JIS F 9605:2006 船舶及び海洋技術―真船首方位信号伝達装置 | ページ 3

                                                                                              9
F 9605 : 2006
する。
次に,マスターコンパスを12時間以上7日以下の間停止させ,再び初期船首方位誤差(東側に)を30°
以上与えた状態から起動させて,静止点船首方位を測定する。
こうして得られた静止点船首方位の三つの値の中の,任意の二つの値が0.35° ×緯度のセカント(secant
latitude)を超えてはならない。
備考 この試験が6.1.3の試験に続いて行われる場合には,6.1.3で得た“静止点船首方位の値”をこ
の再現性試験で要求される最初の値として使用することができる。ただし,2番目の“静止点
船首方位の値”が,12時間以上7日以下の間停止させた後の値であることが条件である。
6.1.5 動揺試験台上における静定時間 マスターコンパスは,動揺試験台上に設置される場合,その船首
尾線が動揺試験台の一つの動揺軸と平行になるように設置しなければならない。この動揺軸をロール(roll)
軸と定める。第1の軸と水平面内で直角なもう一つの動揺軸は,ピッチ(pitch)軸と定める。
動揺試験台に次に示す単弦の動揺運動を与えながら,製造業者の指示書に従ってコンパスを起動させる。
− ロール(roll)軸方向 : 最大振幅5±1°,周期15±1秒。
− ピッチ(pitch)軸方向 : 最大振幅5±1°,周期6±1秒。
3.15で定義した静定時間が5.1.3.1に規定する要件に適合しなければならない。
備考 静定の状態を決定するTHDの読みは,動揺試験台の動揺を停止させて実質的に水平のとき,
動揺試験台の運動を再開する前に,あまり遅れがないように読み取ってもよい。
6.1.6 動揺試験台上試験 マスターコンパスは,固定した実質的に水平であって,ロール(roll)軸が南
北に対して±1° 以内にある状態の動揺試験台上で静定させられなければならない。
コンパスの船首尾線は動揺試験台のロール(roll)軸に対して±1° 以内に向けられていなければならな
い。
次に示す実質的な単弦の運動を,動揺試験台の3軸に同時に25分間加えなければならない。
− ロール(roll)軸方向 : 最大振幅20±2°,周期10±1秒。
− ピッチ(pitch)軸方向 : 最大振幅10±2°,周期6±1秒。
− ヨー(yaw)軸方向 : 最大振幅5±1°,周期15±1秒。
25分経過後,動揺試験台の運動を止めて台を元の位置に戻し,直ちにTHDの船首方位を記録する。
この試験は,動揺試験台のロール(roll)軸を45±1°,90±1° 及び315±1° に向けて繰り返す。これら
の各方位において,コンパスの静止点船首方位が台の運動を開始する前に測定しなければならない。また,
運動直前の静止点船首方位と運動終了後の船首方位との間に指示値の変化がある場合,すべて運動による
誤差として記録されなければならない。
この4回の各試験において,運動による誤差は,±1.5° ×緯度のセカント(secant latitude)未満でなけ
ればならない。
この試験中に加えられる水平加速度は,1 m/s2を超えてはならない。
6.1.7 隅点方向運動試験 マスターコンパスを,水平面内の運動成分の最大加速度が1.0±0.1 m/s2である
ような単弦運動を起こすことができる装置に固定しなければならない。この装置の水平面内における運動
の方向は,隅点方向に対して±3° としなければならない。
上記のように設置して,マスターコンパスを静定(3.15参照)させ,その静止点船首方位を装置が安定
な水平状態のもとで測定する(3.16参照)。次に装置に先に述べたような最大加速度1.0±0.1 m/s2をもった
周期3秒以上の運動を2時間加える。この運動中に記録したTHDの船首方位と運動前の静止点船首方位
との差は,すべて運動によるものと考えられる。

――――― [JIS F 9605 pdf 11] ―――――

10
F 9605 : 2006
この差は,±1.5° ×緯度のセカント(secant latitude)を超えてはならない。
備考 運動中に記録したTHDの船首方位は,加えられた運動の周期と等しいか又はそれより高い周
期における変調分はすべて無視されなければならない。
6.1.8 出力精度試験
6.1.8.1 水平な回転台上のマスターコンパスを10°/秒以下の速さで回転させ,少なくとも5° ごとにTHD
の出力と回転台の角度を読み取る。
最大追従誤差は,5.1.3.4で規定される要件に適合しなければならない。
6.1.8.2 水平な回転台上のマスターコンパスを20°/秒以下の速さで回転させ,少なくとも5° ごとにTHD
の出力と回転台の角度を読み取る。
最大追従誤差は,5.1.3.4で規定される要件に適合しなければならない。
6.1.9 速度誤差修正試験 マスターコンパスを水平で安定した基台の上に設置し,コンパスの船首尾線を
南北方向に向けた状態で,マスターコンパスを静定させ,静止点船首方位を記録する。
30 knの速度信号をジャイロコンパスに与え,静定させる。
こうして得た静止点船首方位と最初に記録した値との差は,0.35° ×緯度のセカント(secant latitude)以
内で試験場所の緯度に関して理論的に計算した値と一致しなければならない。
6.1.10 一般必要条件試験
6.1.10.1 一般 一般必要条件試験において,加えるべき特定の環境状態でないときに得られた静止点船首
方位を基準値として,静止点の変動を測定する。
6.1.10.2 電圧変動試験 電源電圧を公称値の10 %高い電圧にして3時間加え,その間THDの船首方位を
20分間隔で記録する。次に,電源電圧を10 %低い電圧にして3時間加え,同様に20分間隔でTHD船首
方位を記録する。
記録した船首方位はすべて,初めの基準値から1.5° ×緯度のセカント(secant latitude)以下でなければ
ならない。
6.1.10.3 周波数変動試験 電源周波数を公称周波数の5 %高い周波数にして3時間加え,その間THDの
船首方位を20分間隔で記録する。次に,電源周波数を公称周波数の5 %低い周波数にして3時間加え,
同様に20分間隔でTHD船首方位を記録する。
記録した船首方位はすべて,初めの基準値から1.5° ×緯度のセカント(secant latitude)以下でなければ
ならない。
6.1.10.4 振動試験
6.1.10.4.1 マスターコンパスの振動試験 この試験の間,マスターコンパスの基線は,子午線に対して+
30° ±1° の方向としなければならない。
マスターコンパスに,次に示す振動を加える。振動方向を,次のように3種類変えて試験を行う。
a) 子午線に対して+30±1° の方向で水平方向の振動。
b) 子午線に対して−60±1° の方向で水平方向の振動。
c) 鉛直方向の振動。
いずれの場合にも,コンパスをまず静定させ,次に最低周波数の振動を適切な振幅を保持しながら25
分間加える。この後,周波数及び振幅を表1に示す値に変えて25分間加える。この手順を全部の周波数範
囲が終わるまで続ける。

――――― [JIS F 9605 pdf 12] ―――――

                                                                                             11
F 9605 : 2006
表 1 周波数及び振幅
周波数 Hz 振幅 mm
5 ±0.71
7 ±0.71
10 ±0.71
14 ±0.63
20 ±0.31
28 ±0.16
40 ±0.08
船首方位の指示値を各試験時間の終わりに記録し,記録された船首方位と基準の静止点船首方位との差
はすべて1.5° ×緯度のセカント(secant latitude)以下でなければならない。
備考 振動装置に起因する電磁界によって,装置の性能に及ぼす悪影響を減少又は無効にする対策が
講じられてもよい。
6.1.10.4.2 マスターコンパス以外のコンパス装置の振動試験 この装置は,構成要素として何らかの緩衝
装置を完備した状態で,振動台上に正常の支持方法で固定する。次に,マスターコンパスに正常の電気的
構成で接続する。マスターコンパスを製造業者の指示書に従って起動させ,静止点船首方位を測定し記録
する。
振動台上に設置した装置に25分間以上かけて,次に示す範囲の全周波数で鉛直振動を加える。
a) 周波数が513.2 Hzで振幅が1.0 mm。
b) 周波数が13.240 Hzで最大加速度が0.7×9.8 m/s2。
このすべての手順は,その装置を水平方向の互いに直角な二つの方向で振動させて反復する。
この一連の試験のいずれの場合にあっても,電気的又は機械的な損傷が生じてはならない。
指示された船首方位は,各試験時間の終わりに記録される。
この記録された船首方位の基準の静止点船首方位との差は,1.5° ×緯度のセカント(secant latitude)以
下でなければならない。
6.1.10.5 温度試験 コンパス装置を常温の恒温槽内に置き,起動して静定させる。静止点船首方位を読み
取り記録する。次に,恒温槽内の温度を45±2 ℃まで上げて3時間保持し,この後THDの船首方位の指
示を記録する。その後,恒温槽の温度を0±2 ℃にして3時間保持し,この後THDの船首方位の指示値を
記録する。記録したいずれの船首方位指示値も,基準の静止点船首方位との差が,1.5° ×緯度のセカント
(secant latitude)以下でなければならない。
備考 恒温槽内の温度を変える場合,その変化の早さは1時間当り45 ℃を超えてはならない。
6.1.10.6 高湿高温試験 コンパス装置を常温及び常湿の恒温槽内に置き,起動し静定させる。静止点船首
方位を読み取り記録する。次に,3±0.5時間かけて恒温槽内の温度及び相対湿度を,それぞれ40±2 ℃及
び93±3 %まで徐々に上げ,その状態を3±0.5時間保持する。
試験終了時のTHDの船首方位の指示値と基準の静止点船首方位との差は,1.5° ×緯度のセカント(secant
latitude)以下でなければならない。
6.1.11 電磁干渉試験 電磁的干渉及びイミュニティに関して,装置はJIS F 0812に関連付けられるIMO
決議A.694 (17) 及びJIS F 8081に関連付けられるIMO決議A.813 (19) に適合しなければならない。
6.1.12 故障試験 4.1.8で要求される可視可聴警報は,次の試験手順によって試験しなければならない。
− 誤動作試験 : 製造業者によるセルフチェック機能を使用する。

――――― [JIS F 9605 pdf 13] ―――――

12
F 9605 : 2006
− 主電源故障時 : 主電源をオフにする。
どのような状態でも警報を出力することを確認する。

6.2 地磁気原理

6.2.1  一般 型式試験は,関連する機器が市場に出る前に実施しなければならない。型式試験としては,
新しい装置だけが認められる。
THDは,精度の関係でセンサ部が接続された状態で試験しなければならない。
センサ部が伝達部に含まれる形で設計されている場合,あわせて試験しなければならない。
この規格に特に規定していない場合,すべての試験はJIS F 0812の要件に従って実施しなければならな
い。
静的磁場での試験は,認可された検査室で実施しなければならない。
証明書の複製は,要求に応じて発行しなければならない。
それらは“複製”であると明らかに表示しなければならない。
THDは,センサ部を接続した状態で精度を試験しなければならない。センサ部が伝達部に含まれる形で
設計されている場合,試験は,すべての装置で実施しなければならない。
6.2.2 伝達誤差試験 回転試験台の上で,出力が000.0を示すまでTHDの方位を調節し,スタンドを10°
ゆっくり回転する。伝達部の出力の読みは5.2.1の条件を満足しなければならない。
6.2.3 船首尾マークの試験 磁気コンパス方式のTHDにおいて試験は,鉛直線を使用し,コンパスをビ
ナクル内に取り付け,回転試験台上で実施してもよい。電子磁気コンパス方式のTHDにおいては,試験
は目視検査又は電気式測定によって確かめなければならない。試験結果は,4.2.3で規定する要件を満足し
なければならない。
6.2.4 船首方位情報試験 6.2.5.1の静的誤差試験と同様に試験を実施し,出力船首方位の読み値を確認す
る。
試験結果は,4.2.4の要件を満足しなければならない。
6.2.5 静的誤差試験
6.2.5.1 磁気コンパス方式のTHD 静的誤差は,ピックアップセンサを除いたコンパスに適用される。
THDのピックアップセンサは,カード方位への影響がどのような方位においても1.0° を超えないよう
に取り付けなければならない。
試験は,コンパス試験台の上で実施しなければならない。
回転軸を通る見通しの鉛直面をあらかじめ磁気子午線に合わせ,コンパスカードの回転中心を試験台の
回転軸に持ってきた後,静的誤差は,テレスコープ又は他の適切な手段によってカードの目盛で読むこと
ができる。
この測定は,少なくとも四方の船首方位で行わなければならない。静的誤差は,±1.0°(95 %)以内で
なければならない。
6.2.5.2 電子磁気コンパス方式のTHD センサハウジングの船首尾線を試験台の中心と北を向くゼロ線
を通る線へ運んだ後,静的誤差は回転角と出力方位とを比較することによって読むことができる。
この測定は,少なくとも四方の船首方位で行わなければならない。
試験結果は,5.2.2の要件を満足しなければならない。
6.2.6 追従誤差試験 試験台に磁気センサを設置し,20°/秒の速度で台を回転する。
出力方位の読みは,5.2.4で規定する要件を満足しなければならない。

――――― [JIS F 9605 pdf 14] ―――――

                                                                                             13
F 9605 : 2006
6.2.7 静定時間試験 カードがある場合は,90° 偏向してそこで少なくとも10秒間保持し,次に解除す
る。最終的に磁気子午線の1° 以内に戻るのに必要な時間は,5.2.5で要求される値を超えてはならない。
そして反対側で繰り返し,平均する。
6.2.8 磁気偏差による磁気船首方位を改正するための試験 表示器の上に磁気船首方位を示した後,2又
は3の磁気偏差の値を手動又は自動でシステムに入力したとき,表示されたすべての真方位は,5.2.6の要
件の精度内でなければならない。
船位決定装置を含むシステムで,システムを磁場が乱されない位置に移動した後に,その中心から船首
尾マークの方向が,真方位の判明している遠方物標と一致するように回転しなければならない。
真船首方位は,5.2.6の要件の精度内で一致しなければならない。
6.2.9 自差修正能力試験 センサ部は,試験台の上に置き,北又は南に合わせる。
指北装置の近くに合理的に均等な磁界を作るため,十分離れて外部磁力を加え,(720/H)° の自差が得ら
れるようにする。この自差は,磁石によって修正される。
試験結果の自差は,5.2.7.1の要求値を超えてはならない。
この試験は,東及び/又は西にも向けて繰り返し行わなければならない。係数Dの自差の量は,コンパ
スビナクルを試験台に置き,四隅点針路に向け,修正具の付け外しによって,確認することができる。電
子磁気コンパス方式のセンサでは,5.2.7.1に規定する修正されるべき係数Dの最大値は,四隅点針路にお
いて,係数Dの補正スイッチを入・切することによって測定する。
試験結果は,5.2.7.1の要求を満足しなければならない。
6.2.10 垂直軟鉄による自差修正の試験 フリンダースバー装置がTHDに提供されるとき,それらは目視
によって確認しなければならない。
6.2.11 動的精度 試験台にセンサ部を固定し,動的試験は,次の最大振幅及び周期で実施しなければなら
ない。また,船首方位を記録しなければならない。
− ロール(roll)軸方向 : 最大振幅20±2°,周期10±1秒。
− ピッチ(pitch)軸方向 : 最大振幅10±2°,周期6±1秒。
− ヨー(yaw)軸方向 : 最大振幅5±1°,周期15±1秒。
5分間の継続試験の終わりにおいて記録された方位の平均は,元の方位の±1.5° 以内でなければならな
い。試験結果は,5.2.3の要件を満足しなければならない。
6.2.12 更新周期試験 方位の出力周期を観測し,それが50 msに1回であることを確認しなければならな
い。
6.2.13 電磁干渉試験 電磁的干渉及びイミュニティに関して,装置はJIS F 0812に関連付けられるIMO
決議A.694 (17) 及びJIS F 8081に関連付けられるIMO決議A.813 (19) に適合しなければならない。
6.2.14 故障試験 4.2.7で要求される可視可聴警報は,次の試験手順によって試験しなければならない。
− 誤動作試験 : 製造業者によるセルフチェック機能を使用する。
− 主電源故障時 : 主電源をオフにする。
どのような状態でも警報を出力することを確認する。

6.3 GNSS原理

6.3.1  一般 THDは,センサ部を接続し精度を試験しなければならない。センサ部が伝達部に含まれる
ように設計されたものは,装置全体で試験しなければならない。製造業者は,明確に伝達誤差の構造を記
載しなければならない。

――――― [JIS F 9605 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS F 9605:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 22090-1:2002(MOD)
  • ISO 22090-2:2004(MOD)
  • ISO 22090-3:2004(MOD)

JIS F 9605:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS F 9605:2006の関連規格と引用規格一覧