JIS E 4208-2:2021 鉄道車両―台車―強度試験―第2部:走行試験方法

JIS E 4208-2:2021 規格概要

この規格 E4208-2は、鉄道車両に用いる台車の台車枠,はり又は台車枠及びはりの組立品の強度を車両走行によって確認する走行試験の方法について規定。

JISE4208-2 規格全文情報

規格番号
JIS E4208-2 
規格名称
鉄道車両―台車―強度試験―第2部 : 走行試験方法
規格名称英語訳
Rolling stock -- Bogie -- Strength test -- Part 2:Methods for on-track testing
制定年月日
2021年2月19日
最新改正日
2021年2月19日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

45.060.01
主務大臣
国土交通
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2021-02-19 制定
ページ
JIS E 4208-2:2021 PDF [5]
                                                                                 E 4208-2 : 2021

pdf 目 次

ページ

  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[1]
  •  4 試験方法・・・・[2]
  •  4.1 応力の測定点の選び方・・・・[2]
  •  4.2 試験区間・・・・[2]
  •  4.3 走行条件・・・・[2]
  •  4.4 測定前準備・・・・[2]
  •  4.5 測定・・・・[2]
  •  4.6 波形処理・・・・[2]
  •  5 表示方法・・・・[3]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS E 4208-2 pdf 1] ―――――

           E 4208-2 : 2021

まえがき

  この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本鉄道車輌工業会(JARI)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出
があり,日本産業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が制定した日本産業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。国土交通大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS E 4208の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS E 4208-1 第1部 : 静荷重試験方法
JIS E 4208-2 第2部 : 走行試験方法

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS E 4208-2 pdf 2] ―――――

                                      日本産業規格                            JIS
E 4208-2 : 2021

鉄道車両−台車−強度試験−第2部 : 走行試験方法

Rolling stock-Bogie-Strength test-Part 2: Methods for on-track testing

1 適用範囲

  この規格は,鉄道車両に用いる台車の台車枠,はり又は台車枠及びはりの組立品(以下,台車枠などと
いう。)の強度を車両走行によって確認する走行試験(以下,試験という。)の方法について規定する。
なお,この規格は,ゴムタイヤなどを用いる特殊鉄道(例えば,無軌条電車,モノレール車両,中量軌
道システム車両,磁気浮上車両など)に用いる台車枠及びはりには適用しない。

2 引用規格

  次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによって,その一部又は全部がこの規格の要求事項
を構成している。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0153 機械振動·衝撃用語
JIS E 4001 鉄道車両−用語
JIS E 4207 鉄道車両−台車−台車枠強度設計通則
JIS E 4208-1 鉄道車両−台車−強度試験−第1部 : 静荷重試験方法
JIS Z 2300 非破壊試験用語

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS B 0153,JIS E 4001,JIS E 4208-1及びJIS Z
2300による。
3.1
保存ゲージ
走行中の変動応力を測定するために,静荷重試験で使用したゲージ又は新たに貼り付けたゲージとその
近傍に貼り付けた温度補償用ダミーゲージなどとを接続後,防水のためのコーティング処理を行った組合
せゲージ
3.2
満車状態
車両に,最大限の積載質量を搭載した車両条件
注釈1 積載質量は,JIS E 4207の表1(積載質量)に記載されている。

――――― [JIS E 4208-2 pdf 3] ―――――

           2
E 4208-2 : 2021

4 試験方法

  警告 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の走行試験の作業に精通していることを前提とする。
この規格は,その使用に関して起きる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。こ
の規格の利用者は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならな
い。

4.1 応力の測定点の選び方

  応力の測定点は,次の事項に考慮して適切な箇所を選定する。
a) 静荷重試験結果をプロットした応力限界図において,限界に対する余裕が少ない部分
b) 応力解析結果において,強度的な余裕が少ない部分
c) ロードセルとして使用する部分,すなわち,特定の方向の力を負担した時に応力が発生し,試験で得
られた応力値から台車枠又ははりに負荷された力を推定できる部分
d) 溶接ルート部及び部材の裏側に存在する溶接部の疲労強度を評価する必要がある場合は,溶接部周辺
の平たん(坦)母材部

4.2 試験区間

  試験区間は,供試体の台車枠など実際に使用される線区,又は線形及び軌道状態について受渡当事者間
で協定した線区とする。測定は,往復の走行を行うことを基本とする。

4.3 走行条件

  車両の積載条件は任意とし,走行時の軸ばねの負担する力を明確にしておく。また,車両が実際に運用
される走行条件で行うことを基本とするが,詳細な走行条件は受渡当事者間の協定による。

4.4 測定前準備

  ひずみゲージのブリッジ回路は,JIS Z 2300に規定された温度補償のできる方式とし,保存ゲージとし
て処理したものを使用する。保存ゲージからの配線は,シールド線を用い,車内に引き込む箇所では車体
と台車との相対変位に配慮して,シールド線には適切なたるみをもたせる。

4.5 測定

  試験区間において,走行時に発生する応力(以下,動的応力という。)を測定する。この際,設計荷重条
件の妥当性及び軌道状態の把握のため,ばね下,ばね間及びばね上の振動加速度並びに位置情報も同時に
記録することが望ましい。
なお,振動加速度計は,測定対象のレンジ及び帯域に応じて選定する。
サンプリング周波数は,評価対象とする周波数成分の10倍以上を基本とし,エイリアシングを除去した
後,データロガーによって記録する。

4.6 波形処理

  記録した時刻歴波形を処理する場合は,評価対象とする周波数成分に対して影響がない範囲で,フィル
タによる信号処理を実施してもよい。

――――― [JIS E 4208-2 pdf 4] ―――――

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E 4208-2 : 2021

5 表示方法

  測定結果の表示方法は,受渡当事者間の協定による。主な表示方法の例は,次による。
a) 応力限界図による表示方法例 平均応力及び変動応力をJIS E 4207に規定された図1(応力限界図)
のように示す。平均応力及び変動応力の適用例は,次による。
例1 平均応力 静荷重試験結果から満車条件として得られた値。
変動応力 試験によって測定された応力振幅(最大値と最小値との差分を2で除した値)を
満車状態に換算1)した値。
注1) 台車枠の場合,変動応力の大きさは,軸ばねが負担する力に比例すると仮定して換
算を行う。4.3で明確にした走行時の軸ばねが負担する力と満車条件での軸ばねが負
担する力との比を,測定した変動応力に乗じて満車時の変動応力に換算する。
例2 平均応力 台車入れ時の測定応力値に,動的応力が片振りの場合はその応力振幅の1/2を加
算した上で,満車状態に換算した値。
注記 台車入れ時とは,台車に車体を載せて,台車に車両としての車体荷重を掛ける場面。
変動応力 試験によって測定された動的応力の絶対値の最大値。ただし,片振りの場合はそ
の1/2の値を満車状態に換算した値。
b) 累積損傷による表示方法例 試験によって測定された応力をレインフロー法などによって計数処理
し,応力頻度分布を求める。次に,台車枠使用期間中における各水準の応力及びその発生回数を推定
し,線形累積損傷則から累積損傷度を算出する。
試験区間のデータを解析する場合は,走行区間ごとに細かく分割せず,極力長い区間のデータをま
とめて処理することが望ましい。
c) 溶接ルート部及び部材の裏側に存在する溶接部の疲労強度を評価する必要がある場合の表示方法例
JIS E 4207のB.3(溶接ルート部及び部材の裏側に存在する溶接部の疲労強度の評価方法例)を参照
する。

JIS E 4208-2:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS E 4208-2:2021の関連規格と引用規格一覧