするか,マニュアル始動手順を10回実施
しても試験二輪車が始動しない場合は,クランキングを中止し,始動しない理由を決定する。この診断中
は,CVS装置のガス流量積算器は停止し,試料切替バルブはスタンバイ位置に設定する。また,この診断
手順中は,CVS装置のブロワを停止するか,テールパイプから排気チューブを抜く。
エンジンが“異常始動”した場合は,推奨された始動手順(チョークの再設定など)をやり直すものと
する。
4.5.1.1.2 エンジン停止
アイドリング時にエンジンがストールした場合,すぐにエンジンを再始動してテストを継続しなければ
ならない。すぐにエンジンが再始動できず,定められた次の加速に移行できない場合,運転スケジュール
インジケータを停止させる。試験二輪車が再始動した場合,運転スケジュールインジケータを再開させる。
エンジンがアイドリング以外の運転モード時にストールした場合,運転スケジュールインジケータを停
止し,車両を再始動し,中断した運転スケジュールのポイントまで加速させ,試験を再開する。このポイ
ントまでの加速時の変速は,4.3.2に従って実施しなければならない。
試験二輪車が1分間以内に再始動しない場合,試験は無効とし,シャシダイナモメータ上から試験二輪
車を移動させ,是正措置をとり,車両テスト計画を立て直さなければならない。故障の原因(判明した場
合)と,とった是正措置の理由を報告しなければならない。
4.5.1.2 運転について
4.5.1.2.1 試験二輪車は,規定の速度を維持するための最小限のアクセル装置の操作をすることによって
運転するものとし,ブレーキとアクセル装置との操作を同時に使用してはならない。
4.5.1.2.2 試験二輪車が規定の速度で加速することができない場合は,ローラの回転速度が運転スケジュ
ールの当該時点の規定値に達するまでアクセル装置を全開にした状態で運転するものとする。

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4.5.1.3 シャシダイナモメータ試験の実施
4.5.1.3.1 シャシダイナモメータ試験は,4.3.1に規定する一連の方法で実施する。
4.5.1.3.2 各試験は,次の手順で実施するものとする。
a) エンジンを始動させずに試験二輪車の駆動輪をシャシダイナモメータに載せる。
b) 車両冷却ファンを作動可能な状態にする。
c) 全ての試験二輪車において,試料切換バルブをスタンバイ位置にして,空の試料採取バッグを希釈排
出ガス用及び希釈空気用の試料採取システムに接続する。
d) VS装置(まだ始動していない場合),試料採取ポンプ及び温度記録計を作動させる(CVS装置の熱
交換器を使用している場合は,試験開始前に当該熱交換器をそれぞれの作動温度まで予熱しておくこ
とが望ましい。)。
e) 試料採取流量を適切な流量に調整し,ガス流量積算器をゼロに設定する。
1) ガスの試料採取バッグ(HCの試料を除く。)の場合,バック内を分析するのに必要な試料を確保で
きるように機器に応じた最適な流量を設定する。
2) Cの試料の場合,水素炎イオン化形(FID)分析計[又は,メタノール燃料試験二輪車の場合の加
熱形水素炎イオン化形(HFID)分析計]に,十分な応答速度が確保できるように機器に応じた最適
な流量を設定する。
f) フレキシブル排気接続管を試験二輪車のテールパイプにつなぐ。
g) ガス流量積算器を作動させ,希釈排出ガス用の試料採取バッグ及び希釈空気用の試料採取バッグに直
接試料が入るように試料切換バルブを設定する。エンジンの始動装置によって,エンジンのクランキ
ングを開始する。
h) エンジンが始動してから15秒間後に,トランスミッションのギヤを入れる。
i) エンジンが始動してから20秒間後に,運転スケジュールの最初の加速を開始する。
j) 4.3.1に規定した運転サイクルに従って試験二輪車を運転する。
k) パート1又は低温条件によるパート1低速サイクルが終了したら,それと同時に試料の流れを最初の
希釈排出ガス用及び希釈空気用の試料採取バッグ(以下,バッグペアという。)から切り替えて2番目
のバッグペアに送り,使用していたガス流量積算器No.1を切って,新たなガス流量積算器No.2を作
動させる。
l) クラス3の試験二輪車などの場合,パート2の終了と同時に,試料の流れを2番目のバッグペアから
切り替えて3番目のバッグペアに送り,使用していたガス流量積算器No.2を切って,新たなガス流量
積算器No.3を作動させる。
m) 新しいパートを開始する前に,測定したローラ又はシャフト回転回数を記録し,積算回転計をリセッ
トするか別の積算回転計に切り替える。試験終了後は,できる限り早く,希釈排出ガス及び希釈空気
の試料を分析システムに流し,4.6.1.1に従って試料を処理し,試験の試料採取フェーズが終了してか
ら20分間以内に全ての分析計で希釈排出ガス及び希釈空気の安定した濃度を確認する。
n) 比較分析を行うために,バッグの結果に加えて,希釈排出ガス及び希釈空気の1秒間ごとのデータも
モニタする。
4.5.2 タイプ2試験
4.5.2.1 測定条件
4.5.2.1.1 4.4に規定したタイプ2試験は,アイドリング状態で行うものとし,タイプ1試験の直後に測定
する。

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4.5.2.1.2 次のパラメータを通常のアイドリング状態で測定し,記録する。
a) 採取した排出ガスの容量を基にしたCO濃度及びHC濃度
b) 採取した排出ガスの容量を基にしたCO2濃度
c) 試験中のエンジン回転速度
d) 試験中のエンジンオイル温度
4.5.2.2 排出ガスの試料採取
4.5.2.2.1 排出ガスの試料採取は,排気管に密封型のエクステンション部品を取り付け,試料プローブを
少なくとも排気管の中600 mmまで挿入する方法又は密閉型のCVS試料採取管から分岐する方法としても
よい。この際,試験二輪車の走行に支障を与えず,背圧の変化が±1.25 kPaになるようにする。エクステ
ンション部品の形状は,試料プローブの位置において排出ガスの著しい希釈が生じないようなものを選択
する。複数の出口をもつ排気管が試験二輪車に採用されている場合,これらの出口を結合して一つの管に
するか,一酸化炭素含有量を各々の排気管の出口から採取し,含有量の平均値を算出することによって測
定結果を求める。
4.5.2.2.2 CO,HC及びCO2の濃度は,適切な検量線を用いて,測定計器の測定値によって決定する。そ
の結果は,4.6.2に従って補正する必要がある。

4.6 結果の分析

4.6.1  タイプ1試験
4.6.1.1 排出ガス及び燃料消費率の分析
4.6.1.1.1 バッグに採取された試料の分析
試験の終了後,分析はできる限り早く開始し,いかなる場合でも試験の終了から遅くとも20分間以内に
次を求める。
a) 採取した希釈空気試料中のHC,CO,NOx及びCO2の濃度
b) 採取した希釈排出ガス試料中のHC,CO,NOx及びCO2の濃度
4.6.1.2 結果の重み付け
4.6.1.2.1 複数のサイクルパートで試験を実施する場合,JIS D 1047-1に規定した計算方法で得られた排
出量(g/km)及び燃料消費率(L/100 km)を各サイクルパートごとに平均する。
4.6.1.2.2 パート1又はパート1低速サイクルの結果を記号R1で表し,パート2又はパート2低速サイク
ルの結果を記号R2で表し,パート3又はパート3低速サイクルの結果を記号R3で表す。これらの排出量
(g/km)及び燃料消費率(L/100 km)を用いて,4.2で定義した車両クラスに応じて,最終結果Rを次の
式(9)式(11)によって計算する。
クラス1 R=R1×w1+R1hot×w1hot (9)
クラス2 R=R1×w1+R2×w2 (10)
クラス3 R=R1×w1+R2×w2+R3×w3 (11)
4.6.1.2.3 CO,HC,NOx,CO2及び燃料消費率に対し,表2に示す重み付けを用いる。

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表2−最終的なCO,HC,NOx,CO2及び燃料消費率の結果に対する加重係数
車両クラス テストサイクル 重み付け
クラス1 パート1,低温 w1 50 %
パート1,高温 w1hot 50 %
クラス2 パート1,低温 w1 30 %
パート2,高温 w2 70 %
クラス3 パート1,低温 w1 25 %
パート2,高温 w2 50 %
パート3,高温 w3 25 %
4.6.2 タイプ2試験
4.6.2.1 CO濃度補正値は,次の式(12)又は式(13)で計算する。
4.6.2.1.1 2ストロークサイクルエンジン
cCO
cCOcorr10 (12)
cCO cCO2
4.6.2.1.2 4ストロークサイクルエンジン
cCO
cCOcorr15 (13)
cCO cCO2
ここに, cCO : CO濃度測定値(vol.%)
cCO2 : CO2濃度測定値(vol.%)
cCOcorr : CO濃度補正値(vol.%)
4.6.2.2 4.5.2.2に従って測定したcCO濃度は,濃度測定値の合計(cCO+cCO2)が,2ストロークサイクル
エンジンにおいて10以上,4ストロークサイクルエンジンにおいて15以上の場合には,補正する必要は
ない。

4.7 タイプ1試験のテストサイクル図

     1 パート1
2 パート1,低速
X 時間(s)
Y 速度(km/h)
図4−テストサイクルパート1

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1 パート2
2 パート2,低速
X 時間(s)
Y 速度(km/h)
図5−テストサイクルパート2
1 パート3
2 パート3,低速
X 時間(s)
Y 速度(km/h)
図6−テストサイクルパート3

――――― [JIS D 1047-2 pdf 15] ―――――

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