JIS F 1034-6:2020 舟艇―船体構造―スカントリング―第6部:構造材配置及び詳細設計 | ページ 8

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F 1034-6 : 2020 (ISO 12215-6 : 2008)
附属書B
(参考)
接着又はリベット接合におけるせん断応力の決定
B.1 一般
この附属書は,JIS F 1034-5の附属書G及び附属書Hで規定する防とう材解析法の適用について示すも
のであり,防とう材の接合に関し,特定の項目だけを扱う。
B.2 防とう材内のせん断応力及びせん断流れ
JIS F 1034-5の附属書Hに規定するハット形防とう材の例を使用する(図B.1参照)。
単位 mm
NA 中立軸
h 防とう材高さ
tP プレート厚さ
tw ハット形防とう材ウェブの総厚さ
図B.1−ハット形防とう材
せん断流れq(N/mm)は,JIS F 1034-5のH.2.1.7で規定する。
1 mm幅のプレートストリップに対し,式(B.1)を適用する。
Q E
q=F (B.1)
E INA
そして,防とう材に対し,式(B.2)を適用する。
F E A zCANA
q (B.2)
E INA
ここに, F : 最大せん断力(N)
Q : 断面一次モーメント(mm3)
E : 防とう材弾性係数(N/mm2)
E×INA : 防とう材とプレートとを組み合わせた全体の中立軸周りに
対する曲げ剛性(N/mm2)

――――― [JIS F 1034-6 pdf 36] ―――――

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F 1034-6 : 2020 (ISO 12215-6 : 2008)
A : 防とう材の外縁までの横断面積(mm2)
zCANA : 中立軸に対するAの重心の高さ(mm)
JIS F 1034-5の表H.4の23段目では,せん断流れの数値は,防とう材トップ又はボトムの0 N/mmから
中立軸(NA)の255 N/mmまで変化し,プレートとフランジとの間の接着部で225 N/mmとなっている。
JIS F 1034-5の表H.4にあるように,重要なのは積層又は接着の強度である。ボトムとフランジとの間
の平均せん断応力,τave(N/mm2)は,式(B.3)による。
225
τave= =.225 (B.3)
100
その準拠係数cfは,式(B.4)による。
dτ 2.8
cf .364 (B.4)
ave .225
B.3 積層又は接着における設計せん断応力
この附属書で記載している方法では,接着の強度を重要とみて,初めに積層又は接着部の設計応力がど
れほどなのかを算定する。
積層又は接着部内の応力分布は複雑である。せん断流れ及びせん断応力に関する式(B.1)式(B.4)は単純
化したもので,応力集中の計算に対しては用いることはできない。さらに,接着剤の粘弾性的性質は,ク
リープを抑え,接着力の耐用年数を確保するために,設計応力を低く保つことが求められる。
以上から,接着の設計応力は,FRP,木材,金属などの材料よりも高い安全率が求められる。
したがって,接着部の設計応力τdbond(N/mm2)は,式(B.5)による。
τdbond=0.2τubond (B.5)
ここに, τubond : 接着部内の限界せん断強度(N/mm2)
特定の試験値が与えられていない場合は,表B.1のデータを用いてもよい。
表B.1−積層又は接着部内のせん断応力の呼び値及び設計値
単位 N/mm2
接着 接着部内の限界せん断強度接着部内の設計せん断応力
τubond τdbond
ポリエステル又はビニル 15 3
エステルの樹脂又はパテ
低温硬化エポキシの樹脂 27 5.4
エポキシの樹脂又はパテ 40 8
JIS F 1034-5の表H.4で,表の下段はこの接着強度を表している。ポリエステルの樹脂又はパテの場合,
接着部内の設計せん断応力は,表B.1にあるように3 N/mm2とする。したがって,準拠係数cfは,次の計
算式による。
τ
dbond 3
cf .133
avebond.224
他の接着防とう材の場合,特に木材の場合,接着の強度評価のために同じ方法を用いる。しかし,JIS F
1034-5の附属書Gで与えている防とう材の寸法では,接着部の応力は問題ではない。

――――― [JIS F 1034-6 pdf 37] ―――――

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F 1034-6 : 2020 (ISO 12215-6 : 2008)
B.4 接着幅係数kjの値
7.2.3.5で規定しているkjの値は,表B.2で計算されており,表B.1に記載の樹脂又はパテの接着部内設
計せん断応力の最初の二つの値を使う。また,ウェブに関しては,JIS F 1034-5の表C.4 a)及び表C.4 b)
の規定値を使っている。τd及びkjの値は,整数の値に四捨五入しており,baは接着の幅である。
注記 JIS F 1034-5の表H.4で,接着部におけるせん断流れ(225 N/mm)が,NA上(255 N/mm)よ
りも僅かに小さいことが確認された。また,表B.2で与えられる値が僅かに安全側に出ている
ことも確認された。
表B.2−限界及び設計接着強度
ポリエステル又はビニルエステルの樹脂,接着剤 低温硬化エポキシの樹脂,接着剤
又はパテ 又はパテ
表B.1の 接着の設計せん断応力に対するba/twの値表B.1の 接着の設計せん断応力に対するba/twの値
積層接着 層間(面外) 積層接着
7.2.3.5における接着 層間(面外) 7.2.3.5における接着
剤又はパ せん断強度 幅係数の値 剤又はパ せん断強度 幅係数の値
テの設計 JIS F 1034-5の テの設計 JIS F 1034-5の
せん断応 附属書C せん断応 附属書C
力 力
3.0 5.4
ガラス MR a) B Quad c) MR a) B Quad c) ガラス MR a) B Quad c)
MR a) B Quad c)
含有率 τd ±45 b) τd ±45 b) 含有率 τd ±45 b)τd ±45 b)
Ψ τd Ψ τd
N/mm2 N/mm2
0.35 33 59 36 11 20 12 0.35 33 59 36 6 11 7
0.40 35 63 39 12 21 13 0.40 35 63 39 6 12 7
0.45 37 67 41 12 22 14 0.45 37 67 41 7 12 8
0.50 39 70 43 13 23 14 0.50 39 70 43 7 13 8
0.55 41 74 45 14 25 15 0.55 41 74 45 8 14 8
0.60 43 77 47 14 26 16 0.60 43 77 47 8 14 9
注記 網掛欄は,計算によって得られた重要な数値である。
注a) R=マット/ロービング
b) B±45=ダブルバイアス±45°
c) uad=バランスのとれた4軸方向(0/45/90/-45)
B.5 せん断流れの概算評価
せん断流れの概算評価は,せん断力Fdをトップとボトムフランジの重心間距離で除すことによって求め
る。この方法は,予備的な計算にだけ用いることができる。
JIS F 1034-5の表H.4の例を使うと,総高さが121 mmであるので,トップの2枚のフランジの半厚さ(7/2
=3.5 mm)が差し引かれ,ボトムフランジ,プレート(10/2=5 mm)の半厚さが加わる。よって,概算評
価heqの高さは,121−3.5−5=112.5 mmとなる。概算せん断流れq(N/mm)は,次の式で求める。
d 26 950
q 240 N/mm
eq 1125.
この値は,255 N/mmでの最大値と225 N/mmの接着フランジでの値との中間となっている。
この数値は,概算評価値として用いることができる。また,1.1倍してより安全性の高い評価値として用
いることができる。

――――― [JIS F 1034-6 pdf 38] ―――――

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F 1034-6 : 2020 (ISO 12215-6 : 2008)
B.6 リベット接合
B.6.1 理論
B.3B.5の接着に関しての説明にあるように,せん断流れの計算の後,各リベットに作用する力fr(N)
は,式(B.6)によって計算する。
なお,リベット防とう材の略図を図B.2に示す。
q sr
fr = (B.6)
nr
ここに, sr : リベットの間隔(mm)
nr : 列ごとのリベットの数
ba 接着幅
be プレート接着部の有効幅
dr リベット径
h パネルの中心高さ,又は満載喫水線から防とう材中間部までの高さ
nr 列ごとのリベットの数
sr リベット間隔
ts 防とう材フランジ厚さ
図B.2−リベット防とう材略図
B.6.2 設計基準
リベットに対する力frは,リベットが伝達できる設計応力で,式(B.7),式(B.8)及び式(B.9)のうち,最も
小さい値を超えてはならない。
せん断面においてリベットに対する力frs(N)は,式(B.7)による。
τd πrd 2
frs (B.7)
4
防とう材ボトムフランジにおいてリベットが受けるベアリング力frbstiff(N)は,式(B.8)による。
frbstiff=1.8×σd×dr×ts (B.8)
プレート側においてリベットが受けるベアリング力frbplate(N)は,式(B.9)による。
frbplate=1.8×σd×dr×tp (B.9)
ここに, dr : リベット径(mm)
τd : JIS F 1034-5による防とう材リベットの設計せん断応力

――――― [JIS F 1034-6 pdf 39] ―――――

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F 1034-6 : 2020 (ISO 12215-6 : 2008)
(N/mm2)
σd : JIS F 1034-5による防とう材の設計引張応力(N/mm2)
ts : 防とう材フランジの板厚(mm)
tp : プレート板厚(mm)
B.6.3 試算例
表B.3及び表B.4に示す試算例は,3 mm厚のアルミニウム防とう材がリベットで4 mm厚プレートに接
合し,両部材の材質はEN AW-5083 H111で,リベットはEN AW-5383 H34(JIS F 1034-5の表F.1参照)で
作る。
表B.3−リベット接合の計算
主要データ リベットの分析 防とう材フランジの分析
せん断流れq 100.0 N/mm リベットせん断 70.7 N/mm2 − − −
応力τ
リベット直径 6 mm せん断準拠係数 1.07 − − − −
τd/τ
リベット間隔 40 mm ベアリング厚さ 3.0 mm ベアリング厚さ 3.0 mm
列ごとのリベッ 2 − リベットベアリ 111 N/mm2 フランジベアリ 111 N/mm2
トの数nr ング応力 ング応力
要求強度/ 2000 N ベアリング 2.12 − ベアリング 1.83 −
リベット 準拠係数σdb/σ 準拠係数σdb/σ
表B.4−JIS F 1034-5の表F.1に基づいたリベット及びプレートの機械的性質
特性 リベット材料EN AW-5383 H34 防とう材材料EN AW-5083 H111
引張り σdリベット 131 N/mm2 σdリベット 113 N/mm2
せん断 τdリベット 76 N/mm2 τdリベット 65 N/mm2
ベアリング 236
σdbリベット=1.8σdリベット N/mm2 σdbリベット=1.8σdリベット
203 N/mm2
この例では,せん断流れの重要性によって,2列の6 mm径リベットを要求している。制限条件は,リ
ベットのせん断応力が準拠係数で1を上回ることである。
なお,ベアリング条件は重要ではない。

――――― [JIS F 1034-6 pdf 40] ―――――

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JIS F 1034-6:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 12215-6:2008(IDT)

JIS F 1034-6:2020の国際規格 ICS 分類一覧

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