JIS F 7201:2020 船用こし器―使用基準

JIS F 7201:2020 規格概要

この規格 F7201は、船舶の油,水,蒸気などの管系に用いるこし器の使用基準について規定。

JISF7201 規格全文情報

規格番号
JIS F7201 
規格名称
船用こし器―使用基準
規格名称英語訳
Shipbuilding -- Application of strainers
制定年月日
1982年9月1日
最新改正日
2020年9月23日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

47.020.30
主務大臣
国土交通
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1982-09-01 制定日, 1988-01-05 確認日, 1989-06-15 改正日, 1994-04-01 改正日, 1996-12-25 改正日, 2002-05-07 確認日, 2007-09-18 確認日, 2012-10-31 確認日, 2017-11-20 確認日, 2020-09-23 改正
ページ
JIS F 7201:2020 PDF [9]
                                                                                   F 7201 : 2020

pdf 目 次

ページ

  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 使用基準・・・・[1]
  •  4 こし器の機能別形状及び使用方法・・・・[1]
  •  4.1 単式こし器・・・・[1]
  •  4.2 複式油こし器・・・・[2]
  •  4.3 Y形こし器・・・・[2]
  •  4.4 マッドボックス・・・・[2]
  •  4.5 ローズボックス・・・・[2]
  •  5 こし器の系統別適用方法・・・・[2]
  •  5.1 油管系・・・・[2]
  •  5.2 水管系・・・・[3]
  •  5.3 貨物油管系・・・・[3]
  •  5.4 蒸気及び空気管系・・・・[3]
  •  5.5 JIS船舶部門のこし器関係規格制定範囲・・・・[4]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS F 7201 pdf 1] ―――――

           F 7201 : 2020

まえがき

  この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人
日本船舶技術研究協会(JSTRA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正すべきとの申出があり,
日本産業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本産業規格である。これによって,JIS F
7201:1996は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。国土交通大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS F 7201 pdf 2] ―――――

                                      日本産業規格                            JIS
F 7201 : 2020

船用こし器−使用基準

Shipbuilding-Application of strainers

1 適用範囲

  この規格は,船舶の油,水,蒸気などの管系に用いるこし器(以下,こし器という。)の使用基準につい
て規定する。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 2401-1 Oリング−第1部 : Oリング
JIS B 2401-2 Oリング−第2部 : ハウジングの形状·寸法
JIS B 2401-3 Oリング−第3部 : 外観品質基準
JIS F 7121 船用筒形水こし
JIS F 7202 船用複式油こし
JIS F 7203 造船−機械室及び軸室ビルジ用マッドボックス設計の一般特性
JIS F 7206 造船−ローズボックス
JIS F 7207 船用油こしの金網の使用基準
JIS F 7208 船用H形油こし
JIS F 7209 船用単式油こし
JIS F 7220 船用鋳鉄Y形こし
JIS F 7225 船用鋼板製単式油こし

3 使用基準

  こし器の管系統別の使用基準は,次による。
a) 油管系は,表1による。
b) 水及び貨物油管系は,表2による。
c) 蒸気及び空気管系は,表3による。

4 こし器の機能別形状及び使用方法

4.1 単式こし器

  主として,水,油などのポンプの吸入側に使用する。こし器本体の種類は,S形,LA形及びLB形とし,
S形は配管直線部に,LA形及びLB形は配管曲がり部に使用する。また,水こし器については,更にLC
形及びLD形の配管曲がり部に使用する。

――――― [JIS F 7201 pdf 3] ―――――

           2
F 7201 : 2020
こし筒の形状は,かご形で,主として水関係に使用するものは多孔鋼板製のこし筒,油関係に使用する
ものは多孔鋼板製こし筒に金網を張り,磁石を装備できるようにする。

4.2 複式油こし器

  主として,油ポンプの吐出し側に使用する。こし筒は掃除する場合,運転中の機器を停止することなく,
切換え使用が容易に行えるよう本体に切換え用コック又はバルブを組み込んだ一体形とする。こし器本体
の種類はH形及びU形とし,H形は配管直線部に,U形は直線配管が困難な箇所に使用する。
こし筒の形状は,多孔鋼板製のかご形とし,これに金網を張り,磁石を装備できるようにする。

4.3 Y形こし器

  主として,蒸気,空気などの管系に使用する。こし筒は筒形で,金網製又は小径の多孔鋼板製とする。
こし筒の取出しは,こし器の底部から行う。

4.4 マッドボックス

  ビルジだめのビルジ吸引配管に使用する。本体の種類は,S形及びL形とし,S形はビルジ主管系用に,
L形はストレートテイルパイプに使用する。
こし板は2枚の多孔鋼板製とし,V形に組み込んで使用する。

4.5 ローズボックス

  船倉,ボイドスペースなどのビルジ吸引管端部に使用する。
形状は多孔鋼板製の角形で,組立てピンを外すことによって二つ割りに分解できる構造とし,容易に掃
除ができるものとする。

5 こし器の系統別適用方法

5.1 油管系

  油管系に適用する場合は,次による。
a) こし器の金網の網目は,JIS F 7207による。
b) 正味通過面積比は,金網のメッシュとこし筒の通過面積比との関係を考慮して,こし器ごとに決定す
る。
c) IS船舶部門に規定されている“油こし器”に適用する金網のメッシュは,最大250メッシュ程度で
あり,150250メッシュの金網を使用する場合は,メッシュの数値に応じて金網の強度,通過面積比
などを考慮して,こし器本体及びこし筒は,1段階以上大きい呼び径のものを選定することが望まし
い。
d) 本体用蓋に使用するOリングは,JIS B 2401-1,JIS B 2401-2及びJIS B 2401-3の規定による。ただし,
流体温度80 ℃を超えて使用する場合は,JIS B 2401-1,JIS B 2401-2及びJIS B 2401-3のFKM-70(4
種D)にすることが望ましい。
e) 磁石は,配管内に残存する鉄粉などによる機器のしゅう動回転又は運動部の損傷防止を目的として,
こし器に取り付けることが望ましい。
f) 高メッシュ(250メッシュ以上又は50 μm以下)の油こし器の使用は,次による。
1) こし器の目詰まりの目安 油こし器(単式及び複式)の目詰まりは,こし筒,こし網の構造を考慮
して,こし器出入口の差圧が0.05 MPa0.07 MPaを目安に,使用者は清掃又はクリーンのこし筒に
交換することが望ましい。
2) 差圧計又は高差圧警報装置の設置 機器のしゅう動回転又は運動部への潤滑油,燃料油管系に装備
され,特に重要と考えられる油こし器(主潤滑油2次,クロスヘッド潤滑油2次,カム軸潤滑油2

――――― [JIS F 7201 pdf 4] ―――――

                                                                                             3
F 7201 : 2020
次,主機械燃料油2次及び3次,発電機械燃料油2次及び3次など)については,機器の損傷事故
を防止するため,使用者は出入口差圧計,差圧計及び注意銘板,又は高差圧警報装置を,図1のと
おり装備することが望ましい。
差圧計 差圧計及び注意銘板 高差圧警報装置
高差圧圧力
警報装置
注意銘板
図1−差圧計又は高差圧警報装置の設置例
3) 複式油こし器のコック栓切換え操作 複式油こし器のコック栓切換えは,コック栓持ち上げ操作時
に入口から出口への短絡が考えられるため,できるだけ素早く行うことが望ましい。

5.2 水管系

  水管系に適用する場合は,次による。
a) 海水系統に使用するこし器の内面は,使用する管系と同じさび止めを行うことが望ましい。
b) 電食防止などの目的で,こし器本体及び蓋の内面にライニング又はコーティングを施す場合には,プ
ラグねじ部にはライニング又はコーティングができないので,プラグねじ部の代わりに本体外ねじ式
キャップ形とするか,又はフランジ形とすることが望ましい。
c) 海水系統に使用するこし筒の穴径は,チューブ式冷却器を使用の場合,チューブ内径がこし筒穴径8
mmより大きいので問題ないが,プレート式冷却器の場合には,プレート間隔より小さい穴径とする。
また,穴径が小さくなるとさび止めが完全にできないので,ステンレス鋼板を使用することが望まし
い。
d) ビルジ管系に使用するこし器は,ビルジポンプ及びビルジセパレータ保護のため,こし筒には金網を
張ることが望ましい。また,金網のメッシュは,機器製造業者の推奨値及びJIS F 7207を参照して決
定することが望ましい。
e) 清水管系に使用するこし器は,主としてポンプの吸入及び飲料水配管に装備するため,こし筒には金
網を張り,固形物を除去することが望ましい。
f) ビルジ及び清水管系に金網張りのこし筒を使用する場合のこし器は,単式油こしを使用することが望
ましい。また,さび止めは配管系と同じ処理を行うことが望ましい。

5.3 貨物油管系

  貨物油管系に適用する場合,こし筒は大形固形物の除去を目的とするため,こし筒穴径は10 mm程度で,
金網は張らないことが望ましい。

5.4 蒸気及び空気管系

  蒸気及び空気管系に適用する場合,減圧弁·調整弁の入口側に使用するこし器は,バルブの性能保持の
面から,製造業者の標準品が多く使用されているので,表3に示すJIS船舶部門のこし器は,発注する際
の参考とすることが望ましい。

――――― [JIS F 7201 pdf 5] ―――――

次のページ PDF 6

JIS F 7201:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS F 7201:2020の関連規格と引用規格一覧